特集 「交通安全対策の歩み~交通事故のない社会を目指して~」

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特集 「交通安全対策の歩み~交通事故のない社会を目指して~」

はじめに

平成30年中の道路交通における交通事故死者数は3,532人と,現行の交通事故統計となった昭和23年以降で最少となった。過去最多であった昭和45年の死者数(1万6,765人)と比較すると約5分の1となり,また,平成の30年間だけに限っても,3分の1以下と大きく減少した。

平成の時代,特に後半は,交通事故が大きく減少した時代ということができる。このことは,昭和45年に制定された交通安全対策基本法(昭45法110)に基づき,5か年ごとに交通安全基本計画を作成し,警察をはじめ道路行政,自動車行政,学校教育等政府全体で取り組んできたことはもとより,関係機関・団体・民間企業等の取組,地域における日々の交通安全の取組の成果である。

今回の特集では,交通安全対策という観点から,平成の時代,特に「第2次交通戦争」と呼ばれた平成4年頃から今日に至る期間に着目し,交通事故が減少してきた背景となる主な要因を中心に,新しい時代の交通安全の取組のための課題を整理する。

特集-第1図 交通事故死者数,交通事故発生件数,負傷者数の推移。事故発生件数、負傷者数は、平成の前半では増加したが後半では減少している。死者数(24時間)は、平成を通じて減少している
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