障害者差別解消法の見直しの検討に係る障害者団体ヒアリング(10月28日)議事録
令和2年10月28日(水)
10:30~11:14
中央合同庁舎8号館1階講堂
【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】
○内閣府 衣笠参事官 それでは、順番に御発言をお願いしたいと思います。
まず、全国心臓病の子どもを守る会様からお願いいたします。
○(一社)全国心臓病の子どもを守る会 神永会長 全国心臓病の子どもを守る会の会長をしております神永と申します。
着座にてお話させていただきます。
私たちの会からのお話ということで、まず、先天性心疾患患者の状況についてお話ししたいと思います。そして、その患者の就労における合理的配慮の問題、本日の議題に対する意見という形で述べさせていただきます。
先天性の心臓病で生まれた子供は、医療の進歩により9割が延命されるようになり、成人になった先天性心疾患患者は50万人に達しております。しかし、先天性心疾患は手術によって根治することはなく、遺残症、加齢による後期合併症、続発症など、遠隔期には様々な問題が生じてきます。そして、これらの問題が成人期以降の社会生活において、大きな障害をもたらします。
さらに、精神・知的障害、発達障害などの他の障害を併せもった患者は利用できる制度がないため、手帳が取得できない患者と同様に、制度の谷間に置かれている状況です。
先天性心疾患の特徴としまして、患者により障害状態は多様で、その障害の状態が固定していないということ、また、内部障害共通の課題として「できる」けれども、症状悪化のため「やってはいけない」、また、継続しては「できない」ことが挙げられます。そのため、周囲の理解を得ることが難しい障害です。さらに、生涯にわたり医療との関わりが必要であり、通院や突然の手術、症状悪化による長期入院などが社会生活の上で大きな障害になります。
2018年に当会が行った患者の生活実態アンケート調査では、18歳以上の患者410人のうち63%の人は就労しており、障害者雇用枠を使った人は半数に上りました。しかし、正規雇用でも短時間勤務であったり、32%が非正規雇用であったり、そのため、4割が年収200万円未満という状況です。
また、非就労者は86人おりましたが、そのうち働いた経験がない人は31%、働いていたが、辞めてしまった人も38%でした。親の支えがなくなったらどうやって生活していけばいいのかという切実な声が多く寄せられています。就労保障に向けては、雇用者側の理解と、一人一人に合った多様な配慮、働く環境の整備が必要です。
また、職場ではなかなか病気のことを言えない人も多く、人事部や上司には伝えていても、同僚には伝えづらい環境があることも分かりました。
社会全体を見れば、差別の解消と合理的配慮に対する認識がまだまだ十分には広まっているとは言えず、国民全体の認識を高めるためにも、事業者に対する義務化については、法律上の明記が必要と考えます。個々の障害特性に応じた配慮をしつつ、義務化は必要です。
また、併せて谷間に置かれている障害者、手帳を持たない人への配慮についても、改めて重視していく必要があります。難病・慢性疾患患者の就労保障についても明記するとともに、その周知が必要です。障害者差別解消法だけでなく、障害者雇用促進法の改正や、難病・慢性疾患患者も法定雇用率の算定に加えるなど、谷間に置かれた障害者をなくしていくことが重要です。
さらに、見た目には分からない障害者が周囲の人に自分の障害を伝えられるような環境の整備、また、個人情報に配慮しつつ、職場での相談体制を充実させること、さらに、障害のために就労が困難で、一人では生活できるだけの所得が得られない障害者の所得保障についても、就労保障と併せて検討していくべき課題です。
成人した先天性心疾患患者が生き生きと社会で活躍できるように、一人一人の障害の特性に応じた配慮が当たり前に行われる職場環境が作られ、先天性心疾患という障害への理解が一層進むことを願っております。
以上です。
○内閣府 衣笠参事官 ありがとうございました。
続きまして、日本失語症協議会様、お願いいたします。
○(特非)日本失語症協議会 園田理事長 おはようございます。
日本失語症協議会を預かっております、理事長の園田でございます。今日はよろしくお願いいたします。
座って失礼いたします。
失語症者に対する差別的現状がございます。
2015年に実施したみずほ総研の「意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方に関する研究」によりますと、失語症者の発症後の外出頻度は64.4%、他者との交流は71.9%減少、孤独感を持つ者は44.1%、意思疎通の困難さは76.5%等の報告があります。多くの市町村での意思疎通支援事業で聴覚、視覚障害者以外の障害者を対象とした意思疎通支援の実施状況は20.6%にとどまり、行っていない市区町村では今後も行う予定がないと答えた割合が73.4%で、その理由は「ニーズがあまりない」が69.3%「事業を実施するノウハウがない」が40.9%となっています。
視聴覚以外の障害者を対象とした意思疎通支援を実施している市区町村の中で、失語症者を対象としているところは44.3%で、合計114件しかありません。調査に回答のあった全市区町村の9.1%に当たります。
以上のような報告があり、失語症者に対する情報保障、意思疎通支援の在り方が進んでいない現状が現れていました。
まず、失語症者には基本的人権を守るべき意思疎通支援者がおりません。失語症者が司法、立法、行政に関わるときには、障害者サービスによる確固たる意思疎通支援が可能な方が必要です。その方々が存在しない現状では、大きな差別と言えます。一日も早く基本的人権に関わる案件に関して、支援ができる支援者の養成派遣を望みます。裁判時、選挙権・被選挙権の行使の際、警察などでの証言の支援の際、成年後見制度の行使や遺言作成時の意思疎通支援者、そして、必要・緊急時に支援が必要な折に、必ず支援してくれる意思疎通支援者です。
現在は、地域生活支援事業の意思疎通支援者がおりますが、いまだに十分な人数の確保、具体的な支援の実態もなく、さらに、全国での派遣はほとんどありません。日常生活での派遣に限られ、その役割を十分に果たせず、能力・資質の向上が望まれます。意思疎通支援者は失語症のある者にとり、当たり前の生活を維持するために必要不可欠です。
役所や銀行、病院などに付き添う。
日常生活の中で、支援が必要なときに必ず支援してくれる。コロナ禍の自粛期間外だったのですが、同行を頼んだところ、コロナ禍なのでお断りしますと言われた例もございます。
会や会議の折に、会議の進行内容を失語症者に知らせ、また、当事者の意見を詳しく聞いて代弁する。
独居者の支援。
災害時の情報保障。
地域生活での支援、例えば回覧板の理解や、宅配便の再配達の依頼、押売との問答等もございます。
コンビニ、スーパー、デパートでの買い物。
また、カラオケ等、人間にとって大事な娯楽等を楽しむことも困難です。今はネットでの購入が一般的になっておりますが、それもなかなか難しく、わざわざ窓口に購入に赴く。ただ、言葉が通じないという難しさがあります。
失語症意思疎通支援者にも手話通訳の方々と同じような養成派遣を望みます。例えば厚生労働省認定技能検定試験の手話通訳士、言い換えると失語症意思疎通支援士、民間試験の手話通訳者のような失語症意思疎通支援者、そして、ボランティアベースの失語症会話パートナーということを望みます。
現在、失語症は回復期病院で180日のリハビリテーションが終了しますと、地域に戻されます。失語症の回復は2~3年、あるいは5年以上の長期に及ぶというエビデンスがあるにもかかわらず、病院退院後の機能回復事業所がほとんどありません。これは失語症のある方の回復をする権利、当たり前に生きる権利を奪っているのと同じです。
大学等の入学試験、また資格検定試験などの際に、失語症者には特別な配慮がありません。入学後の授業を受ける際にも、支援者がいない現状で教育を受ける権利も阻害されています。
失語症があるにもかかわらず、身体障害者手帳がないと、障害者就労ができません。全失語でも3級、家族に理解ができることを話せば4級、中・軽度の失語症者は身体障害者手帳の認定がございません。日常生活の維持にも大きな困難を生じています。
失語症はコミュニケーション能力全体に障害があります。話す、聞く、書く、読む、計算するなどいろいろありますので、一面だけの支援では失語症者が当たり前の生活をすることは困難であり、総合的な支援策が必要です。単に言語支援、筆談支援、ジェスチャーによる支援だけでは支援が及びません。
情報弱者である失語症者は、社会の情報から取り残されている現状です。自身が使用可能なタブレットやアプリケーションなどの開発に伴い、一人で安全に日常生活を送ることが可能な状態が望ましく、また、それらの機器の使用に関しては、十分な支援体制が必要です。
失語症に関しての相談窓口は全国にほとんどありません。ある日突然、医師から御家族は失語症ですと言われて、動転している家族にとって、失語症に特化した相談窓口の設置が必要です。
昨今、病院の自動会計、スーパーマーケット等にあるセルフレジ、駅の券売機の使用やチャージなど、一人で使うのは到底困難です。どなたかに尋ねようとも会話が難しくなっている上、現在は駅員や店員の削減で近くに係がいないことが多いです。
また、総合的に社会の理解が不足しておりますので、介護施設などに多く見られる赤ちゃん言葉で話しかけられたり、たどたどしく話しているとあからさまに嫌な顔をされたり、聞こえの問題かと思われて、耳のそばで大声で話しかける等、日常生活の中で差別的な現状がございます。
最後に、今のコロナ禍での現状です。
外出制限などのニュースが理解できないことや、三密、クラスター、パンデミック、オーバーシュート、ロックダウンなど、新しく聞く言葉や片仮名も多く、ニュースの内容が理解できません。
レストランなどでは、店員の数が減少、接客時間の縮小で、タッチパネルやメモ用紙に書くなどの注文形式が増え、対面で説明できず、全ての行動に制限が出ております。
人との対話が減ることで、関係が希薄になり、親身になって言葉を理解してくれる機会が減っております。分からないときに人に尋ねることがしにくい、足を止めてくれる人が少なくなりました。
さらに、マスク越しの対話で、相手の声が聞きづらく、表情が読み取りづらい、感情が伝わりづらいことも多いです。リモートでのやり取りが多くなり、使い方が分からなかったりするなど、伝わりづらいことがあります。
最後に、現在の介護や障害福祉サービスは、日常生活では家族が支援することが大前提となっており、それにプラスする公共サービスとなっております。このことは、障害のある者の家族の大きな負担となっている現状があります。その中で、日常生活は家族の支援があればどうにか送ることができても、社会生活や公に活動することに対しては大きな障壁を抱えることになります。
以上です。ありがとうございました。
○内閣府 衣笠参事官 ありがとうございました。
続きまして、日本自閉症協会様、お願いいたします。
○(一社)日本自閉症協会 市川会長 本日はこのような場にお招きいただきまして、ありがとうございます。
一般社団法人日本自閉症協会の会長をしております、市川でございます。
本日は副会長の今井とともに参加させていただいております。
自閉症を含む発達障害の者は、存在そのものが平成17年に発達障害者支援法ができるまでなかなか知られておりませんで、最近やっと支援の対象になってきていると考えております。
皆さんのお手元に配付しております資料5「障害者差別解消法の施行3年後見直し検討についての意見」について」を使って御説明させていただきたいと思います。
1番目の合理的配慮につきましては、第7条、第8条の障害者からの意思の表明について、次のような内容を条文化していただきたいと思います。今、このことについては、都条例等にはできておるところでございます。
自閉症を含む発達障害者の場合には、本人の状況が誤解される場合が多いということがその前提にございます。このことは、実は当事者も自分がそういう問題を抱えていることに気がついていないということもございます。あるいは御家族も似たような傾向があって気がついていないこともあるということになります。
①としては、通訳や障害者の家族、支援者、介助者、法定代理人などを介して、障害者の意思が伝えられることを含むということを明記していただきたい。このことは内閣府のリーフレットには明記されているように思います。発達障害者の方は外見的に分かりませんので、IQも非常に高い方もいらっしゃるのですが、自分の気持ちを伝えられない、あるいは相手の言っていることが理解できないということがあるからでございます。
②としては、障害者から求めがあった場合だけではなく、周囲の人が合理的配慮を必要としていることに気がついた場合も合理的配慮提供の義務に含めていただきたいと思います。
2)として、第5条の事業者による合理的配慮の提供を義務としていただきたいということでございます。第5条の2の最後の「必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない」ではなく「必要かつ合理的な配慮をしなければならない」と、努力義務ではなく、当然の義務としていただきたいと思います。
2番目は「相談及び紛争の防止等のための体制の整備について」でございます。
第14条に次のようなものを加えていただけないかということでございます。「地方公共団体は、紛争解決のためのあっせんの受付、調査、調整、あっせん、必要な場合の勧告と公表を有する部署を設けること」をぜひ条文化していただければと思います。実際、都道府県等の条例の中にもこういうものがきちんと用意されているところもあるということでございます。この辺りについて、ぜひ3年後の見直しに入れていただきたいというのが当団体の希望でございます。
よろしくお願いいたします。
○内閣府 衣笠参事官 ありがとうございました。
続きまして、ピープルファーストジャパン様、お願いいたします。
○ピープルファーストジャパン 阪本全国事務局長 ピープルファーストジャパン全国事務局長の阪本里恵と申します。
資料を読み上げます。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)の見直しについて。ピープルファーストジャパン。
「1.民間事業所の『合理的配慮の提供』を義務化する」。
きちんと取り組んでくれる企業などはあるが、まだまだ少数だ。法律で義務にしないと進みません。
「2.障害者差別をなくす国の責任について」。
第6条で、国は差別をなくす基本方針を定めることになっている。
次の3つのことを基本方針の考え方として、第6条の中で具体的に書き込むべきであります。
「①やまゆり園事件は、差別による虐殺」。
「差別による虐殺は、国が許さない」とはっきりさせるべきである。
「②旧優生保護法による強制不妊手術」。
国が「不良な子孫を防止する」と優生思想を法律で決めて、2万5000人の人たちが不妊手術をされた。こんなことは二度とやらないと法律に書くべきである。
「③入所施設がなくならないこと」。
入所施設への隔離は、構造的な差別であり、障害者権利条約に違反している。
千葉県では、県立の袖ケ浦福祉センターを解体し、入所者を地域に帰す取組が始まっている。国も「入所施設はなくし、障害者を地域に帰す」ことを法律に書くべきです。
以上です。
○内閣府 衣笠参事官 ありがとうございました。
3 意見交換
○内閣府 衣笠参事官 残りの時間は、更に御意見のある方や、御質問がある方などに御発言をいただく時間にしたいと思います。
手を挙げていただきましたら、順に指名をさせていただきます。
オンラインで御参加いただいている方がいらっしゃいますので、指名を受けてから団体名を仰っていただき、御発言をお願いいたします。
また、会場の都合によりまして、最大で12時までの時間ということになっておりますので、その点も御協力をお願いいたします。
それでは、御発言、御質問等のある方は手を挙げていただければと思います。
どうぞよろしくお願いします。
○(一社)全国心臓病の子どもを守る会 神永会長 時間の関係ということで、コロナ禍の問題を省いて説明させていただきました。
資料には記載がございますが、コロナ禍の状況の中で、事業所において障害者がどのような立場に置かれているのか、障害者への理解のために何が必要なのかという課題が大変明らかになってまいりました。
ある場合は、事業主によって、優先的に通勤や在宅勤務などの配慮が行われているという場合がある一方で、逆に障害者雇用だというだけで仕事を全く与えられなかった、または何もせずに自宅で待機、場合によってはそのまま解雇につながるということなども聞いております。このようなコロナ禍の状況の中で、非常に弱い立場にあるということもぜひ伝えておきたいと思います。
以上です。
○内閣府 衣笠参事官 ありがとうございます。
他に御意見や御質問等がある方はいらっしゃいますでしょうか。
日本失語症協議会様、どうぞ。
○(特非)日本失語症協議会 園田理事長 ありがとうございます。
私どもは外見からは見えない障害ということで、社会の方になかなか分かっていただけない。そして、個人的な日常生活は可能であっても、こういう会議の折などでも、公の場所で活動がなかなかできない、聞き取りが難しい、発言が難しいという困難がございます。
その中で、障害者就労をした方の例なのですが、昨今の全て正社員にしましょうという運動がおととしぐらいにございましたときに、失語症であまり自分のことをお話しできない方が人事担当官と会って、君は正社員になれないから辞めてくれと言われたと。いや、それはおかしいのではないかと本人も思ったらしいのですけれども、十分に自分の言葉で言えない。そして、障害者就労だから、しようがないから分かりましたと言って辞めてしまった。
その後に私にそれを報告してくれたのですが、いや、それはおかしいのではないか、自分で申請すれば、自分は障害者就労でなくても、今のように1年契約の更新をして、ここに就労していたいのだと言えば言えるはずというか、それが主張できて、雇用側もそれを認めなければいけないはずなのに、本人が失語症ということで、自分の立場が弱かった、分からなかったということで、私は厚生労働省の障害者雇用の方に異議を申し立てて、本人を連れていってお話をしました。それは雇用側の責任があるけれども、裁判に持っていったら君は勝つから、裁判をするかとまで言われたのですけれども、本人は長い間お世話になった会社なので、それは嫌だと言って、結局やめたのですが、そういう間違ったというか、雇用側のいいように障害者雇用者を離職させるという利害しか考えていないような現状をもう少し考えていただきたいと思いました。
全ての障害はそうだと思うのですけれども、やはり弱い立場にあって、そういうことを言われたときにすぐ相談できる体制とか、どこに駆け込んだらいいかというものもしっかりと障害者団体にお知らせいただき、自分が困ったときにはここが助けてくれるのだという場所が必ずあるという社会になれば、雇用側も難しいというか、勝手なことはしないのではないかと、そのときにとても悲しく思いました。
○内閣府 衣笠参事官 ありがとうございます。
続きまして、何かありますでしょうか。
どうぞ。
○(一社)日本自閉症協会 市川会長 今井のほうから発言させていただいてもよろしいですか。
○内閣府 衣笠参事官 はい。大丈夫です。
○(一社)日本自閉症協会 今井副会長 自閉症協会の今井です。少し発言させていただきます。
一つは、障害者差別解消法、具体的には合理的配慮を提供しないことが差別の一つの類型に加えられたことにより、現実に何が起きているかということでありますが、障害者差別解消法に基づく合理的配慮や条例に基づく調停機関などをうまく使えば、いろいろな諸問題の解決、あるいは理解し合うことにつながっていると思っています。
もう一つは、今日も御発言があったので、いわゆる入所施設イコール差別なのかということについて意見を一つ言わせていただきます。これは書いてはおりませんでしたけれども、私たちは結論的には入所施設のほうが良い、グループホームのほうが良い、在宅が良いとは考えておりません。選択肢があるということが大事であると考えております。例えば入所施設は駄目なのだとか、そのように選択肢の幅を狭めること自体がむしろ差別である。本人に適した選択肢ができるということが重要である。そのように考えております。
以上です。
○内閣府 衣笠参事官 ありがとうございます。
他に御意見、御質問はありますでしょうか。
どうぞ。
○(一社)全国心臓病の子どもを守る会 神永会長 今回の資料には載せてはこなかったのですけれども、内閣府だけでは解決しない問題かと思いますが、子供の問題、女性の問題については配慮するようにという指針が出ておりますので、子供の教育における差別は十分に検討していく必要があるかと思います。
例えば心臓病児で、非常に重症のお子さんは在宅酸素といいまして、酸素のカニューレをしたまま小学校、中学校に入学いたしますが、そのような酸素療法をしているお子さんは、学校では例えばお母さんとかお父さん、保護者の方の付添いが必ず必要と言われることが多々ございます。場合によってはお母さんの具合が悪くなった場合には学校を休んでくださいとまで言われる。このような差別的な、合理的な配慮を欠くような事例は私たちの会ではかなり聞いております。
また、病状を心配してということでもあると思うのですが、修学旅行であるとか体育祭のような運動的な行事などについてもそこに参加をさせないというような、学校側と話合いを持とうとしても、なかなか理解が得られなくて、参加をしないでくださいと言われて、その行事に参加することすら拒まれるという事例もございました。こういった教育を受ける権利が阻害されるようなことがないように、教育の場においても合理的な配慮について十分に検討していくことが望まれると思います。
以上です。
○内閣府 衣笠参事官 ありがとうございます。
その他に御意見や御質問等はありますでしょうか。
よろしいでしょうか。
○内閣府 難波審議官 失礼します。内閣府の審議官の難波でございます。
簡単なコメントということで若干述べさせていただきますけれども、一口に障害のある方ということであっても、外見で容易に分かる方もいれば全く分からない方もおられ、あるいは求めておられるニーズも非常に様々だということ、また、対応すべき事業者がそれに対してやることも当然様々だということなど、もともと法律的にそういうものなのですが、今回、様々な団体の皆様からヒアリングをして、具体的な事例も交えてそういったお話を伺うことができまして、我々としても改めて認識を深めることができたと思っております。
本日頂いた意見と、他の障害者団体の皆様あるいは事業者団体の皆様からの御意見も踏まえまして、特に事業者の合理的配慮の義務化についてや、あるいはそういった義務化をするのであれば、それに対して必要な、例えば困ったときの相談窓口といったものを明確にしないといけない、あるいは障害について知られていない、この法律について知られていないということについて、広く国民の一般の皆様にもお知らせして分かっていただくような取組もしないといけない。
そういったことも含めて、全体としてより良い方向になるように、また検討を進めてまいりたいと思った次第でございます。また引き続き、御理解と御協力をいただければ大変有り難いと思っております。
私から若干コメントさせていただきました。ありがとうございます。
○内閣府 衣笠参事官 それでは、時間は残っておりますが、皆様から特に御発言がないようであれば、こちらでヒアリングは終了したいと思います。
4 閉会(省略)