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2. 調査結果の概要
(4) 経済生活

(4) 経済生活

ア 生活の収入源(Q21a)

 「現在の生活費を何でまかなっているか」収入源をすべてあげてもらったところ、韓国を除く4か国では、「公的な年金」の割合が8割強と最も高い。韓国では、「子どもなどからの援助」の割合が59.4%で最も高い。

 時系列でみると、各国とも「公的な年金」が増える傾向にある。また、日本と韓国では、「子どもなどからの援助」が減る傾向がみられる。

(表27) (複数回答) (%)
  日本 アメリカ 韓国 ドイツ スウェーデン
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第3回 第4回 第5回 第3回 第4回 第5回 第5回
1 仕事による収入 41.0 34.3 34.1 35.0 33.4 27.3 24.0 21.6 25.6 25.5 21.8 37.4 32.4 34.2 7.1 6.5 9.7 14.9
2 公的な年金 64.6 77.0 81.2 84.0 84.9 82.1 84.7 84.5 83.0 85.4 1.7 3.4 4.3 9.5 82.6 84.4 83.5 85.5
3 私的な年金 8.4 5.4 7.8 7.5 11.1 27.1 29.7 33.4 33.0 39.0 0.0 0.5 0.5 1.2 26.2 23.9 22.7 14.8
4 預貯金などの引き出し 11.4 16.6 22.7 21.4 22.1 22.0 24.0 24.0 23.7 25.6 3.5 6.0 11.0 21.7 14.4 20.7 36.2 26.1
5 財産からの収入 15.6 14.5 13.9 11.4 8.2 45.1 49.4 43.1 34.3 32.6 5.5 8.4 10.2 10.1 10.9 11.8 15.2 4.8
6 子供などからの援助 29.8 21.8 18.9 15.4 12.0 2.4 2.2 2.6 3.0 2.7 78.2 73.6 70.8 59.4 3.6 2.9 3.8 0.4
7 生活保護 1.7 1.4 1.4 0.7 1.0 3.3 3.2 3.0 1.9 1.9 2.0 3.2 5.0 6.1 1.3 1.1 3.6 38.5
8 その他 4.8 4.0 3.2 3.8 3.2 8.2 6.0 8.0 7.0 6.6 3.6 2.2 0.5 2.5 6.3 4.2 5.0 3.7

イ 生活の主な収入源(Q21b)

 「現在の生活費を何でまかなっているか」主な収入源をあげてもらったところ、韓国を除く4か国で「公的な年金」(日本67.5%、アメリカ56.6%、ドイツ75.8%、スウェーデン80.1%)の割合が最も高く、韓国では「子どもなどからの援助」(43.2%)の割合が最も高い。

 時系列でみると、日本では「公的な年金」の割合が増え、「仕事による収入」の割合が減る傾向にあり、韓国では「子どもなどからの援助」の割合が減り、「仕事による収入」、「預貯金などの引き出し」などの割合がやや増えている。

(表28) (%)
  日本 アメリカ 韓国 ドイツ スウェーデン
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第3回 第4回 第5回 第3回 第4回 第5回 第5回
1 仕事による収入 31.3 24.5 23.8 21.6 20.8 15.2 14.1 10.7 15.5 13.9 16.2 31.9 26.6 28.1 5.3 4.6 7.1 11.8
2 公的な年金 34.9 53.4 54.3 57.1 67.5 53.9 53.0 55.2 55.5 56.6 0.8 2.5 2.9 5.9 76.6 77.0 75.8 80.1
3 私的な年金 3.8 1.9 1.9 1.7 1.6 10.0 10.4 13.6 13.3 16.4 0.0 0.3 0.5 0.6 10.9 10.1 9.1 1.9
4 預貯金などの引き出し 2.1 2.2 2.0 2.4 1.6 1.7 1.8 1.8 1.5 0.9 2.2 1.9 4.9 9.6 0.6 1.6 1.3 0.6
5 財産からの収入 5.3 5.6 4.0 2.5 2.3 14.5 17.4 11.0 8.5 7.0 3.3 4.6 4.5 5.6 1.4 2.0 1.9 0.2
6 子供などからの援助 15.6 9.0 5.7 4.2 3.4 0.3 0.2 0.7 0.0 0.1 72.4 54.8 56.3 43.2 0.6 0.2 0.2 0.0
7 生活保護 1.2 1.1 0.9 0.3 0.9 0.7 0.4 1.4 0.3 0.5 1.2 2.2 3.7 5.0 0.3 0.6 1.5 2.9
8 その他 3.1 1.9 1.8 2.4 1.7 3.5 2.4 2.7 1.6 3.1 3.2 1.6 0.3 2.2 2.6 1.7 3.1 2.2

ウ 日々の暮らしに困ることがあるか(Q22)

 「経済的に日々の暮らしに困ることがあるか」についてみると、「困っている」の割合は韓国(23.0%)で高い。

 「困っている」と「少し困っている」を合わせた割合をみると、韓国が61.6%で最も高く、次いで、アメリカ(31.5%)とスウェーデン(27.0%)がそれぞれ3割となり、日本は23.6%、ドイツは19.4%と低い。

(表29) (%)
  日本 アメリカ 韓国 ドイツ スウェーデン
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第3回 第4回 第5回 第3回 第4回 第5回 第5回
1 困っている 3.5 4.0 3.4 3.8 6.0 9.9 4.8 3.9 4.5 6.7 36.3 28.0 15.8 23.0 1.5 1.8 3.2 4.9
2 少し困っている 10.2 11.8 15.6 15.9 17.6 18.4 13.0 16.3 24.8 24.8 25.5 31.7 32.8 38.6 5.7 6.3 16.2 22.1
3 あまり困っていない 26.0 31.0 41.8 38.5 38.0 23.8 21.1 23.9 25.7 27.9 30.4 33.7 44.1 31.8 24.8 28.2 46.6 44.6
4 困っていない 59.1 52.7 38.4 41.5 38.3 47.3 60.6 55.1 44.3 39.7 7.4 6.5 7.1 6.6 67.9 63.0 34.1 28.5

エ 老後の生活費に対する考え方(Q23)

 「老後の生活費について、どのように考えるか」についてみると、ドイツとスウェーデンでは、「社会保障などでまかなわれるべき」(ドイツ57.2%、スウェーデン57.3%)という社会保障型が最も高い割合となっている。

 一方、アメリカ及び韓国では、「働けるうちに準備し、家族や公的な援助には頼らないようにすべき」(アメリカ50.8%、韓国46.3%)という自立型が最も高い割合となっている。

 日本では、社会保障型(46.3%)が自立型(42.6%)とほぼ同率である。

 時系列でみると、日本及びアメリカでは、自立型が減っており、社会保障型が増えている。韓国では、社会保障型が増えており、「家族が面倒をみるべき」という家族依存型が減っている。

(表30) (%)
  日本 アメリカ 韓国 ドイツ スウェーデン
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第3回 第4回 第5回 第3回 第4回 第5回 第5回
1 他に頼らない 55.0 52.4 44.0 46.6 42.6 60.7 65.2 59.1 62.1 50.8 40.3 43.2 41.9 46.3 45.2 32.2 39.6 37.6
2 家族が面倒をみるべき 18.8 15.0 16.0 12.8 7.9 0.6 0.7 0.6 0.8 4.9 49.4 38.2 28.2 19.5 6.0 3.8 1.7 1.8
3 社会保障などでまかなわれるべき 21.8 30.2 37.5 37.7 46.3 29.1 25.3 26.5 25.7 37.8 8.2 17.6 29.2 32.7 45.6 59.3 57.2 57.3
4 その他 2.5 2.2 1.3 2.3 2.6 6.0 6.0 9.1 5.8 1.3 1.1 0.6 0.0 0.6 3.0 4.3 1.5 3.3

オ 老後の生活費に対する備え(Q24)

 「老後の経済生活に備えて何かしていたか」についてみると、「特になし」の割合が韓国で59.9%と最も高く、次いで、スウェーデン(53.1%)、ドイツ(38.1%)、日本(26.4%)、アメリカ(16.7%)となる。つまり、何らかの備えをしていた人が、アメリカでは約8割、日本では約7割、ドイツでは約6割、スウェーデンでは約5割、韓国では4割であることがわかる。

 具体的にみると、各国とも「預貯金」(アメリカ66.4%、日本57.9%、ドイツ49.4%、韓国29.9%、スウェーデン28.5%)の割合が最も高くなっている。老後の経済生活について自立型の考えが強いアメリカでは、「個人年金への加入」(46.4%)、「債券・株式の保有、投資信託」(35.5%)など、その他の項目の割合も高い。

(表31) (複数回答) (%)
  日本 アメリカ 韓国 ドイツ スウェーデン
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第3回 第4回 第5回 第3回 第4回 第5回 第5回
1 預貯金 - - - - 57.9 - - - - 66.4 - - - 29.9 - - 49.4 28.5
2 個人年金への加入 - - - - 27.6 - - - - 46.4 - - - 8.9 - - 7.3 18.1
3 債券・株式の保有、投資信託 - - - - 6.2 - - - - 35.5 - - - 0.6 - - 10.0 14.8
4 不動産取得 - - - - 7.9 - - - - 20.0 - - - 11.7 - - 10.1 5.2
5 貴金属の保有 - - - - 0.2 - - - - 3.3 - - - 0.6 - - 0.4 0.8
6 老後も働いて収入が得られるように職業能力を高める - - - - 14.7 - - - - 12.3 - - - 4.0 - - 5.2 1.5
7 その他 - - - - 1.9 - - - - 1.9 - - - 0.0 - - 2.7 0.2
8 特に何もしていない - - - - 26.4 - - - - 16.7 - - - 59.9 - - 38.1 53.1

カ 老後の備えとしての現在の貯蓄や資産の充足度(Q25)

 「現在の貯蓄や資産は老後の備えとして十分か」についてみると、「社会保障で基本的な生活は満たされているので、資産保有の必要性がない」はドイツで22.3%と高いが、その他の国では低い水準である(日本2.8%、アメリカ7.4%、韓国0.7%、スウェーデン0.9%)。

 「十分である」は、アメリカで25.2%と最も高く、ドイツ(18.6%)、スウェーデン(17.4%)も2割弱であるが、日本(7.2%)と韓国(6.3%)のアジアの2か国では1割以下である。

 一方、「やや足りないと思う」と「まったく足りないと思う」を合わせた割合をみると、韓国が67.4%で最も高く、次いで日本が49.1%で、アジアの2か国は欧米3か国(アメリカ29.7%、ドイツ25.1%、スウェーデン22.8%)よりも不足と思う割合が高くなっている。

(表32) (%)
  日本 アメリカ 韓国 ドイツ スウェーデン
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第1回 第3回 第4回 第5回 第3回 第4回 第5回 第5回
1 資産保有の必要性がない - - - - 2.8 - - - - 7.4 - - - 0.7 - - 22.3 0.9
2 十分だと思う - - - - 7.2 - - - - 25.2 - - - 6.3 - - 18.6 17.4
3 まあ十分だと思う - - - - 30.7 - - - - 32.6 - - - 19.8 - - 29.4 48.9
4 やや足りないと思う - - - - 32.0 - - - - 14.7 - - - 30.7 - - 15.0 16.5
5 まったく足りないと思う - - - - 17.1 - - - - 15.0 - - - 36.7 - - 10.1 6.3
6 わからない - - - - 10.2 - - - - 4.0 - - - 5.8 - - 4.5 10.1

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