図1.11-1 ベルギーにおける関係主体の全体像

ベルギー政府機関は一つの連邦政府と6つの連邦構成主体の各政府で構成されている。連邦外務省が中央連絡先である。調整のための仕組みは連邦社会保障省内に設置された障害者に関する省庁間会議であり、連邦社会保障省と各連邦構成主体内の担当部局との調整を行う。
 6つの連邦構成主体では、フランデレン地域は障害者局、ワロン地域は障害者統合局、ブリュッセル首都圏地域は外務部門および機会均等多様性部門、フラマン語共同体は基本的にフランデレン地域と共通、フランス語共同体はワロンブリュッセル国際機関の国際多文化部門、そしてドイツ語共同体は障害者局が担当部局である。
 独立した監視の仕組みは、連邦レベルで設置されているUnia(機会均等のための連邦間センター )と、市民社会がその役割を負っている。Uniaは連邦政府と各連邦構成主体の間でセンターの業務の委託や連携の協定を結んでおり、条約実施の監視、統計、社会の意識向上などの業務を担当する。Uniaはパリ原則に一部準拠した公的機関である。
 連邦レベルの諮問機関として全国障害者高等協議会がある。この組織は障害関連の法案などがまず諮問される場であり、政府に対して意見を提出する。委員は障害者が中心である。
 障害者団体は連邦レベルで、全国障害者高等協議会とベルギー障害フォーラムを通じて条約実施の監視、社会啓発、報告書作成などに参加する。また、ベルギー人権連盟も監視に参加する。障害者団体はまた、各地域・共同体の諮問委員会などへの参加や、連邦外務省による多面的調整会議にも参加し、提言や監視を行う。

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