特集 「道路交通の安全確保に向けた新たな挑戦」―第12次交通安全基本計画の策定―
特集 「道路交通の安全確保に向けた新たな挑戦」―第12次交通安全基本計画の策定―
はじめに
昭和45年6月に交通安全対策基本法(昭45法110)が制定され、同法に基づき、46年度以降、55年にわたって11次の交通安全基本計画を作成し、国、地方公共団体、関係機関・団体・民間企業等が一体となって陸上、海上及び航空交通の各分野において交通安全対策を強力に実施してきた。
その結果、昭和45年に1万6,765人が道路交通事故で死亡した「交通戦争」と呼ばれた時期と比較すると、令和7年の死者数は2,547人と6分の1以下にまで減少した。
これは、国、地方公共団体、関係機関・団体・民間企業等のみならず国民を挙げた長年にわたる努力の成果であると考えられる。
しかしながら、令和3年度から7年度までを計画期間とする第11次交通安全基本計画(令和3年3月29日中央交通安全対策会議決定)で掲げた「世界一安全な道路交通の実現を目指し、令和7年までに24時間死者数を2,000人以下とする」という目標を達成することはできなかった。
また、重傷者数についても「令和7年までに重傷者数を22,000人以下にする」という目標を達成することはできず、道路交通事故件数は依然として30万件前後の高い水準で推移している。
このように、今なお新たに交通事故被害者等(交通事故の被害者及びその家族又は遺族。以下同じ。)となる方々が多くいる現実を踏まえれば、引き続き、交通事故そのものを減少させることが求められている。さらに、次世代を担うこどものかけがえのない命を守るとともに、今後も続くことが予想される高齢化の進展に適切に対処するため、時代のニーズに応える交通安全の取組がより一層求められている。
令和8年3月27日に内閣総理大臣を会長とする中央交通安全対策会議において決定された第12次交通安全基本計画では、これまで実施してきた各種施策の深化はもちろんのこと、最近の情勢を踏まえた規制強化等の施策に取り組み、これにより究極的には交通事故のない社会の実現への大きな飛躍と世界をリードする交通安全社会を目指すこととしている。
本特集は、道路交通事故の発生状況や近年の事故の特徴等について概説するとともに、第12次交通安全基本計画において掲げている新たな目標の達成に向けて、今後、国、地方公共団体、関係機関・団体・民間企業等が一体となって取り組んでいく各種施策について紹介している。
本白書が交通安全に関する理解と関心を深めるとともに、悲惨な交通事故の根絶に向けた取組の一助となることを願っている。
