第2章 障害者権利条約批准後の動き 4
4.今後の流れ(政府報告の審査)
政府報告は、国連の障害者権利委員会に提出されたのち、同委員会によって国際的に監視(審査)されることになる。この人権諸条約に基づき設置された委員会による各締約国の条約の実施状況に関する審査は、国際社会において人権を擁護し、促進していくためのメカニズムとして、政府間の人権フォーラムでの活動と並ぶ車の両輪として重要な役割を果たしている。
具体的な審査までの流れは、政府報告を提出後、障害者権利委員会より締約国に対し質問票(リスト・オブ・イシュー)が送付され、各締約国は質問票への回答を送付することが求められる。その後、審査日が発表され、障害者権利委員会の会期中に国連ジュネーブ事務所で対面審査が行われ、同委員会による提案及び勧告を含めた最終見解が採択され、国連文書として公表される(これまで第一回政府報告の審査が終了した国は33か国(平成28年3月1日現在))。