総合科学技術会議の概要
メンバー構成
総合科学技術会議(本会議)
専門調査会
答申・決定・意見具申等一覧
パブリックコメント
大臣・有識者会合へのボタン
有識者議員の活動報告へのボタン
その他
科学技術政策ページの項目
科学技術基本計画
科学技術関係予算について
組織案内
パンフレット
5分でわかる最新の科学技術
科学技術政策トップページへ

第19回総合科学技術会議議事要旨

 


(開催要領)

1.開催日時:2002年6月19日(水)17:00〜18:00

2.場所:総理官邸4階大会議室

3.出席議員

  議長 小泉 純一郎 内閣総理大臣
  議員 福田 康夫 内閣官房長官
尾身 幸次 科学技術政策担当大臣
片山 虎之助 総務大臣
塩川 正十郎 財務大臣
遠山 敦子 文部科学大臣
平沼 赳夫 経済産業大臣
吉川 弘之 日本学術会議会長
石井 紫郎  
井村 裕夫  
黒田 玲子  
桑原 洋  
白川 英樹  
松本 和子  
吉野 浩行  
 (臨時)    
  議員 坂口 力  厚生労働大臣
武部 勤 農林水産大臣
大木 浩 環境大臣
中谷 元 防衛庁長官
竹中 平蔵 経済財政政策担当大臣 (代理 松下 忠洋 内閣府副大臣)



(議事次第)

1.開会

2.議事

(1)平成15年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針について
(2)科学技術システム改革について
   ・知的財産戦略について
   ・産学官連携の基本的考え方と推進方策について
   ・競争的研究資金制度改革について
   ・第1回産学官連携推進会議の結果報告について
(3)今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本について
(4)地球温暖化対策技術戦略プロジェクトの設置について
(5)その他

3.閉会



(配付資料)

資料1−1 平成15年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案)の概要(PDF)
資料1−2 平成15年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案)(PDF)
資料1−3 神戸医療産業都市構想の概要(PDF)
資料2−1 知的財産戦略について 中間まとめ(案)(PDF)
資料2−2 産学官連携の基本的考え方と推進方策(案)(PDF)
資料2−3 競争的研究資金制度改革について 中間まとめ(案)(PDF)
資料2−4 第1回産学官連携推進会議の結果報告について(PDF)
資料3−1 今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本について(概要)(PDF)
資料3−2 今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本について(案)(PDF)
資料4 地球温暖化対策技術戦略プロジェクトの設置について(案)
資料5 第18回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)



(会議概要)

1.議事概要

(1)平成15年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針について

 「平成15年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針」について、資料1−2(PDF)に基づき白川議員から説明。
 「平成15年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案)」については、原案どおり決定し、内閣総理大臣及び関係大臣に対して意見具申した。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(坂口議員)
 分子レベルの研究が進んできたので、効果的な治療法がない自己免疫疾患やパーキンソン病などの神経疾患について、研究成果を活用した原因解明や予防治療技術の開発が重要だと思う。
 また、プリオン病に対する診断・治療技術を加えていただいたことに感謝する。BSE問題など食品の安全に関する問題や、生物由来薬品、脳硬膜等の問題については、今後、評価技術の開発についても整理をし、研究を推進していくことが重要だと考えている。厚生労働省としては、本方針を踏まえて、こうした施策を含め重点的な推進を図っていきたい。

(武部議員)
 農林水産省としては、消費者に軸足を置いて、農林水産施策を大胆に見直すという決意を新たにし、そのために『「食」と「農」の再生プラン』を公表したが、このプラン推進の上で、研究開発の果たす役割が不可欠だという認識を新たにしている。本方針の中でこれら研究開発の内容を明確に位置付けていただいたことに感謝する。
 特にこの中で、ライフサイエンス分野におけるプリオン病等の診断技術、食料供給力の向上と食生活の改善に貢献する食料科学・技術の開発、特に食品の安全性確保、イネ等のポストゲノム研究、さらに環境分野における地球温暖化、バイオマスエネルギー利用をはじめとする資源循環、自然共生型社会の実現、化学物質総合リスク管理等に資する研究開発等に重点的に取り組んでいくことが重要と考えている。
 農林水産省としては、これら取組みを通じて、科学技術の振興に必要な役割をしっかり果たしてまいりたい。

(井村議員)
 5月の本会議において、小泉総理からご指示のあった「知的特区」について、現在検討中であり、神戸の医療産業都市構想をモデルとしてどういうことが考えうるかをご報告したい。
 以下、資料1−3(PDF)に基づき説明。

(片山議員)
 現在、理化学研究所は地方財政再建特別措置法の「国等」ではないため神戸市が土地を無償貸与しているが、今秋ごろに理化学研究所が独立行政法人になると、「国等」になり、法律の規制がかかる。神戸市からは、現状どおりでお願いしたいという意向も聞いているが、例外的な措置の基準は政令に書かれているので、政令を改正しなければならない。直ちにというわけにもいかないが、事情をもう少し詳しく調べて、場合によれば政令改正等を含めて、井村議員や神戸市の意向に沿うようなことを検討する。



(2)科学技術システム改革について

 「知的財産戦略」、「産学官連携の基本的考え方と推進方策」、「競争的研究資金制度改革」について、資料2−1(PDF)2−2(PDF)2−3(PDF)に基づき、井村議員から説明。
 「知的財産戦略について 中間まとめ(案)」、「産学官連携の基本的考え方と推進方策(案)」、「競争的研究資金制度改革について 中間まとめ(案)」については、原案どおり決定し、内閣総理大臣及び関係大臣に対して意見具申した。
 また、尾身議員から、資料2−4(PDF)に基づき、6月15日、16日の両日、京都において開催された「第1回産学官連携推進会議」について報告。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(遠山議員)
 科学技術システム改革は、文部科学省の仕事の大きな部分であり、既に着手している。
 知的財産戦略については、知的財産戦略本部における議論とほぼ並行している面があり、文部科学省としても受け入れられる。
 産学官連携の基本的考え方と推進方策については、産業界と大学相互の立場を尊重した上で連携していこうという基本思想は、高く評価したい。
 競争的研究資金制度改革については、ここに指摘されている事項の中には、大学の教育研究の在り方や人事制度など単に競争的資金の視点のみからは論じられない重大な問題も多いと認識している。また、諸外国と日本では大学の財政基盤、社会制度、研究的資金そのものの規模が全く違っている面もあり、諸外国の制度をそのまま部分的に取り入れても、必ずしも十分な効果が期待できない点もあるということに留意していきたい。
 また、日本の競争的資金の大半の執行と大学行政に責任を持っている文部科学省としては、競争的資金の問題について検討しているところであり、今回の報告も参考にしながら責任を持って対応していきたい。なお、評価については、一義的には個別制度を所管する省が責任を持って行うべきと考えており、文部科学省としては、科学技術・学術審議会から6月14日に文部科学省における研究及び開発に関する評価指針を建議いただいたところである。この方針に基づいて適切に評価を行いながら、研究費の有効活用について、今後とも努力をしていきたい。

(平沼議員)
 最近、産学官連携の機運が非常に高まっており、非常に結構なことだと思う。大学発ベンチャーも実績が上がっており、平成12年9月時点で128社であったが、平成13年12月時点は263社と倍以上伸びてきている。これは更に伸ばしていく必要がある。こうしたことによって、新しい雇用の創出につながるし、地域経済の活性化にもつながる。そういう意味では、経済産業省としても産業クラスター計画の中で、人材、資金面において、研究開発の実用化まで切れ目のない支援をしていきたい。

(井村議員)
 競争的研究資金制度については、約2年前に自由民主党の科学技術創造立国調査会の小委員会でかなりの検討がなされ、私もヒアリングに参加して意見を申し上げた。その中で指摘されたことは、ほとんどこの中に盛り込んでいる。また、文部科学省の科学技術・学術審議会の研究費関係の方々とも非公式の話し合いをしてきた。競争的研究資金制度については今回は中間報告であり、今後いろいろなご意見を入れて最終報告へまとめていきたい。文部科学省の科学研究費補助金については、ここ数年間の関係者の努力でかなりの改善がなされているが、まだ幾つかの問題点が残っている。また、外国の科学技術研究費のファンディングをする機構には、必ず研究経歴のある責任者が研究費全般をみているという状況もあるので、こうした点について、今後も話し合いをしながら、実現に努力したい。
 ベンチャーについては、先日京都において開催された第1回産学官連携推進会議において、アメリカに比べてベンチャーを支援するいろんなシステム、例えばベンチャーキャピタルやエンジェルなどが日本は弱いので、是非強化してほしいという意見が出ていた。その辺についても、是非今後いろいろご検討をいただければありがたい。



(3)今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本について

 「今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本」について、資料3―2(PDF)に基づき、桑原議員から説明。
 「今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本について(案)」については、原案どおり決定し、内閣総理大臣及び関係大臣に対して意見具申した。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(遠山議員)
 本案は、総合科学技術会議として、我が国全体を俯瞰して民間の活動を含めた宇宙開発利用の取組みの基本を示されたと認識している。文部科学省の意見も十分取り入れられており、取りまとめに対して敬意を表する。
 文部科学省および宇宙開発委員会は、宇宙開発利用を推進する中核的な責務を有しており、今回の取りまとめの方向性に沿って、今後具体化を図る考えである。H−UAロケットの民間移管は、その具体化の一つであり、その開発に責任を負ってきた宇宙開発事業団、文部科学省及び関係企業が責任を持って検討すべき課題と考えている。5月29日には、H−UAの民営化に向けた課題を整理、検討するため、文部科学省、宇宙開発事業団、三菱重工業をはじめとする産業界からなる民営化作業チームを設置し、既に適切かつ迅速な作業を開始している。7月中を目途に中間報告、年内を目途に最終的な検討結果を取りまとめて、宇宙開発委員会に報告する予定である。随時その内容について総合科学技術会議に報告したい。

(平沼議員)
 総合科学技術会議の下で、全体を俯瞰した基本戦略ができたことは、非常にすばらしいことと評価する。今後、いかにこれをフォローアップして、宇宙航空産業を我が国の基幹産業に育てていくかが重要である。



(4)地球温暖化対策技術戦略プロジェクトの設置について

 「地球温暖化対策技術戦略プロジェクトの設置」について、資料4(PDF)に基づき、石井議員から説明。
 原案どおり本プロジェクト設置し、調査・検討を進めていくととした。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(大木議員)
 6月4日に京都議定書を批准していただいたが、批准はしたが中身が実行できないということではいけないので、地球温暖化対策推進大綱に基づくいろいろな施策を、科学技術の面からも是非強力に進めていただきたい。
 科学技術の面では、燃料電池、バイオマスエネルギー、二酸化炭素の固定化ないしは隔離技術等いろいろ考えられるが、ばらばらではなく、できるだけ総合的に推進していただきたい。例えば、バイオマスの活用による定置型燃料電池というアイデアもかなり進んでいるので、こうしたものを進めていただきたい。
 京都議定書は毎年見直しを行う体制であり、その進行も見ながら、国内の体制を固めていきたいと思うので、このプロジェクトは是非とも設置していただいて、強力に進めてほしい。

(平沼議員)
 言うまでもないことであるが、地球温暖化対策の中心に置くのは、技術革新だと思う。イノベーションによる環境保全と経済成長の両立というコンセプトの中で、全力を挙げて取り組んでいく必要があると思う。そういう意味で、このプロジェクトができることは、私は非常にいいことだと思っており、経済産業省としても全力で協力していきたい。



(5)その他

 「ITER計画に関する政府間交渉」について、遠山議員から報告。



2.議長(内閣総理大臣)しめくくり発言

 皆様のおかげで大変メリハリの効いた方針が作成されたと思う。15年度予算においても、経済の活性化を念頭に置きながら、思い切った制度改革に結びつくような予算編成を行いたいと思う。関係各位のご協力をよろしくお願いしたい。
 また、京都での第1回産学官連携推進会議は大変盛大に行われたと伺っている。科学技術システムの抜本的な構造改革に向けてしっかりと対応していただきたい。
 また、地球温暖化対策については、京都議定書の受諾を決定し、これからこの目標の達成に向かって進むわけだが、簡単なものではないと思っている。経済成長と環境保全の両立を図るためにも、科学技術の革新・発展は大変大事であるので、この問題についても、本会議の積極的なご協力と具体的な戦略を早急に作成していただきたい。
内閣府  科学技術政策・イノベーション担当
ウェブサイト・アクセシビリティについて 個人情報保護方針について
東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎第4号館 TEL:03-5253-2111(代表)
(C) Bureau of Science,Technology and Innovation Policy,Cabinet Office, Government Of Japan. All Rights Reserved.