第1編 障害者の状況等(基礎的調査等より)
第1章 障害者の状況(基本的統計より)
1 障害者数(3区分の概要)
(1) 全体状況
ここでは、身体障害、知的障害、精神障害の3区分による厚生労働省の調査から基本的な統計数値を記載する。
障害者数は、身体障害者366.3万人(人口千人当たり29人)、知的障害者54.7万人(同4人)、精神障害者320.1万人(同25人)であり、およそ国民の6%が何らかの障害を有していることになる。
総数 | 在宅者 | 施設入所者 | ||
---|---|---|---|---|
身体障害児・者 | 18歳未満 | 9.8万人 | 9.3万人 | 0.5万人 |
18歳以上 | 356.4万人 | 348.3万人 | 8.1万人 | |
合計 | 366.3万人(29人) | 357.6万人(28人) | 8.7万人(1人) | |
知的障害児・者 | 18歳未満 | 12.5万人 | 11.7万人 | 0.8万人 |
18歳以上 | 41.0万人 | 29.0万人 | 12.0万人 | |
年齢不詳 | 1.2万人 | 1.2万人 | 0.0万人 | |
合計 | 54.7万人(4人) | 41.9万人(3人) | 12.8万人(1人) | |
総数 | 外来患者 | 入院患者 | ||
精神障害者 | 20歳未満 | 17.9万人 | 17.6万人 | 0.3万人 |
20歳以上 | 301.1万人 | 269.2万人 | 31.9万人 | |
年齢不詳 | 1.1万人 | 1.0万人 | 0.1万人 | |
合計 | 320.1万人(25人) | 287.8万人(22人) | 32.3万人(3人) | |
注1: ( )内数字は、総人口1,000人あたりの人数(平成17年国勢調査人口による。精神障害者は、平成22年国勢調査人口による。)。 | ||||
2: 精神障害者の数は、ICD10(国際疾病分類第10版)の「V精神及び行動の障害」から精神遅滞を除いた数に、てんかんとアルツハイマーの数を加えた患者数に対応している。 | ||||
3: 身体障害児・者の施設入所者数には、高齢者関係施設入所者は含まれていない。 | ||||
4: 四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。 | ||||
資料: 「身体障害者」 在宅者: 厚生労働省「身体障害児・者実態調査」(平成18年) 施設入所者: 厚生労働省「社会福祉施設等調査」(平成18年)等 「知的障害者」 在宅者: 厚生労働省「知的障害児(者)基礎調査」(平成17年) 施設入所者: 厚生労働省「社会福祉施設等調査」(平成17年) 「精神障害者」 外来患者: 厚生労働省「患者調査」(平成23年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成 入院患者: 厚生労働省「患者調査」(平成23年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成 |
(2) 年齢階層別の障害者数
身体障害者では、65歳以上の割合の推移を見ると、昭和45年には3割程度だったものが、平成18年には6割まで上昇している。
知的障害者では、身体障害者と比べて18歳未満の割合が高い一方で、65歳以上の割合が低い点に特徴がある。
外来の精神障害者65歳以上の割合の推移を見ると、平成17年から平成23年までの6年間で、65歳以上の割合は28.6%から33.8%へと上昇している。
(3) 住まいの状況
在宅の身体障害者(18歳以上)の住まいとしては、8割以上が本人又は家族の持家に住んでおり、借家や借間等の割合は少ない。
在宅の知的障害者(18歳以上)の住まいとしては、自分の家やアパートが8割以上を占めるが、知的障害者のための支援付きの住まいであるグループホームや通勤寮を利用している人もいる。
外来の精神障害者の住まいとしては、約4分の3が家族と同居しており、一人暮らしは2割弱となっている。
単位:% | ||||||
自身の持ち家 | 家族の持ち家 | 民間賃貸 | 社宅等 | 公社・公団等 | その他(借間等) | 回答なし |
---|---|---|---|---|---|---|
51.7 | 30.6 | 6.4 | 0.4 | 7.6 | 1.8 | 1.5 |
資料: 厚生労働省「身体障害児・者実態調査」(平成18年) |
単位:% | |||||
自宅の家やアパート | 会社の寮 | グループホーム | 通勤寮 | その他 | 不詳 |
---|---|---|---|---|---|
82.0 | 0.3 | 8.9 | 0.1 | 7.5 | 1.1 |
資料: 厚生労働省「知的障害児(者)基礎調査」(平成17年) |
単位:% | |||||
家族と同居 | ひとり暮らし | 福祉ホーム等 | グループホーム | 老人福祉施設 | その他 |
---|---|---|---|---|---|
76.8 | 17.9 | 1.3 | 1.7 | 0.5 | 1.8 |
資料: 厚生労働者「精神障害者社会復帰サービスニーズ等調査」(平成15年) |
(4) 同居者・配偶者の有無
身体障害者では、一人暮らしの割合は1割程度で、配偶者有りが6割程度を占めている。知的障害者では、一人暮らしは少ない上、配偶者有りもかなり少なく、大半は親や兄弟姉妹と暮らしている。精神障害者では、一人暮らしは2割弱で、配偶者のある者は3分の1程度である。
2 教育
(1) 特別支援学校及び小学校、中学校の特別支援学級等の在籍者数
障害のある幼児児童生徒については、自立し社会参加する資質を培うため、一人一人の障害の種類、状態等に応じ、<1> 特別支援学校(幼稚部・小学部・中学部・高等部)、<2> 小学校・中学校における特別支援学級、<3> 小学校・中学校における通級による指導において、きめ細かな教育が行われている。
約13.0万人 単位:人 (平成24年5月1日現在) | ||||
区分 | 在学者数(人) | |||
---|---|---|---|---|
幼稚部 | 小学部 | 中学部 | 高等部 | |
視覚障害 | 227 | 1,760 | 1,114 | 2,793 |
聴覚障害 | 1,215 | 3,099 | 1,909 | 2,310 |
知的障害 | 211 | 32,889 | 25,482 | 56,773 |
肢体不自由 | 150 | 13,595 | 8,243 | 10,019 |
病弱・身体虚弱 | 14 | 7,349 | 5,164 | 6,663 |
計 | 1,569 | 37,097 | 28,829 | 62,499 |
注: 複数の障害を併せ有する幼児児童生徒については、それぞれの障害種別に含まれている。よって、それぞれの障害種別の合計は「計」と一致しない。 | ||||
資料: 文部科学省「学校基本調査」(平成24年度) |
約16.4万人 単位:人 (平成24年5月1日現在) | ||
区分 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|
知的障害 | 57,565 | 29,395 |
肢体不自由 | 3,226 | 1,148 |
病弱・身体虚弱 | 1,693 | 704 |
弱視 | 322 | 95 |
難聴 | 944 | 385 |
言語障害 | 1,454 | 114 |
自閉症・情緒障害 | 48,757 | 18,626 |
計 | 113,961 | 50,467 |
資料: 文部科学省「学校基本調査」(平成24年度) |
約7.2万人 単位:人 (平成24年5月1日現在) | ||
区分 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|
言語障害 | 32,390 | 284 |
自閉症 | 9,744 | 1,530 |
情緒障害 | 6,137 | 1,313 |
弱視 | 141 | 20 |
難聴 | 1,704 | 352 |
学習障害 | 7,714 | 1,636 |
注意欠陥多動性障害 | 7,596 | 921 |
肢体不自由 | 16 | 1 |
病弱・身体虚弱 | 14 | 6 |
総計 | 65,456 | 6,063 |
資料: 文部科学省「通級による指導実施状況調査」(平成24年度) |
(2) 大学等
全国の大学、短期大学、高等専門学校の平成24年5月1日現在の障害のある学生数は、11,768人で、在籍は793校にのぼる。
3 就労
(1) 就業の状況(年齢階層別就業率)
就業率を年齢階層別に見ると、身体障害者の就業率は、一般の就業率と比べて全体的に20~30%ほど低い分布となっている。これに対し、知的障害者の就業率は、20歳代では一般とほぼ同水準の60%台であるが、30~40歳代では身体障害者と同様の水準まで低下し、更に50歳代後半からは急速に低下する傾向が見られる。
(2) 雇用の状況(障害種別雇用状況)
事業所を対象とした調査によれば、従業員5人以上の規模の事業所に雇用されて働いている障害者は、身体障害者34.6万人、知的障害者7.3万人、精神障害者2.9万人となっている。精神障害者については、精神障害のあることを事業者側に伝えずに働いている者も多く、雇用者数はかなり低めに出ている可能性がある。
雇用者数 | ||
---|---|---|
身体障害者(100%) | 34万6千人 | |
内訳 | 視覚障害者(4.5%) | 1万6千人 |
聴覚言語障害者(16.8%) | 5万8千人 | |
肢体不自由(36.6%) | 12万7千人 | |
内部障害(34.6%) | 12万人 | |
重複(4.0%) | 1万4千人 | |
不明等(3.6%) | 1万2千人 | |
知的障害者 | 7万3千人 | |
精神障害者 | 2万9千人 | |
資料: 厚生労働省「障害者雇用実態調査」(平成20年) |