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市場開放問題苦情処理推進会議 第4回報告書(平成9年3月17日)
基準・認証制度等に係る市場開放問題についての意見

平成9年3月17日
市場開放問題苦情処理推進会議

本報告書は、「基準・認証制度等に係る市場開放問題への対応」(平成5年5月27日、市場開放問題苦情処理推進本部決定)等に基づき、外国人事業者等からの問題提起を受け、我が国の基準・認証制度等に関する問題の所在を明確化し、必要な対応を意見として取りまとめたものである。

市場開放問題苦情処理対策本部におかれては、速やかに本報告書を最大限尊重した対応を決定し、それに基づく措置を取られたい。

Ⅰ.総括的所見

1.世界経済がますます一体化し、いわゆる大競争時代を迎える中で、我が国経済社会に深く根を下ろした各般のシステムの変革が喫緊の課題となっている。ここにメスを入れなければ新たな発展の可能性が開かれないという状況にあり、痛みを恐れずに大胆な構造改革を推進しなければならない。

現在政府においては、新時代に対応できる簡素で効率的な行政の実現等をめざした行政改革への取り組みが行われている。政府として規制について掲げている方針、すなわち経済的規制は原則排除するとともに、社会的規制も白地から見直し本来の目的に照らした最小限のものに絞り込むという方針は、あらゆる分野において貫徹されねばならない。

我々は、構造改革を推進するに当たり、「市場アクセスの改善」を通じた「消費者利益の増大」という観点が重要であることを強調したい。市場アクセスの改善は、人、物、資金、情報が自由に移動する時代にあって、世界の潮流を先取りする開かれた経済社会システムを創造するために不可欠の視点である。また、市場アクセスの改善により、海外からの輸入や投資が増加すれば、従来なかったような財・サービスが我が国の市場に登場することによって消費者の選択の幅が広がり、また、内外価格差の縮小に貢献する。それと同時に、内外の企業による多様な競争を通じて我が国経済が効率化・活性化し、ひいては雇用機会の創出にも資する。

市場開放問題苦情処理体制(OTO)の活動は、本年2月で発足以来15年を経たが、この活動は、市場アクセスの改善の観点から規制等の見直しを行うものであり、我が国の構造改革の推進の一翼を担うものと考える。外国人事業者等からの個別・具体的な苦情を構造改革に対する貴重な問題提起として積極的に位置づけ、それに真摯に対応することによってこそ、開かれた経済社会システムをもたらす、真に意味のある構造改革が実現される。

2.こうした認識の下、我々は、外国人事業者等から提起された我が国の基準・認証制度等に係る59件の問題について、昨年秋以来検討を行ってきた。

今回寄せられた問題提起案件は、現行の基準・認証制度が市場アクセスの障害となっているという問題に加え、規制や手続きが情報・通信を中心とする技術の発展を反映しておらず時代遅れとなっているという問題、外国人の就業・事業活動や海上貨物を中心とした物流に対する障壁等がある。これらの中には、従来の輸入拡大という観点だけではなく、国際的に魅力ある事業環境を整備するという観点から、対日投資促進のための課題として取り組むべき問題が多く含まれていることが特徴である。また、これらの問題への積極的な対応が、内外価格差の解消、高コスト構造の是正といった我が国がまさに直面している問題の解決に資するものと期待される。

今回の問題提起に係る作業を総括して、我々としては各案件に共通する以下の事項について政府の適切な対応を求める。今回の検討過程において、所管省庁の対応には、弾力的かつ前向きに行われ、評価できるものもあった。しかし、同時に関係省庁の対応あるいは関係民間団体の取り組みが必ずしも満足のいくものではないと思われる事項もあり、経済全体のコストベネフィットを十分視野に入れた政府のより真剣な取り組みを促すものである

(1) 規制の目的、手段の妥当性を、その制定時からの経済社会情勢の変化や技術の発展を踏まえて、絶えず見直すべきである。 需給調整に代表される各種の経済的規制は早急に廃止し、市場メカニズムを最大限活用すべきである。資源保護や安全性等から規制がどうしても必要な場合でも、その目的にとって最も有効な手段で規制すべきであり、その有効性は、最新の技術の水準に照らし、見直されねばならない。情報・通信技術等の急速な発展や品質管理の向上によって規制が使命を終え、あるいは時代遅れとなっている例がみられる。規制に、定期的な見直しを義務づける仕組みを盛り込むなど、何らかの制度的な対応も検討されてしかるべきである。

(2) 基準・認証制度については、国際的な規格・基準の形成に積極的に貢献するとともに、国際的に合意された規格・基準等が存在する分野においては、我が国の規格・基準等をそれに早急に整合化すべきである。 国際規格・基準への整合化はこれまでも推進されてきたが、今年度においてもまだ整合化に関する問題提起が寄せられていることにかんがみ、更なる努力が必要である。仮に国際規格・基準への整合化がなされていないのであれば、その理由を外国人事業者等に対しても明解に説明できることが必要である。さらに、日本独自の規制には、客観的かつ科学的なデータに基づくべきことは当然であり、その策定あるいは改訂に当たっては、業界関係者だけでなく、内外の意見を幅広く聞くなど透明な環境で行うことが必要である。

(3) 規制緩和の一層の推進により行政の関与をできる限り縮小するとともに、規制を行う場合には、行政処分等についてその透明性の確保のため明確な基準をあらかじめ公表することが重要である。こうした観点からはまず、行政手続法を遵守すべきことは当然であるが、さらに、その適用除外となっている分野においても、できる限りその精神に基づいた対応が必要である。また、基準の運用に当たっては、地方支分部局等の現場の担当者によって制度の本来の意図とは必ずしも一致しない方向に運用されることのないよう努めるべきである。

(4) 通関手続き等の輸入手続きに関しては、情報・通信技術等の発展を踏まえて、一層のシステム化を極力推進することは、利用者の利便を大きく向上させるものであり、それぞれ所管の業務体制の整備に努めるとともに関係省庁間のより緊密な協力を図ることにより、全体として利用者のニーズに十分対応できる簡素・迅速なものにする必要がある。

(5) 我が国の基準・認証制度や輸入手続等に関しては、外国人事業者等の理解を深め、輸入や投資の円滑化を図るとの観点から、その運用を含め、制度全般の仕組みについてその広報等を様々な媒体を通じ積極的に推進すべきである。また、民間団体が自主的に基準を設定し、認定を行っている場合にも、それが国際基準に整合化していない場合など、市場アクセスにとって阻害要因となる可能性がある。政府は、その基準や認定の性格について誤解を与えないよう十分配慮し、当該団体を指導するとともに、需要者、供給者双方に対し適切な情報提供を行う必要がある。

3.以上に指摘した考え方に基づいて、我々は、政府及び関係団体が市場アクセスの改善に一層努力することを期待する。今回の報告書に盛り込んだ意見に対する政府の対応については、当推進会議として、その実施状況及び結果を適宜フォローアップし、必要に応じ更なる検討を加えていくこととする。

さらに、現在、新しい経済社会システムの創造に向け、行政改革をはじめ、構造改革のために、各般の取り組みが行われていることを踏まえ、構造改革と市場アクセス改善は一体として推進されるべきとの観点から、当推進会議としても積極的役割を果たしていきたい考えである。具体的には我々が過去に取り組んだ個別・具体的な苦情、問題提起案件を今一度見直し、共通する事項についてさらに審議を深め、本年6月を目途に市場開放問題苦情処理対策本部に対し、建議を行うこととしたい。

Ⅱ.意見

1.動植物・食品関係

1-(1) 農林水産省検疫と厚生省検疫の手続きの一元化

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:農林水産省、厚生省

○ 問題の背景

(1) 海外から輸入される偶蹄類の動物(牛、豚等)、馬、鶏等及びこれらの畜産物(以下「指定検疫物」)等については、これらを介して、我が国への家畜の伝染性疾病の侵入を防止するため、家畜伝染病予防法に基づき、農林水産省において輸入検査(動物検疫)を実施している。これら、指定検疫物の輸入にあたっては、同法第37条の規定により、輸出国政府機関より発行され、かつ、その検疫の結果家畜の伝染性疾病の病原体を広げるおそれのないことを確かめ、又は信じる旨を記載した検査証明書を添付してあるものでなければ輸入してはならないとされている。

(2) 食肉及び食肉製品の輸入に際しては、食品衛生法第5条の規定により、厚生省は疾病にかかっているかまたはへい死した獣畜等の肉の輸入等による食品衛生上の危害の発生を防止するため、輸出国政府が発行した衛生証明書を必ず添付することを求めている。この衛生証明書には、食品衛生法施行規則で食品衛生上確認が必要となる事項として、屠殺した年月、加工処理を行った年月等の記載を求めている。

(3) 上記のように、農林水産省の検査証明書は家畜の伝染性疾病の我が国への侵入を防止する観点から求めており、一方、厚生省の衛生証明書は、食品衛生確保の観点から求めるものである。

(4) また、食品衛生法第7条の規定に基づき、食肉製品の規格基準を定めており、生ハムについては、非加熱食肉製品の製造方法の基準に適合したものでなければ輸入することができない。この製造方法の基準においては、微生物による食品衛生上の危害の発生を防止する観点から、塩漬の際の塩分濃度を規定している。

○ 問題提起内容

フランス産食鳥肉、イタリア産生ハムの輸入に際し、最初に行われる農林水産省の動物検疫用衛生証明書が、厚生省が行う食品検疫の際に不備となることがある。

例えば部位ごとにカットされた肉とカットされていない肉が混載されている場合、食品検疫では加工処理日の証明が追加で要求される。また、生ハムについては塩分の濃度基準が厚生省のほうが厳しい。日本の縦割り行政に基づく輸入審査制度の違いが対外的に理解されないケースがあり、通関の遅れ又は積み戻しの原因となる。農水・厚生両省は、対外的に日本の国内法及び検疫制度のPRに努めるとともに両者で統一衛生(検査)証明書(health certificate)に同意すべき。

さらに、厚生省は、衛生証明書のフォームを各輸出国に提示し、輸出国に実行を要請すべきである。また、輸出国に対して、厚生省が衛生証明書に要求する事項がはっきり伝わっていないため、輸出国現場検査官に衛生証明書の様式及び各欄に記入すべき具体的記入例を見せて理解を求めるべきである。さらに、衛生証明書の記入事項を簡素化すべきである。

○ 検討結果

輸入検査手続については多数の省庁が関連する問題であり、それぞれの省庁において手続きの簡素化を図るのはもちろんのこと、相互に連携を図り、全体として簡素化・迅速化に努める必要がある。

所管省によれば、問題提起されたイタリア産生ハムについて、イタリア政府からの要求に対処するため、平成8年12月より農林水産省及び厚生省双方が求める基準を満たすよう両省で内部調整を行ったとのことであり、現在、この結果の受入れ及びイタリア政府が発行する検査証明書に当該事項を記載することの受入れについて、イタリア政府家畜衛生当局に提示しているところであり、これが受け入れられれば、当該衛生条件及び食品衛生に係る条件に沿った検査証明書は統一した証明書として我が国に提示されるとのことである。

(1) このような両省の前向きな姿勢は評価できるものであり、今後とも、関係省庁による協力をより積極的に推進し、関係国との二国間協議等を通じて日本の基準を説明し、証明書の記載事項が農林水産省及び厚生省双方が求める基準を満たす内容となるように努め、不都合がないようにすべきである。

(2) 厚生省は、衛生証明書の記載事項の不備を解消するため、輸出国に対して衛生証明書の記入事項の周知徹底を図るべきである。

(3) さらに、厚生省は、衛生証明書に記載される事項のうち、処理加工された食肉については、屠殺年月が判明している場合には、処理年月を不要とすることの検討を行うとしているが、こうした記載事項の簡素化についての検討は平成9年度までに結論を出し、速やかに実施すべきである。

1-(2) 食品検査の簡素化

○ 問題提起者:東京商工会議所

>○ 所管省庁:厚生省

○ 問題の背景

食品衛生法第16条、第17条の規定により、販売用の食品、添加物、器具及び容器包装を輸入する場合には、検疫所に届け出なければならず、必要に応じて、検査を受けなければならない。また、食品衛生法施行規則第15条により、その届出事項(例:輸入者名・住所、原材料、製造方法、添加物名等)が定められている。

食品衛生法第15条第3項の規定により、生産地の事情等から食品衛生法に違反するおそれのある食品等を輸入する場合には、厚生大臣が命令する検査を受けなくてはならない。

食品、添加物及び食品に直接接触する器具等については、飲食に起因する危害を防止する観点から、規格基準が定められており、それに適合していることを確認するため、輸出国公的検査機関(輸出国政府が一定の検査能力を有するとして厚生省に登録した公的検査機関)又は厚生大臣の指定検査機関における検査データの提示を求めている。

ピスタチオ、落花生、アーモンド、クルミ等ナッツ類のアフラトキシン検査については、その毒性の強さ、汚染が不均質であること、生産地や輸送途中における汚染拡大の可能性、過去の違反事例等から、食品衛生法第15条第3項による検査命令の対象とされている。また、同様の理由から、輸出国公的検査機関の検査データの受入れの対象から除外されている。

○ 問題提起内容

ナッツ類(生のピスタチオナッツ)の輸入に際し、アフラトキシン検査が義務づけられているが、航空貨物で輸出国の検査に合格し証明書も添付されているものは、日本での検査を省略するか簡単な検査で済ませるべき。

○ 検討結果

所管省においては、ピスタチオ、落花生、アーモンド、クルミ等ナッツ類のアフラトキシン検査について、これまでに過去の検査実績等を踏まえ、カシューナッツについては平成8年5月より、マカダミアナッツ及びヘーゼルナッツについては平成8年7月より検査対象から除外している。

したがって、本問題提起の対象となっている生のピスタチオナッツについても、同様の取り扱いができるか否かを含め、生産・加工における保管、貯蔵等の状態及び検査成績等により、その取り扱いについて平成9年度中を目途に検討すべきである。

2.医薬品・医療用具・化粧品関係

2-(1) 医療用具の未承認品目の輸入手続の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題の背景

医療用具(人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている器具機械であって、政令で定めるもの)の製造または輸入販売を業として行うためには、薬事法第12条及び第22条の規定により、それぞれ製造業または輸入販売業の許可を取得する必要がある。

また、製造または輸入販売しようとする医療用具については、同法第14条及び第23条によって、厚生大臣の指定する医療用具(品目ごとの承認を要しない医療用具)を除き、その構造、効能・効果、性能、規格等が品質、有効性及び安全性の見地からみて支障がないか品目ごとに審査を受け、厚生大臣の承認を受けなければならない。

医療用具はクラス別にⅠからⅢに分類される。クラスⅠは承認不要品目で人体に接しないもの、人体に接する用具のうち、故障等の場合であっても身体に重大な影響を与える恐れのないもの等が該当する。当クラスの品目シェアは平成6年の法律改正により、従来5%程度であったものが30%程度に増えている。クラスⅢは生体に植え込んで使用されるもので、生命の維持に直接関連するため、個別のリスク管理がなされている。クラスⅡはクラスⅠ、Ⅲ以外のもので品目ごとの承認が必要である。

品目ごとの承認が不要な医療用具(クラスⅠのもの)として薬事法施行規則第18条において、82種並びに日本工業規格(JIS)に適合する医療用具が定められている。この82種の医療用具については、直接専門家が使用するもので、有効性、安全性及び品質が確認されており、技術的にも定着しているものであることから、また、日本工業規格に適合する医療用具については、既に広く用いられ、かつ有効なことが公知実証されたものであって現代の医学、工学等の知識を総合して、その品質及び性状を定めた日本工業規格に適合するものであることから、品目ごとの承認を受ける必要はない。ただし、今回指摘のあった家庭用治療器についてはクラスⅡに分類されるものであることから、承認取得が必要となっている。

なお、諸外国の状況は、米国においては、医療用具を「家庭用」と「医家向け」とに区分しておらず、家庭用の低周波治療器、電子血圧計等を含め医療用具の製造等を行うためには、医療機器安全法により承認が必要であるが、イス型の家庭用マッサージ器等一部の用具については同法に基づく承認は不要であり、消費者製品安全法(Consumer Products Safety Acts)の規定に基づき、当該用具の製造業者等自身が、製品自体の品質、安全性等を立証することになっている。また、EUにおいては、同じく医療用具は「家庭用」、「医家向け」の区別なく医療機器に関する閣僚理事会指令(Medical Devices Directive)により管理されており、人体に与えるリスク等に応じて必要な手続きを実施することとなっている。家庭用マッサージ器等についていえば、以下のような分類により必要な手続が定められている。

(1) (2)以外の治療器

EU加盟国の保健衛生担当部局が認めた第三者機関による認証(製品自体に品質、有効性及び安全性並びに製造所等における品質管理能力を評価)の取得 (例:マッサージ機、電気磁気治療器)

(2) リスクの低い治療器

製造事業者等による自己認証の記録(製品自体の品質、有効性及び安全性並びに製造所等における品質管理能力を評価)の作成 (例:永久磁石磁気治療器)

○ 問題提起内容

個人のヘルスケア用に使用される簡単なマッサージ機、磁気健康器具等も他の本格的医療用具と基本的に同じ扱いになっており、厚生省の薬事承認手続が要求される。生命や健康に影響を与える可能性の少ない簡単なヘルスケア用具を本格的な医家向け医療用具と同列に扱うのはおかしいので、個人のヘルスケア用として使用される簡単な用具の場合は、薬事承認の対象から外すべき。

○ 検討結果

国民の健康を守るための安全規制であっても、その本来の目的を達成するための必要最小限のものであるべきであり、厳しすぎる規制は事業者の負担となるだけでなく、外国製品の参入機会を狭めることとなり、商品の選択の幅を狭めたり、価格の低下を阻害するなどの結果を招くことから消費者の利益の観点からも問題がある。また、透明性を確保するという観点から、申請に係る審査基準を定め、公表するなど、情報提供に努めることが重要である。

所管省においては、従来から規格を定めるなどの方法により医療用具としての品質、有効性及び安全性が確立できたものについては、承認不要としてきたところであるが、今後、以下の対応を取るべきである。

(1) 医療用具の承認の要不要の範囲を含め、医療用具の規制は日欧米でそれぞれ異なっているが、国際的な整合化の推進に努めるべきである。また、医療用具について、どのような条件が整った場合に承認を不要とするか、基準を公表すべきであり、さらに、医療用具の承認不要化を決定した際には、その決定に至った理由を公表すべきである。

(2) マッサージ器や磁気健康器具等の家庭用医療用具が、医家向けの医療用具と同様の承認が必要であるのは不自然であるので、承認の不要化を検討し、平成9年度末までに結論を出すべきである。

(3) 承認不要を希望する者に対して相談窓口を明確化するなど、承認不要化するための手続を整備すべきである。

2-(2) 化粧品等に関する規制緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:>厚生省

○ 問題の背景

(1) 化粧品・医薬部外品の輸入販売業の許可

化粧品を業として輸入販売する場合には、営業所ごとに化粧品輸入販売業の許可を受けなければならない(薬事法第13条、第23条)。許可要件として、試験検査設備の設置(他の試験検査機関の利用も可能)、責任技術者の配置等(同法第17条、第23条)がある。試験検査設備の外部検査機関の利用については、化粧品に限らず医薬部外品についても、従来より、動物を用いる試験や理化学試験の一部について認められている。

(2) 種別許可と種別承認

粧品に使用される成分として一般的に安全性の観点から問題ないと考えられる成分等の基準として化粧品の種別(化粧水、口紅等の25に分類)ごとに化粧品種別許可基準がある。この基準内の化粧品については種別許可を受けた上で、個別製品毎に輸入製品届(国内販売名、輸入先販売名、製造業者、配合成分等を記載)を提出することにより輸入できる。

種別許可基準外の化粧品(日本で初めて使用される成分を含む化粧品等)については、種別ごとに配合する成分、分量等を包括的に承認する種別承認を受けなければならない。この際、申請者から提出された安全性等の資料を基に審査されるが、配合前例がある場合などにおいては、資料の提出の省略ができる。医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(以下、「医薬品機構」という)では、申請予定の化粧品についてどのような資料が必要か(又は省略できるか)等について相談に応じている。業界団体においても、化粧品に使用されている成分名や本質を具体的商品名とともに「日本汎用化粧品原料集」としてとりまとめている。

(3) 化粧品の販売名

化粧品の販売名は、製品届に記入することが必要であるが、製造(輸入販売)業者が自由に命名してかまわないことになっている。ただし、化粧品には虚偽又は誤解を招くおそれのある事項は、表示してはならないとされている(薬事法第62条準用第54条)。

化粧品の製造(輸入)の許可権限は都道府県知事に委任されており、都道府県では知事宛てに提出される製品届を確認し、虚偽又は誇大な販売名である場合には指導を行っている。

なお、所管省では、化粧品の成分規制の緩和、輸入手続の簡素化について「基準・認証制度等に係る市場開放問題についての対応」(平成8年3月26日、市場開放問題苦情処理対策本部)において、以下の対応を取ることとしている。

国際的整合化を図ることを含め、化粧品規制全体の在り方についての見直しを平成8年度中を目途に行う。この際、以下の点について所要の対応を実施に移す。

(1)種別許可基準の国際的整合化を推進し、米国、EU諸国等で使用の認められている成分については、それらの国の規制を参考に種別許可基準へ組み入れる。また、輸入時において既に承認済の化粧品に含まれている成分と同じ成分からなる化粧品についての承認が不要となるよう、種別許可基準外の成分について、承認手続の際の提出資料等を基に成分の規格を定め、迅速に種別許可基準へ収載する。

(2)営業所ごとの輸入販売業の許可制の在り方について、責任技術者の配置、試験検査設備の設置という要件の必要性等を含めて平成8年度中を目途に見直し、速やかに改善措置を講ずる。

(3)製品輸入時に提出する輸入製品届出書の在り方について、実務上負担がかからないよう平成8年度中を目途に見直し、速やかに改善措置を講ずる。

○ 問題提起内容

(1) 化粧品・医薬部外品の輸入販売について企業単位で検査設備の設置が義務づけられており、また外部検査機関を利用できるのは化粧品に限られている。安全性確保のためとはいえ規制過剰の感が強いので、関連グループ会社間の検査設備の共有化並びに医薬部外品についても外部検査機関の利用を認めるべき。

(2) 化粧品の承認申請は、会社ごとに必要であるが、同じ成分を数社が同様の資料を準備し申請することは、審査側も申請者側も時間、費用の無駄である。また、現在、承認前例不明成分の前例及び規格の確認は、医薬品機構にて1社15分間の面会で実施されているが、このために地方から出てくるのは大変である。承認済の成分は、申請者が秘密扱いを希望する場合を除き、成分名及び規格を官報やインターネット上での公開を含め、何らかの方法で即時公開し、1社が承認を取得すればその段階で届出対応成分(種別承認を必要とせず、種別許可基準収載成分と同様の扱い)にすべき。

(3) 化粧品に使用可能か否かの販売名称の判定は、各都道府県に一任されているが、その判定基準にばらつきがあり、また、事前に名称確認を実施しても即座に明確な返答がもらえない。過去に認めなかった事例の即時公開と基準の明確化をすべき。

○ 検討結果

所管省においては、現在、化粧品規制のあり方について、有識者による検討会を設置し、各種団体(日本化粧品工業連合会、在日米国商工会議所、欧州ビジネス協会、日本化粧品輸入組合等)からの意見を聴取しながら、現状や問題点についてネガティブリスト・ポジティブリスト方式の成分規制や全成分表示を含め検討中であり、平成9年3月には方向性と検討課題を取りまとめるとのことである。

また、種別許可基準については、欧米諸国における使用成分等を考慮して新規成分の追加(約140成分)を行うと同時に、種別の統合(25種別から11種別)を平成9年3月に行う予定とのことである。昨年度の推進会議の意見を踏まえ、化粧品規制の簡素化に前向きに取り組んでいることは結構なことである。しかし、昨年度に続き本年度も問題提起がなされたことをかんがみると、化粧品規制の緩和への要望が強いことが伺える。このため、現在、行われている見直しにおいては、以下の点についても対応すべきである。

(1) 医薬部外品の品質確保等の観点から備えなければならない試験検査設備については、平成9年度に自社所有以外のものの利用範囲を検討したうえ拡大することとされているところであるが、その際には、関連グループ会社の設備の利用について、化粧品も合わせて検討すべきである。

(2) 承認した成分のうち承認不要とすることが適当なものについては、年1回を目途に、規格を整備した上で化粧品種別許可基準へ収載し、公表すべきである。 また、化粧品種別許可基準に収載されていないが、配合前例のある成分については、知的所有権の保護の観点を踏まえつつ公表制度の導入を検討すべきである。

(3) さらに、所管省においては、従来より、虚偽または誇大と思われる販売名(例えば、奇跡、強力)、誤解を招くおそれのある販売名(例えば、栄養、減脂)等は避けるよう、ガイドブックに事例を挙げて注意喚起しているとのことであるが、都道府県によって取り扱いが異ならないよう更に連絡を密にし、また、都道府県への調査をもとに、平成8年度内を目途に事例の充実を図るべきである。

3 工業関係等

3-(1) 内燃機関の承認の規制緩和

○ 問題提起者:在日米国商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題の背景

非常用予備発電装置の設置に当たっては必要に応じ工事計画の事前届出が必要であるが、その際、届出がなされた設備が技術基準に合致している等の条件を満たしていない場合は、工事計画の変更又は廃止を命ぜられる(電気事業法第48条)。条件を満たしているかどうかの審査は届出を受けた通商産業省本省又は地方通産局が行う。

一方、(社)日本内燃力発電設備協会による自家用発電設備の認定制度が存在し、非常用予備発電装置についても対象となっているが、現行法令上は本制度による認定を受ける義務は明示されていない。かつては自家用発電設備について、通商産業大臣による使用前検査を受ける義務があり、協会の認定を受ければ使用前検査を免除する制度があったが、平成7年に電気事業法が改正され、非常用予備発電装置等については使用前検査の対象から外すという規制緩和が行われたところである。

協会の認定制度において用いられる認定基準は、通商産業省の技術基準をすべて網羅した上で、さらに細かい自主基準が存在する。また、通商産業省の技術基準は、日本国内における使用状況等を考慮して作成されており、国際的な基準であるISO等とは必ずしも整合性がない。

○ 問題提起内容

問題提起者から、非常用予備発電装置の設置について、以下のような問題提起があった。

通商産業省の技術基準の下では、非常用予備発電装置について、エンジンの型式や等級、発電機の型式、コントロールパネルの型式等の認証が求められている。これらの個々の認証を経た上で初めて装置のセットとして認められる。

認証の際には、設計図や性能、販売歴、メーカーの品質管理や組織等の大量かつ詳細な書類が要求されている。一方、(社)日本内燃力発電設備協会という団体が存在し、この団体が設置している「自家発電設備認定委員会」という、通商産業省等の行政側も参加している委員会が発行する認定証を与えられている装置は、これらの手続を踏むことなく、ほとんど自動的に通商産業省の技術基準に適合するとの認定を受けると当方は理解している。

民間においては協会の認定が法的なものと認識している顧客が多く、納入先の企業から強く求められた結果、協会の認定を受けると一筆入れないと契約できなかったほどである。したがって、同協会の認定を受けるべく手続を進めたが、実地検査を受けさせられ、協会の規格に適合させるために改造することになり、費用がかなりかかった。この費用は結局日本の消費者によって負担されなければならなくなる。

当方の装置は国際的な基準であるISO等に適合しており、日本以外のほとんどの国では、こうした国際的な基準に適合していれば追加的な試験や構造変更の必要がなく、自由に販売できる。国際的な基準を日本政府は受け入れるべきである。そうすれば、非日本企業にとって、日本市場において製品を販売したり品質や安全性を高めたりするのが簡単になり、また価格を抑えることもできるようになる。

○ 検討結果

我が国の規格・基準について国際的な基準への整合化を図ることは、自由な取引を促進し、かつ我が国制度の透明性を高めることから、今後とも推進する必要がある。所管省は、現行の国の技術基準について、保安上必要な性能のみで基準を定めるという基準の機能性化を図るべく、本年3月末を目途に検討を進めており、この基準は、JISの他、アメリカの技術基準であるASME(The American Society of Mechanical Engineers)にも適合させるとのことであるので、このことは評価できる。

民間において、主に安全の確保という観点から政府によって設定される技術基準とは別に、自主的な基準を設定することがあるが、このような基準は、規格の標準化によるコストダウンや品質の向上のほか、消費者の商品選択に資する有益な情報を提供するという可能性がある。

しかしながら、それが国際的な基準と整合的でない場合は、国際的な基準に適合した外国製品を再度その基準に適合させることが必要となる結果、外国製品の輸入を阻害する障壁となり得るばかりでなく、政府による基準以上に外国人事業者からは透明性に欠けるものとなりかねない。

さらに、政府が基準等の規制を緩和したとしても、民間団体が同種の基準を残し認定活動を行う場合、実質的に規制緩和の意義が失われ、輸入阻害要因となりうる。これは、高コスト構造是正や構造改革という観点からもマイナスである。こうしたメリット・デメリットを具体的に事例に即して検討することが重要である。

(社)日本内燃力発電設備協会(以下「協会」という。)が行う自家用発電設備の認定制度は協会の独自事業であり、その認定基準も協会独自のものがある。所管省によれば、協会の認定を受けなければ装置の設置ができないという法的規制はなく、また、協会の認定を受けたからといって、電気事業法に基づく技術基準に適合しているということが自動的に認められるということもないとのことである。しかしながら、民間取引においては、国の認定との関係について一部に誤解があるなど、依然として協会の認定が重要な役割を持っており、これが市場開放を阻害する要因になるおそれがある。

以上を踏まえ、所管省においては、以下の措置をとるべきである。

(1) 我が国の基準が国際的な基準と整合的であることは、市場アクセス改善のために必要であり、本年3月末までに、内燃機関に関する法令に基づく技術基準を、ISO等の国際的な基準に整合的なものにすべきである。
(2) 自家発電装置の需要者・供給者双方に、協会の認定制度は、法令や国の認定制度等と関係ないことを積極的にPRするとともに、認定制度を受ける法的義務があるような外観を作り出さないよう、協会に対して強力に指導すべきである。特に協会の紹介パンフレットについては平成9年6月までに改訂し、第三者に誤解を与えないようなものとすべきである。また、この認定がない製品を認めないという民間慣行が外国製品の輸入を妨げているようであれば、これを助長しないように努めるべきである。

3-(2) 非法定計量単位に係る販売規制の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題の背景

計量法第9条では、「法第2条第1項第1号に掲げる物象の状態の量の計量に使用する計量器であって非法定計量単位による目盛又は表記を付したものは、販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。」とされており、非法定計量単位に係る計量器の販売等は禁止されている。この趣旨は、計量器は計量の原点であり、単位の統一を円滑に推進する観点から、原則として全ての計量器を対象に規制したこととされている。温度計は計量器であるため、非法定計量単位である華氏の目盛を付したものは、たとえ法定計量単位である摂氏との併記があっても使用できない。

諸外国においては、国際単位系(SI)以外の単位について、アメリカを除くほとんどの国において法律で取引においての使用の禁止を規定している。また、非法定計量単位を付した計量器の販売等の規制については、フランス等に見受けられる。

なお、計量器でない一部の輸入商品のうち、非法定計量単位であるヤードポンド法の表記がなされているものについては、法定計量単位との併記を条件に当分の間、販売等が認められている(計量法附則第5条)。これは平成4年に計量法が改正された際に新たに認められたところであるが、その趣旨は、輸入品の増加に伴い、法定計量単位が併記されていることを条件に計量法の趣旨、目的に照らし、許容できる範囲内で認めたこととされている。

○ 問題提起内容

問題提起者から、非法定計量単位を付した計量器の販売について、以下のような問題提起があった。

輸入品の地球儀の架台に温度計を有するモデルがあるが、温度計の文字盤に摂氏に加えて華氏の数字が書かれているため日本で販売できない。計量法第9条の規定により、温度の華氏、長さのインチ・フィート、重さのポンド、体積の立法フィート、面積の平方フィート等の記載があるものは一切販売できない。華氏のみの表示では問題もあろうが、摂氏と併記してあるものまで禁止する必要があるとは思えない。

○ 検討結果

所管省は、本件において問題となった温度計を有する地球儀について、計量法の販売規制の対象外とすることとした(平成9年2月10日付けで各都道府県計量検定所等に通知済み。)。この趣旨は、計量法の規制の対象となる計量器は取引・証明、あるいは正確な計量に使用するものであり、本件計量器は学習ないし室内装飾に使用する地球儀の「装飾品」であるため、販売等の規制の対象としないとの解釈による。この措置は、法の趣旨を実態に即して弾力的に解釈するという意味で、前向きな解決策として評価できる。

しかしながら、今後も同様の問題が発生する可能性があり、また外国製品の販売等が円滑に行われるようにするためにも、本件の事例のみの解決にとどまることなく、所管省においては以下の対応をとるべきである。

(1) 国際単位系であるSI単位への統一は、国際基準への整合化による貿易の一層の促進という観点から、今後も引き続き取り組むべきである。ただし、日本の最大の貿易相手国であるアメリカ等海外各国におけるSI単位への統一動向を踏まえると、本件商品のような計量法の厳格な適用が法の本来の趣旨から見て必要性の乏しいものについては、輸入活動や消費生活に支障をきたすことのないような弾力的な運用を進めるべきである。

(2) 弾力的な運用を実施した場合には、行政の透明性を高める観点から、これを速やかに公表するとともに、地方の計量行政の担当者を含め周知徹底を行うべきである。また、運用の実績等がある程度蓄積されたときは、何が計量法の販売規制の対象となるもので、何がそうでないか、輸入活動や消費生活に支障をきたすことのないような基準の設定を検討すべきである。このような基準を設定した場合は、これを速やかに公表し、地方の計量行政の担当者を含め周知徹底を行うべきである。

3-(3) 冷凍設備に関する規制緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題の背景

高圧ガス取締法第2条の適用を受ける高圧ガスの製造を行う者は、同法第5条により規模に応じて、都道府県知事の許可または都道府県知事への届出が必要である。また、高圧ガスを冷媒とする冷凍機を使用する者のうち、冷凍能力が50トン以上(冷凍能力の計算式は、同法冷凍保安規則第3条による)の冷凍機を使用する者は、同法同規則第22条の製造施設の区分に従い、原則として、一日の冷凍能力が300トン以上のものは第一種冷凍機械 責任者の免状を持つ者を、一日の冷凍能力が100トン以上300 トン未満のものは第二種以上の冷凍機械責任者の免状を持つ者を、一日の冷凍能力が50トン以上100トン未満のもの は第三種以上の冷凍機械責任者の免状を持つ者を、それぞれ冷凍保安責任者に選任し、当該設備の保安に関する業務を管理させなければならない。

オゾン層破壊問題等により製造禁止となったフロン11は、その熱物性上、高圧ガス取締法第2条の高圧ガスには該当せず、同法の適用は受けない。しかし、この代替冷媒であるフロン134aは、その熱物性上、高圧ガスに該当し同法の適用を受ける。

○ 問題提起内容

フロンガスの製造禁止により、ビル用冷凍機でも代替フロンガスが使用され始めたのに伴い、運転にあたり取扱主任者を必要とする冷凍機が増えてきている。一般に延床面積2万平米以上のビルに使われている冷凍機の能力は300冷凍トンを超えるが、高圧ガス取締法(冷凍保安規則)の対象となる冷凍機の場合は、第一種冷凍機械責任者が必要とされる。しかし、今まではほとんどこの様な資格者を必要としなかったこと等から現在同免許を持つ資格者が非常に少ないため冷凍機の運転に大きな障害となっている。ビル用の冷凍機については、下位の資格(第二種)で取り扱えるようにすべき。また、運転時間中は常時資格者を必要とするがこれも緩和すべき。

○ 検討結果

事故を未然に防ぐための安全規制であっても、厳しすぎる安全規制は、事業者の負担を増し、国際的に魅力ある事業環境の整備という観点から対日投資促進上の問題となる可能性があり、必要最小限のものにする必要がある。

所管省においては、ビル用の冷凍機については下位の資格で取り扱えるよう、指定設備として認定された場合には資格者不要とする措置がとられている。すなわち、冷凍機製造業者の申請により、各種安全装置・制御装置などの構造上・機能上の安全性を有すると認められる冷凍機を、指定設備として認定する制度を平成8年2月に制定しており、指定設備として認定された冷凍機を使用する者は、当該冷凍機の冷凍能力が50トン以上であっても冷凍保安責任者を選任する義務が課されない。

さらに、問題提起を受け、指定設備以外の冷凍設備に係る資格者の選任については、これまでの保安実績等を踏まえつつ、平成9年度中に都道府県担当者及び関係事業者を含めた委員会において制度の合理的な在り方に関する検討を行い、その検討結果に基づく措置の必要がある場合にあっては、平成9年度を目途に省令等の改正を行うこととした。

所管省においては問題提起を踏まえ、事業者の負担軽減を図る方向で検討を進め、できるだけ早期に結論を得、処置すべきである。

3-(4) 附属冷凍に対する規制緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題の背景

高圧ガス製造設備を冷却するための設備、いわゆる附属冷凍設備と称する設備は、その破裂、高圧ガスの漏洩等が、高圧ガス製造設備全体に係る事故を誘引するおそれがあるため、高圧ガス製造設備の一部を構成する設備として、耐圧性等の高圧ガス製造設備に係る技術上の基準を定めている高圧ガス取締法関係規則(一般高圧ガス保安規則、液化石油ガス規則、コンビナート等保安規則)の適用を受ける(同法第11条、第12条、第13条)。さらに、同法第14条第1項の規定により、附属冷凍設備の設置等が、製造施設の位置、構造、設備の変更の工事等を行う場合に該当する場合は通商産業大臣の許可を受けなければならない。

同法第5条で規定する冷凍設備に当たる場合は、冷凍保安規則の適用を受け、冷凍能力によって、冷凍保安責任者を選任しなければならないが、高圧ガス製造設備を冷凍するための設備は冷凍設備にあたらない。

○ 問題提起内容

高圧ガス取締法令関係では、法定冷凍トン3トン以上の能力を持ち高圧ガスを冷却する設備は、附属冷凍の適用を受ける。海外ではこの規制はなく、また、特殊設備となり設備費が高くなるため国内投資する際のコスト上昇要因となっている。ブライン、冷凍水で間接冷却する場合は、附属冷凍の適用外とすべき。

○ 検討結果

事故を未然に防ぐための安全規制であっても、厳しすぎる安全規制は、事業者の負担を増し、国際的に魅力ある事業環境の整備という観点から対日投資促進上の問題となる可能性があり、必要最小限のものにする必要がある。

所管省においては、問題提起を受け、これまでの保安実績等を踏まえつつ、附属冷凍設備に係る規制について、その存否の必要性を含め平成9年度中に都道府県担当者及び関係事業者を含めた委員会において検討を行い、その検討結果に基づく措置を平成9年度中を目途に実施することとしている。

所管省においては問題提起を踏まえ、事業者の負担軽減を図る方向で検討を進め、できるだけ早期に結論を得、処置すべきである。

3-(5) 容器再検査期間の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題の背景

高圧ガス取締法第48条第1項第5号の規定により、高圧ガスの容器の保安を確保するため、検査を受けた後省令で定める期間(1年~6年)を経過した容器は、耐圧試験等の再検査を受けなければ、ガスを再充てんできないこととなっている。

容器保安規則第47条第1項第4号において、本件で問題となっているで500リットル以下の継ぎ目無し容器については、再検査までの期間は3年とされている。

諸外国における再検査までの期間は、アメリカにおいては5年から10年、イギリスにおいては2年から20年、ドイツにおいては2年から10年となっている。

○ 問題提起内容

高圧ガス取締法(容器保安規則)では、内容積が500リットル以下の継ぎ目なし容器の再検査期間は3年と定められている。技術的に問題ないと思われるので500リットル以下の容器であっても、500リットルを超える継ぎ目なし容器と同じように再検査期間を5年とすべき。

○ 検討結果

事故を未然に防ぐための安全規制であっても、厳しすぎる安全規制は、事業者の負担を増し、国際的に魅力ある事業環境の整備という観点から対日投資促進上の問題となる可能性があり、必要最小限のものにする必要がある。諸外国での制度に照らして過大な負担となっている場合には、特にこうした懸念がある。

平成8年1月の高圧ガス及び火薬類保安審議会答申において、「容器再検査及び附属品検査に係る検査周期については、高圧ガス容器等の品質の向上にかんがみ、今後、技術的な実証その他の検討を行った上で、延長の方向で見直すべきである。」旨の指摘を受け、所管省においては、問題提起を受け、現在、関係事業者等を含めた委員会において、検査周期等の見直しも含めた容器再検査全体の今後の在り方を検討しており、今後、同検討の結果を踏まえ、平成9年度中に結果を出すべく取り組むこととした。

所管省においては問題提起を踏まえ、事業者の負担軽減を図る方向で検討を進め、できるだけ早期に結論を得、処置すべきである。

4.運輸・交通関係

4-(1) 漁船用推進機関の出力算定方法の明確化

○ 問題提起者:在日米国商工会議所

○ 所管省庁:農林水産省

○ 問題の背景

日本国内では、漁業種類ごとに操業区域、操業期間、漁船の隻数・大きさ・性能等のルールを定め、水産資源の保護及び秩序ある漁業の維持を図っている。

農林水産大臣は、漁業調整その他公益上の見地から漁船の建造を調整する必要があると認めるときは、根拠地の属する都道府県の区域別又は動力漁船の種類別に漁業に従事する動力漁船の隻数若しくは合計総トン数の最高限度又は性能の基準を設定することとされている。(漁船法第3条)

漁船を建造、改造及び転用する場合、漁船法第3条の2により、農林水産大臣又は都道府県知事の許可が必要であり、漁船の推進機関に関しては、漁船法第3条の規定に基づき「動力漁船の性能の基準(昭和57年7月農林水産省告示)」が定められており、トン数別にエンジンの最高限度を定めている。

漁船法においては、シリンダの数及びボア(シリンダーの直径)に基づき算出される推進機関の馬力数を測定することとしており、具体的には漁船法施行規則で以下の算式が定められている。

漁船法における推進機関の馬力数 CDDN
C:シリンダ直径とピストンの行程との比によって定められる常数
D:ボア
N:シリンダ数

○ 問題提起内容

漁船法では、船体の大きさ及びそれに応じた推進機関の馬力数等についての規制がある。エンジニアリングの観点からはエンジンの性能はエンジンの回転数、空燃比(注1)、圧縮比(注2)等から決まる最大馬力や最大トルク(注3)で判断されるが、同法における推進機関の馬力数は、ボアと経験則に基づく計算から導き出される数値で表される。これは総排気量にかかわりなく、エンジンの行程(ストローク、注4)を長くすることを許すもので、日本のエンジンの実情に合致したものとなっている。諸外国では実際のエンジンの馬力、総排気量でエンジンの大きさを規定している。エンジンの技術が発展してきたので、すべてのエンジンメーカーは内外を問わず、物理的にボアが変わらなくても実際の馬力を増すことができているのが現状であるので、最低限、日本においても、実際の馬力が十分に反映される規制とし、それを明確に規定し公表すべきであり、電子制御あるいは総排気量に関連した工学的な基準で規制されるべきである。

(注1)空燃比
シリンダ内の空気と燃料の混合比
(注2)圧縮比
ピストンエンジンの圧縮行程において、シリンダ内のガスが何分の1に圧縮されるかを容積比で表した数値。熱力学の理論上は圧縮比が大きいほどより多くの有効仕事を取り出せる。
(注3)トルク
ある軸を中心にものを回そうとする力。馬力と並ぶエンジンの性能評価の指標。馬力は一定時間に行う仕事量だが、トルクはその仕事の大きさを表すもので、最大トルクで表記される。
(注4)行程(ストローク)
気筒内で動くピストンの上限と下限の長さ

○ 検討結果

水産資源の保護のために何らかの規制が必要だとしても、目的達成のために最も有効な手段を用いて規制すべきであり、また、その手段は外国人事業者にとって分かりやすく合理的なものでなければならない。所管省は水産資源保護のためには漁船用推進機関の出力を規制することが必要としている。しかし、出力の規制が必要な場合であっても漁船用推進機関の出力算定方法は、国際的整合性があり、また、可能な限り客観的・科学的データに基づいて策定されるべきである。

所管省では現在、漁船用推進機関の出力算定方法の見直しを進めているとのことであるが、その際には、以下の対応を取るべきである。

(1) 漁船の推進機関の出力算定方法については、出力を規制することの必要性を含め平成9年度中に見直すべきである。

(2) 実馬力による規制は法定検査後の変更が容易であるため採用していないとのことだが、諸外国においても同様の問題はあるはずである。したがって、平成9年度中に諸外国の制度を十分に研究し、国際的整合性のとれた規制を取るべきである。特に、総排気量は客観的な基準として活用できるはずであるので採用すべきである。

(3) 新たな基準の策定に当たっては、漁業団体及び漁船関係団体から意見を聴取するだけでなく、工学的な問題も含まれているので、できる限り幅広い関係者から意見を聴取する機会を設け、それらを踏まえた基準を策定するべきである。

4-(2) 高速フェリー建造に係る提出書類の軽減・秘密保持の確保

○ 問題提起者:駐日オーストラリア大使館

○ 所管省庁:運輸省

○ 問題の背景

船舶整備公団(以下「公団」という)は、船舶及び港湾運送に関連する設備の整備等について、その資金の調達が困難である海上旅客運送事業者、海上貨物運送事業者、港湾運送事業者等に協力することにより、適正かつ円滑な海上運送及び港湾運送の確保に資することを目的としている。

公団は、財投資金を利用し海上旅客運送事業者(以下「事業者」という)と共有で国内旅客船を建造することにより、事業者の船舶整備に対し財政的及び技術的支援を行うことを主要な事業の一つとして、国内海運の近代化・合理化を推進している。

公団が事業者と共有で旅客船を建造する場合、当該旅客船に関する採算性及び技術的な妥当性、事業者の選定した建造造船所の技術的能力等を調査するとともに、公的資金を財源としているため、予定船価を定め、適正な建造契約が締結されるよう措置している。

共有制度のメリットとしては、共有方式であるため、公団の持分に対応する資金については担保が不要であり、公団が分担した建造資金については、事業者は船の耐用年数に合わせて長期間で返済することが可能である。事業者は、公団が分担した資金について共有期間を通じ元金均等割賦弁済方法で、毎月その元金及び利息を公団持分の「使用料」として公団に支払い、共有期間満了時に公団持分を残存簿価で買い取る。

なお、建造造船所については事業者が選定することを原則としており、事業者が希望すれば海外での建造も可能である。現在2隻の共有旅客船がオーストラリアで建造されている。

○ 問題提起内容

公団の方針、特に船会社に対して行うファイナンスに際しての方針が、日本市場への外国造船会社の参入の障壁になっている。公団から求められる情報は膨大なもので、かつ、技術や財務状況の詳細など企業の秘密に属するものにまで及び、これらの情報の秘密保持確保が不十分である。

この一因は、公団が行っている標準価格の積算にあるが、市場の船価は公団の標準価格を大きく下回っており、こうした積算は不必要である。また、契約条項には、交渉による変更の余地はなく、これは国際慣行に反する。さらに、公団は検査についても運輸省の保安検査に加えて、共同所有権者という理由で、品質保証のために公団の基準により船を検査している。

なお、公団の資料あるいは標準契約書等は全て日本文のみであるので、海外の造船会社が理解しやすいよう英文化をして欲しい。

公団は、日本の船舶購入手続きを見直して、通常の国際的な慣行に沿ったものにすべき。

○ 検討結果

国際的な相互依存関係の深化とともに、これまで主として国内事業者のみを対象としていた政府関係機関の事業についても、市場アクセスの改善という観点から国際的なビジネス慣行にのっとって事業や手続を見直すことが必要となっている。

公団は船舶の共有建造の発注において、従来から国内造船所と同一の競争条件の下で海外建造を受け入れており、共有建造に当たっては、建造造船所に技術資料、図面等の提出を求めていたとのことであるが、問題提起を受け、所管省の指導のもと、公団は提出書類の軽減・秘密保持の確保等の実務的かつ技術的な問題について、積極的に取り組み、問題提起内容を踏まえそれぞれ措置を講ずることにより解決を図ることとしている。こうした所管省及び公団の前向きな対応は、問題提起者からも国際的ビジネス慣行への整合化への努力として評価されているところである。

なお、契約書については、公団が標準契約書の見直しを実施しているとのことであり、その改訂に際しては国内の造船所と同様に海外の造船業者からの意見も参考にするとともに、その英訳についても、同種の事業を行う他の政府関係機関の例も参考に積極的に対応し、海外造船所の便宜を図るべきである。

4-(3) 港湾関係料金引き下げのための規制緩和

○ 問題提起者:在日ベルギー・ルクセンブルグ商業会議所

○ 所管省庁:運輸省

○ 問題の背景

(1) 港湾運送事業法の概要

港湾運送事業法は、昭和26年に制定されており、昭和34年に現行規制の枠組みが成立している。同法は、港湾運送に関する秩序を確立し、港湾運送事業の健全な発達を図ることにより、公共の福祉の増進に資することを目的としている(港湾運送事業法第1条)。

港湾運送事業とは、営利を目的とするしないとを問わず、港湾運送事業を行う事業をいう。港湾運送とは他人の需要に応じて、港湾において船舶への貨物の積込、船舶からの貨物の取卸や、港湾において貨物の荷さばき場への搬出入、荷さばき場において貨物の荷さばきまたは保管等を行うものである。

(2) 事業の免許制

港湾運送事業は、港湾運送に関する秩序を確立する観点から、港湾運送事業法第4条に基づき免許制による参入規制が行われている。

港湾運送事業を営もうとする場合は事業の種類(一般港湾運送事業、港湾荷役事業、はしけ運送事業、いかだ運送事業、検数事業、鑑定事業、検量事業)及び港湾ごとに(検数、鑑定、検量事業については全国共通)運輸大臣の免許を受けなければならず、運輸大臣は、当該事業の開始により港湾運送供給量が港湾運送需要量に対して著しく過剰にならないこと等の基準を審査して免許しなければならない。

(3) 運賃料金の認可制

港湾運送事業は運輸省令で定めるところにより、運賃及び料金を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様としている。

○ 問題提起内容

港湾及び輸入料金(port and import handling charges)はしばしば海上コストの数倍に達することがあり、免許を取得し港湾運送事業者になることが困難であることが、競争を少なくし、料金を増加させていると言われている。

競争を刺激するため、港湾運送事業法の改正又は現行法の運用により、港湾運送業の申請に対し免許を付与することについてより柔軟に対応すべき。

○ 検討結果

港湾は国内・国際物流の結節点であり、市場アクセス改善の観点から、その効率的な運営が非常に重要な課題である。現状では、港湾運送事業は港湾運送事業法により免許制とされており、また、運賃及び料金は認可制となっている。厳しい参入規制、価格規制の下で市場メカニズムが働かず利用者のニーズに応えられていない。その結果海外から我が国への物流について高コストとなり、輸入品が国産品に比べ不利になっているのではないかとの懸念があり、港湾運送について抜本的な見直しが必要である。

所管省においては、問題提起後、港湾運送において需給調整規制を廃止するよう方針を転換し、今後、具体的に検討することを明確にしている。また、価格規制についても併せて見直しを行う方針であるとしている。こうした方針は評価できるが、その際には以下の方向で進めるべきである。

(1) 需給調整規制の廃止について所管省はおおむね3年~5年後を目標期限としているが、できる限り早期に実施できるよう検討すべきである。

(2) その検討の過程においても、運賃・料金の多様化及び事業者の負担軽減を図る観点から、割引制度の一層の拡充を図るなど硬直的な料金体系の弾力化を図っていくことが必要である。

(3) さらに、具体的な規制緩和の実施に当たっては、その周知徹底を図り、制度に対する誤解により実態的な参入の妨げとならないようにするべきである。

6.情報・通信関係

6-(1) マイクロフィルムによる文書保存の規制緩和

○ 問題提起者:在日米国商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題の背景

税法上の記帳義務と帳簿書類の保存義務は、申告納税制度の下で適正・公平な課税を担保するために必要なものとされているが、例えば、青色申告法人は所定の帳簿書類を備え付け、これにその取引を記録し、かつ、その帳簿書類を、脱税の場合の更正、決定等の期間制限と同期間の7年間にわたって保存しなければならないこととされている(法人税法第126条、同法施行規則第59条第1項)。

この期間は、昭和56年度の税制改正において、従来5年と定められていた期間が7年に延長されたものであるが、その延長された2年間(6、7年目)については、一定の要件を満たしたマイクロフィルムによる保存が認められている(法人税法施行規則第59条第5項、大蔵省告示「法人税法施行規則第59条第5項に規定する保存の方法」)。

マイクロフィルム等による文書保存については、近年の情報化の進展に対応し、各省庁とも所管する法令の改正や解釈通達等で措置し又は措置することの検討を進めているところである。規制緩和推進計画においても、総論として高度情報通信社会推進本部制度見直し作業部会等の検討結果を踏まえて所要の規制緩和措置を実施することが盛り込まれており、当該部会の報告書(平成8年6月)においては電子データ(マイクロフィルムもこれに準じて扱うとしている。)による保存については、「特に周到な検討を要する場合も、平成9年度末までに右検討を了し、できるかぎり速やかに所要の措置(法改正が必要なものについては、法案を提出)をとる」とされている。

○ 問題提起内容

問題提起者から、マイクロフィルムによる文書保存について、以下のような問題提起があった。

法人税法は、税務関係書類の7年間の保存を義務づけており、6年目と7年目はマイクロフィルムによる保存を認めているが、最初の5年間はオリジナルの書類により保存しなければならない。商法、民事訴訟法においても税務関係書類の保管が義務付けられているが、共に全期間マイクロフィルムによる保存が認められている。また、通商産業省、労働省等においても、書類保管期間を設けているが、全期間マイクロフィルム等による保管を認めている。

アメリカ等他の先進国においては、マイクロフィルムは裁判上の証拠として使用が認められているため、結果として政府や商業上の書類の保存にマイクロフィルムが使用される。特にアメリカにおいては、1949年に定められた連邦法により、マイクロフィルムについては、原本が普通の方法で作成されたこと、コピーが通常の方法で作成されたこと、コピーが正確に再現されること、コピーが十分に原本と同一であると認められることが確認されれば、いかなる裁判・行政手続においても証拠物件に用いることを認めている。州政府においても同様の内容を持つ法を規定しているところが多い。

政府の規制緩和により、商取引に関する帳簿書類の保存規制は緩和されつつあるが、法人税法による緩和が認められない限り合理化が進まない現状にある。他省庁はマイクロフィルムの安全性、信頼性、効率を認めており、法人税法においても、マイクロフィルムによる保存を認めるべき。

○ 検討結果

政府による規制は、技術革新に応じて随時見直す必要がある。特に、現在、情報・通信技術の進歩には著しいものがあり、規制制定当時とは事情が大きく異なるものもあることから、諸制度の目的に配意しつつ、見直しを行う必要がある。諸外国においては技術革新の成果を取り入れた規制となっている一方、我が国において旧来の規制となっている場合には、輸入や対日投資といった面で市場アクセスの障害となることもあり得る。本件についても、文書保存技術が進歩した現在、海外の規制においてはこうした技術革新の成果が取り入れられていることにかんがみ、我が国において、文書保存についてこれまでの規制を続けることは、外国企業から見ても経済活動を妨げるものと見なされる可能性があり、国際的に魅力ある事業環境の整備あるいは対日投資の促進の観点からは好ましくないことから、帳簿保存の制度目的にも配意しつつ、早急に対応すべきである。

所管省庁(国税庁)においては、昨年7月に税法上の帳簿書類の保存等の在り方について研究会を発足させ、電子データによる保存について、どのような条件とすべきか等につき検討を進めており、本年3月末に報告書を出すということである。マイクロフィルムによる文書保存の問題については、この検討結果を勘案しつつ、今後検討を進めるとのことであるが、上記の観点から、所管省庁においては以下の方向で措置すべきである。

(1) 税法上保存義務がある帳簿等については、経済全体のコストベネフィットも考慮し、電子データによる保存を容認する場合の条件を勘案しつつ、税負担の公平確保の観点から必要な条件等の検討を行い、保存すべき全期間においてマイクロフィルムによる保存を認める。

(2) そのために法律改正が必要であるとしても、平成9年度中に、措置のための全ての手続を終わらせる。

7.輸入手続関係

7-(1) 電算システムの活用による書類提出の簡素化

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題の背景

貨物の輸入に当たっては、輸入貨物に対する関税の課税標準を決定する等の理由から、関税法第68条第1項の規定に基づき、仕入書(インボイス)の原本1通を税関に提出することとされている。現在、NACCS(通関情報処理システム)を導入しており、様々な税関手続き及び関連民間事務がこのシステムで処理されている。

さらに、輸入者は、外国為替及び外国貿易管理法第16条の報告義務及び輸入貿易管理令第16条の報告義務並びに輸入貿易管理規則第10条の規定に基づき、インボイス1通(写しでも可)を税関に提出しなければならないとされている。提出されたインボイスは、輸入貿易管理令第17条の規定に基づき、当該貨物の輸入が法令の規定に従っているかどうかの事後審査を行い、場合によっては、輸入者から必要な報告を徴すほか、物品の輸入動向等を調査する観点から、各種統計の作成に使用されている。

○ 問題提起内容

現在貨物の輸入にあたり、輸入申告時に通商産業省用のインボイスを原本とともに税関に1部提出している。税関が導入しているNACCSは、通商産業省が要求している内容を全て網羅しているので、通商産業省もNACCSからデータを入手し、通商産業省用インボイスの提出を省略すべき。

○ 検討結果

通関手続の簡素化は、迅速な通関及び事業者の負担軽減という観点から積極的に推進すべきであり、その際、電子情報化等、技術革新の成果を最大限活用することが望ましい。

所管省によれば、現在、NACCSでは、提出された通商産業省用インボイスに基づき同省が行っている、輸入の事後審査及び統計作成に必要な事項の一部が網羅されていないが、輸入手続の円滑化の観点から、NACCSの利用が可能であるかどうか関係省庁等と協議しているとのことである。

こうした対応は評価できるものであり、通商産業省用インボイス提出の見直し(所管省における必要項目の削減、NACCSの利用)について、事業者等の負担軽減の観点を踏まえ、平成9年度末を目途として結論を得るべく、所管省及び関係省庁等において前向きに検討すべきである。

7-(2) 輸入貨物に関わる法令手続機関の集積について

○ 問題提起者:横浜商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省、厚生省、農林水産省

○ 問題の背景

(1) 法令手続について

1) 税関手続
貨物を輸入しようとする者は、当該貨物の品名並びに数量及び価格(課税標準となるべき数量及び価格)その他必要な事項を税関長に申告し、貨物につき必要な検査を経て、その許可を受けなければならない。(関税法第7条、第67条)
なお、他の法令の規定により、輸入に関して許可、承認等を必要とする貨物については、当該他法令の規定に基づく許可、承認等を受けている旨を税関に証明し、その確認を受けなければならないとされ、これらの証明がされず、又は確認を受けられない貨物については輸入を許可しない。(同法第70条)

2) 食品等輸入手続

飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止するため、食品衛生法第16条及び17条の規定により、販売用の食品、添加物、器具及び容器包装を輸入する場合には、検疫所に届け出なければならず、必要に応じて、検査を受けなければならない。
輸入される食品等が食品衛生法に適合するか否かの判断を行う必要があるため、食品衛生に関する専門的知識を有する食品衛生監視員が検疫所に配置されている。

3) 植物検疫手続

植物の病害虫は一旦侵入・発生すると急速にしかも広範囲にまん延し、農作物に甚大な被害をもたらし、農業生産に多大な影響を与えかねない。また、その根絶は非常に困難である。このため、我が国への病害虫の侵入を未然に防ぎ、我が国の農作物等を病害虫から守ることを目的として、植物防疫法に基づき、輸入される植物等に対して検疫を実施している。

植物等を輸入した者は、植物防疫所に届け出て、植物防疫官による検査を受けなければならない。(植物防疫法第8条)

4) 動物検疫手続

家畜の伝染性疾病は、一旦侵入・発生すると急速かつ広範囲にまん延し、国内の畜産に甚大な被害をもたらし、多大な影響を与えかねず、また、その撲滅は非常に難しい。このため、家畜の伝染性疾病が我が国に侵入することを水際で防ぐことを目的として、輸入される動物・畜産物に対して家畜伝染病予防法に基づく動物検疫を実施している。

動物等を輸入した者は、遅滞なくその旨を動物検疫所に届け出て、その物につき現状のままで、家畜防疫官の検査を受けなければならない。(家畜伝染病予防法第40条)

なお、諸外国においても、食品検疫、植物検疫、動物検疫とも同様の手続が行われている。

(2) 法令手続機関の集積状況

法令手続機関(関税、検疫所、植物防疫所、動物検疫所)は、空港においてはターミナルビル等、同一の施設に集約されているが、海港において、すべての機関が同一の施設に集約されているところは小樽、大阪、門司などごく少数である。

各機関においては事前の申請により貨物の到着に合わせ近接の機関から担当官が出張するなどして迅速に法令手続が完了できるよう努めている。

○ 問題提起内容

貨物の輸入に当たっては、法令手続を踏む主務官庁が多岐にわたり、また場所も分散しているため申請手続に多くの時間がかかっている。航空貨物を取り扱う成田空港のように、港湾地区に手続を一括で執り行う港湾機関を新設するか、あるいは手続を税関に権限委譲し、一か所で申請を行えるようにすべきである。

○ 検討結果

所管省間で輸入手続全体のより一層の迅速化・簡素化を図るため、NACCS(通関情報処理システム)と、平成8年2月より稼働している食品衛生法に係る手続を行う「輸入食品監視支援システム」(厚生省)とのインタフェース化が平成9年2月3日に実施されたところであり、また、現在、開発作業を行っている植物防疫法に係る手続を行う「輸入植物検査手続電算処理システム」及び家畜伝染病予防法に係る手続を行う「動物検疫検査手続き電算処理システム」(農林水産省)とのインタフェース化が平成9年度中に実施される予定である。

当該インタフェース化により、NACCSの利用者は、同一貨物に係る税関への輸入申告と厚生省への届出手続及び農林水産省への申請手続とを担当窓口に出向くことなく一つの端末(NACCS端末)を用いて行うことができるようになり、検査結果通知も受けることができる。このインタフェース化により、税関手続とともに関税関係法令以外の法令により輸入に関して許可・承認等を必要とする貨物の輸入件数の約80%がカバーされることから、輸入手続全体の簡素化・迅速化に大きく寄与するものと期待される。

また、厚生省においては、平成9年度中に食肉及び食肉製品等の輸入の際に食品衛生法上必要となる輸出国政府の発行する衛生証明書については、輸出国政府と厚生省のオンライン(システムの整備状況により、現在想定される対象国はオーストラリア、ニュージーランド、米国)により、検疫所に直接送付されることになるとのことである。

これらの対応は、輸入手続きの迅速化・簡素化の観点からも望ましい方向にあり評価できるものである。しかし、所管省においてはさらに以下の対応を取るべきである。

(1) 厚生省と農林水産省のシステムと税関のNACCSとのインタフェース化により、具体的にどのような手続が簡略化できるのか関係者に十分情報提供すべきである。

(2) 輸入関連の電算システムのインタフェース化については、在外公館等に情報提供するなど、事前のPRに努めるべきである。

(3) 輸入手続関係省庁は相互の協力・支援体制を一層整備し、緊密な連絡体制の下でより一層の輸入手続の簡素化・迅速化を図るべきである。その際には、輸入手続関連省庁連絡会議の場を有効活用すべきである。

(4) 今後、既存港の整備や新港の開設等がなされる場合には、法令手続機関は一か所に集約することを前向きに検討すべきである。

7-(3) 輸入貨物に係る「関税・消費税」納期限延長に関する手続きの簡素化

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題の背景

一般に関税及び消費税を納付すべき外国貨物については、関税及び消費税が納付された後でなければ輸入許可されず、貨物を保税地域から引き取ることができない(関税法第9条第1項、同法第72条、消費税法第50条)。平成元年度の消費税導入の際、保税地域から引き取られる外国貨物に課せられる関税及び消費税の納付について、こうした従来からの即納制度に加え、担保の提供を条件に、関税額が当該提供された担保の額を超えない範囲内において、輸入の時から3カ月以内に限り納期限の延長を認める納期限延長制度が導入された。また、担保の提供においては、利用者の利便を図るため、据置担保(納期限の異なる複数の関税の担保)の使用が認められている(関税法第9条の2、消費税法第51条)。

担保の管理は、NACCS(通関情報処理システム)導入税関官署においては、同システムを使用して行なわれている。同システムには、Air-NACCS(航空貨物通関情報処理システム)とSea-NACCS(海上貨物通関情報処理システム)の2つのシステムがある。昭和40年代以降航空貨物が急増し、迅速通関の要望が強くなったことから、昭和53年にAir-NACCSの電算化がなされ、その後、Sea-NACCSについて も平成3年に電算化がなされたものである。以上の開発の経緯等から、現在、両システムは別個に稼動しており、担保についても各々のシステム別に登録することとなっている。

なお、このようなシステム導入税関官署で共通して使用できる全国一括担保制度は、Sea-NACCSについては平成7年4月から、Air-NACCSについては同年11月から、それぞれ導入されている。

○ 問題提起内容

現状では、関税及び消費税の延納(3ヶ月)手続きに関して、航空貨物と海上貨物は別々に担保を設定して、別々に手続きをする必要がある。過剰担保設定を行えば、担保保証料の経費負担増となるため、通常は想定される金額ぎりぎりで設定するが、仮に航空分がオーバーしそうな場合に、海上分に余裕があっても転用できないため、航空分を増額する必要がある。4月から消費税率も引き上げられ、経費負担もさらに大きなものとなる。もし、両者の担保設定が統一され、流用できるなら、担保を増額する必要がなくなるので、航空・海上貨物共に同一担保枠で一括の手続きで済むよう改善すべき。

○ 検討結果

通関手続き等の輸入手続きに関しては、一層のシステム化を極力推進することは、利用者の利便を大きく向上させるものであり、情報通信技術の発展を踏まえ、業務体制の整備に努める必要がある。NACCSにおける担保管理については、全国一括担保制度の導入や昨年度の問題提起を受けた輸入許可前貨物引取承認申請に係る担保の対象官署の共通化など、改善が行われてきたが、今後とも随時見直しを行い利用者の便宜を図ることが重要である。

所管省においては、Sea-NACCSとAir-NACCSの両方に共通して担保を設定できるようなシステムを新たに開発するには、相当の期間とコストを要する見込みであることから、その導入に際しては、費用対効果についても考慮する必要があるとしている。このため、Sea-NACCSが、平成11年10月に更改時期を迎えることから、次期Sea-NACCSの見直しの際にあわせて検討することとしている。

利用者の経費負担の軽減を図る観点から、担保管理の共通化を一層進めることが望まれており、平成11年度のSea-NACCSの更改時期にあわせてSea-NACCSとAir-NACCSの両方に共通して担保を設定できるようNACCSを改変すべきである。

7-(4) 通関業者の保管する輸出入申告書等の保存の省略

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題の背景

(1) 通関業務とは、他人の依頼により、関税法その他関税に関する法令に基づき税関官署に対してする輸出又は輸入の申告等の代理又は代行をすること及び関税法その他関税に関する法令等の規定に基づき税関官署又は大蔵大臣に対して提出する通関手続等に係る書類(通関書類)を作成することをいう。業として通関業務を行うことを通関業といい、通関業に従事しようとする地を管轄する税関長の許可を受けた者を通関業者という(通関業法第2条、3条)。

(2) 通関業者は、通関業法第22条第1項及び同法施行令第8条の規定に基づき、通関業務に関して帳簿を設けるとともにその取扱いに係る書類を3年間保存しなければならない。保存を要する書類は、通関業務に関し税関官署又は大蔵大臣に提出した申告書、申請書、不服申立書その他これらに準ずる書類の写し等となっている。

通関業者が通関手続きに関する書類を一定期間保存する目的は、同法第22条第1項に基づき、設ける必要のある帳簿の原資料とするほか、通関手続きの代理を行った者として、その責任の帰属関係を明確にするとともに、手続き完結後発見される誤りの原因の探究、料金の収受状況の調査等の便に資そうとするものである。

(3) 税関長は、通関業者が、通関業法及び同法に基づく命令等の規定に違反した場合は通関業務の全部若しくは一部の停止、又は許可の取消等の処分をすることができる(通関業法第34条)。また、通関業法の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、通関業法第38条の規定により税関職員に通関業者の帳簿書類を検査させることができる。

(4) 通関業者が税関へ申告した輸出入申告書については、税関においておおむね7年程度保存している。また、通関情報処理システムにより申告された輸出入申告書については、通関情報処理センターにおいて、磁気テープにより原本を7年間保存している。

(5) なお、税関は偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税を納付すべき貨物について関税を納付しないで輸入した場合における当該貨物に係る更正、決定又は賦課決定は、法定納期限等から7年を経過する日まですることができる(関税法第14条第3項)。

○ 問題提起内容

通関業者が税関へ申告した申告書等は、通関業法施行令に基づき3年間保存することが義務付けられている。通関業者にとって申告書等を3年間保存することは、各営業所ごとに保存していることから保管場所のスペースが大きくなり整理に大変な経費と労力を要する。申告書等の保存が簡便化されれば、コスト等の負担が軽減される。現在、輸出入申告書は、税関(7年)、通関業者(3年)、NACCSシステムによる場合はNACCSセン ター(磁気テープにより7年)の3者が共に保存しており、申告後に関税の確認等申告書控が必要となる場合は、税関又は通関情報処理センター(この場合は磁気テープ)が保存しているもので十分対応できると考えられるので、通関業者の保存義務を軽減又は免除すべきである。

○ 検討結果

政府による規制は、技術革新に応じて随時見直す必要がある。特に、現在、情報・通信技術の進歩には著しいものがあり、規制制定当時とは事情が大きく異なるものもあることに留意する必要がある。所管省によれば、利用者(輸出入者)を保護し適正な通関手続を確保するため、通関業者への適切な指導・監督を実施する必要があることから、輸出入申告書等の保存義務を課しているとのことであるが、現在の情報通信技術の水準を勘案しつつ、通関業者に過大な負担を課していないかどうか、随時見直すことが必要である。

こうした観点から、所管省においては、書類の保管場所や保管に伴うコストの削減を図りたいという問題提起者の意見を十分踏まえ、通関業者の書類保存に係る負担軽減措置(例えば、真実性、見読性、保存性、証拠力といった観点に留意しつつ、電子媒体による保存を認める)を検討し、平成9年度中に措置のための全ての手続きを終わらせるべきである。

7-(5) 休日における海上貨物の通関・搬出の認可

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省、農林水産省、厚生省

○ 問題の背景

(1) 港湾における貨物の移動経路は、貨物の種類、港の環境等により異なるが、船は港湾管理者によって指定された岸壁に接岸するか、泊地のブイにつながれる。その後、港湾運送事業者により貨物が下ろされ上屋等に運ばれ、この場合、まだ、輸入手続を完了していない貨物は保税上屋等へ運ばれる。上屋で仕分けされた貨物は、倉庫に運ばれ保管されるか、又は陸上輸送機関によって目的地に運ばれることになる。

(2) 税関においては、従来から土・日・祝日を含む執務時間外であっても、輸出入手続を求める要請があれば、臨時開庁制度(関税法第98条)により、臨時に必要な職員を手当てし、適切に対応しているところである。

なお、執務時間外において臨時の手続を求める要請の多い主要空港(成田空港及び東京航空貨物出張所、関西空港、名古屋空港、福岡空港)及び海港(下関港)においては、執務時間外に職員を常駐させている。

(3) 植物の病害虫は一旦侵入・発生すると急速にしかも広範囲にまん延し、農作物等に甚大な被害をもたらし、農業生産に多大な影響を与えかねない。このため、我が国への病害虫の侵入を未然に防ぎ、我が国の農作物等を病害虫から守ることを目的として、植物防疫法に基づき、全国の主要な海港や空港において輸入される植物等に対して検疫を実施している。

植物等を輸入した者は、植物防疫所に届け出て、植物防疫官による検査を受けなければならない。(植物防疫法第8条)

(4) 食品衛生法第16条、第17条の規定により、販売用の食品、添加物、器具及び容器包装を輸入する場合には、検疫所に届け出なければならず、必要に応じて、検査を受けなければならない。

輸入される食品等が食品衛生法に適合するか否かの判断を行う必要があるため、食品衛生に関する専門的知識を有する食品衛生監視員が検疫所に配置されている。

検疫所(海港)における業務時間については平日のみ、午前8時30分から午後5時までとしている。

○ 問題提起内容

各港のヤード・税関が土・日はクローズされており、海上貨物の土・日の輸入申告・搬出ができない。従って、海上貨物が週央から週末に向け到着した場合、貨物の搬入確認が週末になり、輸入申告が翌週となるなど、緊急貨物の取り入れが不可能となっている。海上貨物の土・日の輸入申告を受理し、各ヤードよりの搬出を可能とすべき。

海外から生鮮食品を調達する場合、入港から貨物搬出の各手続において、植物防疫、食品届等については休日の執務について定めている関税法(第98条)でも明確な定めがなく、現実的には、休日は受け付けされないのが実情である(注)。また、コンテナヤードからの搬出についても休日は機能がストップしており、臨時開庁という制度がありながら、実際には休日の輸入手続が不可能な状況である。生鮮品という特性からしても生産地から店舗までの日数短縮は必要であり、今後の輸入商品の増加に対応し、成田・関西・名古屋・福岡の各空港の様な休日開庁体制を主要港についても適用して欲しい。

(事務局注)
<関税法は税関手続を定めたものであり、植物防疫、食品届等については、他の法令に基づくものである。

○ 検討結果

休日における海上貨物のコンテナヤードからの搬出については、荷主を含む民間事業者等の営業時間の問題があるが、港湾が国内・国際物流の結節点としての重要性及びその利用の際の高コスト等が問題となっていることにかんがみ、政府部門については率先して対応することが必要である。

所管省においては、例えば、税関においては、土・日・祝日を含む執務時間外であっても臨時開庁制度により対応し、下関港においては執務時間外に職員を常駐させ、植物検疫に係る輸入検査については、全ての植物防疫所において休日又は時間外であっても、輸入者からの要望があればその都度実施するといった対応を進めているとのことである。こうしたことは評価できるが、一省庁でも対応しなければ通関できないので休日における輸入手続の迅速化を図るため、所管省においては、さらに以下の対応を取るべきであり、その際には、関係省庁で連絡を密にして取り組む必要がある。

(1) 税関においては、十分な行政需要がある海港については、行政効率等を勘案しつつ下関港以外についても執務時間外に職員を常駐させるなどの体制整備を図るよう努力すべきである。

(2) 厚生省の検疫所は、主要空港では業務時間の延長等の対応をしているので、海港についても同様に利用者のニーズに十分対応できるよう食品の輸入実態に応じ業務体制整備を図るべきである。

8.その他

8-(1) 上陸審査基準等の見直し

○ 問題提起者:在日ベルギー・ルクセンブルグ商業会議所、東京商工会議所

○ 所管省庁:法務省

○ 問題の背景

外国人が我が国に入国・在留するためには、出入国管理及び難民認定法に定める在留資格のいずれか一つを付与されることが必要であり、個々の在留資格に応じて行うことのできる活動及び在留することのできる期間等が定められている。

就労目的の外国人を受け入れる場合にあっては、出入国管理及び難民認定法において、我が国の産業及び国民生活に対する影響を考慮しあるいは不法滞在・不法就労を防止するという観点から、入国・在留管理を適正に実施する必要があるため、我が国に受け入れられることのできる就労の内容・形態に関して一定の範囲やレベルを決め、省令において、事業規模、実務経験、報酬額等の基準を設定した上で外国人の受け入れ範囲をコントロールすることとしている。

(1) 一般的に就労を目的とする場合は「投資・経営」、「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」等の在留資格が考えられる。

1) 「投資・経営」の在留資格が付与されるためには、事業所として使用する施設が本邦内に確保され、かつ2名以上の常勤職員が従事している事業の経営又は管理に従事すること等が前提となっている。この在留資格の在留期間は最長3年である。
2) 「技術」、「人文知識・国際業務」の在留資格が付与されるためには、本邦の公私の機関との契約に基づいて就労し、かつ学歴・経歴等について一定の要件を満たすこと等が前提となっている。この在留資格の在留期間は最長1年である。
3) 「企業内転勤」の在留資格が付与されるためには、外国にある本社、支社等において1年以上在籍している者が我が国の本社、支社に転勤の形態により就労し、かつ本邦にある事業所の業務に従事しようとする期間が5年を超えないことが前提となっている。この在留資格の在留期間は最長1年である。

(2) 在留期間の更新については、本邦に在留する外国人は、現に有する在留資格を変更することなく、在留期間の更新を受けることができ、法務大臣は、当該外国人が提出した立証資料等により在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。

○ 問題提起内容

(1) 「企業内転勤」の在留資格で日本に在留している外国人は、毎年就労許可及び在留許可を更新する必要があり、最高4回までしか更新できない。例外として、外国人が日本支社の役員等になった場合は、許可が与えられることがあるが、これは本人を含め1人、2人が勤務している事業所には適用されない。

ベルギー企業の日本人以外の従業員の就労許可及び在留許可の延長の必要性を企業が判断した際には、延長できるようにすべき。

(2) タイの取引先企業から2人のタイ人を日本の会社の共同経営者として呼び寄せようとしたところ、半年以上待ち、貿易業者としては資本金が少なく基準に達していないということで不交付となった。問い合わせを行った際、基準の詳細については教えられないということであったが、基準については明確にすべき。

その後、事務所を拡張し資本金を増やし再申請したところ、半年間の在留資格認定証明書が交付された。現在2人に対しては、日本の企業の役員として給与、社会保険、厚生年金、所得税等すべて他の日本人と同じ扱いをしている。しかし、タイに帰国後、新たに日本に在留するための再度の在留資格認定申請を行った場合、交付される保証はないとのことであるが、日本人と同様の雇用関係にある者に対しては必ず許可してもらえる保証をすべき。

○ 検討結果

国際的な相互依存関係の深化に伴い、国境を超えたモノや資金の移動だけでなく、ヒトの移動が盛んになりつつある。投資とヒトの移動は相互補完関係にあり、新たに国境を超えて事業を始める場合には、多くの場合、ヒトの移動、さらには、そこに一体化された新しい経営資源、技術、ノウハウも移動することが必要となる。こうした生産要素の移動は 、我が国経済を活性化することも期待される。したがって、ヒトの移動の厳しすぎる制限は対日投資の障害、ひいては我が国経済の活性化をも妨げる可能性がある。

こうした観点から、就労を目的とする外国人の在留資格にかかる具体的基準については、健全なビジネスを行おうとする者が我が国に入国・在留することが阻害されることのないように以下のように見直すべきである。

(1) 在留資格のあてはめや審査基準に関しては、健全なビジネスを目的とする者が円滑に入国・在留できるよう、在留資格及び基準の内容について、その解釈や運用指針等を広く示すことにより、なお一層の明確化・透明化を図るべきである。

(2) 「企業内転勤」の在留資格の5年の上限については、所管省によれば平成9年度に検討を行うということであるが、できるだけ早期に検討結果を出し、健全なビジネスを行おうとする者にとって支障がない期間に延長すべきである。

(3) 「投資・経営」の在留資格については、従業員数、事務所の大きさといった形式的な基準によるだけでなく、「企業内転勤」の在留資格からの変更の場合等においては、その経営の実態をみて健全な運営が立証される場合には在留資格変更許可を柔軟に認めるように運用を見直すべきである。

Ⅲ.問題提起のあったその他の案件についての検討・対応状況(40案件)

1.動植物・食品関係

1-(1) ベルギー産ピーマン等の輸入に係る植物検疫制度の明確化
1-(2) 植物検疫制度の簡素化・明確化
1-(3) 食品添加物の使用基準の国際的整合化
1-(4) 食品検査等の簡素化

2.医薬品・医療用具・化粧品関係

2-(1) 体外診断用医薬品等の国際基準との整合化
2-(2) 栄養補助食品の形状等に係る規制緩和
2-(3) 栄養補助食品の副原料に係る規制緩和
2-(4) 医薬品承認審査に係る海外データの受入れ
2-(5) 薬監証明手続の緩和
2-(6) 化粧品の輸入手続き等に関する規制緩和

3.工業関係等

3-(1) 香港からの絹織物の輸入に係る事前確認制度の即時撤廃
3-(2) 繊維製品の輸入に係るセーフガード措置の再検討
3-(3) 工業用X線フィルムの分類基準の明確化
3-(4) 電気用品の規格の国際的整合化・相互承認
3-(5) 他プラントと高圧ガス機器との保安距離の緩和
3-(6) 危険物貯蔵タンクの材料規格の適合範囲の緩和

4.運輸・交通関係

4-(1) 船舶用エンジンの輸入検査の見直し
4-(2) キャンピング・トレーラの構造基準の緩和、およびキャンピング・トレーラに係わる保管場所法の扱いについて
4-(3) 車両の高さ制限
4-(4) 積載・牽引に係る許可申請窓口の統一
4-(5) 港湾の労働時間

5.建設関係

5-(1) 北米型枠組壁工法輸入住宅の規制緩和
5-(2) 海外の規格に適合する建築資材の受入れ等

6.情報・通信関係

6-(1) CATV給電電圧及び給電用ケーブルの形状規格の緩和
6-(2) CATVに係る電線地中化費用の明確化及び道路占用申請手続の簡素化

7.輸入手続関係

7-(1) 電算システムの活用による植物検疫に係る書類提出の簡素化
7-(2) 輸入包括事前審査制度の推進
7-(3) 特恵関税適用のための原産地証明書に係る輸入手続の簡素化
7-(4) 加工又は組立のため輸出された貨物を原材料とした製品の減税に係る原材料の輸出手続の簡素化
7-(5) 委託加工品の再輸入に係る関税賦課方式
7-(6) 不良品の修理等に係る再輸入時の免税手続きの簡素化
7-(7) 関税分類の簡素化及び明確化
7-(8) 関税率等適用の統一
7-(9) 輸入品を無為替輸出する場合のE/L取得手続きの時間短縮
7-(10) 輸入通関手続等の改善
7-(11) 輸入検査のスピードアップ

8.その他

8-(1) 上陸審査基準等の見直し
8-(2) 外国会社の日本における発起人及び代表者の定住要件の緩和
8-(3) 研修生及びビジネスマンの査証発給手続の簡素化・迅速化
8-(4) 中央競馬における外国産馬の出走枠及び海外居住者の馬主登録に関する規制の緩和

1.動植物・食品関係

1-(1) ベルギー産ピーマン等の輸入に係る植物検疫制度の明確化

○ 問題提起者:在日ベルギー・ルクセンブルグ商業会議所

○ 所管省庁:農林水産省

○ 問題提起内容

植物防疫法により、ヨーロッパからのピーマンとトマトの輸入は禁止されているが、科学的データの提出等一定の手続を踏めば輸入が解禁される。ベルギーのピーマンとトマトの栽培地域は、オランダのものと同じ地域にあり、同じ病菌のリスクがあるにもかかわらず、ベルギー産は禁止されている。また、オランダには、迅速な輸入のために日本当局者が派遣されていると聞いている。農林水産省はオランダ産を解禁したときのようにベルギー産品を扱う業者に対し協力的でなく情報不足であるので、以下の質問に回答すべきである。

(1) ベルギー産が輸入禁止となっている理由

(2) どのような手続で科学的データを提出すべきか。

(3) 害虫が生産物に存在しないことをどのように証明するのか。(どれだけのトラップを植物のそばに置くべきか)

(4) 害虫が存在しないことを証明するためのトラップ調査に要する費用及び時間はどれ位かかるのか。

○ 所管省庁における対処方針

日・ベルギー政府間では、ベルギーにおけるチチュウカイミバエ及びタバコべと病菌の発生状況並びにベルギー産ピーマン及びトマトの生果実の輸入解禁に必要な検疫措置について協議を開始している。更にベルギー植物防疫当局に対し、ベルギー産品の輸入を禁止している理由、ベルギー側から提出が必要な資料及び輸入解禁のために必要な手続について情報提供を行っており、オランダ政府に対し行ったのと同様の協力をベルギー政府に行っている。

なお、現在オランダに日本の検査官を派遣しているのは、ピーマン等の解禁後にオランダにおいてチチュウカイミバエが発生していないことを確認するためのものである。

質問に対する回答は以下のとおり。

(1) チチュウカイミバエ及びタバコべと病菌がベルギーに発生しているため、その寄主植物であるピーマン及びトマトの生果実については、輸入を禁止している。

(2) 輸入解禁に必要な手続は次の通りである。

1) 検疫措置が有効であることを証明する科学的データの提出
2) 当該資料の日本側による検討
3) 当該資料の科学的根拠が日本側でも認められるものである場合、日本側専門家による現地確認の実施(資料に不足がある場合には追加資料の提出)
4) 現地確認の結果が技術的に問題ない場合には、関係者に対する説明会を開催
5) 公聴会
6) 関係法規の改正(輸入解禁)

(3) 輸入解禁の検討のためにベルギー側から提出が必要な資料は、チチュウカイミバエ及びタバコべと病菌の消毒技術の開発、当該病害虫の寄生を防ぐための検疫措置の確立、ベルギーに当該病害虫が存在しないことの証明のいずれかの措置に関するものである。なお、現在、オランダにおいてはトラップ調査等によりチチュウカイミバエの無発生が確認された地域に限定して日本向けにピーマン等の輸入が解禁されている。ベルギーからはこれと同様の方式による輸入解禁要請がなされているが、解禁のためにはオランダのケースと同様にベルギー政府植物防疫機関が事前にベルギー国内のチチュウカイミバエの発生状況をトラップにより調査した上で、日本向けの輸出が可能なピーマン等の生産地域の位置等を把握する必要がある。

(4) 当方としてはベルギーにおけるトラップの設置に要する費用については知る立場にないが、例えばオランダの場合、輸入解禁を検討するのに必要な事前トラップ調査に要した期間は2年程度であった。

1-(2) 植物検疫制度の簡素化・明確化

○ 問題提起者:日本貿易会、東京商工会議所

○ 所管省庁:農林水産省

○ 問題提起内容

(1) 生鮮青果物の輸入通関時に検査を受けるが、日本にも存在する害虫も対象とされている。植物防疫法では、全ての病害虫が対象となっているが日本にも存在する虫を燻蒸により殺虫する必要はないと思われるので、植物防疫法の対象害虫を見直し、現実に即したものにしてほしい。

また、輸入通関手続に時間がかかり、コストの増加を伴い、余分な燻蒸のため品質劣化を招いているので、輸入通関手続を簡素化すべき。

(2) 日米間で燻蒸方法を統一しているにもかかわらず、米国で燻蒸してきたものを日本で検査したり、日本から検査官を派遣し現地でサインまでしているものでも日本到着後再度検査する等、全く意味がないと思われる検査が多い。例えば、臭化メチルの場合、米国農務省(USDA)のオフィサーの証明サイン付き書類が添付されていても日本到着後検査をし、一方燻蒸無しで来て日本で燻蒸した場合は燻蒸後に一切検査をしないといった不公平な扱いがなされている。燻蒸条件(方法)が厳格に守られておらず、温度も計らず燻蒸倉庫に入れさせられ高い費用だけ取られることもある。外国で日本の農林水産省が認めた燻蒸方法で行われたもので証明書が添付されているものは、日本でもフリーパスとすべき。

(3) 燻蒸費用の取り決めが細かすぎて、担当者でも細かい説明ができないケースがあるので、細分化された燻蒸費用をできるだけ簡素化すべき。また、燻蒸費用も高すぎるので、業者についても、複数の燻蒸業者を認可すべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 「衛生植物検疫措置の適用に関する協定」(SPS協定)を受けて、平成7年10月にFAOにおいて採択された各国の検疫対象病害虫を具体的に決定するための病害虫の危険度評価(PRA)に関する国際基準(ガイドライン)を踏まえて、我が国の実態に応じた病害虫の危険度評価(PRA)の在り方について検討し、この検討結果に基づき検疫措置を決定することとし、平成8年6月に植物防疫法の一部改正を行った。

検疫の対象となる病害虫については、現在は植物を加害する全ての病害虫を対象としているが、この改正により、今後は、我が国に侵入・まん延して有用な植物に損害を与えるおそれのある病害虫であって、次のいずれかに該当するものを「検疫有害動植物」として新たに定め検疫の対象とすることとなった。

1) 国内に存在することが確認されていないもの。
2) 既に国内の一部に存在しているが、国により発生予察事業その他防除に関して必要な措置が取られているもの。

なお、植物検疫の輸入検査手続については、これまでも関係者等の要望を踏まえ、輸入状況等を勘案しながら執務時間の延長等を行っている。

また、植物検疫手続の電算システム化及び当該システムと通関手続の電算システムとのインターフェイス化の推進により、輸入手続全体の迅速化を図ることとして作業を進めているところで、平成9年度中の供用開始に向けて現在機器の導入等を行っている。

(2) 我が国は、コドリンガ等農業生産に重大な被害を及ぼし、果実の内部に食入する等水際での検査において発見することが困難な病害虫の寄主植物の輸入を禁止しているが、米国産サクランボ及びリンゴのように、輸出国においてこれらの病害虫を完全に殺虫・殺菌できる技術が開発された場合には、輸出国における当該消毒等の実施を条件に輸入を解禁している。

一方、輸入禁止対象病害虫の寄主植物ではない米国産イチゴのような植物については、輸出国での消毒は義務づけていない。

輸入解禁条件の一つとして、輸出国で実施される消毒は、コドリンガ等輸入禁止対象病害虫の対象としたもので、すべての病害虫を殺虫・殺菌できるものではないため、輸入禁止対象病害虫以外の病害虫については、その有無を輸入時に検査する必要がある。

輸入される植物は、輸出国での消毒の有無にかかわらず、輸入検査が行われ、検査の結果、病害虫が発見されなければ、直ちに輸入が認められることになり、病害虫が発見された場合には、消毒を実施した後、輸入が認められることとなっている。

また、日本側植物防疫官が現地において行っているサインは、輸入禁止対象病害虫の侵入防止を図るために、輸出国との間で合意された植物検疫措置が輸出国植物防疫機関により適正に実施されたことを確認した旨を証明するためのものであり、輸入禁止対象病害虫以外の病害虫が存在しないことまで証明するものではない。

なお、輸入時の検査で発見された病害虫に対する燻蒸は、当該害虫の種類、消毒温度等に応じて薬量、消毒時間が定められており、その燻蒸基準は輸出国において輸入禁止病害虫に対して行われている消毒基準とは異なる。

(3) 輸入検査の結果、病害虫付着により不合格となり消毒を命じられた場合、輸入者は民間の燻蒸業者との商契約により消毒を実施することとなる。この際の燻蒸基準は、官報に公示されている。しかし、その金額の水準及び内容については、当事者間で取り決められるものであり、政府として関与すべき問題ではなく、また権限も有していない。

なお、燻蒸料金については、昨年度にも問題提起があり、当省では燻蒸関係業者と輸入者等関係者との意見交換の実施を促した。成田空港においては平成7年8月に話し合いが行われ、燻蒸料金について改善が図られたと聞いている。

また、燻蒸業者の数は制限していない。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(1) に関して、「今回の対処方針に満足。」
(2) に関して、「当面はこの対処方針で了解。」

1-(3) 食品添加物の使用基準の国際的整合化

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

(1) フランスから瓶入りマスタードを輸入しようとしたが、漂白剤として添加されている二酸化硫黄が日本の使用基準30ppmをオーバーしているため輸入できなかった。日本では漂白剤の基準設定に際し、マスタードが「その他食品」の分類に括られているため一律30ppmを適用されているが、「その他食品」の基準ではなく製品別の使用基準をその製品の主要輸出国の基準設定の裏付け情報に基づき見直すべき。

(2) 着色料、酸味料、保存剤等の食品添加物の輸入の可否についての判断に当たって、厚生省の指定する時間に出向いて判断を仰ぐことになり、場合によっては数回出向くこともあり、時間の無駄が多い。米国、その他先進国で認められている添加物は我が国でも認めるべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 食品衛生法の規定に基づき、飲食に起因する危害の発生の防止の観点から、「食品、添加物等の規格基準」(厚生省告示)が設定されており、この規格基準に適合しないものの輸入、販売等は禁止されている。

この規格基準のなかで、二酸化硫黄についても使用対象食品、使用量の最大限度(使用基準)を定めており、マスタードに対する二酸化硫黄の基準値はマスタードが一般食品(特定の基準値が定められていないもの)に含まれるため、30ppmである。

食品添加物の使用基準改正の手続については、平成8年3月、WTO通報等諸外国の意見を聴く機会を設けた上で、食品衛生調査会の答申に基づき、安全性評価に必要な毒性試験の範囲とその標準的な実施方法等を「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」(厚生省生活衛生局長通知)を示し、指定手続の透明化、迅速化を図ったところであり、本指針に従い、安全性等を示す必要な資料を添えて、具体的な要請があれば、食品衛生調査会の審議を経て実施することとしている。

(2) 食品衛生法の規定に基づき、食品添加物については、天然香料等を除いて、人の健康を損なう恐れがない場合として厚生大臣が指定したもの以外の製造、輸入、販売等は禁止されているが、食品添加物の指定は、欧米においても、我が国においても、従来から関係事業者等からの必要な資料を添付した要請に基づき、科学的評価を経て、実施されることになっている。

我が国では、平成8年3月、食品衛生調査会の答申に基づき、安全性評価に必要な毒性試験の範囲とその標準的な実施方法等を「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」に示し、指定手続の透明化、迅速化を図ったところであり、本指針に従い、安全性等を示す必要な資料を添えて、具体的要請があれば、食品衛生調査会の審議を経て実施することとしている。

また、個々の食品等の輸入について、各検疫所において相談を受け付けているところであり、来所に限らず、電話でも相談に応じているところである。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(1) 、(2)に関して、「当面はこの対処方針で了解。」

1-(4) 食品検査等の簡素化

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

(1) ジャムの分析結果でソルビン酸が検出されたが、許容範囲内であるにもかかわらず、どのぐらいの量を何の目的で使用したか再提出するよう要求された。INGREDIENTに書いてあり、かつ、許容量以内の検出なら、そのまま許可すべき。また先進国で販売が許可されている食品については、その旨の証明書が添付されている場合は輸入を許可すべき。

(2) パーティー用使い捨て食器は、原材料、着色まで多くの検査が半年に1回必要で、たった1ドルの原価のものに1回の検査で70万円もかかり内外価格差の原因となっている。米国では日本市場の1,000 倍以上も売られており、これら食器に対する知識、経験もあり不必要な検査は不要とすべき。

また、検査により、どれぐらいの不良が発見されているのか、検査結果を公表すべき。

(3) 地ビール関連機器として、ディスペンサーや容器を輸入する場合、食品に触れる部分の材質を立証し、厚生省に届出なければならない。海外で販売実績もあり認定もとれているものであれば、届出は不要とすべき。

(4) 米国から輸入しようとした粘土の色素が厚生省認可の色素でなかったため輸入を断念した。米国では認可されており何ら害もないとの報告を受けているので、食品衛生色素以外の色素であっても検査合格基準に含めるべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 添加物の使用基準に適合するか否かを確認する目的で、食品に使用される添加物について、輸入時に使用目的、使用量等の報告を求める場合があるが、検査結果が許容量以内であり、他に問題がない場合には、手続が完了する。ジャムのソルビン酸の検査については、原材料、製造方法、製造業者等が同一の食品等を継続的に輸入する場合、初回輸入時の検査成績書等の写しを添付することにより、1年間、当該検査項目についての輸入時の検査を省略しているところである。

(2)(3) 飲食器、割ぽう具等、食品に直接接触する機械・器具等は、食品、添加物等と同様に食品衛生法の規制の対象としているが、これは、当該機械・器具等に用いられている物質が食品中に溶出すること等により、食品衛生上の危害が発生することを防止する観点から行われている規制であり、廃止することは困難である。

プラスチック等の器具の検査については、一般に材質により適用される規格が異なり、深さにより検査方法が異なり、色により検査結果が異なるため材質、深さ、色の違いにより分類して分析検査する必要がある。

平成6年12月より、材質、使用される着色料及び製法等が同一な器具、容器包装及びおもちゃについては、初回の検査成績書の写しの添付により、無期限で輸入時の検査を省略しているところである。

また、検査結果については「輸入食品監視統計」((社)日本食品衛生協会発行)により毎年度公表している。

(4) 粘土については、乳幼児が接触することによりその健康を損なうおそれのあるものとして食品衛生法の規制の対象としている。

食品衛生法で、厚生大臣は、公衆衛生の見地から、指定するおもちゃについては規格基準を定めることができるとされており、この規格基準に適合しないおもちゃの製造、輸入、販売等は禁止されている。

この規定に基づく「食品、添加物等の規格基準」では、おもちゃの製造に際しては、指定された着色料以外の化学合成品たる着色料は使用してはならないとされている。(ただし、着色料が溶出しない場合はこの限りではない。)

おもちゃに使用できる化学的合成品たる着色料については、安全性等を示す必要な資料を添付の上、具体的な要請があれば、食品衛生調査会の審議を経て実施する。

なお、平成6年12月より、材質、使用される着色料及び製法等が同一なものについては、初回の検査成績書の写しの添付により、無期限で輸入時の検査を省略しているところである。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(1) 、(3) 、(4) に関して、「当面はこの対処方針で了解」

2.医薬品・医療用具・化粧品関係

2-(1) 体外診断用医薬品等の国際基準との整合化

○ 問題提起者:在日ベルギー・ルクセンベルク商業会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

ヨーロッパにおける法律と日本の薬事法は整合性がとれていないので、新しい体外診断用医薬品等の承認に時間がかかっている。日本で多くの臨床試験を再度実施しなければならない。妊娠検査薬の承認及びプロモーションに約2年を要し、ビジネスチャンスを逸したというケースもある。

ついては、国際的整合化を図り、ヨーロッパで試験をして、承認を受けたなら自動的に日本においても承認されるように体外診断用医薬品等の共通の基準・試験方法を作るべきである。

(備考)
問題提起者に、問題提起の趣旨、具体的事例等について照会したが、上記以上の情報は提供されなかった。

>○ 所管省庁における対処方針

体外診断用医薬品は、的確な診断を行うために重要なもので、十分な能力を有していることを確認する必要がある。体外診断用医薬品の承認申請に際しては、既存品(又は基準的方法)との相関性に関する資料等を求めている。新測定項目や血液型判定用医薬品など、一部の品目以外については、外国データのみで申請が可能で、国内データを必要としていない。

妊娠検査薬については、承認申請にあたり既存品との相関性等を示すことを求めているが、国内データを必要とする品目ではなく、また、承認審査の標準的事務処理期間は6か月である。

また、体外診断用医薬品については、現在、国際的な基準等は存在しておらず、国際標準化機構(ISO)において検討されているところで我が国も参加している。

なお、体外診断用医薬品の規制については、これまでも、その性能を確保できる範囲で簡素化してきており、今後も具体的要望を踏まえて検討していくこととする。

2-(2) 栄養補助食品の形状等に係る規制緩和

○ 問題提起者:駐日米国大使館、東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

昨年度のOTO推進会議の意見に基づき、厚生省が提案している「医薬部外品」のカテゴリーに栄養補助食品を含めることについては、厚生省が更なる規制緩和を遅らせる可能性がある、国内主要製造業者と厚生省の関係をより強くし、外国製品の参入が厳しくなる、他国にとって不要で複雑な規制(例えば、食品として販売可能なビタミンCの1日当たりの摂取量が75mg以下)が増える、現在「食品」と考えられているものの中から「医薬部外品」としての規制を受けるものがでてくる、等の理由から受け入れられない。

平成8年3月のOTO対策本部決定に対する対応が遅く、一部しか実施されていないことを懸念しているので、本部決定に示された指針が日本政府の公約であることを確認したい。特に、「通常海外で食品として流通・販売されているものが医薬品として規制されることなく食品として取り扱いできるようにする」という公約のスケジュールを正しく知りたい。また、本部決定がすべて完全に遂行されるなら、昭和46年の薬務局長通知を厚生省は廃止するか、大幅な改正をしなければならないはずである。この通知は昭和46年に作られたものであり、現在、貿易の障壁になっている。この通知が現在においても適切なものである理由を明確にして欲しい。

さらに、以下の措置を講ずるべきである。

(1) 栄養補助食品、ビタミン、ダイエット食品は「食品」として薬事法の規制対象から外す。

(2) 海外(例えば米国)において栄養補助食品として流通、販売されているものはすべて日本においても「食品」として販売できるようにし、国際的に見て明らかに薬品と見なされるもののみ薬品としての規制を受けることとする。また、そのスケジュールを示す。

(3) 表示の規制により消費者が混乱なく医薬品との区別ができるなら、形、色を問わずカプセルによる販売を可能とする。

○ 所管省庁における対処方針

ビタミンの取扱いに関する研究班(ACCJの代表も班員として参加)の会議において、一部の委員からビタミンを医薬部外品として取り扱うとの提案がなされ、議論されたことは事実であるが、厚生省が提案した事実はない。

また、平成8年8月に講じたビタミンCの取扱いについては、我が国と同様に食品および医薬品の両方のカテゴリーのビタミンが存在する諸外国の規制状況等を考慮して決定されたものであり、論理的根拠に基づかずに75mgと決定されたものではない。

平成8年3月のOTO対策本部決定は日本政府の対内外的な公約であり、厚生省としてはこのことを念頭に置きながら規制緩和の実施を進めていることはいうまでもないところである。OTO対策本部決定においては、ビタミンについて平成8年度に、ハーブについて平成9年度に、平成10年度から、ビタミン、ハーブ以外のものについてミネラルをはじめとして順次、形状(剤型)及び表示の現行基準をできる限り緩和することとされており、このスケジュールに従い実施する予定である。なお、ビタミンに関しては、ビタミンCについて平成8年8月に形状緩和の措置を実施したところであるが、これは前倒し措置として実施したものであり、引き続き平成8年度末を目途に表示等の取扱いを含めて検討することとしている。

しかしながら、これらの対応は中長期的な課題とされている栄養補助食品という新しいカテゴリーを設けることの検討と関係しており、これらの措置は中長期的な検討の流れの中での部分的な措置として実施されるものである。

栄養補助食品の取扱いについて、平成元年以来、FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス)において、米国、欧州諸国、日本等の各国が参加してそのガイドラインの検討が行われているが、現時点においては、まだ、ガイドラインの合意には至っていない。日本としては、今後ともコーデックスのガイドライン策定の作業に関わっていくとともに、これらの国際的な動向を十分勘案しつつ、並行して新しいカテゴリーを設けることの検討を進めて行きたいと考えている。栄養補助食品をどう位置づけるかについては、国際的にもまだ定まっていないなど不確定な要素も多い問題ではあるが、平成8年度中に、医薬品及び食品を担当する部局からなる省内横断的な検討を開始し、国際的な動向が定まった際には、これに遅れることなく、国際的にも調和された制度がとれるよう対応していきたい。

現在、医薬品と食品を区別するために医薬品の範囲に関する基準(昭和46年薬務局長通知)が定められている。我が国においてはビタミンについて医薬品、食品の両方が存在しており、医薬品と食品を区分するという観点から本通知は必要であると考えている。しかし、OTO対策本部決定の全体についての検討が進み、医薬品と食品に加え新たなカテゴリーが設けられた後には、その結果に基づき本通知も見直しされることになると考えている。

以上のような方針及びスケジュールによりOTO対策本部決定について今後とも検討を進めることとしたい。なお、米国から実施の要請があった3点については以下のとおり回答する。

(1) 米国において栄養補助食品とされているビタミン、ミネラルも、現に、我が国の医療の現場において薬物的な治療に用いられており、ビタミン等を一律に医薬品からはずすということは不適当である。

(2) 米国ではビタミン、ミネラルはすべて食品として取り扱われているが、欧州主要国では我が国と同様に医薬品と食品のビタミン、ミネラルがあり、これらの国では製品に含まれている量により区分しているのが一般的であるなど、ビタミン等の栄養補助食品の範囲や取扱いについては海外諸国において異なっている。

今後、コーデックス等の国際的な動向をみながら日本においても栄養補助食品の範囲等を検討することとしており、例えば、米国で栄養補助食品として販売されているすべての製品を食品として取り扱うことはできない。

(3) 平成8年度中に着手する栄養補助食品に関する省内横断的な検討の中で、医薬品と混同しないような明確な食品としての適切な表示を検討しながら、形状の制限についての緩和も更に実施いくことを考えている。

なお、カプセルの色のついては、いかなる制限も設けていない。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」(東京商工会議所)

2-(3) 栄養補助食品の副原料に係る規制緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

錠剤を圧縮成型する場合の滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムとステアリン酸カルシウムなどがあり、これらは日本薬局方にも収載されており、性能はもちろん、安全性にも優れているが、日本では「食品添加物」として認められていない。このため不完全な製剤を余儀なくされるとともに、製剤の形も「栄養補助食品」ということで異型を強いられ、コスト高のほか形状安定性に欠ける結果を招いている。ビタミン類が治療薬から事実上はずれた現在、ビタミン系栄養補助食品に関しては、副原料(賦形剤、滑沢剤など)については日本薬局方の準用を認めるべき。

○ 所管省庁における対処方針

食品衛生法の規定に基づき、食品添加物については、天然香料等を除いて、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生大臣が指定したもの以外の製造、輸入、販売等は禁止されている。

食品添加物の指定は、諸外国においても、我が国においても、従来から関係事業者等からの具体的要請に基づき、科学的評価を経て、実施されることになっており、平成8年3月の「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」に従い、安全性等を示す必要な資料を添えて、具体的要請があれば、食品衛生調査会の審議を経て実施することとしている。

なお、病気の治療のため、多くの場合、限定された期間使用される医薬品に添加物として用いられることを目的として薬局方に収載されていること又は他国において食品添加物として用いられていることをもって直ちに食品添加物として指定することは、欧米においても行われておらず、困難である。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

2-(4) 医薬品承認審査に係る海外データの受入れ

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

海外の医薬品の日本における承認・許可にあたっては、当該医薬品の安全性データは、その試験内容方法等が「日本の基準に合致していること」を条件に受け入れることとされているが、日本においてのみ追加データを要求している例が多々あるのが現状で、有効医薬品の早急な受入れを阻害している。米国・EU等先進国に認められたデータは、人種間に差があるとされている吸収・分布・代謝・排泄及び臨床データを除き無条件で受入れ医薬品承認審査のレベルを合わせるべき。

○ 所管省庁における対処方針

医薬品の動物等を用いた安全性試験データの試験方法等は、国際的ハーモナイゼーションの観点から、医薬品規制ハーモナイゼーション会議(ICH)の中で統一化が進められている。このため、海外で実施された試験データは、ICHガイドラインに準拠して実施されたものであれば受け入れることとしており、単に試験の方法が海外と異なることをもって再度試験を実施するよう要求することは無くなっている。

一方、医薬品の承認審査は、品質試験、安全性試験、薬理試験、吸収・分布・代謝及び排泄に関する試験、臨床試験等を総合し、その時点で最新の医学・薬学等の科学水準に照らして安全性、有効性、品質を評価するものであり、既に米国・EU加盟国等先進国の当局により承認された医薬品であっても、我が国の承認審査において、提出されたデータからみて、安全性に疑問があれば、追加の動物試験等が必要となる場合がある。具体的には、試験実施時期が古い動物試験成績等の場合であって、現時点での科学水準に照らして不十分な内容である場合、動物試験では予見できなかった副作用等が臨床試験において現れ、その原因究明のため新たな動物試験を実施する場合等が考えられる。

なお、追加データを要求している例が多々あるとのことであるが、具体的事例を連絡いただければ、科学的観点から対応することとする。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

2-(5) 薬監証明手続の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

海外で製造されていて国内では承認されていない医療用具を展示用等のために輸入する場合、複数の目的(複数の大学での展示、学会での展示、医者に使用してもらうため等)をもって輸入を希望しても、その目的にあった個数を1本の薬監証明で通関できないため、目的別に転用届けが必要となり、かつ、数量も1個しか認められない。時間とペーパーワークのロスが大きいので、複数の目的が明確である場合は他目的への転用ができるようにするとともに、1回で複数個輸入ができるようにすべき。

○ 所管省庁における対処方針

承認前の医療用具の展示については、専門家を対象とする学術研究の向上を目標とする展示会に限り、ガイドライン(薬務局監視指導課長通知)を設けて認めているところである。

複数の大学や学会等での展示を目的とした輸入は、スケジュール、数量等が輸入時に分かっていれば、従来より1本の薬監申請で受け付けており、このガイドラインに合致していれば認められる。ただし、「展示の後、医師に使用してもらう」ことは、治験として使用してもらう等の特別な場合を除き、業として医療用具を販売する行為を禁止した薬事法に抵触するので認められない。

このように薬事法で禁止された行為があるので、輸入後に転用する場合は、転用する前に転用願書をもって相談していただきたい。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「今回の対処方針に満足。」

2-(6) 化粧品の輸入手続き等に関する規制緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

(1) 平成8年3月5日付けで「並行輸入化粧品に係わる承認許可の申請等について」の通達が出されたが、現実的にはほとんどの商品が成分規制・量規制により輸入不可または多数の検査が必要となり輸入できない状態になっている。スキンケア、ボディケア、自然成分入り商品は並行輸入がほとんど不可能で、特にホルマリン等の防腐剤使用が原因での不可が多い。また、自然成分は検査、試験が不可能に近く輸入不可となる。したがって種別許可基準の米国、EUとの整合化、新規許可成分の自動許可、配合成分の上限値の整合化、表示方法の整合化を図るべき。また、同一品名、販売社名で販売しているものは略式の輸入製品届で済ませるようにすべき。

(2) サンプルとして送られてきた石鹸1個でも税関は厚生省の承認を得るように求めてきた。個人の場合には多量の製品でも厚生省の承認を取らずに受け取ることが認められているが、会社の場合は、わずかな商業上のサンプルでも厚生省の承認が必要。麻薬や銃砲等の危険物ではないのだから、厚生省の承認は不要とすべき。また、トイレトリーズ、化粧品、香水等はライセンス無しで輸入を許可すべき。

(3) 化粧品の品質保証は、製造メーカーが負うことが原則であるので、種別承認申請書・輸入製品届出書等はできるだけ簡略化すべき。例えば成分のネガティブリストを充実させて、将来的には欧米諸国並の販売名のみの登録制にすべき。

(4) 化粧品の輸入製品届出書では、配合成分の規格を明示する必要があるが、並行輸入業者は製品に表示されているINGREDIENTから成分の規格を特定していかざるを得ず、現実的に規格の確認は不可能である。並行輸入業者は、配合成分の規格まで特定しなくてもよく、正規輸入代理店の許可要件と矛盾が生じている。また、表示義務を伴うキャリーオーバー成分(原料の品質確保のために微量配合される保存剤)は、INGREDIENTの表示からは判断できないため、成分規格による許可制度は撤廃すべき。

(5) 化粧品の新規成分は毎年承認されているはずであるが、種別許可基準への迅速な収載がなされていないため、承認手続をとらねばならず、無駄な時間を費やしている。種別許可基準の見直しは現在2~3年毎であり、これを年1回にする等見直しの頻度を増やし、かつ、現段階での具体的スケジュールを明確にすべき。

(6) 米国やEU諸国等で販売実績のある化粧品を輸入しようとしても、日本で承認前例がない又は不明である成分が配合されている場合には承認が必要であるが、承認取得までに安全性試験の実施等に莫大な費用と時間がかかり、スムーズに輸入できない。日本では承認前例がない成分であっても、欧米各国にて使用された実績のある成分については、規格を整備した上で早急に種別許可基準へ収載すべき。

(備考)
(2) に関して、問題提起者に、問題提起の趣旨、具体的事例等について照会したが、上記以上の情報は提供されなかった。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 平成8年3月の並行輸入化粧品に関する取扱いは、既に輸入が認められている製品と輸入先における販売名、製造業者及び原産国が同じ輸入化粧品(並行輸入化粧品)について、製品届等に添付する成分・分量に関する資料を変更したものである。

化粧品の承認・許可手続については、既に許可されている製品の成分に基づき化粧品種別許可基準(配合成分・分量の基準)を作成し、基準内の製品については承認を不要とし届出でよいこととするなど、手続の簡素化を図ってきたところである。しかし、これまでに使用されたことがない成分・分量の化粧品については、並行輸入化粧品とは言えず、安全性に関する確認が必要である。

なお、化粧品規制の在り方について、平成8年12月に有識者による検討会を設置し、各種団体(日本化粧品工業連合会、在日米国商工会議所、欧州ビジネス協会、日本化粧品輸入組合等)からの参考人の意見を聴取しながら検討しているところである。現状や問題点について、ネガティブリスト・ポジティブリスト方式の成分規制や全成分表示を含めて検討し、平成9年3月に方向性と検討課題を取りまとめる予定である。(規制緩和推進計画(8年3月改定))

(2) 薬事法では、許可なく業として化粧品を輸入販売することを禁止しており、「業」に当たる可能性がある場合には、その確認を行っている。

業者が輸入する場合は、個人が輸入する場合と異なり数量の多少にかかわらず「業」に当たる可能性があり、一件毎に確認する必要がある。

確認が終了すれば、薬監証明を発行することとなっているが、この薬監証明は書類が整っていれば窓口(全国6か所)で10分程度で発行され、また、書類が整えば、事前の薬監証明の申請は可能であり、郵送での申請受付も行っている。

(3) 化粧品種別許可基準内の成分・分量については簡略化しており、平成8年3月には、製品届出書における配合量の記載は具体的な量(%)の代わりに「適量」と記載することで差し支えないこととしている。この措置によって、1回の製品届出書で、より幅広い製品の製造(輸入)が可能となった。製品届出件数も減少傾向が見られている。

なお、化粧品規制の在り方について、平成8年12月に有識者による検討会を設置し、各種団体(日本化粧品工業連合会、在日米国商工会議所、欧州ビジネス協会、日本化粧品輸入組合等)からの参考人の意見を聴取しながら検討しているところである。現状や問題点について、ネガティブリスト・ポジティブリスト方式の成分規制や全成分表示を含めて検討し、平成9年3月に方向性と検討課題を取りまとめる予定である。(規制緩和推進計画(8年3月改定))

(4) 平成8年3月の並行輸入化粧品に関する取扱いは、既に輸入が認められている製品と輸入先における販売名、製造業者及び原産国が同じ輸入化粧品(並行輸入化粧品)について、製品届等に添付する成分・分量に関する資料を変更したものである。並行輸入業者は、並行輸入化粧品であることを前提に、配合成分の種類や配合禁止成分が入っていないこと等を確認することとされている。

なお、化粧品規制の在り方について、平成8年12月に有識者による検討会を設置し、各種団体(日本化粧品工業連合会、在日米国商工会議所、欧州ビジネス協会、日本化粧品輸入組合等)からの参考人の意見を聴取しながら検討しているところである。現状や問題点について、ネガティブリスト・ポジティブリスト方式の成分規制や全成分表示を含めて検討し、平成9年3月に方向性と検討課題を取りまとめる予定である。(規制緩和推進計画(8年3月改定))

(5) 化粧品種別許可基準は、逐次改正を行っており、最近では、平成8年8月に規格を拡大する(約80成分)ことによって実質的な配合可能成分の範囲の拡大を図ったところであり、平成9年3月には、種別の統合(25種別から11種別)や成分の追加(約140 成分)を行う予定である。また、平成9年度以降も年1回を目安に収載成分の拡大することとしている。ちなみに平成9年度の予定は、5月末を目途に収載成分の選定を進め、規格を整備した上で、平成10年3月末までに告示することを考えている。

なお、化粧品規制の在り方について、平成8年12月に有識者による検討会を設置し、各種団体(日本化粧品工業連合会、在日米国商工会議所、欧州ビジネス協会、日本化粧品輸入組合等)からの参考人の意見を聴取しながら検討しているところである。現状や問題点について、ネガティブリスト・ポジティブリスト方式の成分規制や全成分表示を含めて検討し、平成9年3月に方向性と検討課題を取りまとめる予定である。(規制緩和推進計画(8年3月改定))

(6) 化粧品は、消費者が繰り返し直接肌に使用するものであるので、使用前例のない成分を使用する場合には、安全性確保の観点から、安全性に関する資料の提出を求めているが、海外データや文献による安全性の考察等も受け入れているところである。

また、化粧品種別許可基準は、逐次改正を行っており、最近では、平成8年8月に規格を拡大する(約80成分)ことによって実質的な配合可能成分の範囲の拡大を図ったところであり、平成9年3月には、種別の統合(25種別から11種別)や成分の追加(約140成分)を行う予定である。平成9年度以降も年1回を目安に収載成分の拡大することとしている。

化粧品の規格基準については国際基準は存在していない。例えば、欧米においても色素などについては配合できる成分が指定されており、この指定にあたっては安全性データを必要としている。 なお、化粧品規制のあり方について、平成8年12月に有識者による検討会を設置し、各種団体(日本化粧品工業連合会、在日米国商工会議所、欧州ビジネス協会、日本化粧品輸入組合等)からの参考人の意見を聴取しながら検討しているところである。現状や問題点について、ネガティブリスト・ポジティブリスト方式の成分規制や全成分表示を含めて検討し、平成9年3月に方向性と検討課題を取りまとめる予定である。(規制緩和推進計画(8年3月改定))

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(3) 、(4) 、(5) 、(6) に関して、
「当面はこの対処方針で了解。」

3.工業関係等

3-(1) 香港からの絹織物の輸入に係る事前確認制度の即時撤廃

○ 問題提起者:香港経済貿易代表部

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題提起内容

香港から日本への絹織物の輸出は、1979年に事前確認の手続が必要となって以来激減している。この制度はEU、米国、スイス等からの輸出については適用されておらず、不平等なものである。また、香港原産証明を毎月報告するという制度があるので、原産国証明を得るという目的で事前確認制度を維持する必要はない。

WTO繊維協定の実施に伴い、日本政府は本制度を10年以内に段階的に撤廃することとしたが、GATT協定と整合的でないこの制度は即時に撤廃すべき。

○ 所管省庁における対処方針

我が国の絹織物の輸入については、絹織物の主要供給地である中国、韓国と昭和51年度より二国間協議を行い、数量取極を行ってきた。しかるに中国製絹織物に香港等で偽装の染色加工等を施し、原産地を偽って輸入されるケースが多発したため、昭和54年より、香港等かかる事例が多発した地域に対し、上記二国間協議の実効性を確保する観点から、原産地詐称の防止のため、事前確認制度を導入した。

上記以外の地域については、通関時確認制度を導入し、原産地詐称防止を行っていたところ、今後はその他の地域より原産地を偽って輸入されたケースが多発したため、現在、比較的原産地詐称の可能性の低いEC及びその他3ケ国を除いた全世界に対し、事前確認制度を導入している。

いずれにせよ、事前確認制度と通関時確認制度とは手続的な差異はあっても、すべて原産地を確認することには変わりはなく、本制度は香港を差別的に扱ったものではない。

なお、上記の我が国絹織物の輸入に係る一連の措置に関し、我が国はWTO繊維協定に基づき、平成7年の協定発足後10年以内に段階的に措置を撤廃する旨のフェーズアウト計画を平成7年6月にTMB(繊維・繊維製品監視機関)に提出し、その後、了承されたところ。香港産絹織物の輸入に係る事前確認制度についてもこの一環として撤廃することとしており、我が国としては、これを着実に実行してまいりたい。

3-(2) 繊維製品の輸入に係るセーフガード措置の再検討

○ 問題提起者:香港経済貿易代表部

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題提起内容

日本政府は、国内の業界の要請を受けて、1995年4月、セーフガード措置を発動するか否かを決定するために綿糸、ポプリン・ブロードの輸入に係る調査を開始し、同年11月にセーフガード措置を発動しないと発表した。しかし、他の国内業界団体からの要請により、日本政府はセーフガード措置検討を目的として、1996年8月、中国産等の綿製ポプリン・ブロードの輸入調査を開始した。

数量制限の賦課は、WTOの繊維協定の精神に反するものであり、また、WTOの場や1994年通商白書で表明されている数量制限の撤廃や自由貿易を支持するとの日本政府の考え方とも矛盾するものである。香港政府は繊維製品の輸入を制限する日本政府のいかなる措置にも強く反対する。

>○ 所管省庁における対処方針

繊維セーフガード措置の発動は香港も署名しているWTO繊維協定で認められた権利であり、繊維セーフガード措置に係る手続等を整備することや、同手続に基づき、その発動のための調査開始を決定することを含め、同措置を運用することはWTO繊維協定上何ら問題はない。

我が国は、繊維セーフガード措置について、WTO協定に整合した発動の是非を決定するための国内手続等を整備し、公表しており、その中で利害関係者等に証拠の提出や意見の表明の機会を与えている。我が国の繊維セーフガード措置発動の是非の検討は、この手続の中で行われるべきであり、本案件は、問題として提起されるべき性格のものではないと考えている。

なお、綿製ポプリン・ブロード織物についての繊維セーフガード措置に係る調査については、別途同織物の輸入急増問題を話合いにより解決したいとの中国側からの希望を受けて中国側と行ってきた話し合いの結果、中国側の輸出自主管理が強化され、日本側でも、これに対応して輸入通関時確認制を導入することとなったため、平成8年11月6日通商産業大臣談話を発表し、調査の続行を見合わせることとした。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

3-(3) 工業用X線フィルムの分類基準の明確化

○ 問題提起者:在日ベルギールクセンブルグ商業会議所

○ 所管省庁:通商産業省、経済企画庁

○ 問題提起内容

現在、工業用X線フィルムの分類基準の国際規格がないため、日本では、フィルムの仕様を発注者が特定企業の銘柄を指定するのが一般的であり、市場アクセスを阻害している。国際規格は、ISO委員会において策定中であり、1995年10月、ISO委員会が開催され、国際規格案(DIS)が承認され、最終的に正式なISO規格としての承認を待つだけとなっている。通商産業省は、ISO委員会と並行してJIS規格化のための専門委員会を日本工業標準調査会に設置し、JIS規格案を作成しており、ISO規格案が承認され次第、その案を正式な規格とする予定である。しかし、JIS規格が作成された後も銘柄の指定が行われる懸念があるので、発注者がフィルムの銘柄ではなく分類を指定するよう通達を発出すべき。

○ 所管省庁における対処方針

工業用X線フィルムの分類基準については、ISO/TC135(非破壊試験)/SC5(放射線試験)の委員会で作成した原案が平成2年10月に投票にかけられ、この結果に基づいて修正が行われた案が平成8年6月に投票にかけられた(投票期限は平成8年11月)。

我が国には平成8年6月20日付けで同案が配付され、同案を基にしたJIS案を日本工業標準調査会において、9月4日の専門委員会で議決した後、9月24日部会で議決した。

このJISは、平成9年2月20日付けで制定された。通商産業省としては、このJISが制定されることを通商産業省公報、通商弘報及び財日本規格協会発行の標準化ジャーナルに掲載するとともに官報に告示し、周知を図った。

[通商産業省]

今回の問題提起を踏まえ、政府調達においても、技術仕様において、調達機関が特定の銘柄を指定することは、「政府調達に関する協定」の規定に反する可能性があるので十分留意するよう周知を図った。

[経済企画庁]

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

3-(4) 電気用品の規格の国際的整合化・相互承認

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題提起内容

(1) 米国、カナダ、欧州で認可されている電熱器具で塩化ビニールの電源コードが一体型になっているものがあるが、日本では本体に問題がなくてもゴム製のコードでないと販売できない。欧州などは電圧も220Vと日本より高いのだから、日本でもそのまま使用できるようにすべき。

(2) 米国製の地球儀で白熱電球を内蔵した照明付のものがあるが、白熱電球用ソケットの導電部分に用いられる材料及び中間スイッチの引っ張り強度試験に係る電気用品取締法の規定により米国のオリジナルの電装品は販売できないため、国産のものに取り替えておりコストがかさむ。米国で認められているもので機能的に特に問題ないと思われるものは、日本での使用を認めるべき。

○ 所管省庁における対処方針

我が国では、電気用品による危険、障害を防止するために電気用品取締法において規制を行っているが、同法は輸入品も想定したスキームになっている。事業者は、同法の技術基準に適合することが必要だが、同技術基準は、日本独自の技術基準に加え、国際規格であるIEC(国際電気標準会議)規格の採用を行っており、事業者はいずれかを選択して適合させれば良いこととされている。

(1) 一般に電気製品の電源コードとして塩化ビニルを使用することは認められているが、使用時に高温になる部分を有する電熱器具等については、高温部分に接触することによって電源コードが損傷する危険が想定されることから、耐熱性の低い(溶融温度が低い)塩化ビニルを電源コードに使用することについては安全確保上制限を加えることが必要である。このような趣旨の規定はIEC規格において定められており、各国の規格・基準においても採用されている。

なお、本規定はコードが器体の高温部分に接触しその熱でコードが損傷する危険を防止する観点から設けられているものであるため、電圧の高さは関係ない。

(2) 白熱電球用ソケット等導電部分に用いられる材料は、電気的、熱的、機械的な安定性を有することが安全性確保の観点から必要である。電気用品技術基準ではこの観点から使用できる材料の制限を行っており、柔らかく機械的安定性の低いアルミニウムを導電材料として使用する場合を限定しており、IEC規格においても同様である。

中間スイッチ及び中間スイッチの取り付けられている電源コードは、張力が作用した場合に損傷等の危険が生じることがないように、適切な引っ張り強度を有することが必要である。この趣旨による引っ張り試験に関する規定は、国際規格であるIEC規格や各国の規格・基準においても設けられている。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

3-(5) 他プラントと高圧ガス機器との保安距離の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:自治省

○ 問題提起内容

現行の消防法令では、可燃性ガス以外の高圧ガス機器(設備)でも他プラントとの保安距離は、20m以上と定められているが、海外ではこの規制はなく、国内投資する際のコスト上昇要因となっている。可燃性ガス以外の高圧ガスは適用除外とすべき。

○ 所管省庁における対処方針

危険物施設と高圧ガス施設の間の保安距離は、危険物施設で発生した火災が高圧ガス施設に影響することを防止するとともに、高圧ガス施設において事故が発生した場合に、その影響が危険物施設に及ぶことを防止するために必要なものとして規定されているものであり、可燃性ガス以外の高圧ガスにあっても適用除外とすることは困難である。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

3-(6) 危険物貯蔵タンクの材料規格の適合範囲の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:自治省

○ 問題提起内容

危険物貯蔵タンクの材料は、消防法によりJIS規格またはそれと同等以上であることとされており、危険物保安技術協会は市町村長等の委託により技術上の基準に適合しているかどうかについて検査を行うこととされている。中国材の場合、中国ミルメーカーのミルシートはその品質を証明する材料として認められていないため、実際に使用する材料を日本の公認試験所で事前に分析、評価する必要があり、評価に要する時間と費用を考えると、現実には中国材の使用は困難である。中国材等のJIS規格材へも適合範囲を緩和するとともに、ミルシートを尊重すべき。

○ 所管省庁における対処方針

生産国にかかわらず自治省令に規定された日本工業規格適合材としての要件を証明するミルシートであれば当然認められるものである。

また、日本工業規格の適合材でない場合は、この規格と同等以上の機械的性質及び溶接性を有する鋼板であることを証明することができれば認められるものである。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

4.運輸・交通関係等

4-(1) 船舶用エンジンの輸入検査の見直し

○ 問題提起者:在日米国商工会議所

○ 所管省庁:運輸省

○ 問題提起内容

ISO9000シリーズ及びLoyd's Register 等の認証を受けた船舶用エンジン製造工場で製造したエンジンであっても、輸入の際には日本の政府による検査を受けなければならない。これら船級協会による認証は世界のほとんどの政府機関によって認められているので、広範囲にわたる個々のエンジンテスト、分解、検査は不要である。追加的に検査を必要とする政府に対しても、メーカーによる自己検査を行い、結果を報告することで認められている。

運輸省及び日本小型船舶検査機構においては、これら国際的に通用する認証は認められず、各々のエンジンの型式や出力ごとに大量かつ詳細な図面、材料試験、耐久試験が要求される。時には工場において一つ一つのエンジンのテストを日本政府の立ち会いの下で(その費用は企業負担)行う必要がある。また、さらに、内部部品の分解や検査が要求されることもある。

小型のエンジンの場合は、検査等を日本で行うことができるが、いずれにせよ、多額の出費を要し、またこうした検査は新たな故障の原因ともなりかねない。日本政府はケース・バイ・ケースで対応しようとしているが、それでは不十分であり、国際的に受け入れられている認証を認め、日本政府による個品ごとの検査をなくし自己認証制度を取り入れるべき。

○ 所管省庁における対処方針

平成8年3月に開催された第8回市場開放問題苦情処理推進会議においても審議・了承されたとおり、一定の船舶は海上人命安全条約等により旗国主管庁の職員が検査を行うこととなっていること等から、問題提起者等が希望するように、旗国による審査・認証行為等を一切行わずに製造事業場の「自己認証」に全て委ねることはできないが、我が国には、施設、要員、品質管理体制等について一定の要件を満たす製造者を国が認定し、該当する検査を省略できる「製造認定事業場制度」があることから、本制度の更なる活用を図るため、例えばISO9000シリーズを活用して認定を進めるなどの方策について平成9年度末までに検討することとしている。

また、提出書類の簡素化及び小型エンジンの開放検査の合理化についても積極的に検討を進める。

なお、平成8年10月に運輸技術審議会に対して、船舶技術の進歩、船舶に関する国際的規制の動向等を踏まえ、船舶の安全を図りつつ、船舶検査の受検者負担の軽減及び利便の向上を図る観点から、船舶の定期検査を見直すための諮問を行い、平成8年12月に定期検査の間隔と実施時期及び実施内容の見直しに加え、船舶検査の合理化を今後さらに一層推進していくべきとの答申等を受けたところである。今後、同答申等に基づき、技術の進歩等を踏まえた検査の合理化について積極的に取り組むこととしている。

4-(2) キャンピング・トレーラの構造基準の緩和、およびキャンピング・トレーラに係わる保管場所法の扱いについて

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:運輸省、警察庁

○ 問題提起内容

(1) 現行のキャンピング・トレーラの車両総重量は750kgを上限としているが、各国の上限はむしろ750kgを超えている。輸入キャンピング・トレーラは海外の基準をベースに車両を開発しているため、日本人が必要とするアイテムを装備すると750kgをオーバーする。そのため装備をグレードダウンして対応しているが、その結果として消費者のニーズに合わなくなってしまい、キャンピング・トレーラの普及に支障をきたしている。よって現行の車両制限の上限750kgを900kgに緩和してほしい。

(2)
1) 現状、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令により、自動車の保管場所は使用の本拠の位置から2kmを超えない旨規定されている。キャンピング・トレーラはそもそも都会を離れ山間部もしくは海岸部に赴き余暇を楽しむためのものであるから、キャンピング・トレーラの車庫を自宅周辺である町中に確保する必要は必ずしもない。厳格な保管管理が行われているモータープール (専用保管施設) に保管を委託している場合にはキャンピング・トレーラの使用の本拠の位置として認める特例措置が図られたが(平成7年8月)、モータープールがまだそれ程普及していないこと等の事情にかんがみ、現行の使用の本拠より2km以内の制限をさらに緩和し、遠隔地における保管を可能としてほしい。
2) 自動車の保管場所の確保等に関する法律の特例措置(1)参照)において、その対象を長さ5.7m以上、幅1.9m以上のものに制限しており、小型キャンピング・トレーラは対象から外れている。キャンピング・トレーラに対する特例措置であることから、小型のものについても同様に特例措置を適用して欲しい。
3) 普通免許で運行できるキャンピング・トレーラについて、現行重量制限である 750kgの規制を緩和して頂きたい。また普通免許取得時には、 750kgの基準を下回る車両の牽引能力があるかどうかの判定は行っていないと了解しており、この基準が国際的な基準と同レベルにあるとは思われないことから、この基準の根拠について示して頂きたい。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 問題提起内容は全くの事実誤認である。キャンピング・トレーラ等の構造基準は、(社)日本自動車工業会及び(社)日本自動車車体工業会が定めたものであり、その適用範囲は、車両総重量が750kg以下のものとされているが、道路運送車両の保安基準等関係法令においては、車両総重量を750kg以下に制限しておらず、これを超えるものであっても関係法令に適合していれば検査・登録を受け運行することが可能であり、既に実績がある。なお補足であるが、道路運送車両法の保安基準においては、従来、車両総重量が750kg以下のものについて慣性ブレーキ(簡易なブレーキ)でも良いこととされていたが、平成8年9月30日付で緩和を行い、その対象を車両総重量が3.5t以下のフルトレーラ等にまで拡大したところである。

なおキャンピング・トレーラの車両総重量規制の事実関係について、問題提起者及び運輸局に対し文書等で連絡した。

[運輸省]

(2)
1) 自動車の保管場所の位置と使用の本拠の位置の距離要件については、都市部における駐車場確保の困難性等をかんがみ、平成2年、自動車の保管場所の確保等に関する法律及び同法施行令の改正により、従来の500mから2kmに緩和したところであり、これを更に緩和することは適当ではない。
2) 自動車の保管場所の確保等に関する法律に係る特例措置を講じたところであるが、これは、キャンピング自動車は、日常的に市街地で使用するものではなく、また、その大きさから市街地で保管場所を確保することが困難であること等を勘案して、保有者の住所地以外の場所であっても、第三者による厳格な保管管理が行われている施設で、当該施設を使用の本拠とすることが確実に見込まれる場合には、これを使用の本拠の位置と認めることとしたものである。よって、一定の大きさに至らないものについては、特例措置の対象とすることはできない。
3) 一般に、他の車両を牽引して自動車を運転する場合には、牽引する自動車の運転に係る技能及び知識のほか、他の車両を牽引するための技能及び知識が必要とされることから、運転免許の種類に牽引免許を設けて、必要な能力を備えているかどうかを別個の運転免許試験により判定しているところである。

しかし、被牽引車が軽量である場合には、牽引自動車の運転に与える影響が比較的小さいことから、牽引自動車を運転する能力があることで、被牽引車を牽引して運転する能力があると認めているものであり、このような軽量の被牽引車の基準として、車両総重量が750kg以下であることが定められている。

この750kg以下という基準は、道路交通に関する条約における基準にも準拠するものであり、また、欧州諸国の統一に向けて策定された運転免許に関するEEC指令(1991年) においても同様の基準が定められており、国際的な基準となっている。

[警察庁]

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(1) に関して、「今回の対処方針に満足」

4-(3) 車両の高さ制限

○ 所管省庁:建設省、警察庁

○ 問題提起内容

現状、車両の地上からの高さは3.8mに制限されているため、国際コンテナの背高(9フィート6インチ、地上高約4.1m)の走行は許可制となっている。また、通常の海上コンテナにおいても平床式シャーシに積載した場合、地上高3.9mとなって通行できず、海上コンテナ専用の低床シャーシを用意して対応する必要がある。国際物流が激しく増加している中、物流効率化のためにも高さ制限の緩和をしていただきたい。

○ 所管省庁における対処方針

高さ8フィート6インチの海上コンテナについては、高さを制限値内に抑えることが可能な低床式シャーシのトレーラに積載した状態で通行を認めているところであり、低床式トレーラは海上コンテナを運搬する車両として、現在十分に普及している。

このような状況において、仮に要望の平床式シャーシに積載した高さ3.9mのセミトレーラを特殊車両として通行を認めた場合、その他の一般車両についても同様に通行を認めざるを得なくなると考えられる。

その場合、海上コンテナとそれ以外の一般の車両の走行ニーズは一致しているとは考えられないため、一般車両が事実上指定経路以外の通行を行う蓋然性が極めて高いと考えられ、事故多発が予想されるなど安全上問題が大きい。

以上のことから、高さ8フィート6インチの海上コンテナ積載の平床式セミトレーラの通行を直ちに許可することは、困難であるが、今後、長期的視野からの物流効率化に資する観点から、当該車両の安全・円滑な通行を可能にするために要する費用と効果を十分勘案した上で、道路の高さに関する設計基準を見直すことも含めて平成9年度以降検討を行う。

[建設省]

高さの制限を超えている車両を自由に走行させることは、交通の安全上支障がある。
なお、いわゆる背高コンテナの通行に関しては、従来から道路管理者との連携を図り、通行に支障がないとして指定したルートについては個別の審査なしで許可する対応をとってきたところである。

[警察庁]

4-(4) 積載・牽引に係る許可申請窓口の統一

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:警察庁

○ 問題提起内容

全長25mを超える車両の運行にあたっては、制限外牽引の許可申請を公安委員会にするとともに、制限外積載の申請を発地警察に申請することになっている。警察、公安委員会とも所管省庁は同じであるので、同種申請の窓口を統一化することにより、申請者の事務負担を軽減すべき。

○ 所管省庁における対処方針

制限外積載許可と制限外牽引許可の申請窓口の一本化については、申請者の負担軽減の観点から所要の見直しを行う。具体的には、平成9年度中に、制限外積載許可と制限外牽引許可の申請窓口の一本化を図ることとしている。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

4-(5) 港湾の労働時間

○ 問題提起者:駐日インドネシア大使館

○ 所管省庁:運輸省

○ 問題提起内容

港湾の労働時間の延長が必要である。例えば、現在、清水港の労働時間は午前9時から午後4時までとなっている。そのため、1日に最大2個のコンテナしか運ぶことができない。その結果、輸送費と同様に保管施設の費用がかかる。インドネシアのジャカルタから清水港までの輸送費と清水港から3キロに満たない倉庫までの輸送費が同じである。清水港の港湾施設の労働時間を午後8時までとすべき。

○ 所管省庁における対処方針

仮に、本件が、「港湾における積卸し労働時間に制約がある」との問題提起であれば、清水港においては、従来から日曜を含め24時間荷役が実施されている。

したがって、清水港において、午前9時から午後4時まで労働時間が制約されているという指摘は事実誤認であると考えられる。

また、仮に、「港からの搬出入に係る民間事業者の労働時間に制約がある」との提起であれば、当該問題は、荷主を含めた民間事業者の営業時間の問題であるものと考えられる。

なお、いずれにしても、営業時間を制約する法令・規制は存在しない。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「今回の対処方針に満足。」

5.建築関係

5-(1) 北米型枠組壁工法輸入住宅の規制緩和

○ 問題提起者:横浜商工会議所

○ 所管省庁:建設省

○ 問題提起内容

現在、輸入住宅の建築基準は、実態的には、住宅金融公庫の住宅工事共通仕様書の内容に規定されている。この仕様書の基準は構造計算上、安全率が3~4.5倍となっているものも多く、極めて不経済で不合理であるため、優れた生産性を妨げ、結果として建設コストを上昇させている。

北米型枠組壁工法本来の合理性や経済性を十分活用できるような規制緩和を行うべき。具体的には、

(1) 構造用合板の接合釘の間隔並びに 本数が多すぎており、北米では2倍以上の間隔が基準となっている。

(2) ドライウォールの取付け釘及びビスの間隔も狭すぎる。

(3) トラス方式の小屋組の場合、トラスの間隔が50cmを超えると全ての部分に頭ツナギが必要となっているが、北米で60.6cmの間隔が一般的であるのに加えて、棟部以外の頭ツナギは必要とされていない。

(4) 構造物用金物、釘類も独自の規格があるため、国産以外は使用できない。

(5) 構造用合板についても、まだJISで認められている規格と同等までにはなっていない。

などの点について、あらためて構造上の計算をし、改善措置を講ずるべき。

○ 所管省庁における対処方針

改善希望内容として挙げられた(1)、(2)、(4)の釘類に係る部分及び(5)については、我が国で地震が多いこと等を踏まえ、実験等に基づき構造耐力上の十分な安全性が確保されるよう定めた枠組壁工法の技術的基準(昭和57年建設省告示第56号)に規定されている事項であるが、現在でも、建築基準法第38条の規定に基づき建設大臣が同等以上の効力を有すると認めたものについては、この基準に基づかない特殊な構造方法のものであっても建築が可能になっている。

さらに、上記告示については、我が国において安全性を確保するための必要な性能を有するものであれば、現行の仕様規定によらないものでも建築が可能となるよう、平成8年度中に性能規定化を行う予定である。

なお、住宅金融公庫監修の工事共通仕様書は、消費者の保護と設計者等の利便に供することを目的に、一般的な材料、施工方法を例示として記載しているものであり、建築基準法令及び公庫建設基準以外に本共通仕様書に新たに基準の義務付けを行っているものではない。また、共通仕様書に記載されていない材料や施工方法についても、建築基準法令及び公庫建設基準に抵触しない範囲であれば、個々の設計に応じ適宜添削、加筆及び他の仕様書の使用ができるようになっている。

改善要望内容の(3)及び(4)の構造用金物に係る部分については、上記告示及び共通仕様書のどちらにも規定されていないため、問題はない。

5-(2) 海外の規格に適合する建築資材の受入れ等

○ 問題提起者:在日米国商工会議所、東京商工会議所、日本貿易会

○ 所管省庁:建設省

○ 問題提起内容

(1) 当社の素材はカウンターや壁、柱の被覆材として使用されている。当該素材は難燃材料に指定されているが、建築基準法令上、内装の仕上げ材は、不燃材料でなければならない。当該素材はASTM/E84のクラス1の試験に合格しており、欧米では広く室内仕上げ用の被覆材として使用されている。不燃材料の試験が厳しすぎ、結果として安全な材料が認められず、競争が妨げられているので、日本においても建築資材の指定に際しASTM/E84のような国際基準を採用すべき。

(2) 米国製の木製防火戸について、日本の甲種・乙種防火戸の認定を取得するため、建材試験センターにおいて防火性能試験を行ったが、甲種・乙種ともにドアーのスコープ(のぞき穴)部よりフラッシュ的発火があったこと、また乙種は加熱面を室外側とした場合に発火があったことにより不合格と判定された。当該防火戸はASTM(米国材料試験基準)の確認を得たものであり、この判定結果は日本の試験方法、結果判定方法が米国と比べ厳しすぎることを示すものであり、外国の基準と比べ厳しすぎるもの、方法が異なるものについては、早急に見直すべき。

(3) 現在、建築基準法令の規定により、準耐火建築物の外壁の延焼の恐れのある部分については耐火構造、準耐火構造または防火構造とすることが必要であり、窓ガラスの断熱性能向上のためアルミサッシ及び網入りガラスの使用が義務づけられている。窓ガラスの断熱性は、木製サッシやプラスチックサッシ及び複層ガラスにおいても非常に高いが、同法令の規定により、現在は木製サッシや複層ガラス等が使用できない。建築基準法施行令第109 条の3第2号イ及び同第110条第2項第4号の規定を撤廃し、断熱サッシ・ガラス等について断熱性能がある外国製品等が普及しやすいようにすべき。

(4) 合わせガラスの強度計算は、日本では合わせたガラスの薄いものを主体に考えるが、英国のBS(英国規格協会基準)では総厚さを一体のものと見直しており、日本より薄いガラスの採用が可能。海外メーカーでは厚さ10mmまでのものしか製造していないため、日本の基準では選択の幅が小さくなり、そのためコストが上がり、建設費のコストアップにつながる。また、採用にあたっては、技術的検討や安全性の確認に多大な労力と費用が必要である。BS、ASTM、DIN(ドイツ規格協会基準)など世界的に認められているものについては、早急に相互承認の体制をとるべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 建築基準法においては、避難安全性の確保とともに火災の急激な拡大を防ぐことを目的に、建築物の用途、規模、構造等に応じて内装に不燃材料、準不燃材料又は難燃材料を使用するよう規定しており、不燃材料以外の材料であっても使用可能となっている。

建築物の内装材料に関する試験方法は、各国それぞれ独自の方法を用いており、御指摘のASTME84を試験方法として採用している主要国は北米に限られている。このような状況を踏まえて、現在、世界標準化機構(ISO)において標準的な試験方法を策定すべく検討がなされているところであり、我が国においても、その国際会議に積極的に参加しているところである。

また、建設省総合技術開発プロジェクト「防・耐火性能評価技術の開発」において、ISOでの試験方法の改訂作業の動向を踏まえながら、建築材料に関する試験方法の開発を進めているところである。

(2) 日本の防火戸の試験方法は、米国とほぼ同様の加熱試験のほか、衝撃に対する構造安定性を確認するために、米国での注水試験に対して砂袋を用いた衝撃試験を行うこととしており、試験方法については大差ないと考えている。

しかし、建築基準法においては耐火建築物等の外壁で、敷地境界線等からの距離が1階にあっては3m以内、2階以上にあっては5m以内にある開口部について、20分以上の耐火性能を有する防火戸を設けることとなっているのに対し、米国のモデルコードの一つであるUBCによれば、米国の耐火性能を要求される建築物の外壁には、

1) ホテル、共同住宅については敷地境界から5フィート以内、その他住宅下宿については敷地境界から3フィート以内の外壁の部分には開口部を設けないこと
2) それ以外の敷地境界から20フィート以内の建築物の部分には45分以上の耐火性能を有する防火戸を用いること
とされており、外壁の開口部に用いる防火戸の基準としては、日本よりむしろ米国の方が厳しいと考えられる。

また、現在建設省総合技術開発プロジェクト「防・耐火性能評価技術の開発」において、国際標準化機構(ISO)の防火戸に関する試験方法との国際調和化について、その判定方法も含めて検討を進めているところである。

なお、多数の木製防火戸が、日本の告示に定められた防火性能試験に合格し、すでに防火戸として認定を受けている。

(3) 建築基準法においては、開口部を経路とした隣棟間の延焼を抑制するため、防火地域・準防火地域内に建てられる一定規模以上の建築物や3階建て以上の共同住宅等の特殊建築物について、隣地境界線等から一定の距離にある外壁の開口部に「甲種又は乙種防火戸」を用いることと規定されている。

防火戸の構造については、同法施行令第110条に代表的な仕様が規定されている。また、それらの仕様に適合するもの以外のものであっても、建設省告示第1125号に規定されている防火性能試験に合格し、それらと同等以上の防火性能を有すると認められるものであれば、防火戸として使用可能であれば、防火戸として使用可能となっており、木製サッシ、プラスチックサッシ、複層ガラスを用いた窓でも防火性能試験に合格し防火戸として認定を受けたものであれば、使用可能となっており、既に認定を受けたものも存在している。

(4) 屋外に面する帳壁部分に使用する合わせガラスを含むガラスについては、昭和46年建設省告示第109号第三第2号第三における基準に適合することとなっている。この基準では、夏場に台風による暴風が発生する我が国の特徴を踏まえ、暴風による破壊時の破片による危害の防止を考慮し、合わせガラス及び複層ガラスについては、これらを構成する最も薄いガラスの厚さにより基準を定めている。

BS、ASTM、DIN等の規格の合わせガラスについては、この基準を満たしているならば、その証明をもって屋外に面する帳壁部分における使用が可能である。なお、風圧力に対する安全性が告示により定める基準と同等以上であることが確認できるものについては、別途認定を行い、使用が可能なものとすることができる。

また、BS、ASTM、DIN等の規格の合わせガラスに係る相互認証については、建築基準法令上、具体的な規格を規定しておらず、当該法令に関して相互に認証し合う相互認証は考えられない。

6.情報・通信関係

6-(1) CATV給電電圧及び給電用ケーブルの形状規格の緩和

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題提起内容

電気設備に関する技術基準の細目を定める告示第5条の2「有線テレビジョン用給電兼用同軸ケーブルの規格」において規定されているケーブルの形状及び使用電圧は、ケーブルテレビネットワークを活用して電話サービスを提供する上で制約となっており、米国製品を利用する効率的な設備投資ができない状況である。

最新の技術に基づいて効率的な設備投資ができるよう、以下の点を加味して告示の第5条の2を改正して欲しい。

(1) ケーブルの形状:JIS規格のパイプ形に加え、RG等のシールド形を認めて欲しい。

(2) 使用電圧:65V以下を90V以下にして欲しい。

○ 所管省庁における対処方針

使用電圧が低圧の電線に使用するケーブルは、電気設備に関する技術基準を定める省令第9条の規定に基づき有線テレビジョン用給電兼用同軸ケーブル等を使用しなければならないと規定され、本同軸ケーブルの規格については、電気設備に関する技術基準の細目を定める告示第5条の2の規定に基づき第1号で使用電圧、第2号で絶縁性、第3号で完成品の試験方法及び試験結果が示されている。

同告示に示された規格は性能規格であって、使用電圧については、65V以下で使用した場合に安全であるような製品と解釈されればよい。また、完成品の試験方法及び試験結果については、ケーブルの形状にかかわらず示された試験方法による結果が示されたとおりの試験結果を満足すればよいと解釈される(日本工業規格(JIS)では、CATV用給電兼用同軸ケーブルとしてアルミニウムパイプ形のみが規格化されているため、この試験方法及び試験結果を他の形状のケーブルにも適用している)。

ただし、本件のCATV用給電兼用同軸ケーブルは上記の外に電線の規格に係る省令第6条の規定に定める告示第1条などに適合しないと使用できないが、これらの規定を満たしていない可能性がある。

なお、電気設備に関する技術基準を定める省令については、平成8年度を目途として機能性化作業(保安上必要な性能のみで基準を定め、当該性能を実現するための具体的な手段、方法等を規定しないものとする)を進めており、この改正により使用電圧を90Vとしても保安レベルが必要十分なレベルに維持できるのであれば、設置者の自己責任での措置が可能となる予定である。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

6-(2) CATVに係る電線地中化費用の明確化及び道路占用申請手続の簡素化

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:建設省

○ 問題提起内容

(1) 国道等を横断、もしくは縦断してCATVの電線ケーブルを地中化する場合、その工事に要する費用が分かりにくく、地中化に参加するか否かの判断ができない。建設省告示の算定式に基づいて費用を算出する方式は分かりにくいので、占用希望者が分かりやすい基準に変更し電線共同溝工事の際の道路管理者の告示でその費用が明示される方向に改正して欲しい。

(2) 電線の地中化及び道路の占用については「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」及び「道路法」に従い申請書が必要であるが、道路管理者は、国、都道府県、市町村と分かれており、かつ地方自治体が国から管理委託を受けているケースもあって提出先が場所により異なる場合があるので複雑になっている。

また、電線共同溝の工事による道路の占用については、道路法上の工事計画書、電線共同溝法の占用許可申請書のほか、工事費用負担額の算出に必要な資料、当該電線の概要を示す書類及び図面、その他参考書類及び図面等多数の書類を提出しなければならないので、道路管理者が国であるか、自治体であるかの明示とともに、申請書類の簡素化少数化を図って欲しい。

(3) 電線共同溝の占用期間は現在CATV業者は5年となっているが、今後第一種電気通信事業者の免許を取得してCATVケーブルを利用した電話サービスを行う場合を想定した占用期間の延長をして欲しい。具体的には、第一種電気通信事業者の免許を取得したCATV業者がCATVケーブルによる電話サービスを行う場合の占用期間は第一種電気通信事業者の10年を適用して欲しい。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 電線共同溝を整備する際の建設負担金の額(工事負担額)は、電線共同溝を道路管理者が整備することにより電線管理者が払う必要がなくなった費用、すなわち、電線管理者が単独で地中化する場合に必要となる額であるとしている。

建設負担金の算出式は、将来の掘り返し費用などを考慮しつつ、数式で一般的に表現すると「電線共同溝の整備等に関する特別措置法施行令」(以下「施行令」という。)第2条に定められた式となるが、基本的な考え方は単純明快であり変更の必要はないと考えている。

また、電線共同溝敷設後であっても、電線共同溝にケーブル追加の余地があれば、新規と同様の費用負担でCATVケーブルを追加設置できる。

なお、道路管理者が占用予定者に対して建設負担金の額を明示することについては、現状においても道路管理者から占用予定者に対して行っている(施行令第4条)。

(2) 道路法においては、道路管理者は道路の区域決定及び供用開始の際に公示され、かつ一般の縦覧に供されている。さらに、国道の一部についてその管理を都道府県知事又は指定市の長が行う場合があるが、国が直接管理している国道は政令上明示されている。

また、電線共同溝を整備する場合、道路管理者は電線類地中化協議会において関係の公益事業者等から意見聴取しているが、このとき(社)日本CATV連盟等の関係事業者等からも意見を聴取し、電線類地中化五箇年計画を策定した後、電線共同溝整備道路を指定し、その旨公示している(その際、道路管理者は明示されている。)。

電線共同溝の占用申請書及び添付書類は、その建設及び管理上必要最小限の書類としている。なお、CATV施設の道路占用については、その申請書の添付書類について、道路の占用の場所、占用物件の構造等を明らかにした図面その他必要最小限のものとすること等道路占用手続の簡素化措置を図っているところである。(「有線テレビジョン放送施設の道路占用許可申請書の添付書類について」平成8年6月28日付け建設省道路局路政課長通達)

(3) 道路占用の期間は、占用物件としての適格性を確認する上で必要な最長期間として定められているものである。CATVの占用期間については、申請者負担の軽減等の観点から道路法施行令の改正(平成7年10月25日公布、政令第363 号)により「3年以内」から「5年以内」に延長されたところである。

電線共同溝の占用期間については、道路法の占用許可と異なり期間の上限に係る規定がなく、通常、電線共同溝の耐用年数までの占用を認めることとしている(申請者が耐用年数よりも短く期間を限定して申請したときには、その限定した期間を占用期間とする。)。

第一種電気通信事業の許可を受けたCATV事業者に対する占用期間を10年以内とすることについては、現実にそれらCATV事業者による電話サービス事業の実績がない現段階においては、軽々に判断できない。CATV事業者による電話サービス事業の推移を見つつ、道路占用の実態等を踏まえて、その占用期間の在り方について検討することとしたい。

7.輸入手続き関係

7-(1) 電算システムの活用による植物検疫に係る書類提出の簡素化

○ 問題提起者:横浜商工会議所

○ 所管省庁:<農林水産省

○ 問題提起内容

現在貨物の輸入にあたり、植物検疫が必要な輸入貨物の場合には検疫の申請を行い合格証の発給を受けるが、検疫に係る書類手続が手作業によるためかなりの時間を要している。植物検疫の書類手続も、同電算システムで対応できるよう対策を講ずべき。

○ 所管省庁における対処方針

植物検疫の輸入検査手続については、植物検疫手続の電算システム化及び当該システムと通関手続の電算システムとのインタフェース化の推進により、輸入手続全体の迅速化を図ることとして作業を進めているところで、平成9年度中の供用開始に向けて現在機器の導入等を行っている。これにより、システムは統一されることとなり輸入者はその使用に係る入出力装置からの税関の申告及び植物の輸入に係る届出等の手続が可能になる。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

7-(2) 輸入包括事前審査制度の推進

○ 問題提起者:横浜商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

同一貨物を定期的に輸入している実績がある企業でも、簡易審査の比率が依然として低く、税関では同じ内容の申告を受け付け、同じ審査を繰り返しているため、貨物の引取りまでに多大の時間を要している。

同一貨物を定期的に輸入している荷主については、現行の包括審査制度を改善し、輸出審査と同様の包括事前審査制度を導入し、特に問題のない貨物については簡易審査とすべき。具体的には以下のような改善を図るべき。

(1) 各官署別の口頭申出方式というあいまいな方式をやめ、輸出同様に本関での一括審査を公式の書類をもって行う。

(2) 一定の申請要件を(HS6桁ベース)を満たす同一継続性の強い貨物については、現物確認ではなく書面(部品リスト等)で行い、本関で認めれば管内のどの官署でも利用可能とする等の簡易な審査とする。

○ 所管省庁における対処方針

現行においても、同一当事者(輸出入者) 間で継続的に輸入される貨物については、輸入の都度審査を繰り返して行うこと避けるとともに、個々の輸入の際の審査を簡略化することにより、輸入通関事務の迅速化を促進する観点から、公開通達「輸入通関事務処理体制について」(蔵関第324号昭和57.3.25 )により、既に包括審査制を導入しているところである。

当該包括審査を適用する貨物については、包括審査が完了している旨の表示があれば、原則として簡易審査の対象としており、迅速な通関が図られているものと考えている。

なお、包括審査に係る申出は、輸入者の便宜に配慮し、個別に書類を提出させることなく当初の輸入申告に際して、包括審査の適用を受けたい旨口頭で申し出れば足りることとしており、また、当該申出を行った税関署以外においても包括審査の適用を受けたい場合には、併せてその旨申し出があれば、当該官署についても適用される。

ただし、輸入通関においては輸入される貨物の品目により適用税率が異なることから、当該包括審査の適用は、個々の品目(HS9桁)ごとに行うこととなるが、これはやむを得ないものと考えている。

なお、通常の貨物については、現在、税関に輸入申告があれば、約10時間で審査を終了しており、税関手続きに多大な時間を要しているとは考えていない。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

7-(3) 特恵関税適用のための原産地証明書に係る輸入手続の簡素化

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

特恵関税の適用を受ける商品の輸入申告時には「特恵原産地証明」の添付が必要であるが、同証明は原本しか認められず、貨物が証明書よりも先に到着した場合は通関が遅れ、コンテナヤードでの保管料が発生する。

不正防止のためには、提出期限を設け、原本が到着次第提出することにより確認可能になると思われるので、輸入申告時にはコピーにより通関可能とすべき。

○ 所管省庁における対処方針

特恵関税の適用を受けるためには、原則として輸入申告時に当該貨物が特恵受益国原産品であることを証明する特恵原産地証明書(Form A)を税関長に提出する必要がある。

特恵原産地証明書は、原本を提出することとなるが、これは課税の公平の確保や、改ざん等不正防止の観点からのものであり、同証明書は彩紋を施した統一的な様式(Form A)を使用することが国際的に合意されている経緯からしても、原本を確認することは必要である。この原本確認は通関時に行うことが原則であるが、手続き簡素化の観点から、災害その他止むを得ない理由がある場合や、エスケープ・クローズ品目等課税の公平上支障がないと認められる品目の場合で申告時に提出することができないことにつき、税関長の承認を受けた場合は、同証明書の提出猶予を認めているほか、昨年1月からは原産地が明らかであると認めた物品(217 品目)について、同証明書の提出を省略している。

なお、特恵供与の限度枠管理が行われている品目については、一般的に特恵供与が先着順方式によって厳格に管理されているなど、課税の公平性にも着目したものであることから、現行制度を見直すことは不適当と考える。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

7-(4) 加工又は組立のため輸出された貨物を原材料とした製品の減税に係る原材料の輸出手続の簡素化

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

加工又は組立のため輸出された貨物を原材料とした製品の減税の適用を受けるためには、加工・組立輸出貨物確認申告書に輸入製品スタイル別の付属書を添付しなければならず、手続が煩雑となりかつ時間がかかるので、同申告書の書式を見直し、指定原材料のすべてが記載可能となるよう改善すべき。

○ 所管省庁における対処方針

加工・組立減税制度は、我が国から輸出された原材料が、外国において加工され又は組立てられた後、製品として再輸入される場合に、その製品に課せられる関税のうち、輸出された原材料の関税相当分について軽減するものである。(関税暫定措置法第8条)

本制度の適用を受けるためには、原材料の輸出申告に際し、当該輸出原材料に係る「加工・組立輸出貨物確認申告書」(以下「確認申告書」という)に、同一契約に係る輸出原材料の全てについてその概要等を記載した「附属書」を添付することとされている。

この確認申告書は、減税の対象となる原材料が確かに輸出されたことを確認するためのものであり、輸出申告の都度作成する必要があるが、附属書については、確認を受けた最初の輸出の際に提出すれば、以後同一契約に係る原材料の輸出がある場合には、当初の附属書を提示すればよいこととしている。

なお、附属書は原則としてスタイル別に作成することとしているが、同一統計品目に分類される製品で、その加工賃が同一かつ用尺の差が当該製品のサイズ違いによるものである複数のスタイルのものについては、同一のスタイルのものとして一枚の附属書にまとめて記載させる簡易な取扱いとしている。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

7-(5) 委託加工品の再輸入に係る関税賦課方式

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

現在、日本から原材料を輸出し、委託加工をした上で製品あるいは半製品として輸入する際は、当該製品の輸入関税について減税措置が実施されているが、近隣諸国への委託加工が増えているため、特例措置適用について、加工・組立輸出貨物確認申告書等手続が繁雑になっているので手続きを簡素化すべき。

米国では米国産の原材料を使用し外国において委託加工した物品の輸入に関しては、輸入関税は外国での委託加工賃のみに付していることを考えれば、近隣諸国への委託加工の増加に伴い、外国における委託加工賃のみに関税を賦課する方式の導入を検討すべき。

○ 所管省庁における対処方針

関税暫定措置法第8条に規定する加工再輸入減税制度は、我が国から輸出された原材料が、外国において加工され又は組み立てられた後、製品として再輸入される場合に、その製品に課せられる関税のうち、輸出された原材料の関税相当分について軽減するものである。

本制度の適用を受けるためには、原材料の輸出申告に際し、当該輸出原材料に係る「加工・組立輸出貨物確認申告書」(以下「確認申告書」という。)に、同一契約に係る輸出原材料の全てについてその概要等を記載した「附属書」を添付することとされている。

この確認申告書は、減税の対象となる原材料が確かに輸出されたことを確認するためのものであり、輸出申告の都度作成する必要があるが、附属書については、確認を受けた最初の輸出の際に提出すれば、以後同一契約に係る原材料の輸出がある場合には、当初の附属書を提示すればよいこととしている。

なお、附属書は原則としてスタイル別に作成することとしているが、同一統計品目に分類される製品で、その加工賃が同一かつ用尺の差が当該製品のサイズ違いによるものである複数のスタイルのものについては、同一のスタイルのものとして、一枚の附属書にまとめて記載させる簡易な取扱いとしている。

なお、関税暫定措置法第8条に相当する米国の減税制度(米国関税率表第9802.00.80号の規定)においても、関税暫定措置法第8条と同様の減税方式を採用している。

仮に輸入貨物の課税価格の決定方法に係る問題提起ということであれば、我が国は、米国、カナダ、EU等世界の68カ国が採用している「関税及び貿易に関する一般協定第7条の実施に関する協定」に基づいて実施しているところであり、我が国だけが特別な取扱いを行うことはできないものである。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解」

7-(6) 不良品の修理等に係る再輸入時の免税手続きの簡素化

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

(1) 不良品を修理のために返送し、1年以内に再輸入した際の免税の申請について、現状では輸入時に個別通関し、確かに修理品としての再輸入であるという証明をするために多様な書類を提出しなければならず、その煩雑な手続きに耐えられず、再度消費税を支払う輸入業者も多い。提出書類の簡略化(例えば輸出時の船積書類か製造者の修理証明等のいずれかで可とする)、並びに個別申請の撤廃を望む。

(2) 身の回り品(アクセサリー等)輸入・販売業者にとり、入荷時の不良品(キズ、へこみ、バックル不良)と国内販売後の修理依頼件数は相当あり、そのうち国内にて修理不可能なものは、現地工場に返送し、修理をする必要がある。修理後、再輸入をする場合、関税の免除を受けようとすると、修理のため返送する際に1つずつにタグ(取りはずしのできないような)をつける、1枚ずつ写真を撮影するといった複雑な手続きが必要となる。修理に際しタグをつけたままだと作業ができないため、この手続は非現実的であり、各業者ともあきらめて輸入税を再び支払っているのが現状である。関税免除の簡易措置がとれるようにしてほしい。

○ 所管省庁における対処方針

(1)、(2) 関税定率法第11条(加工又は修繕のため輸出された貨物の減税)の適用を受けるためには、輸出申告に際して、「貨物の性質及び形状の明細」、「加工又は修繕の明細」等を記載した加工・修繕輸出貨物確認申告書(以下「確認申告書」)を提出し、税関の確認を受ける必要があり、輸入申告に際しては、輸入申告書に併せ、減税額の計算の基礎等を記載した減税明細書を提出するとともに、当該貨物に係る輸出許可書、加工又は修繕を証する書類及び輸出時に確認を受けた確認申告書を添付する必要がある。

輸入の際に、上記申告書等だけでは同一性の確認が難しいと判断される場合は、写真、カタログ等の資料の提出を求めることとしている。これは、適正・公平な税の徴収を図る観点から、輸出の際の貨物の性質、形状と輸入の際の貨物の性質、形状を確認する必要があるためであり、これらの提出書類は、減税を適用する上で最低限のものであることから、手続きの簡素化は図られているものと考える。

なお、免税の要件に該当するかどうかは、具体的な貨物について審査する必要があることから、免税の申請は、修理を要する事例が生じた都度行う必要がある。また、再輸入期間の1年については、やむを得ない理由がある場合には、期間延長が可能となっている。さらに、修理ができないような同一性の確認方法に関しては、通関業者等から同一性の確認に係る相談を受けた場合には、修理内容を十分把握し、修理ができないような確認方法を教示することのないよう周知徹底を図ることとしたい。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(1)に関して、「当面はこの対処方針で了解」

7-(7) 関税分類の簡素化及び明確化

○ 問題提起者:東京商工会議所、日本貿易会、在日ベルギー・ルクセンブルグ商業会議所

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

(1) エキス調味料について、畜肉抽出エキス、畜肉分解エキス、植物分解エキスは同種、同目的の素材でありながら畜肉抽出エキスは「肉、魚等のエキス及びミートジュース」に、畜肉分解エキスと植物分解エキスは「調製食料品」に分類され、関税率に大きな差が存在している。関税分類の簡素化をすべき。

(2) 木造住宅の建築方法が変化するに伴い、間柱の形状も1)旧来型(上下ともほぞ付き)から2)現在型(上のみほぞ付き)へ、更に3)最新型(上下ともほぞなし)へと変化している。しかし関税分類上は、ほぞ付きであれば「木製建具及び建築用木工品(構造用集成材)」と認定され、一方ほぞなしであれば、単なる「集成材」となる。ほぞ以外は外見上も機能上も実際の用途も全く変わらないものが異なる分類となってしまうのは、関税分類を細分しすぎていることが根本的な原因と思われるので、分類を整理・統合すべき。

(3) 住宅用柱、梁等の用途の木材集成材は、図面が付いているものは「構造用集成材」に、図面が付いていないものは「集成材」に分類されて、関税率の適用が異なっており、関税額がその時によって変わるので、コストが算出しにくくなっている。

製品輸入促進の観点から、集成材について関税の適用を分かりやすくし、住宅用柱・梁等は図面の有無に関わらず、用途が明確であるものについては、同一の関税率を適用すべき。

(4) 関税分類において、香料の分類の細目がないことは、天然香料が調製食料品として不当に分類される原因となっている。

現在の関税は「一般香料」は3.2%、「調製食料品」は21.7%である。合成香料を基準として基準値を設定しているため、ほとんどの天然香料は香が弱く、基準を満たせず、調製食料品に分類される。結果として天然香料は高コストとなり、輸入天然香料の使用は限定される。「香味をつけるための天然の材料」といった新しい分類をつくり、天然香料を調製食料品として扱うのをやめるべき。

(5) 米や豆といった種々の穀物が混じった鳩の餌を輸入する際、穀物の内に「鳩の餌」という独立した分類がないため、食用の穀物の混成物と見なされ高関税がかかる。人間の食用でないのだから、法令の改正等により穀物であっても鳩の餌は別扱いとしてほしい。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 関税分類の簡素化(品目番号の統合)は「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」への抵触あるいは関税率の変更を伴うものであり、その事柄の性格上、多角的な検討、調整を要するものである。

(2) 間柱等の住宅建築用の用途に供される集成材については、その用途が形状等の客観的基準により明確なもの、及びそれ以外のものについても図面等当該用途に供されることが確認出来る資料が附属しているものについて、同一の関税率表の所属区分を適用し、当該所属区分に設定された関税率を適用している。

(3) 住宅用柱、梁等の建築構造用の用途に供される集成材については、その用途が形状等の客観的基準により明確なもの、及びそれ以外のものについても図面等当該用途に供されることが確認出来る資料が附属しているものについて、同一の関税率表の所属区分を適用し、当該所属区分に設定された関税率を適用してる。したがって、形状等の客観的基準からは、建築構造用の用途に供されるか否かが明確でない集成材については、当該用途に供されることが確認できる図面等の資料により用途を確認する必要がある。

(4) 現在の関税分類は、「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」に基づいて実施されている。よって、新たに関税率表の関税率表適用上の所属区分を設けることに関しては、同条約への抵触あるいは関税率の変更を伴うものであり、その事柄の性格上、多角的な検討、調整を要するものである。

(5) 現在の関税分類は、「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」に基づいて実施されている。よって、新たに関税率表適用上の所属区分を設けることに関しては、同条約への抵触あるいは関税率の変更を伴うものであり、その事柄の性格上、多角的な検討、調整を要するものである。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(2) 、(3) に関して、「当面はこの対処方針で了解。」

7-(8) 関税率等適用の統一

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省、厚生省

○ 問題提起内容

関税率の適用ならび添付書類の内容について、東京、横浜、神戸等税関ごとに見解が異なる。税関、厚生省共に公表されていない内部基準が多々あり、案件ごとに問い合わせをしなければならず、円滑な輸入促進の障害となっている。内部基準を公表し、適用が公平・公正普遍的に行われるようにすると同時に、特に、新食材に対する関税番号を時間を置かず設定すべき。

○ 所管省庁における対処方針

税関としては、従来より国際的に統一された商品分類のための国際条約(HS条約)に基づく「関税率表解説」及び「関税分類例規」を公開している。また、「分類センター(平成7年7月に「総括関税鑑査官」に名称変更)」の設置によって全国的な分類の統一を図るとともに、画像情報検索システムの導入により、関税分類を行うに当たって参考となる情報を、画像情報としてオンラインで輸入者等に提供できるような体制の構築を行ってきた。更に事前教示制度(輸入者その他の関係者が、あらかじめ税関に対し輸入を予定している貨物の関税率表適用上の所属区分(税番)、関税率等について照会を行い、その回答を受けることができる制度(関税法第7条第3項))の充実によって利用者の便益を図ってきた。今後とも、関税分類の統一を確保するための制度の改善に取り組む所存。

関税分類に係る基準については、関税定率法別表(関税率表)に規定しているほか、関税率表解説、関税分類例規、事前教示回答書を公開している。

新食材に対する関税番号の迅速な付与については、新食材等の新規輸入貨物については、分析を必要とする場合や慎重な検討を必要とする等の事情はあるが、今後ともできる限り早期に関税分類を決定するよう努める所存。なお、新規輸入貨物等については、事前教示制度の活用が有効であると考えられることにつき、申し添える。

[大蔵省]

食品衛生法の判断基準、届出の記載事項については、省令、告示、通知により、検疫所において掲示すること等の方法で公表している。また、新たな制度の導入の際には、関係者を対象に説明会を実施している。

さらに、従来から、窓口ごとの見解の相違のないよう、各検疫所の担当者を対象に毎年会議を実施し、見解の統一を図っているところである。

[厚生省]

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

7-(9) 輸入品を無為替輸出する場合のE/L取得手続きの時間短縮

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題提起内容

輸入品を修理のため、輸出者へ無為替返送する場合であっても、輸出貿易管理令別表第一等の該当品(1-9信号識別機、4-16加速度計用部品(米国向)、7-12信号発生器(米国向))は通商産業省等の輸出許可(E/L )を取得し、輸出する。E/L を通商産業省等に申請後、許可まで1週間以上要することがあり、輸出入の日数・修理期間を考慮に入れると、納期が逼迫している製品に支障をきたす。輸入品であること及び修理のため輸出者へ無為替返送されることが書類上で確認できる条件下では、E/L 発給までの日数を削減すべき。また、扱いを通産局・税関へと逐次移行し、最終的にはE/L 不要とするよう段階的緩和を実行すべき。

○ 所管省庁における対処方針

輸出貿易管理令別表第一の1の項に該当する貨物で「軍隊が使用するものであって直接戦闘の用に供するもの」については、平和国家たる我が国独自の政策である武器輸出三原則等により原則として輸出を許可しないこととしている。

ただし、クレーム修理等のために輸出する場合等、一部例外的に輸出を認めているが、その場合においても個々のケースが例外に該当するか否かを厳格に審査する必要があるため、通商産業省貿易局安全保障貿易管理課で審査を行うこととしている。

他方、1の項に該当する貨物であっても「軍隊が使用するものであって直接戦闘の用に供するもの」でないもの、例えば猟銃や競技用の銃については、従来よりその一部を地方通商産業局等での取扱いとして輸出者の負担軽減に努めてきたところであり、本年9月13日からはこのような貨物を全て地方通商産業局等での取扱いとして、より一層の合理化を行ったところである。

なお、輸出貿易管理令別表第一の4-16(加速度計用部品)及び7-12(信号発生器)の米国向け輸出については、一旦包括的に輸出許可を受ければ一定期間個別の申請を不要とする一般包括輸出許可の対象としている。本包括輸出許可を取得すれば納期の逼迫時における時間的問題等は解消されると考える。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

7-(10) 輸入通関手続等の改善

○ 問題提起者:日本貿易会、東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省、農林水産省

○ 問題提起内容

(1) 成田の場合、検疫所・植物防疫所の検査時間は午前9時~午後9時であり、以降は翌日になる。少なくとも最終便到着分まで検疫所・植物防疫所の受付を行うべき。

(2) 食肉の輸入に際し、動物検疫の実施が荷揚げ地によっては1日1回限りとなっており、通関に際して無用な待ち時間が多い。いつでも検査が受けられるようにすべき。

(3) 生鮮青果物の輸入時、「検査証明書」またはその写しの添付が義務づけられている。この「検査証明書」につき、植物の種類によっては輸入を禁止されている国があり、その場合は輸入許可された際の「検査証明書」添付が原本でしか認められていない。品物が書類より先に到着している場合、通関が遅れ品質劣化を伴うので、植物の種類にかかわらず輸入申告時には「検査証明書」の写しにより通関可能とすべき。

(4) 植物検疫時に害虫が発見され燻蒸になる場合、品質が著しく劣化する貨物(特に航空貨物)のクレーム用の証拠写真を撮影できないケースが多いが、通関業者に限り撮影できるようにすべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 従来より主要空港の輸入食品届出窓口については、食品の輸入実態等を勘案して、食品衛生監視員の増員や業務時間の延長を行ってきたところである。

今後、成田空港検疫所の輸入食品検査業務に関して、食品の輸入実態に応じ、業務を行う時間の延長について検討を行い、その結果を踏まえて対応することとしている。

[厚生省]

成田空港等の主要空港における植物検疫については執務時間の延長等、検査体制の整備を行い、平成8年10月末より最終国際便の貨物についても検疫を実施している。

(2) 動物検疫については、定員258 名の家畜防疫官により全国58カ所の指定海空港において輸入される動物・畜産物について、それらを介しての家畜の伝染性疾病の侵入を防止するため、家畜伝染病予防法に基づく輸入検査を実施している。輸入手続については、近年の家畜・畜産物の輸入動向、地方空港の国際化等を踏まえ、これまでにも検査官の増員、執務時間の延長、食品衛生検査等との同時並行処理、検査合格証の現場発給方式の導入等を行い、輸入検疫手続の簡素化・迅速化を図ってきたところである。

これにより、成田、関西空港等の主要空港については、全ての貨物便に対応する検査が可能な体制となっている。また、海港についても、限られた人員の中で広域に分布する検査場所に対応するため、輸入検査前日までの申請と、これに基づく計画的な輸入検査により、輸入手続の効率化・迅速化を図っているところである。

(3) 申請時に提出が必要な輸出国植物防疫機関の発行した植物検疫証明書については従来より、原本の他、検疫証明書のコピーであっても輸出国植物防疫機関が原本と同一である旨の証明を行ったもの及び原本の同時カーボンコピーを受け入れており、必ずしも原本の提出を義務づけていない。

なお、植物検疫証明書については、国際植物防疫条約で書面により発給することが定められているが、我が国としては、平成8年6月の植物防疫法の一部改正において、検査証明書の記載事項が輸出国の政府機関から電気通信回路を通じて植物防疫所の使用に係る電子計算機に送信されたものも認めることとした。

現在、植物検疫に関する国際的な技術レベルの会合において輸出国の政府機関から証明書を電子計算機を使用して送付することの技術的な可能性について情報交換が開始されたところであり、当該会合について積極的に参加していくこととしている。

(4) 輸入者が自らの輸入貨物に対して行う写真の撮影について、何ら制限は行っていない。

[農林水産省]

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(3) に関して「当面はこの対処方針で了解。」

7-(11) 輸入検査のスピードアップ

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

アメリカより印刷関連資材(Spray powder)を輸入した際、輸入割当品扱いとみなされ、税関検査を受け、本船入港後輸入許可までに50日以上を要し、この間のデマレージも当然発生し、最終購入価格は20%以上高いものとなったケースがあった。輸入検査の短縮化をすべき。

○ 所管省庁における対処方針

輸入貿易管理令に基づいて輸入割当てを受けるべき貨物(いわゆるIQ品目)については、関税法第70条に基づく証明・確認を受けなければならない貨物に該当し、同条は当該許可・承認等を受けられない貨物については、輸入を許可しないと規定していることから、IQ品目に該当するおそれがある貨物については、その該否を確認するため必要な検査をし、成分表の提出等を求めることがある。

税関では従来から、予備審査制の導入などにより通関手続の簡素化・迅速化を図ってきているところであり、税関検査についても、予備審査制を利用し、貨物の到着前に輸入関係書類を税関に提出して予備申告を行えば、当該検査の要否を事前に通知する等、その迅速な実施に努めているところである。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解」

8.その他

8-(1) 上陸審査基準等の見直し

○ 問題提起者:在日ベルギー・ルクセンブルグ商業会議所

○ 所管省庁:法務省

○ 問題提起内容

(1) 企業内転勤の在留資格基準には、少なくとも本国における1年間の職務経験留学している学生を卒業した時に雇用できないので、この要件を廃止すべき。

(2) 外交官や米軍人を除いては、日本に滞在する外国人は外国人を雇用することができない。外国人留学生をお手伝い、ベビーシッター等として雇えず、不便であるので、この規定を改正すべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 「企業内転勤」の在留資格が付与されるための基準の一つとして、外国にある本社・支社等における1年以上勤務経験を有することを求めているのは、「企業内転勤」があくまでも人事異動により外国の事業所から我が国国内の事業所に転勤する外国人を受け入れる趣旨で設けられたものであるからであり、当該在留資格の趣旨に基づき外国の企業から就労目的の外国人が派遣されることを確保するために、最低限の要件を設けたに過ぎない(同様の規定は米国移民法にも見られている)。

なお、この制限の適用を望まない場合には、一定の要件の下に「人文知識・国際業務」または「技術」の在留資格を取得することも可能であることは、前述のとおりである。

指摘にいうところの留学生の採用問題については、外国企業の事業所も含む我が国国内に所在する機関との個別の契約に基づき留学生からの就職を希望する申請は、学歴や職務内容等に関する審査を経て「企業内転勤」以外の就労目的の在留資格への変更が認められており、平成7年においては同申請の9割以上が認められた。また、十分な実務経験を有するものにあっても同様の方法で就労目的の在留資格が付与されて入国・在留が認められているので、留学生を差別するものではない。

(2) すでに我が国に就労、勉学の目的で在留している外国人が余った時間を利用して個人使用人として稼働しようとする場合、地方入国管理局を窓口として法務大臣から「資格外活動許可」を受ける必要がある。この場合、大学等の教育機関で勉学に励んでいる学生であれば、1日当たり4時間を限度として当該許可を比較的容易に受けることができるが、就労目的で在留している者が別途使用人として稼働するために当該許可を受けることは非常に困難である。また、日本人又は永住者の配偶者又は子としての身分関係を有しあるいは日系人等の定住者としての地位をもって在留している者を個人使用人として雇用することについて法律上の規制は存在しない。

8-(2) 外国会社の日本における発起人及び代表者の定住要件の緩和

○ 問題提起者:在日ベルギー・ルクセンブルグ商業会議所

○ 所管省庁:法務省

○ 問題提起内容

商法においては、日本において外国会社を設立する際には、設立者のうち少なくとも1人は日本の定住者でなければならないと定められている。こうした規定は廃止すべき。

○ 所管省庁における対処方針

外国会社は日本において継続して取引を行うときは、日本における代表者を定めその住所又はその他の場所に営業所を設けて、営業所設置の登記をしなければならないと定められており(商法第479 条第1項、第480 条第1項)、その登記においては、日本における代表者の氏名及び住所をも登記することとされている(商法第479 条第3項)。日本における代表者については、少なくとも1名は、日本に住所を有するものでなければならないものと取扱いがされているが、発起人(設立者)については、登記事項ではなく、そのような制限はない。

問題提起者は、この取扱いについて、日本における代表者と発起人(設立者)とを同一に解し、外国会社の日本における代表者(問題提起者は、「設立者」というが、発起人にはそのような制限がないことから、日本における代表者を指すものと考えられる。)のうち少なくとも1名は日本に定住している者、すなわち日本人でなければならないことを意味すると解しているものと考えられる。

外国会社の日本における代表者のうち少なくとも1名については、日本に住所を有する者でなければならないとされているのは、日本において継続して取引を行うにもかかわらず、外国会社の営業所に使用人しか常勤しておらず、代表者は海外に居住しているとすれば、取引の相手方にとって不測の損害が生ずるおそれがあることなどから、国内における取引の円滑と安全を保護することができなくなり、また、日本における代表者に対する過料事件等の裁判の実行性が確保されないことによるものである。

しかし、外国会社の日本における代表者については、日本人であることを要せず、外国人であっても差し支えない。したがって、日本における代表者を複数置いたとき、その全員が外国人であっても何ら問題はない。

なお、このことは、内国会社の代表者についても当てはまるものである。

以上のことから、この取扱いを変更する必要はないものと考える。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

8-(3) 研修生及びビジネスマンの査証発給手続の簡素化・迅速化

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:外務省

○ 問題提起内容

日本からベトナムに行く場合、査証の申請後1週間位で発給されるが、ベトナムから日本に来る場合、発給されるまで1ケ月位かかる。査証申請に当たり何種類もの書類を提出する必要があるが、これを簡素化し、発給を迅速に行うべき。

○ 所管省庁における対処方針

査証の手続について、規制緩和推進計画の一環として、常にその簡素化・迅速化を図るべく見直しを行っており、ヴィエトナム人の査証手続きについても、平成7年4月から一部手続の緩和を行ったところである。ヴィエトナム人の滞在90日以内の実務を伴わない研修及び商用目的の査証については、現在、1ないし2~3週間程度で発給しており、実務を伴う研修目的の査証についても在留資格認定証明書を所持していれば2~3週間程度で発給している。

今後ヴィエトナム人の査証も含め査証手続きの見直し(書類の簡素化も含む)を引き続き行う所存であるが、他方、虚偽の入国目的による申請等も多数あることから一定の書類は査証審査する上で是非とも必要であり、また、限られた人員で行う査証審査には、ある程度時間がかかるとの事情があることもご理解願いたい。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」

8-(4) 中央競馬における外国産馬の出走枠及び海外居住者の馬主登録に関する規制の緩和

○ 問題提起者:駐日オーストラリア大使館

○ 所管省庁:農林水産省

○ 問題提起内容

日本中央競馬会法では、日本中央競馬会(JRA)は規約を定めようとするときは、農林水産省の認可を受けなければならないとされていること等にかんがみ、JRAの規制は事実上政府の規制であり、従って日本政府の規制緩和の方針に沿って、以下の規制緩和を行うべき。

(1) 現在、日本中央競馬会(JRA)によって外国産馬が参加できるレースの数は制限されているが、こうした規制は全廃すべきである。

(2) JRAは外国人の馬主が日本で厩舎を作り、運営できるように馬主登録についての規制を見直してほしい。国内非居住者が馬主登録できない規制を廃止し、国内非居住者によるレースへの参加を妨げないようにすべきである。

○ 所管省庁における対処方針

我が国における競馬は、日本中央競馬会(JRA)などの競馬主催者が、国民的娯楽ビジネスとして行っており、外国産馬の出走制限をはじめ競馬番組及び馬主登録に関することは、競馬主催者の裁量において自主的に決めているものであって、政府が直接介入すべき事項ではない。

本件については、平成6年に在日オーストラリア・ニュージーランド商業会議所から、同様の問題提起がOTOになされており、OTO推進会議の意見に基づき、政府としてはJRAに対し、外国産馬の出走制限緩和計画の着実な実行、海外居住者の馬主登録に係る速やかな検討、及び外国関係団体等の理解を得るための努力について、JRAの取り組みを促した。

さらに、今回の問題提起を受けて、JRAに対し外国産馬の出走枠については、緩和計画の着実な実行及び問題提起者との話し合いを促す(JRAは、3月下旬ないし4月上旬に、オーストラリア及びニュージーランドにミッションの派遣を予定)ほか、OTO専門家会議における各委員の指摘を踏まえ、平成12年以降の外国産馬の出走枠の在り方についても、その検討を促す。また、海外居住者の馬主登録については、JRAが、外国関係団体等の意見聴取や諸外国の調査を行った上、いかなる方法により国内居住者と同程度の適切な審査を行い得るかを速やかに検討するよう促す。

なお、これまでのJRAの対応状況は、以下のとおりである。

(1) JRAは、外国産馬の出走制限について平成4年に公表した「外国産馬の出走制限緩和計画」の内容等を在日オーストラリア・ニュージーランド商業会議所及び本件の実質的な問題提起者であるニュージーランド・サラブレッド生産者協会等に説明するとともに、この計画に基づき、平成8年度には、外国で出走経験のない外国産馬が出走できるレース(混合レース)の編成率を47%とし、外国で出走経験のある外国産馬が出走できるレース(国際レース)数を前年度の6レースから7レースとして、着実に実行している。

この結果、外国産馬の輸入(平成4年85頭→平成8年412 頭)、中央競馬での外国産馬の在籍数(2.1%→10.3%)及び獲得賞金(3.0%→13.9%)についても着実に増加している。

平成9年度以降についても、景気の停滞や外国産馬の活躍等から我が国の軽種馬生産をめぐる厳しい状況のなかで、平成11年度の目標達成に向けて調整を行い、混合レースの編成率を平成9年度50%、平成10年度52%、平成11年度55%とし、国際レース数を平成9年度9レース、平成10年度11レース、平成11年度12レースとすることとした。

(2) JRAの馬主登録に際しては、競馬の公正を確保するため、馬主については、日本中央競馬会競馬施行規程に基づき、人物面及び経済面に係る厳格な審査を行い、また、登録後においても、調査を引き続き行っており、こうした審査或いは調査が困難な海外居住者については、馬主登録の対象としていない。なお、国内居住の外国人の馬主登録は、日本人と同様に扱っている。

JRAでは、海外居住者の馬主登録については、いかなる方法により海外居住者に対し国内居住者と同程度の適切な審査を行いうるのかを検討するため、JRA内部に検討会を設置した。これまで海外の主要競馬国(米国、フランス、英国、豪州、香港、ニュージーランド)の馬主登録等の実情調査を実施し、これら調査結果を踏まえ、主要競馬国別の人物面及び経済面に係る審査項目について検討を進めるとともに、さらに他の諸外国での調査が必要であるか等についても検討を行っているところである。

【市場開放問題苦情処理推進会議専門家会議構成員

[議 長]
大河原 良雄(外務省顧問)
[議長代理]
行天 豊雄 (財団法人国際通貨研究所理事長)
久米 豊 (日産自動車株式会社相談役)
佐々波 楊子(慶応大学経済学部教授
島野 卓爾 (学習院大学経済学部教授
谷村 昭一 (日本商工会議所専務理事
中内 功 (株式会社ダイエー代表取締役会長兼社長
眞木 秀郎 (生物系特定産業技術研究推進機構理事長)
増田 實 (財団法人国際経済交流財団会長
八城 政基 (シティコープ/シティバンク ジャパンプレジデント
山本 卓眞 (富士通株式会社会長)
米倉 功 (伊藤忠商事株式会社相談役)
[委 員]
片岡 一郎 (流通科学大学学長
金森 房子 (生活評論家)
兼重 一郎 (財団法人日本自動車研究所顧問)
児玉 一彌 (社団法人東京穀物市況調査会理事長)
細川 清澄 (日本海運株式会社代表取締役会長)
本田 敬吉 (日本サンマイクロシステムズ株式会社会長)
>宮智 宗七 (産能大学大学院教授)
村上 政博 (横浜国立大学大学院教授)
[オブザーバー]
J.W.ビーグルス(在日米国商工会議所会頭)
ローラン・デュボワ(ジット ロワレット ノエル外国法律事務弁護士事務所代表
李 鎬允(韓国貿易協会理事兼東京支部長)

専門家会議議題

第1回[平成9年1月10日]

(1) 医療用具の未承認品目の輸入手続の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

(2) 輸入貨物に係る「関税・消費税」納期限延長に関する手続きの簡素化

○ 問題提起者:東京商工会議所

(3) 通関業者の保管する輸出入申告書等の保存の省略

○ 問題提起者:東京商工会議所

第2回[同年1月21日]

(1) 個別に順次審議することとされている案件以外の案件の検討状況

○ 問題提起者:

在日ベルギー・ルクセンブルク商業会議所、日本貿易会、東京商工会議所、駐日米国大使館、在日米国商工会議所、香港経済貿易代表部、駐日オーストラリア大使館、駐日インドネシア大使館、横浜商工会議所

第3回[同年1月31日]

(1) 非法定計量単位に係る販売規制の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

第4回[同年2月7日]

(1) 上陸審査基準等の見直し

○ 問題提起者:

在日ベルギー・ルクセンブルク商業会議所、
東京商工会議所

(2) 処理状況の審議(*)

1) CATV給電電圧及び給電用ケーブル形状規格の緩和
2) 輸入貨物に関わる法令手続機関の集積について

○ 問題提起者:

日本貿易会、横浜商工会議所

第5回[同年2月13日]

(1) マイクロフィルムによる文書保存の規制緩和

○ 問題提起者:在日米国商工会議所

第6回[同年2月18日]

(1) 内燃機関の承認の規制緩和

○ 問題提起者:在日米国商工会議所

(2) 漁船用推進機関の出力算定方法の明確化

○ 問題提起者:在日米国商工会議所

(3) 処理状況の審議(*)車両の高さ制限の規制の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

第7回[同年2月24日]

(1) 港湾関係料金引き下げのための規制緩和

○ 問題提起者:在日ベルギー・ルクセンブルク商業会議所

(2) 個別に順次審議することとされている案件以外の案件の検討状況

>○ 問題提起者:

在日ベルギー・ルクセンブルク商業会議所、
日本貿易会、
東京商工会議所、
駐日米国大使館、
在日米国商工会議所、
香港経済貿易代表部、
駐日オーストラリア大使館、
駐日インドネシア大使館、
横浜商工会議所

第8回[同年2月27日]

処理状況の審議(*)

(1) 高速フェリー建造手続に係る提出書類の軽減・秘密保持の確保

(2) CATVに係る電線地中化費用の明確化及び道路占用手続の簡素化

(3) 休日における海上貨物の通関・搬出の認可

○ 問題提起者:駐日オーストラリア大使館、日本貿易会、東京商工会議所

(注*)処理状況の審議に係る案件は、問題提起者より詳細な審議をするには及ばない旨の連絡を受け、問題提起者及び所管省庁の出席なしに審議した案件である。