第5章 住みよい環境の基盤づくり 第3節 1
第3節 手話に関する施策の推進に関する法律の公布・施行
デフリンピックを間近に控えた2025年6月に議員立法により「手話施策推進法」が、国会において全会一致で成立し、同月に公布・施行された。本節では、制定の経緯や法律の概要、関連する施策について紹介する。
1.手話施策推進法成立の経緯
手話については、その使用が禁じられた時代もありながらも、ろう者によって長く受け継がれてきた。「障害者の権利に関する条約」では、「言語」として位置付けられ、2011年の障害者基本法の改正の際にも「言語」として明記された。その後、我が国では、「障害者差別解消法」による合理的配慮の義務化が行われ、同法に基づく「基本方針」で、手話も合理的配慮の例として示されるに至った。
2013年に鳥取県において全国で初めて手話言語条例が制定され、これを契機として、各地方公共団体においても条例の制定が進んだ。これらの動きを受け、手話を学び、手話で学び、手話を使用できる社会を念頭に、手話に係る立法の制定が求められ、超党派の議員連盟において、障害当事者団体や有識者、関係者も交えた議論が行われ、法案提出に至った。