第1章 障害者施策の総合的かつ計画的な推進-新たな障害者基本計画(第4次)の策定- 第4節 5
第4節 第4次基本計画の各分野における基本的考え方及び主な施策
5.自立した生活の支援・意思決定支援の推進
【基本的考え方】
- 自ら意思を決定・表明することが困難な障害者に対し、必要な意思決定支援を行うとともに、障害者が自らの決定に基づき、身近な地域で相談支援を受けることのできる体制を構築する。
- 障害者の地域移行を一層推進し、障害者が必要なときに必要な場所で、地域の実情に即した適切な支援を受けられるよう取組を進める。
- 在宅サービスの量的・質的な充実、障害のある子供への支援の充実、障害福祉サービスの質の向上、アクセシビリティ向上に資する機器の研究開発、障害福祉人材の育成・確保等に着実に取り組む。
【主な具体的施策】
- 自ら意思を決定・表明することが困難な障害者に対する支援等の推進
- 成年後見制度の適切な利用の促進(必要な経費の助成、成年後見等の業務を適正に行うことができる人材の育成等)
- 様々な障害種別、年齢、性別、状態等に対応した総合的な相談支援の提供体制の整備
- 発達障害児者やその家族に対する相談支援、発達障害者支援センターを中心とした地域生活支援体制の充実
- 高次脳機能障害児者への支援体制の整備
- ピアサポート(※5)を行う人材の育成、ピアサポートの推進
- 利用者の障害特性に応じた専門職員による自立訓練(機能訓練、生活訓練)の取組の促進
- 障害者の一人暮らしを支える新たなサービスである自立生活援助の導入
- 医療的ケアが必要な障害児に対する地域における包括的な支援(保健・医療・福祉等の関係機関の連携促進)
- 障害福祉サービス等の提供者に指導を行う者の養成及び配置の促進
- 良質で安価な福祉用具に関する研究開発の推進
- 身体障害者補助犬の育成、身体障害者補助犬を使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化
- 福祉専門職、リハビリテーション等に従事する者、障害特性を理解したホームヘルパーの養成・人材確保、障害福祉サービス従事者の処遇改善や職場環境の改善
※5:ピアサポート
ピア(peer)は「仲間、同輩、対等者」の意。同じ課題や環境を体験する者がその体験から来る感情を共有することにより、専門職による支援では得がたい安心感や自己肯定感を得ることなどを目的とする。