日本・EU・デンマーク間の量子技術協力の深化
- 協力覚書に基づく国際会議参加と政策対話、産学官連携イベントの実施 -

令和7年11月17日
内閣府
科学技術・イノベーション推進事務局

1.概要

本年1月と5月に署名をした日EU間の量子技術協力趣意書、および日デンマーク間の量子技術協力覚書のフォローアップとして、内閣府が産学官の量子関係者からなる日本代表団を率い、デンマーク(コペンハーゲン)を訪問し、日本・EU・デンマーク間の量子技術分野における国際連携を強化しました。具体的には、EU量子技術会議への参加、政策対話、産学官連携イベントを通じて、今後の協力の方向性や具体的な連携の可能性について幅広く議論を行いました。これらの活動は、デンマーク政府の全面的な協力により円滑に実施されました。

2.主な内容

  • EU量子技術会議への参加
EU量子技術会議への参加

  11月10~12日、コペンハーゲンで開催されたEU量子技術会議(EQTC)に日本代表団が参加し、内閣府の佐藤彰洋調査官および産総研G-QuATの堀部雅弘副センター長がパネルディスカッションに登壇し、日本の量子エコシステム構築等について発信しました。また、G-QuATに加え、日本の量子スタートアップQunaSysもブース展示を行い、日本の存在感を示しました。

  • 日デンマーク量子技術ミーティングの開催
日デンマーク量子技術ミーティングの開催

11月10日には、日デンマークの産学官関係者によるマッチングイベントを開催し、量子技術の各テーマで意見交換を行いました。11月11日には、研究者・企業による技術協議を実施し、特に超偏極MRI、固体量子センサー、光格子時計・周波数配信の3分野において、国際共同研究を視野に入れた協力の可能性について具体的な議論を行いました。

  • 日本・EU・デンマーク政策ラウンドテーブルの実施
日本・EU・デンマーク政策ラウンドテーブルの実施

11月12日には、日本・EU・デンマークの量子政策担当者が集まり、日EUデジタルパートナーシップにおける量子協力の進捗、人材育成、標準化、産業化に向けた連携などをテーマに政策対話を行いました。本会合では、今後の国際協力の枠組みや連携強化策についての意見交換し、協力の方向性を確認しました。

  • 日デンマーク産学官レセプションの開催
日デンマーク産学官レセプションの開催

同じく11月12日、在デンマーク日本大使公邸にて、両国の政府・企業・研究機関の関係者が集まり、ネットワーキングと意見交換を行いました。幅広い関係者の交流により、今後の協力拡大に向けた関係強化と、議論された協力分野の具体化の機運が一層高まりました。

  • ニールス・ボーア研究所(NBI)・デンマーク工科大学(DTU)との連携イベント実施
ニールス・ボーア研究所(NBI)・デンマーク工科大学(DTU)との連携イベント実施

11月13~14日、コペンハーゲン大学ニールス・ボーア研究所およびデンマーク工科大学を訪問し、セミナーやラボツアーを実施しました。これにより、日デンマーク間の交流と相互理解が一層深まり、量子コンピューティング、量子通信、量子センシングなど、多様な分野における研究成果の共有や、人材交流の促進に向けた意見交換が行われました。

3.成果と意義

産学官での国際協働・人材育成の具体化
日本・デンマーク間で、量子技術分野における国際共同研究や人材育成、産業連携の可能性について、今後を見据えた具体的な議論が行われました。さらに、研究現場や人材交流の基盤拡充に向けた議論も進展しました。

日本のプレゼンス強化
欧州最大規模の量子技術会議に参加し、日本の国際連携の方針と取組を紹介するとともに、量子エコシステム構築の重要性を積極的に発信しました。

政策対話を通じた連携枠組みの確認
日本・EU・デンマーク間の政策対話を通じて、関係国が連携し、量子技術分野での協力やエコシステム強化に向けた今後の方向性を確認しました。

4.参考:協力趣意書・覚書

5.問合せ先

内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局
 重要課題(量子・マテリアル)担当 河野・白木・新井
  電話:03-6257-1153(直通)