第3章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり 第2節 1

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第2節 雇用・就労の促進施策

障害のある人の就労意欲が高まっている中で、障害のある人が、希望や能力、適性を十分に活かし、障害の特性等に応じて活躍できることが普通の社会、障害のある人と共に働くことが当たり前の社会の実現に向けて、障害者雇用対策の一層の充実を図っていく必要がある。

1.障害のある人の雇用の場の拡大

(1)障害者雇用の現状

ア 平成29(2017)年障害者雇用状況報告

身体障害者又は知的障害者を1人以上雇用する義務がある民間企業(常用雇用労働者数50人以上)については、毎年6月1日時点の障害者雇用の状況を報告することになっている。平成29年の報告結果は次のとおりである。

なお、障害者雇用状況報告では、重度身体障害者又は重度知的障害者については、その1人の雇用をもって、2人の身体障害者又は知的障害者を雇用しているものとしてカウントされる。

また、重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間労働者(1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者)については、1人分として、重度以外の身体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間労働者については、0.5人分としてカウントされる。

① 民間企業の状況(図表3-6・3-7)

平成29(2017)年6月1日現在の障害者雇用状況は、雇用障害者数が14年連続で過去最高を更新し、495,795.0人(前年同日474,374.0人)となるなど、一層進展している。また、障害者である労働者の実数は406,981人(前年同日386,606人)となった。雇用者のうち身体障害者は333,454.0人(前年同日327,600.0人)、知的障害者は112,293.5人(前年同日104,746.0人)、精神障害者は50,047.5人(前年同日42,028.0人)と、いずれも前年より増加し、特に精神障害者の伸び率が大きかった。

また、民間企業が雇用している障害者の割合は1.97%(前年同日1.92%)であった。

企業規模別に割合をみると、50~100人未満規模で1.60%、100~300人未満規模で1.81%、300~500人未満規模で1.82%、500~1,000人未満規模で1.97%、1,000人以上規模で2.16%となった。

一方、法定雇用率を達成した企業の割合は、50.0%を超えた。なお、雇用されている障害者数については、全ての企業規模で前年の報告より増加した。

図表3-6 民間企業における障害者の雇用状況
○実雇用率と雇用されている障害者の数の推移 (各年6月1日現在)
注1:雇用義務のある企業(平成24年までは56人以上規模、平成25年以降は50人以上規模の企業)についての集計である。
注2:「障害者の数」とは、次に掲げる者の合計数である。
平成17年まで
身体障害者 (重度身体障害者はダブルカウント)
知的障害者 (重度知的障害者はダブルカウント)
重度身体障害者である短時間労働者
重度知的障害者である短時間労働者
平成18年以降
平成22年まで
身体障害者 (重度身体障害者はダブルカウント)
知的障害者 (重度知的障害者はダブルカウント)
重度身体障害者である短時間労働者
重度知的障害者である短時間労働者
精神障害者
精神障害者である短時間労働者
(精神障害者である短時間労働者は0.5人でカウント)
平成23年以降
身体障害者 (重度身体障害者はダブルカウント)
知的障害者 (重度知的障害者はダブルカウント)
重度身体障害者である短時間労働者
重度知的障害者である短時間労働者
精神障害者
身体障害者である短時間労働者
(身体障害者である短時間労働者は0.5人でカウント)
知的障害者である短時間労働者
(知的障害者である短時間労働者は0.5人でカウント)
精神障害者である短時間労働者
(精神障害者である短時間労働者は0.5人でカウント)
注3:法定雇用率は平成24年までは1.8%、平成25年4月以降は2.0%となっている。
注4:四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。
○企業規模別実雇用率
○企業規模別達成企業割合
資料:厚生労働省「平成29年障害者雇用状況の集計結果」
図表3-7 一般の民間企業における企業規模別障害者の雇用状況
(平成29年6月1日現在)
注1:②欄の「法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数」とは、常用労働者総数から除外率相当数(身体障害者及び知的障害者が就業することが困難であると認められる職種が相当の割合を占める業種について定められた率を乗じて得た数)を除いた労働者数である。
注2:③A欄の「重度身体障害者及び重度知的障害者」については法律上、1人を2人に相当するものとしており、E欄の計を算出するに当たりダブルカウントを行い、D欄の「重度以外の身体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間労働者」については法律上、1人を0.5人に相当するものとしており、E欄の計を算出するに当たり0.5カウントとしている。
注3: A、C欄は1週間の所定労働時間が30時間以上の労働者であり、B、D欄は1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者である。
注4: F欄の「うち新規雇用分」は、平成28年6月2日から平成29年6月1日までの1年間に新規に雇い入れられた障害者数である。
注5:(  )内は平成28年6月1日現在の数値である。なお、精神障害者は平成18年4月1日から実雇用率に算定されることとなった。
資料:厚生労働省「平成29年障害者雇用状況の集計結果」

② 国・地方公共団体の状況(図表3-8・3-9)

国の機関(法定雇用率2.3%)に在職している障害者の割合、勤務している障害者数はそれぞれ2.50%、7,593.0人であった。

また、都道府県の機関(法定雇用率2.3%)は2.65%、8,633.0人であり、市町村の機関(法定雇用率2.3%)は2.44%、26,412.0人であった。

さらに、都道府県等の教育委員会(法定雇用率2.2%)は2.22%、14,644.0人であった。国、地方公共団体等ともに、勤務している障害者数は前年同日の報告より増加した。

図表3-8 国・地方公共団体における障害者の在籍状況
1 法定雇用率2.3%が適用される国、地方公共団体(平成29年6月1日現在)
2 法定雇用率2.2%が適用される都道府県等の教育委員会(平成29年6月1日現在)
注1: 各表の①欄の「法定雇用障害者数の算定の基礎となる職員数」とは、職員総数から除外職員数及び除外率相当職員数 (旧除外職員が職員総数に占める割合を元に設定した除外率を乗じて得た数)を除いた職員数である。
注2: 各表の②欄の「障害者の数」とは、身体障害者、知的障害者及び精神障害者の計であり、短時間労働者以外の重度身体 障害者及び重度知的障害者については法律上、1人を2人に相当するものとしてダブルカウントを行い、重度以外の身 体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間労働者については法律上、1人を0.5人に相当するものとして 0.5カウントとしている。
注3:法定雇用率2.2%が適用される機関とは、都道府県の教育委員会及び一定の市町村の教育委員会である。
注4:( )内は、平成28年6月1日現在の数値である。
資料:厚生労働省「平成29年障害者雇用状況の集計結果」
図表3-9 国の機関ごとの障害者の在籍状況
(平成29年6月1日現在)
注1:①欄の「法定雇用障害者数の算定の基礎となる職員数」とは、職員総数から除外職員数及び除外率相当職員数(旧除外職員が職員総数に占める割合を元に設定した除外率を乗じて得た数)を除いた職員数である。
注2:②欄の「障害者の数」とは、身体障害者数、知的障害者数及び精神障害者数の計であり、短時間勤務職員以外の重度身体障害者及び重度知的障害者については、法律上、1人を2人に相当するものとしてダブルカウントを行い、重度以外の身体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間勤務職員については、法律上、1人を0.5人に相当するものとして0.5カウントとしている。
注3:④欄の「不足数」とは、①欄の職員数に法定雇用率を乗じて得た数(1未満の端数切り捨て)から②欄の障害者の数を減じて得た数であり、これが0.0となることをもって法定雇用率達成となる。したがって、実雇用率が法定雇用率を下回っていても、不足数が0.0となることがあり、この場合、法定雇用率達成となる。
注4:注4の機関においては、労働者数が43.5人未満であり、障害者の雇用の促進等に関する法律第43条に基づく障害者の雇用義務が発生していない。
注5:注5の省庁は、特例承認を受けている。特例承認とは、省庁及び当該省庁におかれる外局の申請に基づき、厚生労働大臣の承認を受けた場合に、当該省庁におかれる外局に勤務する職員を当該省庁に勤務する職員とみなすものである。
【特例承認一覧】
省庁 外局等
総務省 消防庁
文部科学省 文化庁 スポーツ庁
経済産業省 中小企業庁 資源エネルギー庁
資料:厚生労働省「平成29年障害者雇用状況の集計結果」

イ ハローワークの職業紹介状況(図表3-10・3-11)

平成28(2016)年度のハローワークを通じた就職件数は、平成27(2015)年度を上回る93,229件(前年度比3.4%増)であった。このうち、身体に障害のある人は26,940件(前年度比3.8%減)、知的障害のある人は20,342件(前年度比1.9%増)、精神障害のある人は41,367件(前年度比7.7%増)、その他の障害のある人(発達障害、難病、高次脳機能障害などのある人)は4,580件(前年度比19.5%増)となり、精神障害のある人の就職件数が大幅に増加した。

また、新規求職申込件数は191,853件(前年度比2.5%増)となり、このうち、身体に障害のある人は60,663件(前年度比4.3%減)、知的障害のある人は34,225件(前年度比2.4%増)、精神障害のある人は85,926件(前年度比6.6%増)、その他の障害のある人は11,039件(前年度比12.6%増)であり、前年度同様に精神障害のある人やその他の障害のある人の申込件数が大きく増加していることがわかる。

図表3-10 ハローワークにおける障害者の職業紹介状況
(件、人、%、%ポイント)
資料:厚生労働省「障害者の職業紹介状況等」
図表3-11 ハローワークにおける障害者の職業紹介件数(平成28年度)
資料:厚生労働省「障害者の職業紹介状況等」

(2)障害のある人の雇用対策について

ア 障害のある人の雇用対策の基本的枠組み

障害者施策の基本理念である、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現のためには、職業を通じた社会参加が重要である。この考え方の下に障害のある人の雇用対策の各施策を推進している。

具体的には、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)(以下「障害者雇用促進法」という。)や同法に基づく障害者雇用対策基本方針(平成30年厚生労働省告示第178号)等を踏まえ、障害のある人、一人一人がその能力を最大限発揮して働くことができるよう、障害の種類及び程度に応じたきめ細かな対策を講じている。

イ 障害者雇用率制度及び法定雇用率の達成に向けた指導

① 障害者雇用率制度

(ア)障害者雇用率制度

障害者雇用促進法では、民間企業等に対し、一定の割合(障害者雇用率)以上の障害のある人の雇用を義務づけている。障害者雇用率は、企業の社会連帯の理念に基づき、身体障害者、知的障害者又は精神障害者に一般労働者と同じ水準の雇用の場を、各事業者の平等な負担の下に確保することを目的として設定している。昭和35(1960)年の制度創設時、民間企業の障害者雇用率は努力義務として事務的事業所1.3%、現場的事業所1.1%であった。その後、昭和51(1976)年に障害者雇用率制度を義務化し、昭和63(1988)年、平成10(1998)年、平成25(2013)年及び平成30(2018)年に障害者雇用率を改正している。平成30年4月からは、新たに精神障害者が雇用義務の対象となり、これを踏まえて、障害者雇用率が算定されることに伴い、民間企業の障害者雇用率は2.2%となった(平成33(2021)年4月までに、さらに0.1%引き上げが行われる)。なお、国等の公的機関については、率先垂範すべき立場にあることから、民間企業を上回る2.5%(都道府県等の教育委員会は2.4%)としている(民間企業と同様に、平成33年4月までに、さらに0.1%引き上げが行われる)。

(イ)特例子会社制度等の特例措置

事業主が障害のある人の雇用に特別の配慮をした子会社(特例子会社)を設立した場合には、一定の要件の下でこの特例子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されている者とみなして、雇用している障害者の割合(以下「実雇用率」という。)を算定できる特例措置(特例子会社制度)を設けている。特例子会社制度は、障害のある人の特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備が容易となり、これにより障害のある人の能力を十分に引き出すことができるなど、事業主及び障害のある人双方にメリットがあると考えられる。平成29(2017)年6月1日現在で464社を特例子会社として認定している。

また、特例子会社を持つ親会社については、関係する他の子会社も含め、企業グループ全体での実雇用率の算定を可能としている。

さらに、特例子会社がない場合も、一定の要件を満たす企業グループとして認定を受けたものについては、企業グループ全体で実雇用率を通算できる「企業グループ算定特例」を設けている。

加えて、中小企業の場合、単独で障害のある人を雇用するために十分な仕事量を確保することが困難な場合も少なくないため、複数の中小企業が事業協同組合等を活用して共同で障害のある人の雇用機会を確保し、一定の要件を満たすものとして認定を受けたものについては、事業協同組合等とその組合員である中小企業で実雇用率を通算できる「事業協同組合等算定特例」を設けている。

② 法定雇用率の達成に向けた指導の一層の促進

障害者雇用率制度の履行を確保するため、ハローワークにおいて、法定雇用率未達成企業に対する指導を行っている。

(ア)民間企業等に対する指導

実雇用率の著しく低い民間企業に対しては、ハローワークが障害のある人の雇入れに関する2年間(平成24(2012)年以降。それ以前は3年間)の計画の作成を命じ、当該計画に基づいて障害のある人の雇用を進めるよう継続的な指導を実施している。また、雇入れ計画を作成したものの、障害のある人の雇用が進んでいない企業に対しては、雇入れ計画の適正な実施に関する勧告を行い、一連の指導にもかかわらず改善がみられない企業については、企業名を公表している。

雇入れ計画を作成していた企業のうち、計画終期で一定の改善が見られなかった企業に対し企業名公表を前提とした特別指導を行ったところ、平成29(2017)年度については、公表対象企業はなかった。

(イ)国・地方公共団体に対する指導等

国及び地方公共団体の機関については、民間企業に率先垂範して障害のある人の雇入れを行うべき立場にあることを踏まえ、厚生労働省は国及び地方公共団体の各機関の任命権者に対し、計画的な採用を図るよう要請を行っている。全ての公的機関は、毎年6月1日現在の雇用状況を発表するとともに、未達成である機関については、障害のある人の採用に関する計画を作成しなければならない。また、その計画が適正に実施されていない場合には、厚生労働省は国及び地方公共団体の各機関の任命権者に対し、計画が適正に実施されるよう勧告を行っている。

平成29(2017)年6月1日現在の障害者雇用状況では、国・地方公共団体で勤務している障害者は前年よりも増加しているものの、特に都道府県等の教育委員会では、未達成である機関が多くみられることから(法定雇用率未達成である都道府県教育委員会は47機関中10機関)、厚生労働省は未達成機関に対し、指導を行っている。

また、国の機関における障害のある人の雇用を促進する観点から、内閣人事局は平成29年度に「公務部門における障害者雇用推進に関する地方別人事担当課長会議」を地方8ブロックにおいて開催した。

ウ 障害者雇用納付金制度(図表3-12)

障害者雇用促進法は、障害者雇用率制度に加え、障害のある人の雇用に伴う事業主の経済的負担を調整するとともに、障害のある人の雇用を容易にし、社会全体として障害のある人の雇用水準を引き上げるため、障害者雇用納付金制度を設けている。この制度では、障害者雇用率未達成の民間企業(常用雇用労働者数100人超)から納付金を徴収するとともに、一定水準を超えて障害のある人を雇用している民間企業に対して、障害者雇用調整金、報奨金を支給している。

このほか、障害のある人を雇い入れるために施設、設備の改善等を行う事業主等に対する助成金の支給や在宅就業障害者に仕事を発注する事業主に対する在宅就業障害者特例調整金等の支給を行っている。

図表3-12
障害者雇用納付金制度について
資料:厚生労働省

エ チャレンジ雇用

各府省・各地方公共団体で知的障害のある人等を非常勤職員として雇用し、1~3年の業務の経験を積んだ後、ハローワーク等を通じて一般企業等への就職の実現を図る「チャレンジ雇用」を推進している。

オ 職業リハビリテーションの実施

障害者雇用促進法において、職業リハビリテーションとは、「障害者に対して職業指導、職業訓練、職業紹介その他この法律に定める措置を講じ、その職業生活における自立を図ること」(同法第2条第7号)としている。これに基づき、障害のある人が職業を通じて社会参加できるよう、ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどの機関を中心に障害のある人が希望や能力、適性に応じた職場に就き、それを継続し、それにおいて向上することができるようにするための就労に関するサービスを実施している。

カ 助成金等による企業支援や普及啓発活動

国では、民間企業が無理なく、かつ積極的に障害のある人を雇用できるよう、障害のある人を雇用した場合などに助成金を支給している。

例えば、身体に障害のある人や知的障害のある人、精神障害のある人を継続して雇用する労働者として雇い入れる民間企業に対して助成する「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」や、障害特性に応じた雇用管理や雇用形態の見直し等の措置を実施する企業に対して助成する「障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)」、障害のある人を雇い入れたり、継続して雇用するために必要な職場の環境整備等を行った場合に費用の一部を助成する障害者雇用納付金制度に基づく助成金等を支給している。

助成金のほか、民間企業等が積極的に障害のある人の雇用を進めるためには、障害のある人の雇用管理に関する先進的な事例等を普及啓発する必要がある。そのため、各種マニュアル等を発行し、民間企業等への配布等を通じて障害のある人の雇用の啓発を行っている。平成29(2017)年度からは、一般労働者を対象とした「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」を開催し、職場における精神・発達障害のある人を支援する環境づくりに取り組んでいる。

また、厚生労働省では、毎年9月の「障害者雇用支援月間」に障害のある人を積極的に多数雇用している事業所、障害のある人の雇用の促進と職業の安定に著しく貢献した団体又は個人、職業人として模範的な業績をあげている勤労障害者に対し、厚生労働大臣表彰を行い、障害のある人の職業的自立の意欲を喚起するとともに、障害のある人の雇用に対する国民の関心と理解を一層深めることを目指している。平成29年度には22の障害者雇用優良事業所、1名の障害者の雇用の促進と職業の安定等に貢献した個人、17名の優秀勤労障害者の表彰を行った。

キ 税制上の特例措置(図表3-13)

障害のある人を雇用する民間企業に対し、税制上の各種の特例措置を講じている。障害のある人の一層の雇用促進につながるよう、平成30(2018)年度税制改正では、障害のある人を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度(所得税、法人税)について、基準雇用障害者数が20人以上であって、重度障害者割合が50%以上であることとの要件における重度障害者割合を55%以上に引き上げた上、その適用期限の2年延長を行った。

ク 障害者差別禁止と合理的配慮の提供

雇用分野において障害があることを理由とした差別を禁止し、過重な負担とならない限り、合理的配慮の提供を事業主に義務付けている。

このため、リーフレットや合理的配慮に係る事例集等を作成・配布して周知・啓発に努めるとともに、全国の都道府県労働局・ハローワークにおいて事業主・障害のある人からの相談に応じ、必要な場合は事業主に助言・指導等を行っているほか、都道府県労働局長や障害者雇用調停会議による紛争解決の援助を行っている。

図表3-13 障害者雇用に係る税制上の特例措置
(平成30年4月1日現在)
資料:厚生労働省
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