資格取得試験等における障害特性に応じた合理的配慮について

内閣府政策統括官(共生・共助担当)付
参事官(障害者施策担当)

 平素より、障害者施策の推進に御協力を賜り、深く御礼申し上げます。

 資格取得試験等における障害の態様に応じた配慮の提供については、「障害者基本計画(第5次)」(令和5年3月14日閣議決定)において、「各種の国家資格の取得等において障害者に不利が生じないよう、…国家資格試験の実施等に当たり障害特性に応じた合理的配慮を提供する」と明示されています。
 本件については、これまで「資格取得試験等における障害の態様に応じた共通的な配慮について」(平成17年11月9日障害者推進課長会議決定)により、各試験制度で共通的に対応すべき配慮事項が示され、試験制度ごとに徹底を図ることとされたところです(別紙2)。
 その後、平成28年には「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(平成25年法律第65号。以下「障害者差別解消法」という。)が施行されました。本法では、行政機関等が資格取得試験等を含めたサービス等を提供する際、障害のある方から社会的障壁の除去についての申出があった場合、過重な負担とならない範囲で必要な合理的な配慮を提供することが義務とされました。
 また、近年の配慮技術の進歩等を鑑み、各試験制度において新たに実施されている配慮もあるものと承知しております。
 これらの状況を踏まえ、内閣府で、国家資格試験の実施に当たっての障害特性に応じた合理的配慮の提供状況について、調査を実施した結果、近年、平成17年当時の共通的な配慮事項に加え、新たに配慮が実施されているものがあることが明らかになりました。

 つきましては、下記の事項について御検討いただくとともに、地方公共団体や試験を委託している団体等の試験実施機関等へも周知いただきますようお願いいたします。

  1. 平成17年度当時の共通的な配慮事項について、別紙2の通り、改めて周知いたしますので、その徹底を図るようお願いいたします。
  2. 近年新たに実施されている配慮の事項例を、別紙1の通りお示しいたします ので、その内容を踏まえて、合理的配慮を検討・実施いただくようお願いいたします。
  3. その際、障害のある受験希望者が合理的配慮の申出を行いやすくするため、試験案内にて配慮内容を明示することや、申請書等において配慮事項希望欄を設定することについても、積極的に検討いただきますようお願いいたします。
  4. 障害者差別解消法では、令和6年4月から、行政機関等のみならず、民間 事業者が資格取得試験等を含めたサービス等を提供する際にも合理的配慮を提供することを義務付けています。民間事業者が実施する資格取得試験も同様に、合理的配慮が実施されるよう、必要に応じて周知をお願いいたします。

以上


(別紙1)

近年実施されている配慮の例

(1)試験における配慮

  • ア.問題用紙及び解答用紙に関する配慮
    • 拡大問題用紙や拡大解答用紙の提供
    • マークシートに代わる文字記入解答用紙やチェック解答用紙の提供
    • 点字問題用紙や点字解答用紙の提供
    • 試験問題の音声読上げ
    • 代筆解答
    • 解答への補助(問題用紙をめくる補助・消しゴムで消す際の補助等)
    • パソコンでの試験実施
  • イ.器具等の使用に関する配慮
    • 拡大鏡、補聴器等の持参使用
    • 照明器具の持参使用
    • 文鎮、バインダー等の持参使用
    • 音声時計等の持参使用
    • 文房具等(定規・付箋・シール・色シート・下敷き(透明))の持参使用
    • 車いすで座れる机の提供
  • ウ.移動に関する配慮
    • 試験室までの介助者の同伴
    • 試験室における座席配置の変更(前方・後方、出入り口付近、照明直下、直射日光・空調から離れた場所等)
    • 試験中の体勢の調整(立位・臥床・床に座る・壁にもたれる・座位と立位を繰り返す等)
    • 駐車場の利用
    • 試験会場への乗用車での入構
  • エ.情報伝達に関する配慮
    • 注意事項等の文字による伝達
    • 手話通訳による伝達
  • オ.その他
    • 試験時間中の糖質類等の補飲食及び服薬等
    • 別室や個室での試験実施
    • 試験時間の延長
    • 帽子等の着用

(2)試験案内及び申請書等における配慮

  • ア.試験案内における配慮(冊子又はホームページ等)
    • 配慮内容の明示
      (共通的に実施すべき配慮事項及び各試験制度で対応可能な配慮事項を列記)
    • 問い合わせ先のFAX番号又はメールアドレスを記載
  • イ.申請書等における配慮
    • 配慮事項希望欄の設定
      (共通的に実施すべき配慮事項及び各試験制度で対応可能な配慮事項を列記するとともに、その他の配慮希望欄を設定)
    • 受験者が希望する連絡先記載欄の設定
      (電話番号のほかFAX番号又はメールアドレスの記載欄を設定)

(3)配慮の手続

  • 事前に受験者からの申出を受けて対応
  • 申請書等に障害者手帳の写し又は医師の診断書等を添付

(4)応対における配慮

  • 障害のある受験者に対しては、それぞれの障害種別の特性を踏まえて適切に対応


(別紙2)

「資格取得試験等における障害の態様に応じた共通的な配慮について」(平成17年11月9日障害者施策推進課長会議決定)について再周知