第6章 住みよい環境の基盤づくり 第2節 2
第2節 障害のある人の情報アクセシビリティを向上するための施策
2.社会参加を支援する情報通信システムの開発・普及
(1)電子投票の実施の促進
電子投票とは、電磁的記録式投票機(いわゆる電子投票機)を用いて投票する方法であり、開票事務の迅速化に貢献するとともに、自書が困難な選挙人であっても比較的容易に投票することが可能である。
我が国における電子投票は、2002年2月より、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙において導入することが認められている。
総務省としては、2020年3月に、タブレット端末などの汎用機を用いた電子投票が実施できるよう電子投票システムの技術的条件の見直しを行ったところであり、地方公共団体に対する必要な情報の提供に取り組んでいる。
(2)テレワークの推進
テレワークは、ICTを利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方であり、女性、高齢者、障害のある人等の就業機会の拡大にも寄与するものと期待されている。
政府では、テレワークが様々な働き方を希望する人の就業機会の創出及び地域の活性化等に資するものとして、関係府省が連携し、テレワークの一層の普及拡大に向けた環境整備、普及啓発等を推進している。
総務省においては、社内コミュニケーションに不安がある、セキュリティが心配であるといった様々な課題に対応すべく、セミナーの開催、専門家による無料の個別コンサルティング、先進事例の収集・表彰、全国的なテレワーク導入支援体制の構築、セキュリティガイドラインの策定等の様々な施策を推進している。
また、2017年から、関係府省・団体が連携し、東京2020大会の開会式が予定されていた7月24日を「テレワーク・デイ」と位置付け、全国一斉のテレワークを呼びかけている。2018年には「テレワーク・デイズ」として期間を1週間に拡大し、2019年には7月22日から9月6日の期間において参加を呼びかけたところ、2,887団体、約68万人が参加した。2020年では、新型コロナウイルス感染症の影響により、東京2020大会の延期が決定したが、新しい生活様式を定着させ、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を持続的に可能とすることが必要であることから、引き続き、柔軟な働き方を実現するテレワークの全国的な推進を行うため、期間を限定せず、継続したテレワーク推進の呼びかけ、情報提供等の強化として実施した。