別添参考
参考-4 令和4年度交通安全ファミリー作文コンクールの最優秀作

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○小学生の部 最優秀作〈内閣総理大臣賞〉

「やさしいおうだん歩道の作り方」

愛媛県愛媛大学教育学部附属小学校 2年 大近 伊熙

ぼくのいえの前にはおうだん歩道がある。このおうだん歩道はすごくべんりだ。ここをわたるとすぐにぼくの大すきなうんていの公園があるし、妹のようち園のバスのりばもある。でも、このおうだん歩道はちょっときけんだ。なぜなら信号きがないからだ。信号きがないから、ビュンビュン走る車がなかなかとまってくれない。車にぶつかったら一かんのおわりだ。むこうへわたるのは一くろうなのだ。お父さんが、

「伊熙だけや子どもだけではぜったいわたったらいかん。」

と言っているくらいきけんだ。

おとうさんといっしょにわたる時も、右を見て、左を見て、また右を見て車がとまってくれるまでまつ。手を上げないと車がぜんぜんとまってくれないおうだん歩道なのだ。

このべんりだけどきけんなおうだん歩道の近くには、時どきけいさつかんがきてくれる。

白バイにのったけいさつかんだ。

「手をあげて気をつけてわたるんだよ。」

と手をふってくれた。ぼくや妹がおうだん歩道を安全にわたれるようにまもってくれているってお母さんがおしえてくれた。

ぼくが車にのっていてしんごうきのないおうだん歩道を見つけた時は、わたりたい人がいないかようく見るのがやくそくだ。おうだん歩道の近くに人が立っていると、お母さんは「あの人はわたるのかな?立ちどまっているだけかな?」

と、とまるかすすむかまよってしまうみたいだ。ぼくは、おうだん歩道の前で手をあげていると「わたりたいよ!」とつたわりやすいことをはっ見した。だからけいさつかんもお父さんもおうだん歩道は手をあげてわたりなさいっておしえてくれたんだ。

それからは、ぼくと、お母さんと、妹と三人はおうだん歩道の前で手をあげる。妹は、右手も左手もあげている。お母さんがわらいながら車がとまってくれるのをまつ。手を元気にあげると、きけんなおうだん歩道だけど車がいっぱいとまってくれる。とまってくれた車のうんてん手さんにありがとうってにっこりおれいを言うと、うんてん手さんもにっこりしてくれる。わたらせてくれてありがとう!のうれしい気もちになる。

お父さんに、きけんなおうだん歩道は手をあげてわたるとすごくやさしいおうだん歩道になるってことをおしえてあげた。お父さんも手をあげれば車がやさしいおうだん歩道を作ってくれるからね。

ぼくは、これからもおうだん歩道をわたる時は車をよく見て、手を元気にあげてわたろうと思う。いつでも車がにっこりとまってくれるおうだん歩道をみんなでたくさん作りたい!

○中学生の部 最優秀作〈内閣総理大臣賞〉

「交通安全啓発ポスター」

岡山県岡山市立岡山中央中学校 2年 渡邊 陽和

私は四人姉妹です。夏休みに入ると、四人のうち少なくとも一人が「交通安全啓発ポスター」を一生懸命描きます。

まず、ポスターに描く題材について、家族会議が開かれます。家族それぞれが怖い思いをした経験や、目撃した危険行為について真剣に討論します。私たち四人姉妹は年齢が幅広いのに加え、親も話し合いに参加するため、徒歩通学、自転車通学、電車通学、車通勤など違った場面での様々な危険行為を目の当たりにします。

このように話し合いを進め、たくさん出た意見の中から自分が一番危ないと思った行為への啓発を題材にしポスターを描いていきます。そして、それを伝えたい相手を想いながら標語、絵、構図を考えます。悩みに悩んで何日もかけて描き上げるのです。

「スマホを操作しながらの運転」、「飲酒運転」、「信号無視」、「歩行者妨害」など私たちはたくさんの交通安全啓発ポスターを描いてきました。

しかし私たちはふと、私たちが真剣に取り組んで完成させたこのポスターは、車を運転する大人たちの心に届いているのだろうか。そして、このポスターによって交通違反や交通事故は減ったのだろうか。と思ったのです。

私の家は大きな交差点と大通りに面している関係で、登下校の時にたくさんの車がパトカーに追いかけられるのを目撃し、夜中にはパトカーのサイレンの音がうるさいほどに聞こえてきます。交通ルールを守らない人がなんと多いことかと実感する毎日です。

そして、私たちはまた家族会議を開き、交通違反を止めるため、この鳴りひびくパトカーのサイレンを止めるためにはどうしたらいいのかと話し合いました。

そして私たちは考えました。大人たちは私たちがこんなに一生懸命ポスターを描き上げ想いを届けようとしていることに気が付いてくれているのだろうか。本当はこの交通安全啓発ポスターは大人たちも描くべきなのではないか。ということです。

ここで一つ提案です。免許更新の時、違反のある方は自分が犯した違反についてのポスター作製が義務付けられ、ポスターを提出しなかった場合は新しい免許がもらえない、というのはどうでしょうか。

真っ白な画用紙に向かい自分の違反を十分に反省しながら標語を考え、構成を考え、描き上げる。これを義務化することで、繰り返される違反行為は数を減らしていくだろうと確信しています。

そして私たちの宿題である「交通安全啓発ポスター」は、「自転車の正しい乗り方」や、「横断歩道で注意すること」、「歩きスマホの危険性」などの自分たちが犯しやすい交通違反を題材にするのが効果的だと思います。

大人も子供も自分が注意するべき交通違反は自分で啓発する。そうすることで今まで私たちが大人の運転ルールについて一生懸命描いたけれど伝わらなかったポスターたちは、自分たちの交通ルールに焦点をあてて描くことで役割を果たしてくれると思います。

ぜひ私たちのこの提案が皆さんに届いてくれたら嬉しいと思います。

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