内閣府ホーム

共生社会政策ホーム > 障害者施策トップ > もっと詳しく > 障害者施策に関する調査等 > 平成23年度 障害者差別禁止制度に関する国際調査 > 第4章 2010年平等法(イギリス) 第8編 禁止行為:付随


目次へ前ページへ次ページへ


2010年第15章

第8編

禁止行為:付随

108 終了した関係

(1)ある者(A)は、下記の場合に、もう一人の者(B)に差別を行ってはならない。

(a)当該差別が、両者間に過去に存在した関係に起因し、かかる関係に密接な関連を持つ場合

(b)当該差別を構成する行為が、当該関係が存在していた間に行われていれば、本法違反となるであろう場合

(2)ある者(A)は、下記の場合に、もう一人の者(B)にハラスメントを行ってはならない。

(a)当該ハラスメントが両者間に過去に存在した関係に起因し、かかる関係に密接な関連を持つ場合

(b)当該ハラスメントを構成する行為が、当該関係が存在していた間に行われていれば、本法違反となるであろう場合

(3)前記の関係の終了が本条施行前であるか施行後であるかは問わない。

(4)第20条に記載する実質的に不利な状態にBが引き続きある限りは、合理的調整を行う義務がAに適用される。

(5)第(4)項において、第20条、第21条、第22条および適用される付表は、当該関係が終了していないものとして解釈される。

(6)第9編(執行)において、本条違反は、当該関係が終了していなければ違反にあたることになったであろう本法の同編に関連する。

(7)ただし、ある行為がAによるBへの報復的取扱にもあたる場合、かかる行為は本条違反とはならない。

109 雇用主と本人の責任

(1)ある者(A)がAの業務上行った行為も雇用主の行為とみなす。

(2)代理人が本人からの授権に基づき本人のために行った行為も本人の行為とみなす。

(3)前記の行為は雇用主または本人の了解または承認のもとに行われたと否とを問わない。

(4)Aの業務上Aが行ったとされる行為に関するAの雇用主(B)に対する訴訟において、BがAによる下記の行為の防止のためにすべての合理的な手段を講じたことを証明することは、Bの抗弁となる。

(a)当該行為、または

(b)当該内容の行為

(5)本条は本法(第12編(障害者たち:交通機関)に規定する違反行為を除く)に規定する違反行為には適用されない。

▲ページトップへ

110 被雇用者と代理人の責任

(1)ある者(A)は下記の場合には本条違反となる。

(a)Aが被雇用者または代理人であり、

(b)Aが、第109条第(1)項または第(2)項により(場合により)Aの雇用主または本人の行為とみなされる行為を行い、かつ

(c)Aによるかかる行為が(場合により)雇用主または本人による本法違反となる場合

(2)いずれの訴訟においても、雇用主が第109条第(4)項に基づいて本法違反にあたらないとされているか否かは問わない。

(3)下記の場合にはAは本条違反にならない。

(a)当該行為が本法違反ではないという雇用主または本人の陳述をAが信頼し、かつ

(b)Aが信頼することが合理的である場合

(4)ある者(B)が、重要な点が虚偽または不実である第(3)項第(a)号に記載する陳述を故意または過失により行う場合、Bの違反行為となる。

(5)第(4)項による違反行為で有罪とされた者は、即決判決により標準段階5を超えない罰金を科せられる。

(6)第9編(執行)は、Aによる本条違反に対し、第(1)項第(c)号に記載する違反があった場合と同じく適用される。

(7)第(1)項第(c)号の本法違反には第6編(学校)第1章に違反する障害差別を含まない。

111 違反の指示、使役または誘引

(1)ある者(A)は、もう一人の者(B)に、第3編、第4編、第5編、第6編、第7編、または第108条第(1)項または第(2)項、第112条第(1)項の違反となる行為(基本的違反)を第三者(C)に関して行うよう指示してはならない。

(2)ある者(A)は、もう一人の者(B)に、基本的違反となる行為を第三者(C)に対してさせてはならない。

(3)ある者(A)は、もう一人の者(B)に、基本的違反となる行為を第三者(C)に対してするよう誘引してはならない。

(4)第(3)項において、誘引には間接的誘引と直接的誘引を含む。

(5)本条違反による訴訟は下記の者が提起することができる。

(a)Aの行為によりBに不利益が生じた場合はB

(b)Aの行為によりCに不利益が生じた場合はC

(c)委員会

(6)第(5)項において、下記を問わない。

(a)基本的違反が発生したか否か

(b)Aの行為に関連して他の訴訟が提起されているか否か、または提起される可能性があるか否か

(7)本条は、AとBとの関係において、AがBに関連して基本的違反を犯す立場にある場合にのみ適用される。

(8)本条において、ある者にある行為をさせる、またはある行為ををするよう誘引するとは、当該者にある行為をさせようとする行為、またはある行為ををするよう誘引しようとする行為を含む。

(9)第9編(執行)において、本条違反は下記に関連するものとして取り扱う。

(a)第(5)項第(a)号に規定するAとBの関係を理由としてAがBに関連して違反を犯す立場にある場合は、本法の同編

(b)第(5)項第(b)号に規定するBとCの関係を理由としてBがCに関連して違反を犯す立場にある場合は、本法の同編

112 違反の幇助

(1)ある者(A)は、もう一人の者(B)による第3編、第4編、第5編、第6編、第7編、または第108条第(1)項または第(2)項、第111条の違反となる行為(基本的違反)を故意に支援してはならない。

(2)下記の場合には第(1)項の違反にはあたらない。

(a)支援する行為は本法違反ではないとのBの陳述をAが信頼し、かつ、

(b)Aが信頼することが合理的である場合

(3)Bが、重要な点が虚偽または不実である第(2)項第(a)号に記載する陳述を故意または過失により行う場合、Bの違反行為となる。

(4)第(3)項による違反行為で有罪とされた者は、即決判決により標準段階5を超えない罰金を科せられる。

(5)第9編(執行)において、本条違反は基本的違反が関連する本法規定に関連するものとして取り扱う。

(6)第(1)項の基本的違反には第6編(学校)第1章に違反した障害差別を含まない。

▲ページトップへ

第9編

執行

第1章

113 訴訟

(1)本法違反に関連する訴訟は、本章に従って提起しなければならない。

(2)第(1)項は2006年平等法第1編に基づく訴訟には適用されない。

(3)第(1)項は下記を妨げるものではない。

(a)司法審査の申立

(b)入国法に基づく訴訟

(c)1997年特別入国審査委員会法に基づく訴訟

(d)スコットランドでは、民事控訴院への司法的監督の申立

(4)本条は、司法権を裁判所または審判所に付与する本法の明示規定に従う。

(5)本法違反には平等条項またはルールの違反を含む。

(6)第2章および第3章は、第4章に別段の規定がある場合を除き、平等条項またはルールに関する訴訟には適用されない。

(7)本条は下記には適用されない。

(a)本法のもとでの違反行為についての訴訟

(b)第12編(障害者たち:交通機関)の罰則に関連する訴訟


第2章

民事裁判所

114 管轄権

(1)州裁判所またはスコットランドでは執行官裁判所が下記に関する申立の管轄権を有する。

(a)第3編(サービスと公務)違反

(b)第4編(不動産)違反

(c)第6編(教育)違反

(d)第7編(団体)違反

(e)第3編、第4編、第6編または第7編に関連する第108条、第111条または第112条の違反

(2)第(1)項第(a)号は第115条が規定する申立には適用しない。

(3)第(1)項第(c)号は第116条が規定する申立には適用しない。

(4)第(1)項第(d)号は第106条違反には適用しない。

(5)第(1)項第(a)号が規定する申立に関する訴訟について、

(a)第115条第(1)項に記載する申立に関する訴訟で、行為が第3編違反であるとの決定は拘束力を有する。

(b)当該行為が英国外で実行されたか否かは問わない。

(6)州裁判所または執行官裁判所は、

(a)刑事手続の妨げとならないであろうことを確認しない限り、仮差止命令または禁止命令を発してはならない。

(b)刑事手続の妨げとならないことを確認しない限り、第(1)項に基づく訴訟については刑事手続の妨げとなることを理由とする停止または中止の申立を認容しなければならない。

(7)イングランドおよびウェールズでの第(1)項が規定する申立に関する訴訟においては、1984年州裁判所法第63条第(1)項(補佐人の任命)が定める権限は、行使しない正当な理由が存在すると裁判官が判断する場合を除き、行使しなければならない。

(8)スコットランドでの第(1)項が規定する申立に関する訴訟においては、1907年執行官裁判所(スコットランド)法付表1第44.3条(補佐人の任命)が定める権限は、行使をしない正当な理由が存在すると執行裁判官が判断する場合を除き、行使しなければならない。

(9)第(8)条に基づき任命された補佐人の報酬は民事控訴院長が決定する。

▲ページトップへ

115 入国の場合

(1)入国管理当局による関連決定行為に関連する申立であって、下記の場合は、本条による申立とする。

(a)当該行為が第3編違反にあたるか否かという問題が、入国に関する規定により係属中あるいは申立てることの出来る上訴において提起されている、あるいは提起されうる場合、または

(b)前記規定に基づく上訴で、当該行為が第3編違反ではないと決定された場合

(2)関連決定は、

(a)第114条第(1)項第(a)号が規定する申立に関する訴訟において、反訴の対象とならない、または

(b)かかる訴訟における裁判所決定の影響を受けない。

(3)第(1)項第(a)号において、期限後の上訴を許可する権限は無視しなくてはならない。

(4)入国管理当局とは下記のそれぞれをいう。

(a)国務大臣

(b)入国管理官

(c)入国許可の付与または却下の責任者(1971年入国管理法第33条第(1)項の定義に従う)。

(5)入国に関する規定とは下記をいう。

(a)1977年特別入国審査委員会法、または

(b)2002年国籍入国および亡命法第5編

(6)関連決定とは下記をいう。

(a)英国への入国または滞在の権利に関する入国管理法に基づく決定

(b)第(a)項に規定する決定に関連する入国に関する規定に基づく上訴についての決定

(7)上訴が係属中であるとは、2002年国籍入国および亡命法第104条において、または(場合により)1997年入国審査委員会法第2条第(2)項第(j)号に適用される同条において、上訴が係属中であることをいう。

116 教育の場合

(1)本条が規定する申立とは下記に対する申立をいう。

(a)付表17第2編による第一審裁判所

(b)同付表第2編によるウェールズ特別教育ニーズ審判所、または

(c)同付表第3編によるスコットランド追加支援ニーズ審判所

(2)本条が規定する申立は、上記付表第4編に規定する上訴方法に従って行われたものでなければならない。

(3)付表17(障害を持つ児童、生徒および学生:執行)は効力を有する。

117 国家安全保障

(1)第114条が規定する申立に関する訴訟について、裁判所の規則は、第(2)項から第(4)項に記載する権限を付与することができる。付与した権限は、国家安全保障のために必要であると当該裁判所が判断した場合にのみ、行使することができる。

(2)当該ルールは、訴訟の全部または一部から下記の者を排除する権限を付与することができる。

(a)申立人または訴訟代理人

(b)申立人または訴訟代理人の代表者

(c)補佐人

(3)当該ルールは、排除された申立人、訴訟代理人、または代表者が、かかる排除に関連する訴訟または訴訟の一部の開始に先立って裁判所に陳述を行う権利を付与することができる。

(4)当該ルールは、裁判所の決定の全部または一部を非開示とするための手段を講じる権限を付与することができる。

(5)司法長官、またはスコットランドにおいてはスコットランド法務長官は、第2項第(a)号または第(b)号に基づく排除が行われた訴訟またはその一部について、申立人または訴訟代理人の利益を代表する者を任命することができる。

(6)第(5)項によりある者(P)を任命できるのは下記の場合のみである。

(a)イングランドおよびウェールズでの訴訟に関しては、2007年法律サービス法において、Pが法廷弁論権の行使または訴訟遂行にあたる行為について権限を有する者である場合

(b)スコットランドでの訴訟に関しては、Pがスコットランドで弁護士であるかまたはソリシターの業務を行う資格を有している場合

(7)Pは、その利益を代表するために任命された当該者に対して、責任を負わない。

▲ページトップへ

118 期限

(1)第114条が規定する申立に関する訴訟は、下記の期間終了後には提起することができない。

(a)申立が関連する行為の日から6ヶ月の期間、または

(b)州裁判所または執行官裁判所が公正かつ公平と判断したその他の期間

(2)第(3)項または第(4)項が適用される場合、第(1)項第(a)号は「6ヶ月」が「9ヶ月」に置き換えられたものとして効力を有する。

(3)本項は下記の場合に適用される。

(a)申立が資格付与機関の行為に関連する場合

(b)当該行為の日から6ヶ月の期間の終了の前に学生不服申立制度に基づいて、当該行為に関する申立がある場合

(4)本条は下記の場合に適用される。

(a)申立が2006年平等法第27条に基づく調停における和解手続に付された紛争に関するものであって、かつ

(b)第(3)項が適用されない場合

(5)入国管理に関する規定により、入国管理当局によって行われた関連決定行為が第3編(サービスと公務)違反であると決定された場合、第(1)項は第(a)号が下記に置き換えられたものとして効力を有する。

「(a)第114条第(2)項により、第114条第(1)項第(a)号に従って訴訟の提起が行えない期間が終了した日から6ヶ月の期間」

(6)本条において、

(a)期間を越えて実施された行為は当該期間の終わりに実施されたものとみなす。

(b)不作為については当該者が不作為の決定をしたときに不作為があったものとみなす。

(7)これに反する証拠がある場合を除き、下記の場合に、ある者(P)は不作為の決定をしたものとみなす。

(a)Pが実行と矛盾する行為を行った場合、または

(b)Pが矛盾する行為を行わなかった場合、Pが実行すべきであった期間が終了したとき。

(8)本条において、

「入国管理当局」、「入国に関する規定」、「関連決定」は第115条が規定する意味を有する。

「資格付与機関」とは2004年高等教育法第11条が規定する意味を有する。

「学生不服申立制度」とは指定運営者(前記法第13条(5)項第(b)号の定義に従う)が提供する申立資格審査(前記法第12条に規定)の制度をいう。

119 救済

(1)本条は、第114条(1)項の規定の違反があったと州裁判所または執行官裁判所が認定する場合に適用される。

(2)州裁判所は、高等法院が付与できる下記における救済の権限を付与することができる。

(a)不法行為訴訟において

(b)司法審査の申立において

(3)執行官裁判所は、民事控訴院が出すことのできる命令を下記において出す権限を有する。

(a)賠償請求訴訟において

(b)司法審査の申立において

(4)損害賠償を命じる判決には精神的損害の賠償を含めることができる(他の理由による補償が含まれていると否とを問わない)。

(5)第(6)項は州裁判所または執行官裁判所が下記に該当する場合に適用される。

(a)第19条に基づき、第114条第(1)項の規定の違反が立証されると判断するが、しかし

(b)当該条項、基準、慣行の適用意図に申立人または代理人への差別はなかったと認定する場合

(6)州裁判所または執行官裁判所は、他の救済方法を検討しない限り、損害賠償を命じる判決を行ってはならない。

(7)州裁判所または執行官裁判所は、刑事手続の妨げとならないであろうと判断しない限り、損害賠償以外の救済方法の命令または宣言を行ってはならない。

▲ページトップへ

第3章

雇用審判所

120 管轄権

(1)雇用審判所は、第121条に従い、下記に関する申立について審判を行う権限を有する。

(a)第5編(労働)違反

(b)第5編に関連する第108条、第111条または第112条の違反

(2)雇用審判所は、差別禁止規則の効力に関する紛争についての責任者(第61条に定義)と労働者の権利の宣言を求める責任者による申立について審判を行う管轄権を有する。

(3)雇用審判所はまた、差別禁止規則の効力に関する紛争についての職域年金制度の受託者または管理者と構成員の権利の宣言を求める受託者または管理者による申立について審判を行う管轄権を有する。

(4)雇用審判所は、下記について審判を行う管轄権も有する。

(a)差別禁止規則に関連する問題であって、かつ

(b)第122条により当該審判所に付託された問題

(5)差別禁止規則違反に関連して雇用審判所に申立てられた訴訟において、雇用主は、

(a)当事者として取り扱われ、かつ

(b)それに応じて、出廷して意見を陳述する権利を有する。

(6)本条は、差別禁止規則に関して、高等法院、州裁判所、民事控訴院または執行官裁判所が有する管轄権に影響を与えるものではない。

(7)第(1)項第(a)号は、申立てられた行為が法令により上訴または上訴の性質を有する裁判の対象となる限りは、第53条違反に適用されない。

(8)第(1)項において、言及される第5編は第60条第(1)項を含まない。

121 軍隊の場合

(1)第120条第(1)項は、下記の場合を除き、申立人が軍務に服していた期間中の行為に対する申立には適用されない。

(a)申立人が軍の不服申立手続に従って申立を行った場合で、かつ

(b)申立が取り下げられていない場合

(2)申立が軍の不服申立手続に従って行われる場合、第(1)項第(b)号において、下記の場合に、当該申立は取り下げられたものとみなす。

(a)申立の相手方である将校もその上官である将校も当該事案を国防会議に付託せず、かつ

(b)申立人が国防会議への付託を申請しない場合

(3)申立が旧軍務救済手続に従って行わる場合には、第(1)項第(b)号において、申立人がかかる手続に基づいて国防会議に付託しなければ、当該申立は取り下げられたものとみなす。

(4)第(3)項の旧軍務救済手続とは下記にいう手続(女王陛下への申立に関する報告に関する手続を除く )をいう。

(a)1955年陸軍法第180条

(b)1955年空軍法第180条、または

(c)1957年海軍規律法第130条

(5)第(1)項に基づく雇用審判所への申立は軍務申立手続(または場合により)旧軍務救済手続に基づく申立の継続に影響を与えるものではない。

122 裁判所による審判所等への付託

(1)裁判所に係属中の訴訟において、差別禁止規則に関する申立または反訴についての審判は雇用裁判所がより適切に行えるであろうと裁判所が判断する場合、裁判所はかかる申立または反訴を却下することができる。

(2)裁判所での訴訟において差別禁止規則に関する疑問が生じる場合、当該裁判所は(訴訟当事者による申立の有無を問わず)、下記を行うことができる。

(a)当該疑問を雇用審判所に付託し審判を求める、または訴訟当事者が当該疑問を雇用審判所に付託し審判を求めるよう指示し、かつ

(b)訴訟を当面停止すること

▲ページトップへ

123 期限

(1)第120条が規定する申立による訴訟は、下記の期間終了後には提起することができない。

(a)申立が関連する行為の日から3ヶ月の期間、または

(b)雇用審判所が公正かつ公平と判断する他の期間

(2)第121条第(1)項に基づいて、訴訟は、下記の期間終了後には提起することができない。

(a)訴訟が関連する行為の日から6ヶ月の期間、または

(b)雇用審判所が公正かつ公平と判断する他の期間

(3)本条において、

(a)期間を越えて実施された行為は当該期間の終わりに実施されたものとみなす。

(b)不作為については当該者が不作為の決定をしたときに不作為があったものとみなす。

(4)これに反する証拠がある場合を除き、下記の場合にある者(P)が不作為の決定をしたものとみなす。

(a)Pが実行と矛盾する行為を行った場合、または

(b)Pが矛盾する行為を行わなかった場合、Pが実行すべきであった期間が終了したとき

124 救済:一般

(1)本条は、第120条第(1)項の規定の違反があったと雇用審判所が認定する場合に適用される。

(2)当該審判所は下記を行うことができる。

(a)訴訟に関連する事項に関する申立人と被申立人の権利を宣言すること

(b)被申立人に対して申立人への賠償支払を命じること

(c)適切な勧告を行うこと

(3)適切な勧告とは、下記に対する訴訟に関連する事項の悪影響を軽減しまたは削減する目的で被申立人が特定期間内に特定の手段を講じることを提言する勧告をいう。

(a)申立人

(b)その他の者

(4)第(5)項は当該審判所が下記に該当する場合に適用される。

(a)第19条に基づき、違反をが立証されると判断するが、しかし

(b)当該条項、基準、慣行の適用意図に申立人への差別はなかったと認定する場合

(5)当該審判所は、第(2)項第(a)号または第(c)号に基づいて行為を行うか否かを検討しない限り第(2)項第(b)号による命令を制定してはならない。

(6)第(2)項第(b)号により命じることができる賠償額は、州裁判所または執行官裁判所が第119条により命じることができるであろう賠償額に対応する。

(7)被申立人が正当な事由なく、申立人に関連する限りにおいて適切な勧告に従わない場合、当該審判所は下記を行うことができる。

(a)第(2)項第(b)号に基づき命令が制定された場合、支払賠償額を増額すること

(b)前記の命令が制定されていない場合、命令を制定すること

125 救済:国家安全保障

(1)国家安全保障訴訟において、申立人以外に対する適切な勧告(第124条で定義)が、下記が行う行為に影響を与えるであろう場合は、当該勧告を行うことはできない。

(a)情報局保安部

(b)情報局秘密情報部

(c)政府情報本部、または

(d)国務大臣の要求に従って政府情報本部を支援する軍の一部

(2)国家安全保障訴訟とは下記をいう。

(a)1996年雇用審判所法第10条第(3)項(国家安全保障)に基づく指示に関連する訴訟

(b)前記法第10条第(4)項に基づく命令に関連する訴訟

(c)前記法第10条第(5)項に基づく規則に従って出された指示に関連する訴訟(または訴訟の一部)

(d)雇用審判所が前記法第10条第(6)項に基づく規則に従って審判を行う訴訟(または訴訟の一部)

▲ページトップへ

126 救済:職域年金制度

(1)本条は、下記に関連して第120条第(1)項の規定の違反があったと雇用審判所が認定する場合に適用される。

(a)ある者たちが職域年金制度の構成員となる条件、または

(b)職域年金制度の構成員を取り扱う条件

(2)当該審判所が第124条に基づき行う可能性のある行為に加え、当該審判所は命令により下記を宣言することができる。

(a)申立が、ある者たちがある制度の構成員になる条件に関連する場合には、申立人が当該制度の構成員となる権利を有すること

(b)申立が、ある制度の構成員の取扱に関連する場合には、申立人が差別なく構成員資格を有すること

(3)当該審判所は、下記の場合を除き、第124条第(2)項第(b)号による命令を制定してはならない。

(a)賠償が感情の侵害に対するものである場合、または

(b)命令が前記条第(7)項に基づいて発せられる場合

(4)第(2)項に基づく命令は、

(a)申立人が構成員として認められるまたは構成員資格を享受するための条件または資格を定めることができる

(b)命令が発せられる前に遡って効力を有することができる。


第4章

条件の平等

127 管轄権

(1)雇用審判所は、第(6)項に従い、平等条項またはルールへの違反に関する申立についての審判を行う管轄権を有する。

(2)第(1)項により付与される管轄権には平等条項またはルールへの違反により生じる申立についての審判を含む。本章におけるかかる違反に関連する申立はこれに従って解釈する。

(3)雇用審判所は、平等条項またはルールの効力に関する紛争についての責任者と労働者の権利の宣言を求める責任者からの申立について審判を行う管轄権を有する。

(4)雇用審判所は、平等規則に関する紛争についての職域年金制度の受託者または管理者と構成員の権利の宣言を求める受託者または管理者からの申立について審判を行う管轄権を有する。

(5)雇用審判所は、下記について審判を行う管轄権も有する。

(a)平等条項またはルールに関する問題であって、かつ

(b)第128条第(2)項により同審判所に付託される問題

(6)本条は、下記の場合を除き、申立人が軍務に服していた期間中の行為に対する申立には適用されない。

(a)申立人が軍の不服申立手続に従って申立を行った場合で、かつ

(b)申立が取り下げられていない場合

(7)第121条第(2)項から第(5)項は、本条第(1)項において適用される場合と同様に、第(6)項において適用される。

(8)平等規則違反に関連して雇用審判所に申立てられた訴訟において、雇用主は

(a)当事者として取り扱われ、かつ

(b)それに応じて、出廷して意見を陳述する権利を有する。

(9)本条は、平等条項またはルールに関して、高等法院、州裁判所、民事控訴院または執行官裁判所が有する管轄権に影響を与えるものではない。

128 裁判所による審判所等への付託

(1)裁判所に係属中の訴訟において、平等条項またはルールに関する申立または反訴についての審判は雇用裁判所がより適切に行えるであろうと裁判所が判断する場合、裁判所はかかる申立または反訴を却下することができる。

(2)裁判所での訴訟において平等条項またはルールに関する疑問が生じる場合、当該裁判所は(訴訟当事者による申立の有無を問わず)、下記を行うことができる。

(a)当該疑問を雇用審判所に付託し審判を求める、または訴訟当事者が当該疑問を雇用審判所に付託しの審判を求めるよう指示し、かつ

(b)訴訟を当面停止すること

▲ページトップへ

129 期限

(1)本条は下記に適用される。

(a)平等条項またはルールへの違反に関する申立

(b)第127条第(3)項または第(4)項の宣言の申請

(2)申立または申請による訴訟は、適格期間終了後には雇用審判所に提起することができない。

(3)申立または申請が軍務条件以外の労働条件に関連する場合、適格期間は下表の第1欄に明記された事案に対応する第2欄に明記された期間とする。

事案 適格期間
通常事案 雇用または任命の最終日から6ヶ月の期間
安定労働事案(不告知または無能力あるいはこれらの双方である場合を除く) 安定した労働関係が終了した日から6ヶ月の期間
不告知事案(無能力事案でもある場合を除く) 労働者が対象事実を知った日(または合理的な注意があれば知ることができたであろう日)から6ヶ月の期間
無能力事案(不告知事案でもある場合を除く) 労働者が無能力でなくなった日から6ヶ月の期間
不告知事案でありかつ無能力事案でもある事案 当該事案が単なる不告知事案または無能力事案であれば期間が開始するであろう日のうち遅い方の日から6ヶ月の期間

(4)申立または申請が軍務条件に関連する場合、適格期間は下表の第1欄に明記された事案に対応する第2欄に明記された期間とする。

事案 適格期間
通常事案 申立の原因となった軍務が終了した日から9ヶ月の期間
不告知事案(無能力事案でもある場合を除く) 労働者が対象事実を知った日(または合理的な注意があれば知ることができたであろう日)から9ヶ月の期間
無能力事案(不告知事案でもある場合を除く) 労働者が無能力でなくなった日から9ヶ月の期間
不告知事案でありかつ無能力事案でもある事案 当該事案が単なる不告知事案または無能力事案であれば期間が開始するであろう日のうち遅い方の日から9ヶ月の期間

130 第129条:補足

(1)本条は第129条において適用される。

(2)通常事案とは下記以外の事案をいう。

(a)安定労働事案

(b)不告知事案

(c)無能力事案、または

(d)不告知事案でありかつ無能力事案であるもの

(3)安定労働事案とは労働者と責任者の間に安定した労働関係が存在した期間(労働契約の期限が終了した後の期間を含む)に関係する訴訟をいう。

(4)平等条項に関する訴訟における不告知事案とは下記をいう。

(a)責任者が故意に労働者に対象事実を告知しなかった場合であって、かつ

(b)当該日まで労働者が対象事実を知らなかった場合(または合理的注意では発見できなかった場合)

(5)平等規則に関する訴訟における不告知事案とは下記をいう。

(a)雇用主あるいは職域年金制度の受託者または管理者が構成員に対象事実を故意に告知しなかった場合であって、かつ

(b)当該日まで構成員が対象事実を知らなかった場合(または合理的注意では発見できなかった場合)

(6)第(4)項または第(5)項の対象事実とは下記の事実をいう。

(a)申立に関連する事実であって、かつ

(b)当該労働者または構成員がそれを知らなければ正当に訴訟を提起することができなかったでと考えられる事実

(7)軍務条件以外の労働条件に関する平等条項に関連する訴訟における無能力事案とは下記のいずれか遅い方から6ヶ月間において当該労働者が無能力であった場合をいう。

(a)当該日、または

(b)責任者が故意に労働者に告知しなかった対象事実を労働者が知った日(または合理的な注意があれば知ることができたであろう日)

(8)軍務条件に関する平等条項に関連する訴訟における無能力事案とは、下記のいずれか遅い方から9ヶ月間において当該労働者が無能力であった場合をいう。

(a)申立の原因となった軍務期間の最終日、または

(b)責任者が故意に労働者に告知しなかった対象事実を労働者が知った日(または合理的な注意があれば知ることができたであろう日)

(9)平等規則に関連する訴訟における無能力事案とは、当該職域年金制度構成員が下記のいずれか遅い方から6ヶ月間において無能力であった場合をいう。

(a)当該日、または

(b)雇用主あるいは制度の受託者または管理者が故意に構成員に告知しなかった対象事実を構成員が知った日(または合理的な注意があれば知ることができたであろう日)

(10)本条において、当該日とは下記をいう。

(a)雇用または任命期間の最終日、または

(b)労働者と責任者の間の安定した労働関係が終了した日

▲ページトップへ

131 労働の同価値性の評価

(1)本条は、下記に関する雇用審判所での訴訟に適用される。

(a)平等条項またはルールへの違反に関する申立、または

(b)第128条第(2)項に基づいて前記審判所に付託された問題

(2)ある者の労働がもう一人の者の労働と同価値か否かが訴訟において問題となる場合、当該審判所は、かかる問題の審判を行う前に、独立専門家顧問団にかかる問題についての報告書を作成するよう要求することができる。

(3)前記審判所は、第(2)項に規定する要求を取り下げることができ、その場合には下記を行うことができる。

(a)顧問団に対し、特定した文書を提出するよう要求すること

(b)要求の取り下げに関連する顧問団の構成員に他の要求を行うこと

(4)前記審判所が第(2)項の報告書の作成を要求する場合(かつかかる要求を取り下げない場合)、報告書を受け取るまで当該審判所は当該問題の審判を行ってはならない。

(5)第(6)項は下記の場合に適用される。

(a)ある者(A)の労働がもう一人の者(B)の労働と同価値か否かが訴訟において問題となる場合であって、かつ

(b)Aの労働とBの労働が職務評価調査により価値が異なるとされた場合

(6)前記審判所は、当該調査に含まれる評価が下記に該当すると疑う合理的な根拠がない限り、Aの労働がBの労働と同一価値でないとの審判を行わなければならない。

(a)当該評価が性別を理由にして差別を行う制度に基づいている、または

(b)それ以外の理由で、信頼できない

(7)第(6)項第(a)号において、性別を理由にして差別を行う制度とは、異なる要求に対して当該制度が設定するる価値の差(または一致)が、要求相手の者の性別にかかわらず正当とみなされないものをいう。

(8)独立専門家顧問団の構成員とは下記の者をいう。

(a)当該時点において、本条において斡旋調停裁定機関(ACAS)から指定されている者であって、かつ

(b)ACAS評議会の構成員、理事、職員ではない者

(9)「職務評価調査」とは第80条第(5)項が規定する意味を有する。

132 年金以外の場合の救済

(1)本条は、職域年金制度の構成員資格または権利に関する違反以外の、平等条項違反についての裁判所または雇用審判所への申立による訴訟に適用される。

(2)裁判所または審判所は、平等条項への違反があったと認定する場合、下記を行うことができる。

(a)訴訟に関連する事項について当事者の権利を宣言すること

(b)賃金の遅配額または損害賠償の申立人への支払いを命じること

(3)裁判所または審判所は、遅配日より前の時期について、第(2)項第(b)号による命令を行うことはできない。

(4)イングランドおよびウェールズでの訴訟に関し、遅配日とは、下表の第1欄に明記された事案に対応する第2欄に明記された日をいう。

事案 遅配日
通常事案 訴訟が開始された日の6年前の日
不告知事案または無能力事案(または双方が含まれている事案) 最初の違反が発生した日

(5)スコットランドの訴訟に関して、遅配日とは下記の期間の最初の日をいう。

(a)訴訟が開始された日を最終日とする5年間、または

(b)関連の無能力、詐欺または錯誤にかかわる事案の場合、前記日を最終日とする20年間

133 年金の場合の救済

(1)本条は下記に関連する裁判所または雇用審判所への申立による訴訟に適用される。

(a)平等規則への違反、または

(b)職域年金制度の構成員資格または権利に関する平等条項への違反

(2)裁判所または審判所は、第(1)項にいう違反を認定する場合、

(a)訴訟に関連する事項について当事者の権利を宣言することができる。

(b)賃金の遅配分、損害賠償または他の額の申立人への支払を命じてはならない。

(3)第(2)項第(b)号は、第134条が適用される訴訟には適用されない。

(4)違反が制度の構成員となる条件に関する場合、裁判所または審判所は、特定日から申立人に当該制度の構成員となる資格があることを宣言することができる。

(5)第(4)項における特定日は、1976年4月8日以前であってはならない。

(6)違反が制度の構成員の取扱に関する場合、裁判所または審判所は、特定された期間に関し、違反がなければ発生していたであろう権利を確保する資格が申立人にあることを宣言することができる。

(7)第(6)項における特定期間は、1990年5月17日以前に開始してはならない。

(8)裁判所または審判所が第(6)項に基づく宣言を行う場合、雇用主は、同項にいう権利を申立人が(申立人または他の構成員による拠出または追加拠出なく)確保するために必要な資源を制度に提供しなければならない。

▲ページトップへ

134 年金受給者より提起された遅配の訴えの救済

(1)本条は、職域年金制度の年金受給者による、かかる受給者の取扱条件が平等条項またはルールに違反するとの申立による裁判所または雇用審判所の訴訟に適用される。

(2)裁判所または審判所は、第(1)項のにいう違反があったと認定する場合には、下記を行うことができる。

(a)当該訴訟が関連する事項についての申立人および被申立人の権利を宣言すること

(b)申立人に関連する給付の遅配額、損害賠償、または他の額の申立人への支払いを命じること

(3)裁判所または審判所は、遅配日より前の時期について、第(2)項第(b)号による命令を行うことはできない。

(4)裁判所または審判所が第(2)項第(b)号に基づく命令を行う場合、雇用主は、同項により命じられた金額を申立人が(申立人または他の構成員による拠出または追加拠出なく)確保するために必要な資源を制度に提供しなければならない。

(5)イングランドおよびウェールズでの訴訟に関し、遅配日とは、下表の第1欄に明記された事案に対応する第2欄に明記された日をいう。

事案 遅延計算日
通常事案 訴訟が開始された日の6年前の日
不告知事案または無能力事案(または双方が含まれている事案) 最初の違反が発生した日

(6)スコットランドの訴訟に関して、遅配日とは下記の最初の日をいう。

(a)訴訟が開始された日を最終日とする5年間、または

(b)関連の無能力、詐欺または錯誤にかかわる事案の場合、前記日を最終日とする20年間

135 補足

(1)本条は第132条から第134条において適用される。

(2)通常事案とは下記以外の事案をいう。

(a)不告知事案

(b)無能力事案、または

(c)不告知事案でありかつ無能力事案であるもの

(3)平等条項に関する不告知事案とは下記の場合をいう。

(a)責任者が故意に労働者に対象事実(第130条で定義)を告知しなかった場合であって、かつ

(b)労働者が対象事実を知った日(または合理的な注意があれば知ることができたであろう日)から6年以内に訴訟を開始した場合

(4)平等規則に関する不告知事案とは下記の場合をいう。

(a)雇用主あるいは職域年金制度の受託者または管理者が故意に構成員に対象事実(第130条で定義)を告知しなかった場合であって、かつ

(b)構成員が対象事実を知った日(または合理的な注意があれば知ることができたであろう日)から6年以内に訴訟を開始した場合

(5)無能力事案とは労働者または構成員が下記にあたる事案をいう。

(a)最初の違反が発生したときに無能力であり、かつ

(b)労働者または構成員が無能力でなくなった日から6年以内に訴訟を開始した場合

(6)関連の無能力、詐欺または錯誤にかかわる事案の場合、第135条(2)項に規定する5年間は、下記第(7)項により、20年を超える期間とみなす。

(7)第(6)項にいうみなしの目的に照らし、労働者または構成員が下記の状態にあるときは計算に入れない。

(a)無能力であった期間、または

(b)関連の詐欺または錯誤により訴訟を提起しないよう仕向けられていた期間(労働者または構成員が合理的な注意を行っていれば詐欺または錯誤を発見することができたであろう時点以後を含まない)。

(8)第(7)項において、

(a)平等条項に関連した詐欺とは責任者の側による詐欺をいう。

(b)平等条項に関連した錯誤とは責任者の言動により仕向けられる錯誤をいう。

(c)平等規則に関連した詐欺とは雇用主あるいは制度の受託者または管理者の側による詐欺をいう。

(d)平等規則に関連した錯誤とは雇用主あるいは制度の受託者または管理者の言動により仕向けられる錯誤をいう。

(9)第(8)項が規定する責任者、雇用主、受託者または管理者には、これらの者のために行動する代理人を含む。

(10)軍務期間に関しては、第132条第(5)項または本条第(3)項または第(5)項第(b)号が規定する訴訟の開始は申立の提出と読み替える。

(11)制度の年金受給者には、構成員を通じて年金その他の給付を受ける権利を有する者を含む。

(12)裁判所への訴訟において

(a)申立は請求と読み替える。

(b)申立人は請求人と読み替える。

▲ページトップへ

第5章

その他

136 証明責任

(1)本条は、本法違反に関する訴訟に適用される。

(2)他の説明なしで、ある者(A)が当該規定に違反したと裁判所が判断できるであろう事実が存在する場合は、裁判所は違反があったことを認定しなければならない。

(3)ただし第(2)項は、Aが当該規定に違反していないことを証明する場合には、適用されない。

(4)本法違反には平等条項またはルールの違反を含む。

(5)本条は本法への違反行為による訴訟には適用されない。

(6)裁判所には下記を含む。

(a)雇用審判所

(b)亡命および入国審判所

(c)特別入国審査委員会

(d)第一審審判所

(e)ウェールズ特別教育ニーズ審判所

(f)スコットランド追加支援ニーズ審判所

137 従前の認定

(1)関連訴訟において行為の最終認定を行った場合は、本法による訴訟の最終結論として取り扱う。

(2)関連訴訟とは、下記のいずれかに基づく裁判所または雇用審判所での訴訟をいう。

(a)1968年人種関係法第19条または第20条

(b)1970年同一賃金法

(c)1975年性差別禁止法

(d)1976年人種関係法

(e)1986年性差別禁止法第6条第(4A)項

(f)1995年障害差別禁止法

(g)2006年平等法第2編

(h)2003年雇用平等(宗教および信条)規則(S.I. 2003/1660)

(i)2003年雇用平等(性的指向)規則(S.I. 2003/1661)

(j)2006年雇用平等(年齢)規則 (S.I. 2006/1031)

(k)2007年平等法(性的指向) 規則(S.I. 2007/1263)

(3)下記の場合に認定を最終とする。

(a)認定に対する上訴の却下、取り下げ、破棄が行われる場合、または

(b)上訴しないまま上訴期限が終了する場合

138 情報の取得等

(1)本条において

(a)Pとは、Pに対する本法違反が発生したと考える者をいう。

(b)Rとは本法違反をしたとPが考える者をいう。

(2)国王の任命する大臣は命令により下記を定めなければならない。

(a)該当事項または該当する可能性があると考えられる事項についてPがRに質問する形式

(b)RがPからの質問に回答する形式

(3)Pによる質問またはRによる回答は本法に基づく訴訟において証拠能力を有する(質問または回答が所定の形式であると否とを問わない)。

(4)裁判所または審判所は、下記に基づく推定を行うことができる。

(a)質問が送達される日から8週間以内にRがPからの質問に回答しないこと

(b)回避的またはあいまいな回答

(5)第(4)項は下記の場合には適用されない。

(a)別途の回答またはいずれかの回答を行うことが刑事手続の妨げとなる可能性があることをRが合理的に主張する場合

(b)別途の回答またはいずれかの回答を行うことにより、刑事訴訟を起こさないまたは継続しない理由が開示されることになるであろうことをRが合理的に主張した場合

(c)Rの回答が、国王の任命する大臣の命令により本号において特定された種類に該当する場合

(d)国王の任命する大臣の命令により本号において特定された状況でRの回答が行われる場合

(e)国王の任命する大臣の命令により本号において特定された状況でRが回答しない場合

(6)本法違反には平等条項またはルールに対する違反を含む。

(7)国王の任命する大臣は命令により下記を定めることができる。

(a)第(3)項による質問の送達が認められる期間

(b)Pによる質問またはRによる回答の送達方法

(8)本条は、

(a)州裁判所、執行官裁判所、雇用審判所における訴訟での仮決定、予備決定に関する他の法令または規則に影響を与えるものではない。

(b)かかる訴訟における証拠能力を規定する他の法令または規則に従って効力を有する。

▲ページトップへ

139 利息

(1)規則により、下記の規定を定めることができる。

(a)本法による訴訟による賠償金に雇用審判所が利息を付加できるようにすること

(b)前記利息の支払方法と期間を決める方法を特定すること

(2)本法に基づく訴訟による損害賠償に関する限り、規則により、1996年雇用審判所法第14条(賠償金の利息について定める権限)に基づいて出された命令を変更することができる。

140 別の訴訟を生じさせる行為

(1)本条は、本法に基づく2つ以上の別個の訴訟の原因となった行為に適用される。ただし、少なくとも1つの行為が第111条(違反の指示、使役または誘引)の違反にあたらなければならない。

(2)裁判所は訴訟を雇用審判所に移送することができる。

(3)雇用審判所は訴訟を裁判所に移送することができる。

(4)裁判所または雇用審判所は、本編において、本条に基づき自己に移送された請求または申立について審判を行う管轄権を有するものとみなす。それに応じて、

(a)第114条第(1)項が規定する請求には本条により裁判所に移送された請求を含む。

(b)第120条第(1)項が規定する申立には本条により雇用審判所に移送された申立を含む。

(5)裁判所または雇用審判所は、当該行為に基づく訴訟における過去の決定と矛盾する決定を行うことができない。

(6)「裁判所」とは下記をいう。

(a)イングランドおよびウェールズでの訴訟に関しては、州裁判所

(b)スコットランドでの訴訟に関しては、執行官裁判所

141 解釈等

(1)本条は本編おいて適用される。

(2)平等条項またはルールに関する責任者とは、第5編第3章に従って解釈される。

(3)労働者とは、かかる者の労働条件が当該訴訟に関連する者をいう。平等規則または差別禁止規則に関連する訴訟の目的に照らして、労働者とは当該職域年金制度の構成員を含む。

(4)ある者の労働条件とは、第5編第3章に従って解釈される。

(5)職域年金制度の構成員には見込み構成員を含む。

(6)イングランドおよびウェールズでの訴訟に関し、無能力者とは下記の者をいう。

(a)年齢が18歳に達していない者、または

(b)無能力である者(2005年意思決定能力法で定義)

(7)スコットランドでの訴訟に関し、無能力者とは下記の者をいう。

(a)年齢が16歳に達していない者、または

(b)無能力である者(2000年成年無能力者(スコットランド)法(asp 4)で定義)

(8)「不服申立」とは2006年軍隊法第334条に基づく申立をいう。「不服申立手続」とは、同条に基づく規則が定める手続をいう(同法第337条に関連する場合を除く)。

(9)「刑事手続」とは下記をいう。

(a)申立てられた犯罪行為の捜査

(b)刑事手続を開始するか否かの決定

(c)刑事訴訟

▲ページトップへ

第10編

契約等

契約およびその他の取り決め

142 執行できない条件

(1)ある者との契約条件が、かかる者またはもう一人の者について本法が禁止する取扱を構成する、促進する、または提供するものである限り、かかる契約は執行できない。

(2)ある者との契約以外の関連条件が、かかる者またはもう一人の者について、障害に関する限りにおいて、本法が禁止する取扱を構成する、促進する、または提供するものである限り、かかる関連条件は執行できない。

(3)契約以外の関連条件とは下記をいう。

(a)契約以外の合意の条件であり、かつ

(b)第56条第(2)項第(a)号から第(e)号に規定する雇用紹介の規定、または保険による設備に関する団体保険の取り決めに定める規定に関連する条件

(4)第(1)項または第(2)項の本法が禁止する取扱には下記を含まない。

(a)第70条第(2)項第(a)号または第76条第(2)項に規定する契約の条件を含めること、または

(b)第70条第(2)項第(b)号に規定する契約の条件を含めないこと

(5)第(4)項は本条への第148条第(2)項の適用に影響を与えるものではない。

143 執行できない条件の削除または修正

(1)州裁判所または執行官裁判所は、第142条により執行できない条件を含む契約その他の合意に利害関係を持つ者の申立により、当該条件の削除または修正を命じることができる。

(2)本条に基づく命令は、影響を受けるであろう者全員に下記の措置を取った場合でなければ発することができない。

(a)申立があったことの通知(裁判所規則により通知が免除される場合を除く)がなされ、かつ

(b)州裁判所または執行官裁判所に対して陳述する機会が与えられている

(3)本条に基づく命令には命令を制定するまでの期間に関する規定を含めることができる。

144 契約による免れ行為

(1)本法の規定または本法に従って定められた規定を排除しまたは制限することを意図する契約条件は、かかる条件により利益を受ける者が執行することはできない。

(2)規定が障害に関する限り、本法の規定または本法に従って定められた規定を排除しまたは制限することを意図する契約以外の関連条件(第142条で定義)は、かかる条件により利益を受ける者が執行することはできない。

(3)本条は、第114条に規定する申立を解決するための契約には適用されない。

(4)本条は、第120条に規定する申立を解決するための契約であって、かかる契約が下記に該当する場合には適用されない。

(a)調停官の支援のもとで作成されるもの、または

(b)適格な妥協契約であるもの

(5)第(4)項に規定する契約には、平等条項またはルールあるいは差別禁止規則の違反に関連する申立を解決する契約を含む。

(6)第(4)項に規定する契約には、下記の場合において紛争を仲裁に付すための紛争当事者の合意を含む。

(a)紛争が、1992年労働組合および労働関係(統合)法第212A条に基づく命令により効力を持つ制度の対象となるものであり、かつ

(b) 当該合意により当該紛争が同制度に従って仲裁に付される場合

労働協約および事業体規則

145 無効かつ執行できない条件

(1)労働協約の条件が、本法が禁止する取扱を構成する、促進する、または提供するものである場合、かかる協約は無効である。

(2)事業体規則が、ある者について本法が禁止する取扱を構成する、促進する、または提供するものである場合、かかる規則は当該者に対して執行できない。

▲ページトップへ

146 無効な条件に関する宣言等

(1)適格者(P)は、第145条によりある条件が無効であること、またはある規則が執行できないことを雇用審判所に申し立てることができる。

(2)ただし第(1)項は下記の場合にのみ適用される。

(a)当該条件または規則が将来においてPとの関係で効力を有する可能性があり、かつ

(b)当該条件または規則が本法が禁止する取扱を定めているとの申立を行う場合は、Pが(現在の状況下で、かかる取扱を受けているとしたら)将来においてかかる取扱を受ける可能性がある場合

(3)申立に十分な根拠があると審判所が認定する場合、審判所は当該条件が無効であること、または当該規則が執行できないことを宣言する命令を制定しなければならない。

(4)本条に基づく命令には命令制定までの期間に関する規定を含めることができる。

(5)労働協約の条件に関する申立であって、かかる条件が下表第1欄に明記された者またはその代理人が作成したものである場合には、第2欄に明記された者を適格者とする。

労働協約の作成者 適格者
雇用主 雇用主の被雇用者である者または被雇用者になろうとする者
雇用主が属する組織 組織の構成員である雇用主の被雇用者である者または被雇用者になろうとする者
雇用主が属する組織の団体 団体の組織の構成員である雇用主の被雇用者である者または被雇用者になろうとする者

(6)事業体の規則に関する申立であって、かかる規則が下表第1欄に明記された者またはその代理人が作成したものである場合には、第2欄に明記された者を適格者とする。

事業体規則の作成者 適格者
雇用主 雇用主の被雇用者である者または被雇用者になろうとする者
職業組織または資格付与団体 組織または団体の構成員である者または構成員になろうとする者団体が関連資格を付与した者団体から関連資格を取得しようとする者

補足

147 「適格な妥協契約」の意味

(1)本条はこの本編の目的において適用される。

(2)適格な妥協契約とは第(3)項の各条件を満たす契約をいう。

(3)前記の条件とは下記をいう。

(a)文書による契約であること

(b)契約が特定の申立に関連すること

(c)申立人は、契約締結に先立ち、その条件と効力(特に、雇用審判所に申立を行う申立人の権限に関する効力)について独立助言者からの助言を受けていること

(d)助言を行った日において、助言により申立人に生じた損失の損害賠償が申立人によって請求される危険に関して、専門職または職業団体の構成員に対する提供される保険または補償に加入している契約が有効となっていること

(e)契約書に助言者の身元が記載されていること

(f)契約書には第(c)号と第(d)号に適合している旨が記載されていること

(4)独立助言者とは下記をいう。

(a)有資格弁護士

(b)独立労働組合から、助言を行う資格があるとして、同組合を代表して助言を行うことを文書で承認された独立労働組合の理事、役員、被雇用者または構成員

(c)助言センターから、助言を行う資格があるとして、同センターを代表して助言を行うことを文書で承認された労働者(被雇用者であるとボランティアであるとを問わない))

(d)命令で特定す定める説明による者

(5)第(4)項にかかわらず、下記は適格な妥協契約に関する独立助言者にはあたらない。

(a)当該契約または申立の当事者である者

(b)上記第(a)号に規定する者と関係を有する者

(c)上記第(a)号または第(b)号に規定する者の被雇用者

(d)当該契約または申立に関してする上記第(a)号または第(b)号に規定するの者の代理人

(e)労働組合または助言センターが上記第(a)号または第(b)号に規定する者である場合は、第(4)項第(b)号または第(c)号に規定する者

(f)第(4)項第(c)号に規定する者であって申立人が助言の対価を支払った者

(6)第(4)項第(a)号においての適用上、「有資格弁護士」とは下記をいう。

(a)イングランドおよびウェールズに関しては、2007年法律サービス法の適用上、法廷弁論権の執行または訴訟遂行に関して資格を有する者

(b)スコットランドに関しては、弁護士免許を有する弁護士(弁護士として営業しているか、法的助言のために雇用されているかを問わない))または弁護士免許を有するソリシター。

(7)「独立労働組合」とは1992年労働組合および労働関係(統合)法第5条が規定する意味を有する。

(8)下記の2名の者は第(5)項が規定する関係を有する者にあたる。

(a)一方の者が、他方が(直接または間接に)支配する会社である場合、または

(b)双方が第三者の(直接または間接の)支配を受ける会社である場合

(9)第(5)項の適用上において、契約または申立に関して利害の衝突が生じる2名の者も関係を有する者にあたる。

▲ページトップへ

148 解釈

(1)本条は本編において適用される。

(2)本法が禁止する取扱には、下記に違反する取扱を含まない。

(a)第1編(社会経済的不平等に関する公的部門の義務)、または

(b)第11編第1章(公的部門の平等義務)

(3)「団体保険の取り決め」とは雇用主ともう一人の者の間の取り決めであって、これにより当該もう一人の者から雇用主の被雇用者(または被雇用者のグループ)に保険の給付が行われるものをいう。

(4)「労働協約」とは、1992年労働組合および労働関係(統合)法第178条が規定する意味を有する。

(5)事業体の規則とは第(6)項または第(7)項に規定する規則をいう。

(6)本条が規定する規則とは、職業組織または資格付与団体が作成し、下記に適用される規則をいう。

(a)その構成員または見込構成員、

(b)当該組織または団体が関連資格を付与した者、または

(c)当該組織または団体からの関連資格の付与を求める者

(7)本条が規定する規則とは、雇用主が作成し下記に適用される規則をいう。

(a)被雇用者

(b)求職者、または

(c)雇用主が雇用を検討している者

(8)「職業組織」、「資格付与団体」、「関連資格」は第5編(労働)で定める意味を有する。

第11編

平等の促進

第1章

公的部門の平等義務

149 公的部門の平等義務

(1)公的機関は、その職務の遂行において、下記の必要性を考慮しなければならない。

(a)差別、ハラスメント、報復的取扱その他の本法が禁止する行為の排除

(b)関連保護特性を共有する者と共有しない者の間の機会平等の促進

(c)関連保護特性を共有する者と共有しない者の間の良好な関係の育成

(2)公的機関ではないが公務を実施する者は、その職務の遂行において、第(1)項に記載した事項に十分に注意しなければならない。

(3)関連保護特性を共有する者と共有しない者の間の機会平等の促進の必要性への考慮には、特に、下記の必要性に対する考慮が含まれる。

(a)当該特性に関わる関連保護特性を共有する者の不利益を排除する、または最小限にすること

(b)関連保護特性を共有しない者の必要性とは異なる、関連保護特性を共有する者の必要性応えるための手段を講じること

(c)関連保護特性を共有する者に対し、かかる者による参加が不釣合に少ない公的生活への参加を奨励すること

(4)障害者でない者の必要性とは異なる、障害者の必要性に応える手段には、特に、障害者の障害を考慮した手段を含む。

(5)関連保護特性を共有する者と共有しない者の間の良好な関係の育成への考慮には、特に、下記の必要性に対する考慮が含まれる。

(a)偏見への対処、および

(b)理解の促進

(6)本条が規定する義務の遵守には、ある者たちを他の者たちより有利に取り扱うことが含まれる場合がある。ただし、これは、そうでなければ本法であるいは本法に基づいて禁止されるであろう行為を承認するものではない。

(7)関連保護特性とは下記をいう。

年齢

障害

性適合

妊娠および出産・育児

人種

宗教または信条

性別

性的指向

(8)本法でまたは本法に基づき禁止される行為には下記が含まれる。

(a)平等条項またはルールの違反

(b)差別禁止規則の違反

(9)付表18(例外)は効力を有する。

150 公的機関と公務

(1)公的機関とは、付表19に特定された者をいう。

(2)前記付表において、

第1編は公的機関全般を特定する。

第2編はウェールズの関連機関を特定する。

第3編はスコットランドの関連機関を特定する。

(3)付表19に特定された公的機関は、第(4)項が適用される場合を除き、その職務のすべての遂行に関して、第149条(1)項が定める義務に従わなければならない。

(4)ある特定の職務に関して前記付表に特定された公的機関は、かかる職務の遂行に関してのみ前記義務に従う。

(5)公務とは、1998年人権法が規定する公的性質を有する職務をいう。

▲ページトップへ

151 公的機関を定める権限

(1)国王の任命する大臣は、命令により、付表19の第1編、第2編または3編を修正することができる。

(2)ウェールズの諸大臣は、命令により、付表19第2編を修正することができる。

(3)スコットランドの諸大臣は、命令により、付表19第3編を修正することができる。

(4)第(1)項、第(2)項または第(3)項が規定する権限は、下記に関して行使してはならない。

(a)関連するウェールズまたはスコットランドの機関またはウェールズまたはスコットランドの国境をまたぐ機関に関して第1編に追加記載を行うこと

(b)ウェールズの関連機関ではない者に関して第2編に追加記載を行うこと

(c)スコットランドの関連機関ではない者に関して第3編に追加記載を行うこと

(5)国王の任命する大臣は、命令により、付表19を修正し、ウェールズまたはスコットランドの国境をまたぐ機関に関しての規定を定めることができる。

(6)第(5)項に規定するウェールズまたはスコットランドの国境をまたぐ機関について付表19に追加記載を行う権限を最初に行使するにあたり、国王の任命する大臣は下記を行わなければならない。

(a)国境をまたぐ機関のために付表に第4編を追加すること、および

(b)前記の部にウェールズまたはスコットランドの国境をまたぐ機関を追加すること

(7)第(5)項に規定するウェールズまたはスコットランドの国境をまたぐ機関について付表19に追加記載を行う権限の行使の2回目以降については、同付表第4編への追加を行わなければならない。

(8)本条に基づく命令によっては第149条の適用範囲を拡大することができない。ただし、命令制定者が、かかる拡大が公務執行の権限を有する者に関連すると判断する場合を除く。

(9)本条に基づく命令によっては第149条の適用範囲を下記に拡大することはできない。

(a)付表18第3項に規定した職務(司法上の職務等)の遂行

(b)前記付表第4項第(2)号(a)から(e)に記載した者(議会、委譲に基づく立法、英国国教会総会)

(c)前記付表第4項第(3)号に記載した職務の遂行(議会手続または委譲に基づく立法)

152 公的機関を定める権限:協議と同意

(1)国王の任命する大臣は、下表第1欄記載の規定に基づいて命令を発する前に、第2欄に明記された者と協議しなければならない。

規定 協議相手
第151条第(1)項 委員会
第151条第(1)項(ウェールズの関連機関に関するもの) ウェールズの諸大臣
第151条第(1)項(スコットランドの関連機関に関するもの) スコットランドの諸大臣
第151条第(5)項 委員会
第151条第(5)項(ウェールズの国境をまたぐ機関に関するもの) ウェールズの諸大臣
第151条第(5)項(スコットランドの国境をまたぐ機関に関するもの) スコットランドの諸大臣

(2)ウェールズの諸大臣は、第151条第(2)項に基づいて命令を発する前に、下記を行わなければならない。

(a)国王の任命する大臣の同意を得ること、および

(b)委員会と協議すること

(3)スコットランドの諸大臣は、第151条第(3)項に基づいて命令を発する前に、下記を行わなければならない。

(a)国王の任命する大臣の同意を得ること、および

(b)委員会と協議すること

153 所定の義務を課す権限

(1)国王の任命する大臣は、規則により、第149条第(1)項により課される義務の公的機関による遂行を改善する目的で、付表19第1編に特定された公的機関に義務を課すことができる。

(2)ウェールズの諸大臣は、規則により、前記の目的で、付表19第2編に特定された公的機関に義務を課すことができる。

(3)スコットランドの諸大臣は、規則により、前記の目的で、付表19第3編に特定された公的機関に義務を課すことができる。

(4)本条に基づく規則を定める者は、規則を定める前に委員会と協議しなければならない。

154 所定の義務を課す権限:国境をまたぐ機関

(1)国王の任命する大臣が第151条第(5)項に規定する権限を行使して付表19第4編に公的機関を追加記載する場合、同大臣は第(3)項の表の第1欄に明記された文字をその後に付記しなければならない。

(2)第(3)項の表の第1欄に明記された文字を付表19第4編の公的機関の記載の後に付加する場合、同表第2欄に明記された者は、

(a)規則により、同欄に明記された制限に従い、第149条第(1)項により課される義務の公的機関による遂行を改善する目的で、当該機関に義務を課すことができる。

(b)規則を定めるにあたっては、同欄に明記された手続要件に従わなければならない。

(3)表は下記のとおりとする。

文字
規則制定権者と手続要件
A
国王の任命する大臣は、委譲されたウェールズの職務にあたらない機関の職務に関して規則を定めることができる。
国王の任命する大臣は、規則制定に先立って、ウェールズの諸大臣と協議しなければならない。
ウェールズの諸大臣は、機関に委譲されたウェールズの職務に関して、規則を制定することができる。
ウェールズの諸大臣は、規則制定に先立って、国王の任命する大臣と協議しなければならない。
B
国王の任命する大臣は、委譲されたスコットランドの職務にあたらない機関の職務に関して規則を定めることができる。
国王の任命する大臣は、規則制定に先立って、スコットランドの諸大臣と協議しなければならない。
スコットランドの諸大臣は、機関に委譲されたスコットランドの職務に関して、規則を制定することができる。
スコットランドの諸大臣は、規則制定に先立って、国王の任命する大臣と協議しなければならない。
C
国王の任命する大臣は、委譲されたウェールズの職務にも委譲されたスコットランドの職務にもあたらない機関の職務に関して規則を定めることができる。
国王の任命する大臣は、規則制定に先立って、ウェールズおよびスコットランドの諸大臣と協議しなければならない。
ウェールズの諸大臣は、機関に委譲されたウェールズの職務に関して、規則を制定することができる。
ウェールズの諸大臣は、規則制定に先立って、国王の任命する大臣と協議しなければならない。
スコットランドの大臣は、機関に委譲されたスコットランドの職務に関して、規則を制定することができる。
スコットランドの諸大臣は、規則制定に先立って、国王の任命する大臣と協議しなければならない。
D
国王の任命する大臣は規則を制定することができる。
国王の任命する大臣は、規則制定に先立って、ウェールズの諸大臣と協議しなければならない。

(4)規則制定権者は、第(2)項が規定する規則の制定に先立ち、委員会と協議しなければならない。

▲ページトップへ

155 所定の義務を課す権限:補足

(1)第153条または第154条に基づく規則では、下記により随時特定される事項を考慮することを公的機関に要求することができる。

(a)規則制定権者が国王の任命する大臣である場合は、国王の任命する大臣

(b)規則制定権者がウェールズの諸大臣である場合は、ウェールズの諸大臣

(c)規則制定権者がスコットランドの諸大臣である場合は、スコットランドの諸大臣

(2)第153条または第154条に基づく規則は、公共調達職務に関連して、公的部門指令が定義する契約機関である公的機関に対し、義務を課すことができる。

(3)第(2)項において、

「公共調達職務」とは、公的部門指令によりその遂行が規制される職務をいう。

「公的部門指令」とは、公共事業契約、公共供給契約、公共サービス契約に関する欧州議会および理事会の2004年3月31日付指令2004/18/ECおよびその随時の修正をいう。

(4)第(1)項および第(2)項は、第153条または第154条第(2)項第(a)号の一般性に影響を与えるものではない。

(5)第153条または第154条により公的機関に課された義務は、下記による規則で修正または削除することができる。

(a)原義務を国王の任命する大臣が課した場合は、国王の任命する大臣

(b)原義務をウェールズの諸大臣が課した場合は、ウェールズの諸大臣

(c)原義務をスコットランドの諸大臣が課した場合は、スコットランドの諸大臣

156 執行

本章でまたは本章に基づいて課せられた義務を遂行しなかったことは、私法による訴訟原因とはならない。

157 解釈

(1)本条は本章において適用される。

(2)ウェールズの関連機関とは、下記の職務を有する者(議会を除く)をいう。

(a)ウェールズのみに関して執行可能な職務であり、かつ

(b)全部または主要部分が委譲されたウェールズの職務であるもの

(3)ウェールズの国境をまたぐ機関とは、ウェールズの関連機関以外の者で、下記の職務を有する者(または議会)をいう。

(a)ウェールズで、またはウェールズに関して執行可能な職務であり、かつ

(b)委譲されたウェールズの職務であるもの

(4)議会とは2006年ウェールズ政府法における意味とと同じ意味を有する。

(5)委譲されたウェールズの職務とは下記に関連する職務をいう。

(a)ウェールズの諸大臣、ウェールズの首相またはウェールズ議会事務総長が遂行可能な職務事項、または

(b)ウェールズ国民議会の立法権の範囲内である事項

(6)スコットランドの関連機関とは、下記の公的機関、公職、公職保持者をいう。

(a)スコットランドの国境をまたぐ機関でもスコットランド議会機関でもないもので、

(b)その職務がスコットランドでまたはスコットランドに関してのみ執行可能なものであり、かつ

(c)少なくともその職務の一部が保留事項でないもの

(7)スコットランドの国境をまたぐ機関とは、1998年スコットランド法第88条第(5)項が定義する国境をまたぐ公的機関をいう。

(8)委譲されたスコットランドの職務とは下記をいう。

(a)スコットランドでまたはスコットランドに関して執行可能であり、かつ

(b)保留事項に関連しないもの

(9)保留事項とは1998年スコットランド法における意味と同じ意味を有する。

▲ページトップへ

第2章

積極的差別是正措置

158 積極的差別是正措置:一般

(1)本条は、ある者(P)が合理的に下記のように判断する場合に適用される。

(a)特定の保護特性を共有する者がかかる特性に関連して不利を受けている

(b)特定の保護特性を共有する者は、共有しない者とは異なった必要性を有する、または

(c)特定の保護特性を共有する者のある活動への参加が不釣合いに少ない

(2)本法は、Pが下記の目的達成のために均衡のとれた方法をとることを禁止するものではない。

(a)当該保護特性を共有する者が不利を排除しまたは最小限にすることを可能にする、またはこれを奨励すること

(b)かかる必要性を満たすこと、または

(c)当該保護特性を共有する者が当該活動に参加できるようにする、またはこれを奨励すること

(3)規則には、第(2)項が適用されない行為または行為の説明を定めることができる。

(4)本条は下記には適用されない。

(a)第159条第(3)項が規定する行為、または

(b)第104条に基づいて許可されている行為

(5)第105条により第104条第(7)項が取り消される場合、本条は、取消されなければ許可されていたであろう行為には適用されない。

(6)本条は、本法以外の法令でまたはかかる法令に基づいて禁止される行為をPが行うことを可能にするものではない。

159 積極的差別是正措置:採用と昇進

(1)本条は、ある者(P)が合理的に下記のように判断する場合に適用される。

(a)特定の保護特性を共有する者がかかる特性に関連して不利益を受けている、または

(b)特定の保護特性を共有する者のある活動への参加が不釣合いに少ない

(2)第5編(労働)は、保護特性を共有する者が下記ができるようにするまたはこれを奨励する目的で第(3)項に規定する行為をPが行うことを禁止するものではない。

(a)不利を排除しまたは最小限にすること、または

(b)当該行為に参加すること

(3)採用または昇進に関して、ある者(A)は保護特性を有しておりもう一人の者(B)は有していないことを理由とする場合、当該行為はAに有利な取扱であるとする。

(4)第(2)項は下記の場合にのみ適用される。

(a)採用と昇進に関してAとBの適格性が同一であり、

(b)Pには採用または昇進において保護特性を有している者たちを有していない者たちより有利に取り扱うという方針がなく、かつ

(c)当該行為が第(2)項の目的達成のための均衡のとれた方法である場合

(5)「採用」とは下記を決定する過程をいう。

(a)ある者への雇用の申し入れ

(b)下請労働者に下請労働を提供すること

(c)ある者に対し、企業または設立企図中の企業のパートナーの地位を提供すること

(d)ある者に対し、LLPまたは設立企図中のLLPの構成員の地位を提供すること

(e)ある者に対し、法廷弁護士の事務所での見習員または賃借人の地位を提供すること

(f)ある者を弁護士の助手にする、またはある者に弁護士の事務職員の構成員資格を提供すること

(g)ある者を私的役職に任命すること

(h)ある者を公職に任命する、ある者のかかる任命を推奨する、またはある者の公職任命を承認すること、または

(i)ある者に雇用紹介を行うこと

(6)本条は、本法以外の法令でまたはかかる法令に基づいて禁止される行為をPが行うことを可能にするものではない。


目次へ前ページへ次ページへ


共生社会政策ホーム > 障害者施策トップ > もっと詳しく > 障害者施策に関する調査等 > 平成23年度 障害者差別禁止制度に関する国際調査 > 第4章 2010年平等法(イギリス) 第8編 禁止行為:付随


▲ページトップへ