休眠預金等活用制度に関するQ&A
※全体版については、以下のリンクからダウンロードいただくことも可能です。
1.休眠預金等活用制度の概要
Q1-1.休眠預金等活用制度とは、どんな制度ですか。Q1-2.休眠預金等とは、具体的にどのような預金のことですか。
Q1-3.全体でどのくらいの預金等が、休眠預金等になっていますか。
Q1-4.なぜ休眠預金等を活用するのですか。
Q1-5.民間公益活動とは、どんな活動のことですか。
Q1-6.休眠預金等を活用する分野は、なぜ①子ども・若者支援、②生活困難者支援、③地域活性化等支援の3分野なのですか。
Q1-7.内閣府や、内閣府に設置されている「休眠預金等活用審議会」は、どのようなことを行っていますか。
Q1-8.指定活用団体とは、どんな団体ですか。どのようなことを行っていますか。
Q1-9.資金分配団体とは、どんな団体ですか。どのようなことを行っていますか。
Q1-10.実行団体とは、どんな団体ですか。どのようなことを行っていますか。
Q1-11.資金分配団体や実行団体に選定されるためには、どうすればよいですか。
Q1-12.なぜ実行団体に直接支援するのではなく、資金分配団体を経由するのですか。
Q1-13.休眠預金等活用制度を通じて、どのようなことの実現を目指していますか。
2.資金分配団体・実行団体への助成事業
Q2-1.資金分配団体・実行団体への助成事業は、どのような仕組みで実施されますか。Q2-2.助成事業において、資金分配団体や実行団体はどのように選定されるのですか。
Q2-3.「通常枠」「緊急支援枠」とは何ですか。どのような点が違うのですか。
Q2-4.具体的にどのような事業が支援対象となりますか。
Q2-5.1事業当たりの助成額や助成期間は、どのように決まりますか。
Q2-6.資金分配団体や実行団体の公募に関する情報は、どこで確認することができますか。
Q2-7.これまでの助成事業の実績は、どのようなものですか。
3.5年後見直し(活動支援団体、出資等)
Q3-1.休眠預金等活用制度における「5年後見直し」とは何ですか。また、主なポイントは何ですか。Q3-2.活動支援団体を創設した目的は何ですか。
Q3-3.活動支援団体とは、どんな団体ですか。どのようなことを行っていますか。
Q3-4.活動支援団体や支援対象団体はどのように選定されるのですか。団体の資格要件はありますか。
Q3-5.活動支援団体は、支援対象団体に対して、具体的にどのような内容の支援を行いますか。
Q3-6.助成事業を実施する資金分配団体が、活動支援団体を兼ねることはできますか。
Q3-7.休眠預金等を活用する出資事業を始めた目的は何ですか。
Q3-8.出資事業は、どのような仕組みで実施されますか。「ファンド出資型」「法人出資型」の違いは何ですか。
Q3-9.出資事業では、資金分配団体や実行団体はどのように選定されますか。実行団体の資格要件はありますか。
Q3-10.具体的にどのような事業が、出資の対象となりますか。
Q3-11.出資にはリスクやリターンが生じ得るものですが、どのように対応するのでしょうか。
Q3-12.助成事業を実施する資金分配団体が、出資事業の資金分配団体を兼ねることはできますか。
Q3-13.出資事業は、いわゆる「インパクト投資」と関連するものですか。
Q3-14.助成額に係る中期目標とは、どのようなものですか。
4.その他
Q4-1.休眠預金等活用制度では、なぜそれぞれの団体において「社会的インパクト評価」を実施する必要があるのですか。Q4-2.休眠預金等活用制度では、外国籍の人を支援対象とした事業や、日本国外で実施される活動を含む事業も支援の対象になりますか。
Q4-3.地方自治体など、休眠預金等活用制度に直接的に関わることが想定されない組織でも、制度に関わることはありますか。
Q4-4.休眠預金等の引き出し手続きなど、預貯金者に関係することについて詳しく知りたい場合、どこで確認することができますか。
1.休眠預金等活用制度の概要
Q1-1.休眠預金等活用制度とは、どんな制度ですか。
A.休眠預金等活用制度(以下「本制度」)とは、行政が対応することが難しい社会課題の解決を図ることを目的として、民間の団体が行う①子ども・若者支援、②生活困難者支援、③地域活性化等支援の活動に対して、休眠預金等を活用するものです。
2016年12月に休眠預金等活用法が成立し(議員立法)、2019年度から助成事業が実施されています。また、2023年に同法が改正され、活動支援団体や出資事業など、新たな支援手法が2024年から開始されています。
【e-Gov法令検索「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」】
Q1-2.休眠預金等とは、具体的にどのような預金のことですか。
A.休眠預金等とは、10年以上、入出金等の取引がない預金等をいいます。
なお、休眠預金等となった後も、引き続き、取引のあった金融機関で引き出すことが可能です。
詳しくは、金融庁のウェブサイトをご参照ください。
【金融庁ウェブサイト「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」】
Q1-3.全体でどのくらいの預金等が、休眠預金等になっていますか。
A.休眠預金等は、毎年、1,300~1,600億円程度が発生し、預金保険機構に移管されています(本制度が開始された2019年度から2023年度までの発生額)。
詳しくは、預金保険機構のウェブサイトをご参照ください。
【預金保険機構ウェブサイト「休眠預金等移管金の納付の状況等について」】
Q1-4.なぜ休眠預金等を活用するのですか。
A.日本は、人口減少や少子高齢化等の経済社会の急速な変化に伴い、様々な社会課題を抱えていますが、国や地方公共団体では対応することが難しく、民間の創意工夫により現場の実情やニーズに応じて、機動的・柔軟に対応すべき社会課題が多くあります。
また、こうした社会課題への対応に当たっては、民間公益活動の自立した担い手を育成することが重要です。
これらを踏まえ、休眠預金等を、預金者等に払い戻す努力を尽くした上で、その残りを民間公益活動の促進のために活用することとしています。
Q1-5.民間公益活動とは、どんな活動のことですか。
A.民間公益活動とは、
1.行政が対応することが難しい社会課題の解決を図ることを目的として、
2.民間の団体が行う公益に資する活動であり、
3.成果を収めることで、国民の利益の増進に資する活動
のことです(1.~3.の全てに該当する活動です)。
2.の公益に資する活動として、休眠預金等活用法において、3つの分野(①子ども・若者支援、②生活困難者支援、③地域活性化等支援)が定められています。
Q1-6.休眠預金等を活用する分野は、なぜ①子ども・若者支援、②生活困難者支援、③地域活性化等支援の3分野なのですか。
A.休眠預金等の活用分野については、近年特に解決すべき必要性が高い社会課題に着目し、その3分野に係る活動であれば、社会全体への波及効果が大きく、国民の利益につながるという観点から定められています。
Q1-7.内閣府や、内閣府に設置されている「休眠預金等活用審議会」は、どのようなことを行っていますか。
A.内閣府は、休眠預金等活用法に基づき、以下の業務を行っています。
・休眠預金等を活用した事業の実施主体・監督責任者である「指定活用団体」の指定
・本制度の基本的な方向を示す「基本方針」や、各年度の助成総額等を定める「基本計画」の策定
・指定活用団体が策定する各年度の「事業計画」の認可等を通じた、指定活用団体の監督
内閣府に設置される休眠預金等活用審議会は、民間公益活動の経験者や学識経験者等の有識者から構成され、基本方針や事業計画等の審議を行うほか、民間公益活動の実施状況等に関する調査検討を行っています。
Q1-8.指定活用団体とは、どんな団体ですか。どのようなことを行っていますか。
A.指定活用団体は、預金保険機構から交付される休眠預金等を活用して、事業の実施や監督を行う団体です。
指定活用団体の主な業務は、以下のとおりです。
・資金分配団体等の選定基準等を定める「業務規程」や、各年度の事業の詳細等を定める事業計画・収支予算を策定
・資金分配団体・活動支援団体に対する資金支援を実施
・資金分配団体に対する非資金的支援(経営・事業評価等に関する伴走的なアドバイス等)を実施
・資金分配団体・活動支援団体の監督
・民間公益活動の成果の達成状況を包括的に分析し、本制度の総合的な評価を実施
全国で1つの一般財団法人が指定されることとなっており、公募を経て、2019年に「JANPIA(日本民間公益活動連携機構)」が指定されました。
※本Q&Aにおいては、わかりやすさの観点から、以後、「指定活用団体」を「JANPIA」に統一して表記します。
Q1-9.資金分配団体とは、どんな団体ですか。どのようなことを行っていますか。
A.資金分配団体は、JANPIAからの資金支援等を受けて、実行団体に対して資金支援等を行う団体です。
資金分配団体の主な業務は以下のとおりです。
・実行団体に対する支援手法や支援対象等を定める「包括的支援プログラム」を策定
・実行団体に対する資金支援を実施
・実行団体に対する非資金的支援(経営・事業評価等に関する伴走的なアドバイス等)を実施
・実行団体の監督
・実行団体による成果や資金分配団体自身の活動を総合的に分析し、評価を実施
Q1-10.実行団体とは、どんな団体ですか。どのようなことを行っていますか。
A.実行団体は、資金分配団体からの資金支援等を受けて、民間公益活動を行う団体です。
実行団体の主な業務は以下のとおりです。
・資金支援等を有効に活用し、社会課題の解決に向けた事業を実施
・自立した民間公益活動ができるよう、自らの団体の組織基盤・経営基盤等を強化
・民間公益活動の自己評価を行い、評価結果を有効に活用
Q1-11.資金分配団体や実行団体に選定されるためには、どうすればよいですか。
A.資金分配団体と実行団体は、それぞれ公募により選定されます。
事業に応じて資格要件が異なりますので、詳細はJANPIAの事業計画や公募要領、資金分配団体の公募要領等をご参照ください。
なお、非営利団体(社団法人、財団法人、特定非営利活動法人、社会福祉法人、学校法人等)だけでなく、営利団体(株式会社等)も資金分配団体・実行団体に選定されることができます。
他方、独立行政法人や国立大学法人等は、民間の団体には該当しないことから、資金分配団体や実行団体に選定されることはできません。また、宗教上の教義や政治上の主義の推進を主たる目的とする団体や、暴力団等も、資金分配団体・実行団体に選定されることはできません。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q1-12.なぜ実行団体に直接支援するのではなく、資金分配団体を経由するのですか。
A.行政では対応することが難しい社会課題は、事業分野や地域ごとに様々であり、実行団体が行う解決手法も多種多様です。
特定の事業分野や地域の実情に精通した資金分配団体が、実行団体に対して適切に支援を行うことを通じて、より効果的・効率的に、社会課題の解決や、民間公益活動の自立した担い手の育成が進むこと等が期待されるためです。
Q1-13.休眠預金等活用制度を通じて、どのようなことの実現を目指していますか。
A.本制度の円滑な運用により、以下の実現を目指します。
・休眠預金等を活用するそれぞれの団体が、自ら定めた成果を達成することを通じて、社会課題の解決が促進
・民間公益活動の担い手に対して、資金支援や伴走型の非資金的支援を提供すること等を通じて、担い手の育成・自立が促進
・休眠預金等を活用した資金支援が、民間資金の呼び水効果を発揮すること等を通じて、民間公益活動に関する資金調達環境が整備
これらの実現を通じて、社会の諸課題の解決のための自律的・持続的な仕組みが構築されることも目指しています。
2.資金分配団体・実行団体への助成事業
Q2-1.資金分配団体・実行団体への助成事業は、どのような仕組みで実施されますか。
助成事業の主な流れは、以下のとおりです。
1.JANPIAが資金分配団体を選定し、資金分配団体に対して助成を実施
2.資金分配団体が実行団体を選定し、実行団体に対して助成を実施
3.実行団体が、社会課題の解決を目指して事業を実施
助成事業においては、JANPIAから資金分配団体、資金分配団体から実行団体に対して、それぞれ非資金的支援(経営・事業評価等に関する伴走的なアドバイス等)も必要に応じて行われます。
また、実行団体は資金分配団体、資金分配団体はJANPIAに対して、それぞれ事業報告を行います。
こうした仕組みを通じて、事業の適切な進捗管理や監督を図っています。
Q2-2.助成事業において、資金分配団体や実行団体はどのように選定されるのですか。
A.資金分配団体と実行団体は、それぞれ公募により選定されます。
JANPIAによる資金分配団体の選定に当たっては、専門的な知見をもつ第三者から構成される審査会議において、あらかじめ定められた選定基準に基づき、審査が行われることになります。
資金分配団体による実行団体の選定に当たっても、資金分配団体において、第三者で構成される審査委員会を設置することが求められています。
また、選定の結果やプロセス等についても、それぞれ公表することとされています。
公募の詳細については、JANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q2-3.「通常枠」「緊急支援枠」とは何ですか。どのような点が違うのですか。
A.助成事業では、以下のとおり「通常枠」と「緊急支援枠」の2つの公募枠が設定されています。
(通常枠)
・実行団体の創意と工夫を十分に発揮してもらうため、助成期間は最長で3年間
・資金分配団体の公募は、年度内に2回の締切が設定
(緊急支援枠)
・本制度の対象となる活動分野における緊急的な支援ニーズに応じて設置
・助成期間は最長で1年
・資金分配団体の公募は、年度を通して随時(年度内に複数回)受付
なお、通常枠と緊急支援枠ともに、各年度において、JANPIAから資金分配団体への助成総額の目安が設定されています。
それぞれの公募枠の詳細については、JANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q2-4.具体的にどのような事業が支援対象となりますか。
A.通常枠・緊急支援枠ともに、JANPIAが毎年度策定する事業計画や公募要領において、支援対象となる事業が定められています。
詳しくは、JANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q2-5.1事業当たりの助成額や助成期間は、どのように決まりますか。
A.資金分配団体の1事業当たりの助成額や助成期間は、資金分配団体が提出する事業計画等の内容に基づき、JANPIAと資金分配団体との協議を経て決まります。
実行団体についても、実行団体が提出する事業計画等の内容に基づき、資金分配団体と実行団体との協議を経て決まります。
なお、1事業当たりの助成額の平均は、資金分配団体は約1.50億円、実行団体は約1,438万円となっています(2023年度までの通常枠・緊急支援枠の事業の数値)。
助成額等の詳細については、JANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q2-6.資金分配団体や実行団体の公募に関する情報は、どこで確認することができますか。
A.資金分配団体の公募情報は、JANPIAのウェブサイトに掲載されています。
実行団体の公募情報は、それぞれの資金分配団体のウェブサイト等に掲載されるほか、JANPIAのウェブサイトにも掲載されています。
詳しくは、JANPIAのウェブサイト等をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q2-7.これまでの助成事業の実績は、どのようなものですか。
A.2019年度からの事業開始以降、JANPIAから資金分配団体への助成総額は増加傾向にあり、これまでの助成総額は、通常枠と緊急支援枠を合わせて、累計で約290億円となっています(2024年3月19日時点)。
また、資金分配団体は126団体が選定されており(重複を除く)、190事業が実施されています。実行団体は1,170団体が選定されています(いずれも2024年4月30日時点)。
助成事業に関する詳細なデータは、毎年度策定されるJANPIAの事業報告書(データ集)に掲載されています。また、個別の事業については、事業領域や活動地域ごとに、JANPIAのウェブサイトから検索することができます。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「休眠預金活用事業 情報公開サイト」】
3.5年後見直し(活動支援団体、出資等)
Q3-1.休眠預金等活用制度における「5年後見直し」とは何ですか。また、主なポイントは何ですか。
A.休眠預金等活用法は2018年に施行されましたが、法施行の5年後を目安に制度の見直しを行うこととされており、制度の立案を担った休眠預金活用推進議員連盟を中心に、制度の見直しに向けた検討が進められました。
その結果、目標の実現に向けて着実に取組が進んでいる一方で、制度を運用する中で新たな課題や改善すべき点が明らかになったことを踏まえ、支援体系や支援規模等に関する見直しの方向性が、2022年12月に取りまとめられました。
このうち、法改正を要する事項については2023年の休眠預金等活用法の改正を通じて、運用の改善を要する事項については基本方針や基本計画等の改定を通じて、それぞれ見直しが行われました。
見直しの主なポイントは、以下の3つです。
1.支援体系の第2層に、非資金的支援を専門的に行う「活動支援団体」を創設
2.資金提供手法として、従来の助成に加え、団体の自立促進も期待できる「出資」を開始
3.5年間(2023~2027年度)における、助成総額の中期目標(約300億円)を設定
Q3-2.活動支援団体を創設した目的は何ですか。
A.5年後見直しにおける検証を通じて、資金支援と併せて、民間公益活動の担い手に寄り添いながら非資金的支援(経営・事業評価等に関する伴走的なアドバイス等)を実施することが、担い手の自立に大きく貢献することが明らかになりました。
こうした非資金的支援は、制度開始後、JANPIAや資金分配団体が行ってきましたが、その重要性が明らかになったことを踏まえ、非資金的支援を専門に行う活動支援団体を創設することとしました。
活動支援団体の創設によって、民間公益活動の自立した担い手の育成が一層促進されることを目指します。
Q3-3.活動支援団体とは、どんな団体ですか。どのようなことを行っていますか。
A.活動支援団体とは、JANPIAからの資金支援等を受けて、既存の資金分配団体・実行団体や、資金分配団体・実行団体になろうとする団体等に対して、人材や情報面の提供等による非資金的支援を行う団体です。
また、こうした活動支援団体から支援を受ける団体等のことを、「支援対象団体」といいます。
活動支援団体の主な業務は以下のとおりです。
・支援対象団体に対する支援手法や支援対象等を定める「活動支援プログラム」を策定
・支援対象団体が抱える課題等に応じて、人材や情報面の提供等による非資金的支援を実施
・支援対象団体の監督
・支援対象団体の目標達成度や活動支援団体自身の成果を総合的に分析し、評価を実施
Q3-4.活動支援団体や支援対象団体はどのように選定されるのですか。団体の資格要件はありますか。
A.活動支援団体と支援対象団体は、それぞれ公募により選定されます。
選定プロセスや結果の公表等については、基本的には資金分配団体・実行団体の助成事業と同様です(Q2-2をご参照ください)が、一部異なる点もありますので、詳細はJANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
活動支援団体・支援対象団体の資格要件についても、基本的には、資金分配団体・実行団体と同様です(Q1-11をご参照ください)が、活動支援団体には、支援分野の専門性や実績等を有していることが求められます。また、支援対象団体については、実行団体になろうとする場合には、個人も支援対象となります。
なお、各年度において、JANPIAから活動支援団体への助成総額の目安が設定されています。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q3-5.活動支援団体は、支援対象団体に対して、具体的にどのような内容の支援を行いますか。
A.活動支援団体が実施する非資金的支援として想定される主な内容は、以下のとおりです。
・事業実施に関する支援(プロジェクトの企画立案やネットワーキングの促進、事業内容に応じた専門的研修の実施等)
・組織運営に関する支援(資金管理体制の構築、関係規程類の整備等)
・広報活動やファンドレイジングに関する支援
・社会的インパクト評価に関する支援(定性的・定量的な評価手法の習得、ロジックモデルの作成等)
Q3-6.助成事業を実施する資金分配団体が、活動支援団体を兼ねることはできますか。
A.助成事業を実施する資金分配団体は、活動支援団体を兼ねることができますが、その場合、適切な資金の区分管理や、実行団体の公募の公平性を確保する措置などが求められます。
詳細については、JANPIAのウェブサイトをご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q3-7.休眠預金等を活用する出資事業を始めた目的は何ですか。
A.出資は、助成に比べて民間資金がより呼び込みやすく、出資に伴う伴走支援を通じた団体の自立促進も期待できます。5年後見直しにおける検証を通じて、民間公益活動を行う現場の団体から出資ニーズの高まりが確認されたことも踏まえ、新たに出資事業を開始することになりました。
出資事業では、社会的成果と収益性の両立を目指します。出資事業により、民間資金の呼び水効果を一層発揮させ、民間公益活動の資金調達環境の整備促進や、実行団体の自立・経営基盤の強化等を図ります。
Q3-8.出資事業は、どのような仕組みで実施されますか。「ファンド出資型」「法人出資型」の違いは何ですか。
A.出資事業では、実行団体の事業の特性や成長段階などに即した、適切な資金提供を実現するために「ファンド出資型」と「法人出資型」の2つの方法を併置しています。
(ファンド出資型)
・JANPIAは、資金分配団体としてファンド(投資事業有限責任組合等の組合)を選定します。
・ファンド運営者は、他の共同出資者の出資分も合わせて、出資金を適切に運用し、JANPIAとの契約で定めた存続期間(10年程度、最長15年)の間、事業を行います。
・収益を出資者に分配し、存続期間満了後、解散し、清算して事業を終了します。
(法人出資型)
・JANPIAは、資金分配団体として株式会社を選定します。
・事業開始から一定の期間(10年程度)が経過した後、JANPIAは、資金分配団体の株式を処分することでエグジットし、出資金を回収します。
・資金分配団体は、JANPIAのエグジット後も、引き続き株式会社として存続し、出資事業を継続することができます。
その他の出資事業の主な流れは、基本的には助成事業と同様です(Q2-1の「助成」が「出資」に置き換わります)が、例えば資金分配団体の事業報告については、事業期間中は毎年度インパクトレポートを作成・公表することが求められるなど、助成事業とは異なる点もあります。
なお、各年度において、JANPIAから資金分配団体への出資総額(ファンド出資型と法人出資型を合わせた総額)の目安が設定されています。
出資事業の詳細については、JANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q3-9.出資事業では、資金分配団体や実行団体はどのように選定されますか。実行団体の資格要件はありますか。
A.資金分配団体と実行団体は、それぞれ公募により選定されます。
JANPIAによる資金分配団体の選定に当たっては、金融・出資、法務、会計、社会的インパクト評価、社会課題解決等に関する専門家から構成される投資審査会において、あらかじめ定められた審査基準に基づき、審査が行われます。
資金分配団体による実行団体の選定に当たっては、資金分配団体において出資に関する専門的知見を有する役職員等で構成される投資委員会を設置し、さらに社会課題の解決に関する専門家等を審査に関与させることが求められています。
また、選定の結果等については、可能な範囲で公表することとされています。
なお、出資対象となる実行団体は、民間公益活動を行う株式会社となります(いわゆるスタートアップ企業やゼブラ企業も、対象となることが想定されます)。
公募の詳細については、JANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q3-10.具体的にどのような事業が、出資の対象となりますか。
A.JANPIAが毎年度策定する事業計画や公募要領において、出資事業の対象が定められています。
詳しくは、JANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q3-11.出資にはリスクやリターンが生じ得るものですが、どのように対応するのでしょうか。
A.出資事業におけるリスク管理は、以下のとおり実施されることになります。
・JANPIAにおける投資審査会(Q3-9をご参照ください)において、ガバナンス・コンプライアンス体制や、出資事業・社会的インパクト評価の実務経験、その他適切な運営体制が整備されているか等の観点から、資金分配団体を適切に選定
・JANPIAの担当者が、資金分配団体における投資委員会(実行団体の選定等を行う会議体)にオブザーバー参加することで、出資事業の運営状況をモニタリング
また、出資によりもたらされる財務的リターンの取扱については、以下のとおり対応されることになります。
・JANPIA出資分については、JANPIAに分配
・出資分回収後の超過利益については、市場における運営事業者の成功報酬等を考慮した適切な範囲で、JANPIA・資金分配団体間で定められる契約に基づき、JANPIAを含む出資者に分配
・JANPIAに帰属する財務的リターンについては、JANPIAが実施する別の休眠預金等活用事業の原資に活用
Q3-12.助成事業を実施する資金分配団体が、出資事業の資金分配団体を兼ねることはできますか。
A.助成事業を実施する資金分配団体は、出資事業の資金分配団体を兼ねることができますが、その場合、適切な資金の区分管理や、実行団体の公募の公平性を確保する措置などが求められます。
詳細については、JANPIAのウェブサイトをご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q3-13.出資事業は、いわゆる「インパクト投資」と関連するものですか。
A.インパクト投資とは、「投資として一定の『投資収益』確保を図りつつ、『社会・環境的効果』の実現を企図する投資」と定義されています(「インパクト投資(インパクトファイナンス)に関する基本的指針」2024年3月金融庁)。
本制度の出資事業においても、社会的成果と収益性の実現の両立を基本方針としていることから、インパクト投資に該当するものと考えられます。
ただし、民間公益活動に該当しないと考えられる「環境的効果」等の実現のみを企図した事業については、出資事業の対象にはならないことが想定されます。
具体的な出資事業の対象については、JANPIAの事業計画や公募要領等をご参照ください。
【金融庁ウェブサイト「インパクト投資(インパクトファイナンス)に関する基本的指針」の公表について」】
【JANPIAウェブサイト「財務情報、事業計画・事業報告等」】
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
Q3-14.助成額に係る中期目標とは、どのようなものですか。
A.助成事業が開始してから2022年度まで、通常枠の助成総額については、社会課題の解決に結びつく具体的な事例の創出を優先し、年間20~40億円の範囲で、堅実・慎重に運用することを基本としました。
5年後見直しにおける検証を通じて、本制度における助成事業が円滑に実施されたこと等が確認されたことを踏まえ、各年度共通の上限額(20~40億円)は撤廃し、助成額に関する中期的な目標額を設定した上で、各年度の必要額を設定することにしました。
具体的には、これまでの活用額が増加傾向にあることも踏まえ、2023年度から2027年度の5年間の助成総額の目安を約300億円と設定しました。この中期目標については、2026年度を目途に、必要に応じて見直しを行うこととしています。
なお、この中期目標は、資金分配団体への助成事業(通常枠)と活動支援団体への助成事業の総額に関するものであり、資金分配団体への助成事業(緊急支援枠)と出資事業は含まれておりません。
4.その他
Q4-1.休眠預金等活用制度では、なぜそれぞれの団体において「社会的インパクト評価」を実施する必要があるのですか。
A.国民の貴重な財産が原資であることを踏まえ、休眠預金等を活用する団体は、事前に達成すべき成果を明示し、その達成度合いを可視化する「社会的インパクト評価」を実施することとしています。
また、社会的インパクト評価を実施することにより、以下のような点が期待されます。
・休眠預金等の活用成果を積極的に情報発信し、広く国民の理解を得る
・評価結果を踏まえて、自らの活動に係る予算や人材等の資源配分を見直すなど、適切な業務改善を図る
・厳正な評価を実施・公表することで、自らの活動に対して、外部からの資金・人材等を呼び込む
詳しくは、JANPIAの関連資料をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「評価」】
※リンク先の「評価指針・評価ハンドブック」にあります「休眠預金活用における社会的インパクト評価」をご参照ください。
Q4-2.休眠預金等活用制度では、外国籍の人を支援対象とした事業や、日本国外で実施される活動を含む事業も支援の対象になりますか。
A.国内に在留する外国籍の方を支援対象とする事業については、民間公益活動に該当する場合は、支援の対象となることが想定されます(例えば、国内で在留外国人等への支援を行っているNGO等の活動など)。
日本国外で実施される活動を含む事業については、民間公益活動に該当する場合でも、以下の観点から、申請事業ごとに、支援の可否が判断されることとなります。
・実施する事業が、日本の外交政策と矛盾するものではないか
・事業を実施する団体の安全を確保することができるか
・事業を実施する団体を確実に監督・評価することができるか
詳しくは、JANPIAの関連資料をご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「資金分配団体・活動支援団体公募サイト」】
※リンク先の「国外での活動に関する留意点」をご参照ください。
Q4-3.地方自治体など、休眠預金等活用制度に直接的に関わることが想定されない組織でも、制度に関わることはありますか。
A.休眠預金等を活用する団体が、社会課題の解決に向けた取組を進めるに当たっては、その活動地域や事業分野等に応じて、多様な関係者と連携・協働していくことが求められます。
地方自治体をはじめとする、社会課題解決の取組に対して実績や関心を有する組織等において、自らの活動地域や事業分野と親和性のある資金分配団体や実行団体の存在や活動を知ることができれば、よりスムーズな連携や協働が進むことが期待されます。
さらに、地方自治体には、関係団体が社会課題解決に向けて集まる場を提供するなど、地域の多様な関係者をつなぐコーディネーターとしての役割も期待されます。
JANPIAの情報公開サイトでは、活動地域や事業分野ごとに、現在休眠預金等を活用している団体や、これまで活動していた団体を検索することができますので、ご参照ください。
【JANPIAウェブサイト「休眠預金活用事業 情報公開サイト」】
Q4-4.休眠預金等の引き出し手続きなど、預貯金者に関係することについて詳しく知りたい場合、どこで確認することができますか。
A.預貯金者に関係することについては、金融庁のウェブサイトをご参照ください。
なお、休眠預金等の引き出し手続などの詳細については、取引のあった金融機関にお問い合わせください。