図1.7-1 トルコにおける関係主体の全体像

トルコ政府においては、家族・労働・社会サービス省(ACSHB) の中に設置された障害者・高齢者サービス総局(EYHGM)が中央連絡先および調整のための仕組みとなっている。政府内には障害者の権利に関する監視および評価委員会と、アクセシビリティ評価監視委員会がある。前者は障害者の権利保護に関する実務、政府や行政に対する勧告、戦略や行動計画の起草や承認、機関同士の協力や調整の確保などを主な使命とし、公的機関、市民社会、人権機関などからの代表者によって構成されている。これらの代表者は家族・労働・社会サービス省が選定する。アクセシビリティ評価監視委員会は、地方レベルでのアクセシビリティの適用を支援し普及させる役割を負い、障害者も活動に関与している。
 独立した仕組みとしては、トルコ人権平等機関 (TİHEK)と、オンブズマン機関(KDK)の二つがある。前者は差別との戦い、平等の保障、人権の保護・促進を使命とする。後者は公共機関のあらゆる手続、行動の評価・調査・提案が主な業務で、市民社会とも深い繋がりを持つ。これらの二つの機関は独立した仕組みとしてトルコ政府の監視を行うが、トルコ人権平等機関は法務省(AB)の、オンブズマン機関(KDK)はトルコ大国民議会(TBMM)議長事務局の管轄となっている。
 トルコ国内には平等権利監視協会(AMER)、トルコ障害者連合、障害者権利監視グループ(PSWG)、障害児の権利のためのネットワーク(ECHA)をはじめとする様々な市民社会組織があり、これらがパラレルレポートの提出を行った。市民社会組織は独立した仕組みとともに政府を監視する一方で、様々な分野での協力も行っている。

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