図1.8-1 サウジアラビアにおける関係主体の全体像
サウジアラビア政府内において、障害者権利条約の対応で中心的な役割を担っているのは労働社会開発省の中に置かれた障害者福祉局である。条約、障害者福祉法実施の監視および各機関間の調整を行うために障害者サービス調整委員会がある。委員長は労働社会開発省の高官が務め、関係8省庁と市民社会組織の代表によって構成される。
人権に関する苦情受付窓口として、人権委員会がある。委員会内には障害者権利に関する特別部署があり、権利状況や権利侵害の監視、障害者権利に関する社会の意識向上、障害者への助言、法的支援、国王への報告などを行う。国王は国王例の発布や、シャーリア評議会(国会)の議員任命などを行う。障害者福祉法など、関連法の立法はシャーリア評議会が行う。
市民社会組織としては障害児協会、キングサルマン障害研究センター、自閉症協会、聴覚障害者協会、エブサル慈善財団、全国人権協会などがあり、様々なプロジェクトで政府と協力している。全国人権協会は苦情の受付や、条約実施の監視を行っている。