図1.6-1 インドにおける関係主体の全体像
インドの中央連絡先は、社会正義・エンパワメント省(MoSJE)の内部に設置されている障害者エンパワメント庁が担っている。
調整のための仕組みは、社会正義・エンパワメント省内に設置された中央調整委員会がその役割を担っている。この委員会は中央政府の省庁の代表者で構成されており、国内の中央連絡先として機能する一方で、障害に関わる各省庁や非政府組織の活動の審査と調整を行う。また、中央政府への助言や、障害者政策の影響調査等も行っている。中央調整委員会は、中央執行委員会を通して、中央政府省庁に対し、条約実施業務の調整や執行を行う。州・連邦直轄領政府に対しては、州調整・執行委員会を通して調整・執行を行っている。
独立した仕組みとしては、中央諮問会議、障害者主任委員、障害者州委員の3つがある。
中央諮問会議は障害者に関する国家レベルの最高政策勧告機関であり、障害者の参画を保証するためのプログラムや政策の監視や評価を行う。この会議は社会正義・エンパワメント大臣が議長で、市民社会組織から代表者が参加している。
障害者主任委員は苦情の受付、平等や無差別に関する調査・報告、差別の疑いのある施設への捜査を行う。
障害者州委員は州レベルでの障害者権利法の実施を監視している。
なお、市民社会組織は、国内障害者ネットワーク、障害者の権利に関する国家委員会、国立障害者雇用促進センター、障害のあるインドの女性ネットワーク、スリシチ・マドゥライ、障害者のためのサマーサナム・トラストなどがある。