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補章 新型コロナウイルス感染症への対応 4

4.障害のある人に関わる主な措置(2020年6月現在)

(1)障害福祉関係

障害福祉サービス等事業所をはじめとする社会福祉施設等が提供する各種サービスは、利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、十分な感染防止対策を前提として、利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供されることが重要である。

そのため、厚生労働省では、地方自治体に対し、社会福祉施設等における感染拡大防止に向けた取組について、感染者が発生した場合の留意事項や衛生用品等の適切な管理、障害福祉サービス等の報酬、人員、施設・設備及び運営基準等の柔軟な取扱いについて要請するとともに、緊急事態宣言後の対応等について周知した。

また、視聴覚障害者等、情報・コミュニケーション支援を必要とする者に対する新型コロナウイルス感染症への対応について、相談に関する連絡先(電話、FAX番号やメールアドレス)の周知、ホームページ上の情報のテキストデータや字幕映像の提供等、障害特性を踏まえた情報提供の配慮を地方自治体に対して要請した。

(2)障害者雇用関係

ハローワークにおいては、感染拡大防止の観点から、電話による職業相談や、郵送又はインターネットなどできる限り来所を求めない方式により求職申込み又は求人申込みが可能であることを周知した。また、地域障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センター等における継続した支援のため、できる限り来所を求めない方式により支援の継続に努めること等、柔軟な対応を推進した。

さらに、支援対象障害者(障害者雇用安定助成金)の職場定着支援について、従来対面での支援を助成対象としていたところ、ICT等を活用したオンラインによる支援も助成対象とした。

加えて、事業者団体に対して、障害のある人の雇用の安定に向け、特段の配慮を求める要請を行った。

(3)学校関係

学校における新型コロナウイルス感染症に関する対応については、国内で感染者が確認され始めた当初より、文部科学省において、新型コロナウイルスに関連した感染症対策に係る情報を、児童生徒、学生、保護者及び教職員等に周知するとともに、安全確保に細心の注意を払う旨を教育委員会等に依頼するなど、各種対応を行ってきた。

2020年2月27日に開催された対策本部において、子供たちの健康・安全を第一に考え、多くの子供たちや教職員が、日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える観点から、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休校を要請する方針が内閣総理大臣から示された。このことを受け、翌28日に、文部科学省から各学校の設置者へ春季休業開始日までの間の臨時休業の実施を要請し、多くの学校において、臨時休業の措置が取られた。

この一斉臨時休業に際し、特別支援学校等に在籍する障害のある幼児児童生徒の中には、保護者が仕事を休めない場合に自宅等で一人で過ごすことができない者がいることも考えられることから、地域の障害福祉サービス等も活用して、幼児児童生徒の居場所の確保に取り組むこと等を要請するなど、障害のある子供の居場所の確保に取り組んだ。

また、障害のある児童生徒の家庭学習を支援するに当たり、障害種毎の家庭学習上の留意事項を通知するとともに、各学校において家庭学習への支援を積極的に行うことを要請した。

このほか、学校教育活動の再開に向けて、文部科学省において、以下のような取組等を行った。

・「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」により新学期の開始準備を要請。また、児童生徒等又は教職員の感染が判明した場合の学校の臨時休業の必要性の参考として「新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン」を周知。その後、これらのガイドライン等については、「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」として整理し、周知。

・児童生徒等及び教職員の感染リスクを可能な限り低減しつつ、教育活動を継続し、子供の健やかな学びを保障していくことが必要であることから、学校の衛生管理の観点から、児童生徒等の感染リスクを低減するための取組の参考になるよう「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」を作成し、周知。

・特別支援学校を含む学校を対象に、「学びの保障」について基本的な考え方とそのための支援施策をまとめ、教育委員会等に周知。

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