1 活動し参加する力の向上のための施策 |
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1. 障害の原因となる疾病の予防及び治療・医学的リハビリテーション
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1 難治性疾患に関し、病因・病態の解明、治療法の開発及び生活の質につながる研究開発を推進する。
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厚生労働省 |
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難治性疾患の治療方法の確立を目指した研究を一層推進するとともに、特定疾患治療研究事業及びヒトゲノム再生医療研究事業を着実に実施し、研究開発を推進。
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2 周産期医療ネットワークを全都道府県に整備する。
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厚生労働省 |
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「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画(新エンゼルプラン)」(平成11年12月)に基づき、総合周産期母子医療センターを中枢とした周産期医療ネットワークの整備を行っている。
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(平成14年度末) |
(平成15年度末) |
(平成16年度末) |
整備件数 (延べ数) |
20都道府県 |
24都道府県 |
30都道府県 |
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3 生活習慣の改善により循環器病等の減少を図る。
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厚生労働省 |
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「健康日本21」(平成12年3月)において、脳卒中等循環器病の予防に関して、食塩摂取量の減少、肥満者の減少等の目標値を設定し、これに基づき、生活習慣の改善を図るため、循環器病に対する正しい知識や予防の重要性について、ホームページ等を通して国民への普及啓発を実施。
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4 糖尿病について、検診を受ける者の増加、有病者数の減少及び有病者の治療継続率の向上を図る。
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厚生労働省 |
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「健康日本21」(平成12年3月)において、生活習慣の改善による糖尿病の発症予防、糖尿病検診の受診の促進及び治療の継続について目標値を設定するとともに、食生活指針を策定し、その普及啓発を進める等の取組を推進。
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糖尿病のより効果的な予防、診断、治療等を確立するための質の高い臨床研究を実施することをもくてきとして、厚生労働科学研究費補助金において「循環器疾患総合研究事業」を実施。
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5 医療刑務所等に機能回復訓練に必要なリハビリテーション機器を更新整備する。(8施設)
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法務省 |
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医療刑務所等8施設に整備されている機能回復訓練に必要なリハビリテーション機器を更新。
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2. 福祉用具等の研究開発とユニバーサルデザイン化の促進
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6 基準やガイドライン等の作成における高齢者・障害者のニーズへの配慮指針である国際規格ISO/IECガイド71(規格作成における高齢者・障害者のニーズへの配慮ガイドライン)を平成15年度までにJIS規格化する。
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経済産業省 |
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JIS Z8071(高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針)として、平成15年6月に制定。
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7 障害の特性配慮したセキュリティシステム、防犯・防災設備の研究開発、普及を行う。
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警察庁 |
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建物部品関連の省庁や民間団体からなる「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」において防犯性能試験を実施し、平成16年3月、侵入までに5分以上の時間を要するなど一定の防犯性能を有し、可能な限り、ユニバーサルデザインにも配慮した建物部品15種類約2,300品目を登載した「防犯性能の高い建物部品目録」を公表。平成17年3月末現在、16種類2,520品目を登載。
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8 個人適合型の生活環境・就業環境創出のためのデータベース整備・研究開発を行う。
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経済産業省 |
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人間行動適応型生活環境創出システム技術」(平成11年~15年度)において、より安全・安心で、快適・効率的な社会を実現するため、人間と製品・周辺環境の適合性を客観的に解析し、個々の人間の行動特性に製品や作業環境を適合させる基盤技術(例:工作機器や車の操作場面における注意事項度簡易計測技、行動モデルベース等)を開発。(平成15年度まで)
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9 ユニバーサルデザインに配慮した設計に必要な人間の寸法・形態に関する知的基盤を整備するため、平成16年までに人体寸法を、約10分間(従来約90分間)で測定する技術開発を行うとともに、少なくとも100人程度の人体寸法・形態を測定する。
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経済産業省 |
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「高度人体デジタル計測システム技術の開発」(平成14年~16年度)において、平成16年度までに延べ1,285人(足部1,141人、体幹部144人)の手計測及び三次元計測を行うとともに、足部、体幹部について、ランドマークの自動抽出ソフトウェアの試作を行い、ランドマーク自動抽出の見通しを得た。また自動採寸精度については手計測と殆ど差異がないことを確認した。さらに自動抽出したランドマークから、足部、体幹部の正規化モデルが自動作成できることも確認した。また約1,100人の足部の計測は、民間の店舗等で行い、通信系を経由したデータ蓄積の実績を作るとともにそのノウハウも取得した。
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(平成14年度末) |
(平成15年度末) |
(平成16年度末) |
測定件数 (延べ数) |
0人 |
210人 |
1,285人 |
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3. 情報バリアフリー化の推進
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(1)デジタルディバイドの解消
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10 高齢者・障害者の利用するIT機器の設計ガイドラインを平成15年度までに作成し、以降IT機器別のJIS規格を順次整備する。
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経済産業省 |
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平成16年5月に、JIS X8341-1「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第1部:共通指針」、及びJIS X8341-2「同 第2部:情報処理装置」、同年6月にJIS X8341-3「同 第3部:ウェブコンテンツ」を公示。
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11 障害者のIT利用を支援する技術者の養成・育成研修等の開催を推進し、平成19年度までに10,000人以上が受講することを目指す。
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経済産業省 |
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平成14年度までに作成された「電子情報支援技術利用促進プログラム」の普及と障害者のIT利用を支援する技術者の養成に向けた以下の調査研究事業を実施。
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(平成15年度末) |
(平成16年度末) |
福祉情報技術コーディネーター認定試験受験者数 (財団法人全日本情報学習振興協会が平成15年7月に設置) |
910名 |
1,198名 |
セミナー受講者数(特定非営利活動法人e-AT利用促進協会主催) |
710名 |
1,035名 |
オンライン学習システム受講者数 (特定非営利活動法人e-AT利用促進協会提供) |
1,057名 |
581名 |
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計 2,677名 |
計 2,814名 |
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12 障害者のIT活用を総合的に支援する拠点を整備する。
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総務省 |
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障害者等に最適な利用環境を実施したIT生きがい・ふれあい支援センター施設を整備する地方公共団体等に対する補助を実施し、平成15年度までに8事業を補助。(平成15年度まで)
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平成16年5月から「障害者のIT利活用支援の在り方に関する研究会」を開催し、障害のある人がICTを利活用するのにあたり身近な地域で信頼できる十分な支援が得られるよう、地域における障害のある人のICT利活用支援体制のモデルの確立について検討中。(平成16年度~)
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13 ホームページ等のバリアフリー化の推進のための普及・啓発を推進する。
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総務省 |
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高齢者・障害者を含めた誰もが情報通信を容易に利用できるよう、ホームページの問題点を点検・修正するシステムを平成15年5月公表し、全地方公共団体等に配布。
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平成16年11月から「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」を開催し、地方公共団体等のホームページや電子申請サービス等のアクセシビリティ確保のための評価方法・評価体制のモデル等について検討中(平成16年度~)
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(2)情報提供の充実
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14 字幕番組、解説番組及び手話番組の制作費に対する必要な助成を行う。
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総務省
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「身体障害者の利便の推進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律」(平成5年法律第54号)に基づき、独立行政法人情報通信研究機構(旧認可法人通信・放送機構)を通じて字幕番組、解説番組、手話番組の制作に対して助成。
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(平成15年度末) |
(平成16年度末) |
字幕番組 |
6,919本 |
12,943本 |
手話番組 |
1,748本 |
2,120本 |
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15 効率的な番組制作技術の研究開発等の推進により障害者向け放送番組の拡充を図る。
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総務省
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平成8年度から平成15年度にかけて、独立行政法人情報通信研究機構(旧任地法人通信・放送機構)において、視聴覚障害者向け放送ソフト制作技術の研究間初を実施し、平成15年度に、ほぼ全ての録画番組を対象として、音声が全て文字化された原稿がない場合でも短時間で自動的に字幕を付与できるシステムを開発。平成16年度は本研究開発成果の実用化に向けた取組を実施。
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16 障害者の自立した食生活の実現のための関連情報の提供を推進する。
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農林水産省
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音声テープ、大活字・点字書籍、画像音声インターネット及びテレフォンサービス等により食生活関連情報を提供。
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障害者が自立した食生活を営むため、平成14年度に作成したユニバーサルデザインガイドブックの配布及び関連サービス等の情報を提供。
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(3)研究開発
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17 障害者が使いやすい情報通信機器、システム等の開発・普及支援を行う。
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総務省
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独立行政法人情報通信研究機構(旧認可法人通信・放送機構)を通じ、高齢者・障害者の利便の増進に資する通信・放送サービスの開発等を行うための通信・放送技術の研究開発を行う者に対し開発に必要な経費の助成を実施。
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(平成15年度末) |
(平成16年度末) |
応募数 |
40件 |
23件 |
助成件数 |
9件 |
12件 |
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独立行政法人情報通信研究機構(旧認可法人通信・放送機構)を通じ、身体障害者の利便の増進に死する通信・放送役務の提供又は開発を行う者に対し、その実施に必要な経費の助成を実施。
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(平成15年度末) |
(平成16年度末) |
応募数 |
17件 |
27件 |
助成件数 |
7件 |
8件 |
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電気通信機器のアクセシビリティについてJIS化を進めるとともに、国際標準化に向けた取り組みを実施。(平成16年度~)
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経済産業省
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障害者等が共通に利用でき、かつ、障害者等にとって使いやすい携帯端末を用いた移動支援システムの開発を平成16年度に行った。
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18 障害者ナビゲーションシステムを開発する。
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総務省
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高齢者の街中の移動を支援するためのユーザ搭乗型移動端末を開発。ステレオカメラによる段差認識を可能とし、危険回避を可能とした。
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視覚障害者のための携帯型移動端末として、平成15年度に大局的情報はAM電波で局所的情報は赤外線で送信し、ユーザは骨伝道を利用して情報を取得する端末を開発、平成16年度もナビゲーション実験を継続。
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高齢者・障害者のナビゲーションのためのバリアフリーマップ作成方法の技術移転を民間に対して行い、平成16年に商品化された。
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平成16年はバリアフリーマップを街中でかつ高齢者の音声でも操作できるインタフェースを開発した。
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19 ユビキタスネットワークとロボットを結ぶネットワーク技術等の研究開発を行う。
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総務省
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「ネットワーク・ロボット技術に関する調査研究会」報告書(平成15年7月)において提言された、高齢化・医療介護等の社会問題への対応等の貢献が期待されるネットワークロボットの早期実現に向けた実現方策に基づき、平成16年度から5ヵ年計画で国による研究開発を開始。
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20 視覚障害者に音声情報を提供し、歩行、移動等を支援する案内システムを設計するための指針に関するJIS規格を、平成15年度までに整備する。
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経済産業省
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JIS T0901(視覚障害者の歩行・移動のための音声案内による支援システム指針)として平成17年に制定される予定。
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4. 欠格条項見直しに伴う環境整備
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21 障害者施策推進本部申合せ(平成13年6月12日)に沿って、障害者に係る欠格事由の見直しに伴う教育、就業環境等の整備に努める。
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警察庁
総務省
厚生労働省
農林水産省
国土交通省
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1 資格取得試験
- 欠格条項見直しの対象となった63制度のうち、資格取得試験を行っている制度は40制度であり、そのうち資格取得試験の実施にあたり、用意又は試験実施機関へ要請している受験者への配慮の主な内容【制度数】は以下の通り。
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(平成15年度末) |
(平成16年度末) |
1.試験等を受ける際の申し込みに必要な書類の変更 |
3制度 |
3制度 |
2.試験会場、校舎等のバリアフリー化 |
8制度 |
9制度 |
3.試験問題の拡大文字、点字、読み上げ等の配慮 |
25制度 |
26制度 |
4.試験会場への手話通訳者、移動介助者等の配置 |
22制度 |
23制度 |
5.試験時間の延長 |
21制度 |
22制度 |
6.実技試験における福祉用具等の補助的手段の活用 |
21制度 |
22制度 |
7.その他(座席位置の配慮、別室での受験 等) |
23制度 |
24制度 |
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文部科学省
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2 教育・養成
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大学入試におけるガイドラインである「大学入学者選抜実施要項」や各大学向けの入試説明会において、障害者の受験機会等を確保する観点から、障害の種類に応じた配慮を行うことを要請。
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各大学等において、募集要項に事前相談するよう記載、試験時間の延長、点字・拡大文字による出題、特定試験会場の設定、介助者の付与等の措置等実施。
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障害を有する学生が、円滑な学生生活を送れるよう学習支援体制の整備を図るための次のような措置を講じている。
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国立大学については、各大学の障害者の受入人数等に応じた運営費交付金の措置やエレベータ、スロープ等施設面での整備を支援している。
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私立大学についても、各大学の障害者の受入人数等に応じた経常費補助金の増額措置や施設のバリアフリー化を推進するための補助を行っている。
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厚生労働省
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3 就業環境
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業務遂行・職場定着を援助する者や障害を補う補助機器の配置、職場のバリアフリー化などを促進するための施策の充実を行った。
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就職、職場適応が困難な障害者に対して、就職前後にかかわらず障害者のいる職場にジョブコーチを派遣することにより、きめ細かな人的支援を行う職場適応援助者(ジョブコーチ)事業を実施。
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事業主が障害者を雇用することに伴い、作業を容易にするための設備の設置等を行う場合に支給する助成金について、職務の再設計等の結果として障害者が必要とする場合には、市販の機器等についても助成の対象に加えるなど事業主の利便性を高めるとともに、職場のバリアフリーに配慮した見直しを行った。また、障害者の雇用に係る経済的負担の調整を図ることを目的とする障害者雇用調整金及び報奨金について、平成15年度支給分より月額単価を引き上げた。
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障害者についての知識や雇用経験が乏しいため、障害者雇用に躊躇している事業主に対して、短期間の障害者の試行雇用(トライアル雇用)を通じ、今後の障害者雇用のきっかけづくりを与え、試行就業期間終了後に常用雇用への移行を進める障害者試行雇用事業(トライアル雇用事業)を実施。
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ノーマライゼーションの理念に沿って、雇用率制度における除外率を引き下げ、除外職員制度については原則廃止とし、縮小を行った。
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障害者の雇用義務を軽減する措置である民間企業における除外率制度並びに国及び地方公共団体における除外職員制度について段階的に縮小することとし、平成16年4月1日より、一般の民間企業に設定されている除外率を全ての業種において一律10%ポイント引き下げるとともに、国及び地方公共団体における除外職員制度を原則廃止し、除外率に転換しつつ障害者雇用義務の軽減割合を縮小した。
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厚生労働省
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4 障害及び障害者の機能を補完する機器の研究開発の促進
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国立身体障害者リハビリテーションセンターにおいては、毎年研究課題を定め、身体障害者に関するリハビリテーション支援技術、福祉機器の開発及び補装具の試験評価等に関する研究を計画的に実施。
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「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」の規定に基づき、同法に規定する指定法人である(財)テクノエイド協会が、障害者の自立の促進とこれらの者の介護者の負担の軽減を図る福祉用具の研究開発を行う民間事業者に対し、独立行政法人福祉医療機構からの交付金を財源に助成を行う「福祉用具研究開発助成事業」を実施。
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