第5章 住みよい環境の基盤づくり 第1節 3

[目次]   [前へ]   [次へ]

第1節 障害のある人の住みよいまちづくりと安全・安心のための施策

3.建築物のバリアフリー化の推進

(1)官庁施設のバリアフリー化

窓口業務を行う官署のある官庁施設では、全ての人が、安全に、安心して、円滑かつ快適に利用できるよう、建築物移動等円滑化誘導基準に規定された整備水準を確保することとしている。

(2)人にやさしい建築物の整備

デパート、ホテル等の多数の人々が利用する建築物を、障害のある人等が利用しやすくするためには、段差の解消、障害のある人等の利用に配慮したトイレの設置、各種設備の充実等を図る必要がある。

建築物のバリアフリー化のため、「バリアフリー法」では、出入口、通路、トイレ等に関する基準(建築物移動等円滑化基準)を定め、不特定多数の者が利用し、又は主として障害のある人等が利用する建築物等(特別特定建築物)で一定の規模以上のものには基準適合を義務付け、多数の者が利用する建築物(特定建築物)には基準適合の努力義務を課している1。また、障害のある人等がより円滑に建築物を利用できるようにするため、「建築物移動等円滑化誘導基準」を満たし、所管行政庁により認定を受けた優良な建築物(認定特定建築物)に対して支援措置等を講じている。

2025年6月には「建築物移動等円滑化基準」及び「建築物移動等円滑化誘導基準」のうち、「車椅子使用者用便房」、「車椅子使用者用客席」及び「車椅子使用者用駐車施設」の設置数に係る基準改正を施行した。

図表5-2 「 車椅子使用者用便房」、「車椅子使用者用客席」及び「車椅子使用者用駐車施設」の設置数に係る基準改正

(3)「バリアフリー法」に伴う助成等

建築物のバリアフリー化のため、「建築物移動等円滑化基準」に基づき特定建築物の建築主等への指導・助言を行っている。一定の認定特定建築物は、障害のある人等の利用に配慮したエレベーター、幅の広い廊下等の施設整備に対して、不特定多数の者が利用し、又は主として障害のある人等が利用する既存建築物は、バリアフリー改修工事に対してバリアフリー環境整備促進事業により支援している。

総務省では、地方公共団体が実施する公共施設等のユニバーサルデザイン化のための改修事業について、公共施設等適正管理推進事業債の対象とし、地方財政措置を講じている。

(4)表示方法の統一

ア 点字表示

点字による情報提供については、規格を利用する際の利便性向上のため、JIS T0921「アクセシブルデザイン-標識、設備及び機器への点字の適用方法」を定めている。

イ 案内用図記号(ピクトグラム)

文字や言語によらず対象物、概念又は状態に関する情報を提供する図形「案内用図記号(JIS Z8210)」はピクトグラムとも言われ、一見してその表現内容を理解でき、遠方からの視認性にも優れ、言語の知識を要しないといった利点がある。障害のある人や視力の低下した高齢者、外国人等でも容易に理解できることから、不特定多数の人々が利用する交通施設、観光施設、スポーツ文化施設、商業施設などの公共施設や企業内の施設で広く使われている。

東京2020大会で、より多くの外国人観光客にもよりわかりやすい案内用図記号とするため、2017年7月に国際規格との整合化の観点からの7つの図記号の変更と、15種類の図記号及び「ヘルプマーク」の図記号の追加を行った。その後も、「洋風便器」など3つのトイレ関連図記号、「AED(自動体外式除細動器)」及び「加熱式たばこ専用喫煙室」の図記号、「男女共用お手洗」や「介助用ベッド」など9つの図記号、「光警報装置(火災用)」など2つの案内用図記号を追加した。2025年12月には、「火山噴火」や「地震」など4つの案内用図記号を追加した。

ウ 公共トイレ、触知案内図

視覚障害のある人が、鉄道駅、公園、病院、百貨店などの不特定多数の人が利用する施設・設備等を安全で、かつ、円滑に利用できるようにするため、「高齢者・障害者配慮設計指針-公共トイレにおける便房内操作部の形状、色、配置及び器具の配置(JIS S0026)」、「高齢者・障害者配慮設計指針-触知案内図の情報内容及び形状並びにその表示方法(JIS T0922)」及び「高齢者・障害者配慮設計指針-触覚情報-触知図形の基本設計方法(JIS S0052)」を制定している。


1 2,000m2以上の特別特定建築物(公立小学校等を除く)の総ストックのうち、「建築物移動等円滑化基準」に適合しているものの割合:約65%(2024年度末時点)

[目次]   [前へ]   [次へ]