-
障害者施策 サイトマップ
-

障害者施策トップ国際的な取組−アジア太平洋障害者の十年 > びわこミレニアム・フレームワーク

-

I.序文

「アジア太平洋障害者の十年」最終年ハイレベル政府間会合に出席した、我々ESCAP加盟・準加盟メンバー政府の代表は、

1. 推定4億人の障害者は、アジア太平洋地域諸国の発展に貢献する能力を有しており、集団行動を通してますます地域社会に変化をもたらす主体となってきているが、大多数の障害者は、依然として地域社会における教育、雇用およびその他の経済・社会的機会から疎外され、最貧困層の20%を占めていることを認識し、

2. 1981年の国際障害者年に続き、国連総会は、1982年12月3日付け決議37/52を以って、障害者の完全参加と平等および権利保護の獲得を目的とした、「障害者に関する世界行動計画」を採択したことを想起し、

3. 「国連・障害者の十年(1983-1992」の最終年に、「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)」を宣言し、また1992年、北京での同「十年」開始の会議において、「障害者の完全参加と平等に関する宣言」および「十年」行動課題を採択することを通した、アジア太平洋地域の政府が同地域の障害者の完全参加と平等を実現させるための継続的な決意をも想起し、

4. 12の政策領域(国内調整、立法、情報、啓発広報、アクセシビリティとコミュニケーション、教育、訓練と雇用、障害の原因の予防、リハビリテーション・サービス、介助機器、自助組織及び地域協力)において、「十年(1993-2002)」の目標を達成するための政策ガイドラインを設定した「十年」行動課題、及び、1995政府間地域評価会議で採択され、1999年にさらに強化され、2000年の第56回ESCAP総会で採択された107の強化された目標を確かなものとし、

5. 1990年代、教育、環境、人権、人口・開発、社会開発、女性の地位向上、児童及びハビタット(人間居住)の分野における、世界レベルの政策やプログラムにおける国連の様々なイニシアティブが、諸宣言やフレームワーク、戦略的行動計画の中に障害問題を主要課題として取り入れてきたことを認識する。特に、1995年3月にコペンハーゲンで開催された世界社会開発サミットは、「社会開発に関するコペンハーゲン宣言」の中で、障害者は世界最大のマイノリティーの一つとして、貧困、失業および社会的孤立にしばしば追い込まれていると指摘した。同宣言は、各国政府が国連の「障害者の機会均等化に関する標準規則」を促進し、同規則の実施のための戦略を策定すべきであると提言したことを認識し、

6. 国際社会が、2000年9月8日に、21世紀における人類全体の向上を目指し、多数の具体的公約を盛り込んだ国連総会決議55/2によって「国連ミレニアム宣言」を採択し、急速なグローバル化が進む中での経済・社会開発に取り組むという各国政府の決意を表明したことを認識し、

7. このような世界レベル、地域レベルでの好ましい政策環境の下、ESCAP加盟・準加盟メンバー政府が2002年5月22日の第58回ESCAP総会で、ESCAP総会決議58/4「21世紀におけるアジア太平洋地域の障害者のためのインクルーシブで、バリアフリーな、かつ権利に基づく社会の促進」を採択し、その中で「十年(1993-2002)」を更に10年間(2003-2012)延長することを宣言したことを高く評価する。この決議は、2002年以降のESCAPによる「障害者に関する世界行動計画」及び「アジア太平洋障害者の十年」行動課題の実現を更に促進するものである。

8. 「行動課題」の12の全政策カテゴリーにおいて、全体的な改善が達成されてはいるものの改善の度合いは一様ではなく、特に障害を持つ子どもと青少年の教育機会については、引き続き驚くほど低い率にとどまったままであること、また、行動課題の実現には、顕著な地域内格差が見られたことに同意し、

9. 各国政府に対し、2001年12月19日付国連総会決議56/168「障害者の権利および尊厳を保護・促進するための包括的統合的な国際条約」に留意しつつ、障害者の発展に向け、慈善に基づくアプローチから権利に基づくアプローチへのパラダイムシフトを積極的に実施するよう、また、障害の人権的展望、特に障害者のための開発の権利の展望に向け移行するよう奨励し、

10. 「アジア太平洋地域の障害者の完全参加と平等に関する宣言」の未署名国に対し、右に署名するよう、また、「アジア太平洋障害者の十年」行動課題の実施のため、107の目標の実施に向けて努力するよう強く促し、

11. 「アジア太平洋地域の障害者のための、インクルーシブで、バリアフリーな、かつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワークを採択する。「インクルーシブな社会」とは、万人のための社会を意味し、「バリアフリーな社会」とは、物理面や態度において、また社会、経済、文化的側面において障壁のない社会を意味する。「権利に基づく社会」とは、開発への権利を含む、人権の概念に基づく社会である。

12. 「行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」は、1971年12月20日付け国連総会決議2856(第26回)による「知的障害者の権利宣言」、1975年12月9日付け国連総会決議3447(第30回)による「障害者の権利宣言」、1982年12月3日付け国連総会決議37/52による「障害者に関する世界行動計画」、1983年6月20日付け国際労働機関(ILO)により採択された「職業リハビリテーションおよび雇用(障害者)に関するILO第159号条約」及び同条約に関するILO勧告、1993年12月20日付け国連総会決議48/96による「障害者の機会均等化に関する標準規則」及び「特別な教育ニーズに関するサラマンカ声明と行動計画」といった、障害者関連の国連の国際文書や使命、勧告と関連付けて見られることを確認し、

13. 「ミレニアム開発目標」(MDG: Millennium Development Goal)の達成に際し、障害者に関する課題への取り組みが含まれることは不可欠であるため、「行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」がミレニアム開発目標の達成に貢献することを期待する。


このページの上へ

目次 | 次ページ


-

障害者施策トップ国際的な取組−アジア太平洋障害者の十年 > びわこミレニアム・フレームワーク