特集 「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策について」

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特集 「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策について」

はじめに

国,地方公共団体はもとより,関係機関・団体・民間企業等が一体となって取り組んできた交通安全の諸施策,地域における日々の交通安全の取組の成果により,令和元年中の道路交通における交通事故死者数は3,215人と,過去最多であった昭和45年の死者数(1万6,765人)と比較すると5分の1以下に減少し,現行の交通事故統計となった昭和23年以降で最少となった。

一方で,高齢運転者による事故,子供が犠牲となる事故が相次いで発生している。政府においては,高齢運転者対策については,平成28年11月の「高齢運転者による交通事故防止対策に関する関係閣僚会議」における総理指示を受け,対策を進めてきたが,痛ましい事故はいまだ後を絶たない。加えて,次世代を担う子供のかけがえのない命を交通事故から守っていくことも重要である。そのためにも,保育所や自治体等の関係者が連携することで,地域や社会全体で子供を見守っていくことが必要である。

令和元年5月21日に開催された「昨今の事故情勢を踏まえた交通安全対策に関する関係閣僚会議」において総理から受けた指示を基に,以下を基本として,6月,緊急に対応すべき施策を始め重点的に取り組むべき施策を「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」として取りまとめ,これを推進してきたところである。

① まず,緊急に取り組む対策として,子供を交通事故の被害から守るため,未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路等の安全確保を早急に進める。

② 次に,安全運転サポート車の普及や運転免許証の自主返納者への各種支援策の広報・啓発など「高齢者の安全運転を支える対策」については,これまでも取り組んできたが,これらを一層加速させる。

③ さらに,免許返納後の高齢者の移動の足となる公共交通の利用環境の改善,最新の自動運転技術を取り入れた新しいモビリティの活用等の「高齢者の移動を伴う日常生活を支える取組」について,大胆に取り組む。

本特集では,未就学児を始めとする子供が関係する交通事故及び高齢運転者による交通事故についてその状況や特徴を分析するとともに,「緊急対策」の主な進捗状況について記述する。

内閣総理大臣が挨拶している写真
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