第3章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり 第1節 1

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第1節 障害のあるこどもの育ち・教育及び学生支援に関する施策

1.障害のあるこどもに対する福祉の推進

(1)障害児保育の推進

障害のあるこどもは、一人一人多様な育ちがある中で個々のニーズに応じた丁寧な支援が必要と捉えることが大切である。全てのこどもの健やかな育ちを支え、「誰一人取り残さない」社会を実現する観点から、地域における支援体制の強化やインクルージョンの推進が重要である。

保育所等における障害のあるこどもの受入れ児童数は、図表3-1のとおり、10年間で約2倍となっており、一層の受入体制の整備が求められている。

特別な配慮を必要とするこどもの保育に当たっては、 一人一人のこどもの発達過程や障害の特性を把握し、適切な環境の下で実施される必要があるとともに、家庭や関係機関と連携した支援が求められていることから、子ども・子育て支援制度では、①障害のあるこども等を保育所、幼稚園、認定こども園で受け入れ、地域関係機関との連携や相談対応等を行う場合に、地域の療育支援を補助する者を配置、②地域型保育事業で、障害のあるこどもを受け入れた場合にこども2人に対し保育士1人の配置を行うこととしている。

また、保育現場における障害児保育のリーダー的職員を育成するため、「保育士等キャリアアップ研修」の研修分野に「障害児保育」を盛り込み、担当職員の専門性の向上を図っており、研修を修了し、リーダー的職員となった者の人件費の加算を実施している。

図表3-1 障害児保育の実施状況推移
注:各年度3月31日時点
資料:こども家庭庁

(2)放課後児童クラブにおける障害のある児童の受入推進

障害のある児童を受け入れる放課後児童クラブは、この10年間で3割近く増加しており、児童数も2倍以上となっている。2025年5月現在、全放課後児童クラブの約3分の2のクラブが約72,000人を受け入れている。個々の障害の程度等に応じた適切な対応のため、受入れに当たって、専門的知識等を有する職員の配置に必要な経費を補助している。

2022年度からは、障害のある児童3人以上の受入れに対する最大3名の職員の加配や、医療的ケア児の受入れを行う場合の送迎や病院への付き添い等の看護師等の補助を実施している。

また、「放課後児童対策パッケージ2026」(令和7年12月26日付こども家庭庁及び文部科学省通知の別紙)において、放課後児童クラブと学校関係者や療育等の専門機関・施設等の関係機関との連携を改めて促している。

図表3-2 放課後児童クラブにおける障害児の受入数の推移
注:各年5月1日時点(2020年のみ7月1日時点)
資料:こども家庭庁

(3)療育体制の整備

ア 障害児支援の充実

障害児支援は、2010年の「児童福祉法」の一部改正により、2012年4月から、通所による支援を「障害児通所支援」として、入所による支援を「障害児入所支援」として、それぞれ利用形態の別により一元化し、学齢期における支援の充実を図るために「放課後等デイサービス」を、保育所等に通う障害のある児童に対して集団生活への適応を支援するために「保育所等訪問支援」を設けている。

2022年の「児童福祉法」の一部改正により、 2024年4月からは、主に未就学の障害児の発達支援を行う児童発達支援センターについて、地域における障害児支援の中核的役割を担うこととしている。障害児に係る福祉サービスの利用に当たっては、2019年10月以降、就学前の障害児について、満3歳になった後の最初の4月から小学校入学までの3年間を対象に、障害児通所支援・障害児入所支援の利用料を無償化している。また、補装具は、障害のあるこどもにとって欠かせないものであり、成長に応じて交換が必要であることを踏まえ、障害児に関する補装具費支給制度の所得制限を2024年4月に撤廃した。

こうした中、通所支援である「児童発達支援」、「放課後等デイサービス」、「居宅訪問型児童発達支援」、「保育所等訪問支援」については、発達障害の認知の社会的広がり等を背景に利用者数が増加している。

図表3-3 障害児通所支援の事業所数及び利用者実績の推移
資料:こども家庭庁

イ 地域における支援体制の整備

地域で生活する障害のある児童やその家族を支えるため、「児童福祉法」に基づき、児童発達支援センターや障害児通所支援事業所等において発達支援や相談支援等を行っている。

難聴児については、こども家庭庁及び文部科学省において、都道府県における新生児聴覚検査の体制整備の拡充や聴覚障害児支援のための中核機能の強化に取り組んでいるほか、2022年2月に、新生児聴覚検査体制の整備、地域における支援(協議会の設置等)、家族等に対する支援(情報提供等)、学校等関係機関における取組等を内容とする、「難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針」(令和4年2月25日)を策定した1。こども家庭庁及び文部科学省では、本方針を踏まえ、難聴児の早期発見・早期療育を総合的に推進するための計画を都道府県等が作成し、地域の保健、医療、福祉、教育の連携体制の確保を進めるよう、促している。

医療的ケア児については、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」に基づき、こども家庭庁では、各都道府県における医療的ケア児支援センターの設置など、支援体制の整備の推進等を図っており、2024年2月に全47都道府県において医療的ケア児支援センターが設置された。

各地域における支援体制の整備については、これまでも取組を進めてきたが、こども家庭庁が創設された2023年度においても、各都道府県における児童発達支援センター等の機能強化など、各地域における障害児の支援体制の強化を図っている。

また、2024年4月の障害福祉サービス等報酬改定において、児童発達支援センターを中核に、身近な地域でニーズに応じた必要な発達支援が受けられる体制整備を進めるとともに、地域の障害児支援体制の充実を図ることとしている。

「第3期障害児福祉計画」(2024年度から2026年度まで)では、児童発達支援センターを中核とした重層的な地域支援体制の構築、障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進する体制の構築、難聴児支援の体制確保、「医療的ケア児等コーディネーター」の配置等を定めている。同計画については、2026年3月、第4期計画(2027年度から2029年度まで)に係る基本指針を策定した。


1 厚生労働省及び文部科学省において、2021年3月に「難聴児の早期支援に向けた保健・医療・福祉・教育の連携プロジェクト」(両省の副大臣が共同議長)を立ち上げた。この報告において、各都道府県で地域の実情に応じて難聴児の早期発見・早期療育を総合的に推進するための計画の作成指針として、令和3年度中に作成することとされていた。

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