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第1編 障害者の状況等(基礎的調査等より)

第1章 障害者の状況(基本的統計より)

第1節 全体状況、年齢階層、発生年齢・原因

4.障害の発生年齢及び原因

(1) 身体障害の発生時の年齢

在宅の身体障害者(18歳以上)について、障害の発生時の年齢分布を見ると、40歳代以降の発生が6割強を占めており、65歳以上の発生に限っても24%程度ある。

障害種類別で見ると、視覚障害、聴覚・言語障害、肢体不自由ともに3割から4割程度が40歳までに生じているのに対し、内部障害では40歳以前の発生は13%程度に過ぎず、大半が40歳以上で生じている。これは、内部障害では中高齢期に生じた心臓や腎臓等の臓器の疾病に起因する障害が多いことによる。

図表1-9 障害発生時の年齢階級(身体障害者・在宅)

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(2) 身体障害の原因

在宅の身体障害者(18歳以上)について、障害の原因を見ると、疾病や事故の割合が高いが、不明や不詳も多い。疾病の中では、感染症や中毒性疾患以外の疾患の割合が高く、生活習慣病や原因不明の疾患等によっても障害が発生している。また、事故の中では労働災害が交通事故を若干上回っている。

また、在宅の身体障害児(18歳未満)では、不明が最も多く、以下出生時の損傷、その他、不詳、疾病、事故の順になっている。

■ 図表1-10 障害の種類別・障害の原因別にみた身体障害児・者数
身体障害者(18歳以上)(在宅)
単位:千人(%)
  総数 事故 疾病 出生時の
損傷
加齢 その他 不明 不詳
交通
事故
労働
災害
その他
の事故
戦傷病・戦災 小計 感染症 中毒性疾患 その他
の疾患
小計
総数 3,483 106 113 100 21 341 58 8 656 722 79 166 356 446 1,372
(100.0) (3.0) (3.2) (2.9) (0.6) (9.8) (1.7) (0.2) (18.8) (20.7) (2.3) (4.8) (10.2) (12.8) (39.4)
視覚障害 310 11 2 8 3 25 4 1 56 61 14 7 41 58 105
(100.0) (3.5) (0.6) (2.6) (1.0) (8.1) (1.3) (0.3) (18.1) (19.7) (4.5) (2.0) (13.2) (18.7) (33.9)
聴覚・
言語障害
343 6 3 6 2 17 3 47 51 7 29 29 51 160
(100.0) (1.7) (0.9) (1.7) (0.6) (5.0) (0.9) (-) (13.7) (14.9) (2.0) (8.5) (8.5) (15.0) (46.7)
肢体
不自由
1,760 89 96 86 14 284 36 2 356 394 53 70 145 163 651
(100.0) (5.1) (5.5) (4.9) (0.8) (16.1) (2.0) (0.1) (20.2) (22.4) (3.0) (4.0) (8.2) (9.3) (37.0)
内部障害 1,070 1 11 1 2 15 15 6 196 216 6 60 142 174 457
(100.0) (0.1) (1.0) (0.1) (0.2) (1.4) (1.4) (0.6) (18.3) (20.2) (0.6) (5.6) (13.3) (16.3) (42.7)
身体障害児(18歳未満)(在宅)
単位:人(%)
  総数 事故 疾病 出生時の
損傷
その他 不明 不詳
交通事故 その他の
事故
小計 感染症 中毒性
疾患
その他の
疾患
小計
総数 93,100 1,200 1,500 2,700 1,500 300 7,400 9,200 17,900 16,700 32,200 14,200
(100.0) (1.3) (1.6) (2.9) (1.6) (0.3) (7.9) (9.9) (19.2) (17.9) (34.6) (15.3)
視覚障害 4,900 300 300 600 600 1,200 1,500 900
(100.0) (-) (-) (-) (6.1) (-) (6.1) (12.2) (12.2) (24.5) (30.6) (18.4)
聴覚・言語障害 17,300 600 600 1,500 900 9,600 4,600
(100.0) (-) (-) (-) (-) (-) (3.5) (3.5) (8.7) (5.2) (55.5) (26.6)
肢体不自由 50,100 1,200 1,500 2,700 900 4,900 5,800 14,200 10,200 11,800 5,300
(100.0) (2.4) (3.0) (5.4) (1.8) (-) (9.8) (11.6) (28.3) (20.4) (23.6) (10.6)
内部障害 20,700 300 300 1,500 2,100 1,500 4,300 9,300 3,400
(100.0) (-) (-) (-) (1.4) (1.4) (7.2) (10.1) (7.2) (20.8) (44.9) (16.4)
注: ( )内は構成比
資料: 厚生労働省「身体障害児・者実態調査」(平成18年)
(3) 精神障害の発生時の年齢

外来の精神障害者の精神科初診時の年齢を見ると、20歳未満が41.0%を占め、40歳以上は20.1%となっている。

疾患別に精神科初診時の年齢を見ると、統合失調症では20歳未満が56.2%を占め、40歳以上は6.2%に過ぎないことから、在学中の発病などにより、就職経験もなく社会生活への適応に困難を有する者も多いことがうかがわれる。これに対して、統合失調症以外のうつ病等の疾患では20歳未満が29.3%に止まる一方、40歳以上が30.7%を占めており、社会生活上の実績を築き上げてきた後に社会生活への適応に困難を生じている者が多いことがうかがわれる。

図表1-11 障害発生時の年齢階級

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調査の概要

◯精神障害者社会復帰サービスニーズ等調査(厚生労働省)

平成15年度に厚生労働省が社団法人日本精神科病院協会に委託して実施した調査。精神障害者の立場から各種サービスの把握を目的として、医療機関の外来・入院患者、精神障害者社会復帰施設の入所者を対象に実施した抽出調査。

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