別添参考
参考-2 海外の交通事故発生状況
1 概況(第1図,第2図,第3図)
国際道路交通事故データベース(IRTAD)がデータを有する30か国について,人口10万人当たりの死者数を比較すると,我が国は2.7人(2020年)であり,第6位に位置している。我が国と主な欧米諸国(スウェーデン,フランス,イギリス,ドイツ及びアメリカ(以下,同じ))の人口10万人当たりの交通事故死者数の推移を比較すると,アメリカ以外は減少傾向にあることや,アイスランドでは人口が少ないため,年ごとに大きく変動していることが伺え,我が国では2011年と比較して2020年の人口10万人当たりの交通事故死者数は1人以上減少している。また,我が国の人口10万人当たりの重傷者数は,22.0人(2020年)である。
2 状態別交通事故死者数の状況(第4図)
我が国と主な欧米諸国の状態別交通事故死者数の状況をみると,歩行中の死者数の構成率については,我が国が他国より10ポイント以上高い。自転車乗用中の死者数の構成率については,我が国が最も高く,続いてドイツも15%以上を占めている。また,乗用車乗車中の死者数の構成率は,我が国が他国より10ポイント以上低い。
3 年齢層別交通事故死者数の状況(第5図)
我が国と主な欧米諸国の年齢層別交通事故死者数の状況をみると,いずれの国でも0~14歳の年齢層別人口構成率(11.9%~18.5%)と比較して,0~14歳の年齢層別交通事故死者数の構成率は10ポイント以上低く,65歳以上の年齢層別人口構成率(16.5%~28.5%)と比較して,65歳以上の年齢層別交通事故死者数の構成率は高い。特に我が国では,65歳以上の年齢層別人口構成率28.5%に対し,年齢層別交通事故死者数の構成率は57.7%とその差は約30ポイントであり,主な欧米諸国と比べて差が大きい。
4 年齢層別・状態別交通事故死者数の状況(第6図)
我が国と主な欧米諸国の年齢層別・状態別交通事故死者数の状況をみると,0~14歳の年齢層については,我が国では歩行中の死者数の構成率が5割を超えており,イギリスの構成率と類似している。また,イギリスを除く他国では,乗用車乗車中の死者数の構成率が高い傾向にある。15~24歳の年齢層については,どの国でも他の年齢層と比較して歩行中の死者数の構成率が最も低い。25~64歳の年齢層については,我が国の乗用車乗車中の死者数の構成率は他国と比較すると低い。65歳以上の年齢層については,我が国の歩行中と自転車乗車中を合わせた死者数の構成率が5割を超えており,他国と比較して高い。
5 自動車走行10億キロメートル当たり交通事故死者数の状況(第7図,第8図)
我が国と主な欧米諸国の自動車走行10億キロメートル当たり交通事故死者数の状況をみると,小さい順にスウェーデン,イギリス,ドイツ,フランス,日本,アメリカの順となっている。また,推移をみると,我が国では2011年と比較して2019年の自動車走行10億キロメートル当たり交通事故死者数は約2.5人減少しており,6か国の中では減少幅が最も大きい。