開催挨拶「高齢社会フォーラム・イン横浜」内野審議官
内野 淳子
内閣府 大臣官房審議官
皆様、朝早くからお集まりいただき、どうもありがとうございます。
このフォーラムは、高齢社会フォーラムということで、平成21年度から内閣府と高齢社会NGO連携協議会、そして開催地自治体との共催で、年1回開催しているものでございます。今回は横浜市での開催ということで、林市長始め、横浜市の皆様方には大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
さて、高齢社会ということですが、高齢社会を見る1つのメルクマールとして、65歳以上の方々が何%いるか、ということがございます。日本は、昨年、2010年に国勢調査がありました。その結果によりますと、65歳以上の方々が23%を占めており、これは世界で一番となります。2005年から、日本が一番になったのですが、来年からは、いわゆる団塊の世代の方々が65歳になるということで、100万人ずつ増えていくと言われております。
いま65歳、そしてそれ以上の方々、大変お元気な方々がたくさんいらっしゃいます。そういった方々が生き生きと元気で活躍されている、それは本当に重要なことだと思っております。
内閣府では、地域で生き生きと活躍されている方々を、年令に関係なく活動されているということで、エイジレス表彰、また社会参加賞ということで表彰し、その活動を全国的に紹介させていただいております。本日も、関東・甲信越地域の4人の方と、3つの団体の方々の活動を紹介させていただく予定でございます。
また、内閣府では、毎年「高齢社会白書」というものをつくっておりますが、今年度は、地域における高齢者の出番と活躍という特集をいたしまして、その中で横浜市の事例を紹介させていただいております。介護支援ボランティア制度で「横浜いきいきポイント」といったものも紹介させていただいております。お集まりの皆様方も、それぞれの地域で活躍をされていることと思います。内閣府では、本年度、高齢者の居場所と出番ということで、全国的に事例調査をおこない、より多くの事例を集めて公表し、皆様方のご参考にしていただこうと思っております。
そういった事例とともに、内閣府では政府全体の施策の取りまとめ、方針を出すこともしております。「高齢社会基本法」という法律がございますが、それに基づいて「高齢社会対策大綱」がございます。これに関しまして、先月、ちょうど1ヶ月前ですが、10月14日に野田総理を委員長として、全閣僚の方々からなる「高齢社会対策会議」というものが開かれました。その中で、10年前にできた高齢社会対策大綱を見直そうという話になったところでございます。
世界的にも日本の高齢社会が前人未踏のレベルで入っているわけですが、アジアの他の国々、たとえば韓国、中国も、いずれ高齢社会になっていく、そういうことを踏まえますと、日本が高齢社会のモデルになるように、世界的なモデルになるようにといった気持ちで考えてほしいというお話が、会議の中で野田総理からございました。また、その際に、3つの観点から考えてほしいというお話がございました。
まず1つ目が、高齢者の方々の居場所と出番をどのように用意するのかということ。
2番目は、高齢者の方々の孤立をいかに防ぐかということ。
3番目は、高齢者の方々だけではなく、現役世代の方々が、どういうことで高齢期に向けて備えるか、健康づくりといったことを含めて備えていくか。
この3つの視点を踏まえてほしいというお話がございました。
本日のフォーラムは、まさにその3つの視点、高連協(高齢社会NGO連携協議会)の堀田代表からは、誰もが幸せになる高齢社会づくり、それは高齢者の義務であるといったお話を、また、午後は、これからの地域社会づくり、シニアの健康づくりといったことについて、大変興味深い分科会がございます。私どももぜひ、今日のこのフォーラムを参考にさせていただきたく思っております。
高齢社会は、今までにない社会を迎えていくわけですが、やはり世代間の問題というよりは、色々な世代の方々がそれぞれ力を出し合って、みんなで手をたずさえながら新しい社会づくりをしていこう、という気持ちで取り組んでいく必要があるのではないか、と思っております。
最後になりますが、本日のこのフォーラムが、お集まりの皆様方にとって有意義なものとなりますよう祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。
本日はよろしくお願いいたします。