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第2章 相互の理解と交流 > 第1節 障害のある人に対する理解を深めるための啓発広報等に係る施策 > 1.啓発・広報活動の推進

平成24年版障害者白書

平成23年度を中心とした障害者施策の取組

第2章 相互の理解と交流

第1節 障害のある人に対する理解を深めるための啓発広報等に係る施策

1.啓発・広報活動の推進
(1)啓発・広報の基本的な方針

「障害者基本計画」の掲げる「共生社会」の実現を図るためには、その理念の普及を図るとともに、障害及び障害のある人に関する国民の理解を促進し、併せて、障害のある人への配慮等について国民の協力を得るため、幅広い国民の参加による啓発・広報活動を強力に推進することが重要となっている。特に、将来を担う若者への啓発・広報活動の一層の推進が重要である。

後期5か年計画においては、「共生社会」の周知度について、世代全体に係る周知度とともに、20代の若者に係る周知度を50%とする数値目標を掲げている。

(2)障害者週間

国では、「障害者基本法」を踏まえ、旧本部決定(平成16年12月1日)「『障害者週間』の実施について」に基づいて、障害及び障害のある人に対する国民の関心、理解を深めるとともに、障害のある人の社会参加意識の高揚を図るため、毎年12月3日から9日までの1週間を「障害者週間」とし、前後の期間も含め、全国で、官民にわたって多彩な行事を集中的に実施するなど、積極的な啓発・広報活動を実施している。

ア 心の輪を広げる障害者理解促進事業

内閣府では、各都道府県・指定都市との共催により、将来を担う若者への啓発・広報活動の一環として、全国の小・中学生等から、障害のある人とのふれあい体験をつづった「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」の募集を「心の輪を広げる障害者理解促進事業」として実施している。平成23年度は、作文5,395編、ポスター1,606点の応募があり、近年最多の応募数となった。この中から内閣総理大臣賞として作文3編及びポスター2点が選ばれ、東京で表彰された。本事業では、ポスター部門の最優秀作品を原画とした「障害者週間のポスター」を作成し、全国の駅等に掲示するとともに、作文、ポスターの入賞作品集を作成し、全国の小・中・高等学校等に配布する等して、障害のある人への理解促進を図っている。

入賞作品については内閣府ホームページに掲載している。

イ 平成23年度における「障害者週間」行事

平成23年度の「障害者週間」行事については、内閣府を中心に、法務省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省等の関係省庁、障害者関係団体、企業等の協力の下、「障害者週間」の期間を通じて東京を中心に各地において、多彩な行事を実施した。

東京では、12月2日に「障害者フォーラム2011」を開催し、第1部において「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」の最優秀賞の表彰式と受賞者による作文の朗読等を行い、第2部において「~障害者基本法の改正で何が変わるのか~」をテーマとするシンポジウムを開催した。また、障害のある人に関する様々なテーマについて関係団体等が交替で連続して行う「障害者週間連続セミナー」を開催した。平成23年度のセミナーにおいては、障害者権利条約、障害者雇用、発達障害、震災と障害者等について、講演やパネルディスカッション等を実施した。

このほか、「障害者週間のポスター」等の原画展を東京で開催した。

また、大阪では、内閣府の後援により公益社団法人関西経済連合会等の関西経済3団体並びに障害者支援に取り組む地元民間団体の主催により、「誰もが共に生きる社会を目指して~3・11を経て、これからの課題~」をテーマとしたシンポジウムが開催された。

このほか、国、地方公共団体、民間の関係団体等において、NHK ハート展、地方運輸局等におけるバリアフリー教室等をはじめとして、それぞれ独自の行事や啓発・広報活動が積極的に行われた。

(3)その他の週間・月間等

このほか各種の週間・月間等の活動の中でも、障害のある人への理解を深めるための啓発・広報活動が展開された。

9月1日から30日までの「障害者雇用支援月間」においては、障害のある人の雇用の促進と職業の安定を図ることを目的として、障害のある方々から募集した絵画や写真を原画とした啓発用ポスターが作成され、全国に掲示されたほか、障害者雇用優良事業所等表彰、障害者雇用支援月間ポスター原画表彰及び優秀勤労障害者表彰を始め、各都道府県においても、障害者雇用促進のための啓発活動が実施された。

10月24日から30日までの「第59回精神保健福祉普及運動」の期間においては、精神障害のある人に対する早期かつ適切な医療の提供及び社会復帰の促進等について、国民の理解を深めることを目的として、精神保健福祉全国大会をはじめとする諸行事等が実施された。

12月4日から10日までの「人権週間」においては、障害のある人に対する差別や偏見を解消するため、啓発活動年間強調事項でもある「障害のある人の完全参加と平等を実現しよう」を強調事項として掲げ、法務省の人権擁護機関である法務局・地方法務局及び人権擁護委員等を通じて、全国各地で講演会や座談会の開催、ポスター・パンフレットの作成・配布等の啓発・広報活動が実施された。

平成19年12月、国連総会本会議において、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」とする決議が採択されたことを受け、毎年、自閉症をはじめとする発達障害に関する正しい知識の浸透を図るためのシンポジウム等を開催している。23年度においては、東日本大震災による被害等の状況を踏まえ4月2日の開催を延期し、6月18日『災害と自閉症~共に支え合い、共に生きる~』をテーマに開催した。

また、世界自閉症啓発デーを含む4月2日から8日までの「発達障害啓発週間」においては、全国の地方公共団体や関係団体等により様々な啓発活動が実施された。

(4)バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者の表彰

高齢者、障害のある人、妊婦や子ども連れの人を含むすべての人が安全で快適な社会生活を送ることができるよう、ハード、ソフト両面のバリアフリー・ユニバーサルデザインを効果的かつ総合的に推進する観点から、その推進について顕著な功績又は功労のあった個人・団体に対して、内閣総理大臣及び高齢社会対策又は障害者施策を担当する大臣が、毎年度、表彰を行い、その優れた取組を広く普及させることとしている。平成23年度においては、7団体を表彰した。

バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰(平成23年12月)

バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰(平成23年12月)

平成23年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰で内閣総理大臣表彰を受賞したケージーエス株式会社の製品「点字ディスプレイ」と「点図ディスプレイ」

平成23年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰で内閣総理大臣表彰を受賞したケージーエス株式会社の製品「点字ディスプレイ」と「点図ディスプレイ」

(5)障害者施策に関する情報提供等

政府等が実施している各種障害者施策の状況について積極的に情報提供していくことは、国民の理解と協力を得ながら施策を進める上で欠くことのできないものである。

「障がい者制度改革推進会議」は全国の障害のある人を始め関係者の関心が極めて高く、会議運営に当たっても情報保障の観点から、特に積極的な情報提供に配意している。具体的には、毎回の会議の開始から終了までの全状況をインターネットによるオンデマンド配信として、動画、音声、手話、要約筆記の文字情報により提供している。これに加え、会議資料を当日の会議開始前に内閣府のホームページに掲載し、また、事後的には、会議の逐語的な議事録及び要点を抜粋した議事要録も掲載している。

なお、推進会議の運営に当たっては、障害のある委員の参画に資するため、視覚障害者のための資料の点字訳の提供、知的障害者のためのルビを振った資料の提供、聴覚障害者のための手話通訳者の配置、要約筆記の提供、磁気ループの敷設などの配慮を講じている。

また、内閣府のホームページでは、上記に加えて「障害者白書」を掲載するとともに、「障害者施策関係予算の概要」、「障害者基本計画に基づく『重点施策実施5か年計画』の進ちょく状況」、「都道府県・指定都市における障害者施策関係単独事業の実施状況」等について毎年調査し、公表している。また、視覚障害のある人のための音声コードを付与した後期5か年計画を作成・配布するとともに、知的障害のある人が「障害者基本計画」及び後期5か年計画の内容を理解しやすくするため、「わかりやすい障害者計画」を作成し、配布するとともに、内閣府ホームページにも掲載し、その普及を図っている(視覚障害のある人のための音声コードについては、内閣府ホームページを参照)。

わかりやすい障害者計画パンフレット

わかりやすい障害者計画パンフレット

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