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参考資料

参考資料5-4 連邦政府国内行動計画(NAP)「5.参加の実践:国内行動計画の策定と実施」

5.1 国内行動計画への道のり

 障害者団体は、既に国連障害者権利条約の批准のプロセスの間に、連邦政府に対して、同条約の国内法下のための総合戦略としての国内行動計画を発展させるという希望を述べていた。
 連邦参議院も2009年9月18日の連邦政府障害者報告についての意見表明において、連邦政府に、州及び障害者の利益代表の参加の下で、そのような行動計画を作成することを要求した。

 第17立法期の連立合意書においてこの要求は採択され、連邦政府の重要な計画として、現在の国内行動計画への発展が取り決められた。
 連邦労働社会省は中央連絡先として、作成プロセスの責任を引き受けた。部局、州、自治体及び市民社会との協働と並んで、国連障害者権利条約の基準に対応して、とりわけ早期の包括的な障害者団体の参加が重大な関心事であったし、現在もそうである。

 国連障害者権利条約は、単に障害者のためだけでなく、障害者とともに実施されなければならない。

 国内行動計画の採決までの概略については、長く、事件の多い道のりであった。
 2010年2月から4月の間に計画された行動は、部局、州、障害者団体及びその他の市民社会の関係者との準備的な討議において説明され、議論された。この準備作業には、Hertie School of Governanceが学問的立場から参加した。ここではプロセスが分析され、決定の構造に関して、背景が批判的に調査された。同時に学生及び教員は、外部の関係者の関与の下での行政行為への積極的な視線を有していた。
 2010年3月24日に全体として、障害者団体と国内行動計画の将来的な構造及び行動領域及び横断的なテーマについての内容的な表現について議論され、発展した。
 2010年6月23日に、連邦労働社会省は約300人の参加者の「Teilhabe braucht Visionen(参加はビジョンを必要とする)」会議を開催した。行動領域に属するビジョン、指導理念及び目的のための作業を行った。同時に市民は数週間にわたり、オンラインのポータル83を介してこのプロセスに参加することができた。
 第2回会議は「Teilhabe braucht Masnahmen(参加は措置を必要とする)」というモットーの下で、2010年11月4日に開催された。連邦及び州の省、地方自治体、障害者団体、及びその他の市民社会からの約300人の参加者が指導理念及び目的の実現のための具体的な措置及びプロジェクトを議論する目的で参加した。ここでも、インターネットポータルでの追加的な参加が可能であった。
 これらすべては、国内行動計画をできる限り多くの関係者、特に障害者団体を交えて、わかりやすく参加的に発展させることを確保することが必要であった。更に、連邦政府の代表者とNGOの間で多数の討議がなされた。NGOからの多様なポジションペーパー及び要求書が分析され、議論された。とりわけドイツ障害者会議から提出された要望一覧が重要であった。
 この参加のプロセスの結論から、国内行動計画の草案が作成された。2011年春に連邦政府内部で採決され、国連障害者権利条約実施のための国内行動計画についての委員会、障害者団体、その他の市民社会及び州の関係者によって議論された。
国連障害者権利条約の実施についての現在の国内行動計画は、2011年6月15日に連邦内閣によって決定された。

5.2 国内行動計画の実施

5.2.1 中央連絡先としての連邦労働社会省の役割

 上述の指導理念を実行し、目的を達成し、規定されたビジョンに近づくために予定され記述された措置の実施については、実績のある組織及びすべての関係者の団結が必要である。
 個別の措置の実施は第1に権限のある連邦の省が責任を負う。第6章で説明するプロジェクト及び措置を予定された期間、場合によっては、さらなるパートナーの参加の下で、現実化する義務が課される。市民社会の団体も参加する。
 連邦労働社会省は国家の中央連絡先として、情報や代用、評価及び更新、障害者報告の新構想及び国内行動計画のための会議の世話のような、部局横断的な手続について責任を負う。
 更に、国家及び市民社会の関係者の団結及び州、地方自治体、市民社会の団体における固有の国内行動計画の宣伝も中心的任務に属する。
連邦の国歌行動計画及びその他の国連障害者条約のドイツにおける実施のための措置についての進捗については、ウェブサイト(www.einfach-teilhaben.de別ウィンドウで開きます)で報告されている。

5.2.2 国家の調整のための仕組みとしての障害者に関する連邦政府弁務官の役割

 障害者に関する連邦政府弁務官は国家の調整のための仕組みとして、基本的に3つの任務を引き受ける:

  • NGO、特に障害者及び多様な行動領域において重要な関係者を実施プロセスに参加させる
  • 市民社会と国家レベルの接点となる
  • 広報活動、意識形成、機関や組織に属する不可欠な関係者、州や地方自治体の地方レベルでの関係者という多様なレベルでの情報伝達の代行

5.2.3 国家機関との協力

(略)

5.2.4 市民社会との協力

(略)

5.2.5 国内監視機関との協力

 ドイツ人権機関は、国連障害者権利条約33条2項による独立した仕組み(国内監視機関)としての任務の代行について、2008年10月1日の内閣決定によって委託された。国内監視機関は連邦政府から資金が出され、2009年の中頃にその仕事を開始した。同部局は、政治的相談、適用に向けられた研究、会の開催、出版及び公表によって、国連障害者権利条約に定められた権利の要求と保護に貢献する。国家及び政治の関係者、例えば、連邦や州の立法府や政府への助言や人権の問題状況について意見を表明する。国内監視機関は更に、国連障害者条約のドイツにおける実施状況について条約委員会に積極的に報告する。
 連邦政府は、国連障害者条約及び国内行動計画の問題について国内監視機関と定期的な情報交換を行う。更に国内監視機関は、調整のための仕組みにある障害者包容諮問評議会の会議において、オブザーバーとしての地位で協力する。必要であれば、専門家委員会においても協働することができる。

5.3 評価

 多数の国内行動計画の測定について、進捗及び結果の定期的な評価が予定される。国家行動計画は効力の期間が10年(2011-2020)で作成され、多数の列挙された措置及びプロジェクトは、第17立法期の最後までに延長され、又は引き続いて行われる。この時期に最初の評価が予定される。その後の評価は同様にその都度の立法期の最後に行われる。
 学問的評価の支援により、措置及び国家行動計画の手続の実施が最適化できるような知見が得られるだろう。経験は専門分野の視点からも、障害者及びその代表者、市民社会からも集められ、明らかにされて評価される。同時に評価によって、国内行動計画の措置により実際の障害者の状況の変更についての知見が得られるだろう。新たに発展された連邦政府障害者報告との結び付きが予定される。
 部局、委員会及び障害者包容諮問評議会の代表者はともに参加する。国内監視機関の知識と助言も更新において考慮される。
 国内行動計画及びその実施の評価に関連して、独立の監視機関(独立した仕組み)はその委任に対応して、独立の役割を行う。評価の性質と範囲はその判断に従う。この任務を満たすために必要な情報への接近も任務に含まれる。

5.4 更新

 連邦政府の国内行動計画はダイナミックなプロセスとして、検討されなければならない。計画は恒常的な発展をする措置のカタログである。したがって、国内行動計画の実施のための具体的な措置及び計画は、立法期のはじめに先行する評価に対応して更新される。その場合、部局、委員会及び障害者包容諮問評議会の代表者が参加する。
 国内行動計画はいつでも新しいプロジェクト、措置及び既に定められた措置の実現が、更新時期から独立してできるように構成されている。ウェブサイト(www.einfach-teilhaben.de別ウィンドウで開きます)では、個々の実際の状況が表現されている。

5.5 その他の行動計画

(略)


83 www.einfach-teilhaben.de別ウィンドウで開きます

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