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基準・認証制度等に係る市場開放問題についての対応

平成5年5月27日
市場開放問題苦情処理推進本部

市場開放問題苦情処理推進本部は、「日米構造問題協議フォローアップ第2回年次報告(平成4年7月30日)」、「総合経済対策(平成4年8月28日、経済対策閣僚会議)」等を受け、平成4年9月21日、「基準・認証制度等に係る市場開放問題の検討について」を決定した。

同決定に基づき、OTO諮問会議から提出された報告書「基準・認証制度等に係る市場開放問題についての意見(平成5年4月12日)」を最大限尊重した対応を図るため、下記の措置を講ずる。これにより、市場アクセスの一層の改善に資するものとする。

1.食品、衛生、医薬関係

(1) 食品日付表示について、基本的に製造年月日表示に代えて期限表示制度を導入するべく検討を進め早急に結論を得る。
(2) 輸入食品の関税分類基準を明確化するため、分類事例の公表件数を拡充する。
(3) 輸入食品の検疫について、検疫所間で検査の差異が起こらないよう指導する。
(4) 日本水道協会において、主要な外国規格の安全性を検討し、型式承認基準の見直しを行うとともに、海外工場において検査を行う制度を導入する。
(5) 化粧品輸入販売業に義務づけられている責任技術者について、問題提起者と具体的な責任技術者候補が資格要件を満たすか否か検討を行う。
(6) 医療機器のサンプル輸入に関し、薬監証明の取得手続きの簡素化を図る。

2.工業、運輸、建築関係

(1) 高圧ガス保安協会に外国企業からの相談窓口を設けるとともに、高圧ガス取締法に係る手続きの簡素化を図る。
(2) 織物製の衣類について、発展途上国内における国際分業の進展等を踏まえ、特恵関税制度、国内産業の状況等を考慮しつつ、特恵原産地認定基準の見直しを検討する。
(3) 日本ガス機器検査協会において、諸外国との間で相互認証の推進を図るとともに、検査に係る負担を軽減するため、一定要件を満たす場合には、外国検査機関の試験結果を活用する制度の運用を図る。
(4) 自動車の型式指定等に係る審査について、標準事務処理期間が国際的にみて短期間であるとしても、輸入者の立場に立って、極力、短期間に処理する。
(5) モーターホームについて、自宅周辺以外の場所であっても一定の要件を満たす場合には保管場所の確保が可能となるよう、具体的な構想が出てきた段階で申立者と十分協議する。
(6) 輸入航空機及びヘリコプターに対する耐空証明検査及び通信機器検査の在り方について、問題提起者と専門家による技術レベル会合を早急に開催する。
(7) 「電気設備共通仕様書」におけるアルカリ蓄電池の仕様の明確化を図るとともに、JIS規格とIEC規格の整合化が図られるよう、JIS規格の見直し、国際規格の統一化に取り組む。

3.輸入手続き関係

(1) 時間外通関手続きについて、通関事務の実態を早急に調査し、これを踏まえて現行取扱いを見直す。
(2) SEA-NACCS利用による納税者向けサービスの拡充について、問題提起者と通関情報処理センターとで十分に協議する。
(3) 特恵関税の適用審査の際の原産地証明書の提出について、特恵供与の限度枠管理が行われていない品目に関し、一定の要件の下に、原産地証明書原本の提出猶予を認める。
(4) 無償修理後再輸入する場合の通関手続きについて、申告者に求める書類は必要不可欠なものに限るよう、改めて周知する。
(5) 不良品を返品輸出する際のパラメーターシートの提出について、一定の要件の下に原本ではなく写しでも可とする。
(6) 「貿易関係貿易外支払等報告書」と「貿易外支払報告書」について、報告書作成者の負担とならないような方向で報告書様式の見直し等を検討する。
(7) 関税暫定措置法に基づく免税輸入について、輸入者と実際の使用者との委託関係が容易に確認出来るものについては今後とも委任状の提出は求めない。
(8) 特殊関係にある者からの輸入品に係る消費税の評価申告について、申告者に求める書類は必要不可欠のものに限るよう、改めて周知する。
(9) 飼料穀物に関する諸制度について、問題提起者と官民を含めた意見交換等を引き続き行い、事実認識の共通化を図る。

4.その他

(1) 我が国と外国との間の親子間配当に対する所得税率について、相互主義に基づき、その引き下げを実現するため、租税条約の締結及び改正を推進する。
(2) 外国法事務弁護士に対する諸規制の在り方について、「外国弁護士問題研究会」において、国際的に通用する論理をもった結論を早急に出す。
以上の措置について、随時、幹事会においてその実施状況をとりまとめ、OTO諮問会議に報告する。