2 国外調査 2.3

2.3 本調査の概要

(1) 調査方法

 調査方法は、幅広く情報収集を行うこと、最新の現状について深い洞察を得ることを両立するため、(1)文献調査 及び(2)ヒアリングを併用することとした。ヒアリングは、オンラインで実施した。

(2) 調査対象

 調査対象は、文献調査及びヒアリングのそれぞれについて、以下のとおりとした。

<文献調査>

 主要国及びESGに係る取組の先進国の中から、米国、英国、フランス、ドイツ、スウェーデン、オーストラリア、EUの7か国・地域を対象として調査を行った。

<ヒアリング>

 ESGに関する主要な主体を、5件、選定し、ヒアリングを実施した。

機関名
欧州委員会(EC)
欧州財務報告諮問グループ(EFRAG
ESGに係る投資アドバイザリー事業者
ESGに関する学識経験者
インデックス・プロバイダー(国際的な指標策定事業者)

(3) 調査項目

 そこで、文献調査では、7つの地域・国について、上記の3項目を対象とし、障害者施策に関する取組を調査した。実際に調査した項目は、以下のとおり。

<文献調査>

 対象地域・国における以下3つの枠組み等の情報を収集し、その内容に障害者施策が含まれているかどうかを調査した。

 (1)ESGについての非財務情報の開示の枠組み

 (2)ESGについての投資に係る枠組み(スチュワードシップ・コード等)

 (3)ESGについての機関投資家の投資方針

<ヒアリング>

 ヒアリングでは、以下の観点を含め、半構造化インタビューを行った。

(1) ESGの現状

1. 社会(S)及びガバナンス(G)領域において障害者施策に係る要素が含まれている例

2. 社会(S)領域で言及される「ダイバーシティ&インクルージョン」や「人権尊重」についての現在の動向及びと今後の展望

3. 障害者施策が含まれる場合、雇用分野又は非雇用分野の別

(2) ESGにおける障害者施策について

1. 障害者施策の評価手法及び項目

2. 障害者施策と経済性・収益性との関係

3. 障害者施策を経済性・収益性に繋げるための工夫・仕組化等(特にBtoCの分野において)

4. ESGにおいて障害者施策の観点を導入し、主流化するために克服すべき課題

5. 事業者による障害者への自律的な取組を促進する観点からは、障害者関連要素を、リスク又は機会のいずれに位置付けることが有効か

(3) 関連・類似分野の動向

1. 社会(S)及びガバナンス(G)領域における、障害者施策以外の関連・類似分野における好事例

2. 環境(E)領域において、日常生活・社会生活における社会的障壁が読み込まれている例

(4) 具体的な取組に向けて

1. 具体的な取組が期待できる分野

2. 関与を得るべきステークホルダー

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