第1章 高齢化の状況(第2節 3 (2))
第2節 高齢者の状況
3 高齢者と健康・福祉
(2)高齢者の介護
ア 要介護等の状況
介護保険制度における要介護者又は要支援者と認定された者(以下「要介護者等」という。)のうち、65歳以上の者の数についてみると、平成16(2004)年度末で394.3万人となっている(表1-2-35)。
(単位:人) | |||||||
認定者総数 | 要支援 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
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被保険者総数 | 4,085,859 | 669,247 | 1,328,349 | 610,709 | 521,881 | 493,012 | 462,661 |
(100.0) | (16.4) | (32.5) | (14.9) | (12.8) | (12.1) | (11.3) | |
うち第1号被保険者 (65歳以上の認定者) |
3,942,808 | 658,640 | 1,281,817 | 582,359 | 500,797 | 476,039 | 443,156 |
(100.0) | (16.7) | (32.5) | (14.8) | (12.7) | (12.1) | (11.2) | |
うち65~74歳 | 674,786 | 124,456 | 229,080 | 102,474 | 81,298 | 69,978 | 67,500 |
(100.0) | (18.4) | (33.9) | (15.2) | (12.0) | (10.4) | (10.0) | |
75歳以上 | 3,268,022 | 534,184 | 1,052,737 | 479,885 | 419,499 | 406,061 | 375,656 |
(100.0) | (16.3) | (32.2) | (14.7) | (12.8) | (12.4) | (11.5) | |
資料:厚生労働省「平成16年度介護保険事業状況報告年報」 |
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(注1)平成16年度末現在 |
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(注2)( )内は認定者総数に占める割合(単位:%) |
また、介護保険制度のサービスを受給した65歳以上の被保険者は平成17年4月審査分で324.5万人となっており、男女比でみると男性が27.8%、女性が72.2%となっている(表1-2-36)。
(単位:千人) | |||||||
総数 | 要支援等 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
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受給者総数 (65歳以上の受給者) |
3,245.4 | 440.8 | 1,027.2 | 508.5 | 449.9 | 433.3 | 385.8 |
(100.0) | (13.6) | (31.7) | (15.7) | (13.9) | (13.4) | (11.9) | |
男 | 903.1 | 98.2 | 268.7 | 165.2 | 145.0 | 128.2 | 97.8 |
(100.0) | (10.9) | (29.8) | (18.3) | (16.1) | (14.2) | (10.8) | |
女 | 2,342.3 | 342.6 | 758.5 | 343.3 | 304.9 | 305.0 | 288.0 |
(100.0) | (14.6) | (32.4) | (14.7) | (13.0) | (13.0) | (12.3) | |
資料:厚生労働省「介護給付費実態調査月報(平成17年4月審査分)」 |
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(注)( )内は総数に占める割合(単位:%) |
さらに、介護サービスの利用実態をみると、軽度の者は居宅サービスの利用が多い一方、重度(要介護4又は要介護5)の者は施設サービス利用が半数を超えている(図1-2-37)。
図1-2-37 要介護度別のサービス利用状況(受給者数)
在宅の要介護者等の要介護度(要支援を含む。)を男女別にみると、要支援者、要介護1、要介護2の合計は男性が65.5%、女性は72.1%となっており、認定を受けている者の中では女性の方が要介護度の低い者が多い。なお、最も高い要介護5は男性で8.6%、女性で7.1%となっている(図1-2-38)。
図1-2-38 性・要介護度別にみた受給者の状況(在宅)
施設等に入所している者の要介護度をみると、介護療養型医療施設に要介護度の高い者が多く、平均要介護度は4.24となっており、要介護5の者の割合も53.0%となっている。一方、介護老人保健施設には要介護度の低い者が多く、平均要介護度は3.20、要介護3以下の者の割合は54.8%となっている。介護老人福祉施設は平均要介護度、要介護度別の入所者構成比も両者の中間にある(図1-2-39)。
図1-2-39 在所者の要介護度別構成割合
要介護者等のうち、医師による診断の結果、介護を必要とする「認知症あり」と診断されている者は、在宅の要介護者等で男性9.6%、女性13.6%、また、施設在所者では男女とも半数以上となっている(表1-2-40)。
(単位:%) | ||||
在宅要介護者等 | 施設在所者 | |||
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男 | 女 | 介護老人福祉施設 | 介護老人保健施設 | 介護療養型医療施設 |
9.6 | 13.6 | 66.0 | 51.5 | 75.0 |
資料:厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成15年)、「介護サービス施設・事業所調査」(平成13年) |
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(注1)64歳未満の要介護者等を含む。 |
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(注2)在宅要介護者等については、医師による診断を受け認知症と診断された者の割合 |
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(注3)「認知症あり」のランクは、「痴呆性老人(認知症高齢者)の日常生活自立度判定基準」による。 |
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ランクIIIとは「日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さがときどきみられ、介護を必要とする」状況をいう。 |
【認知症については、「コラム5」及び第2章第3節2(3)ウ「認知症高齢者支援対策の推進」を参照。】
要介護者等について、介護が必要となった主な原因についてみると、「脳血管疾患」が25.7%と最も多く、次いで、「高齢による衰弱」16.3%、「骨折・転倒」10.8%、「認知症」10.7%となっている。男女別では、男性の「脳血管疾患」が41.3%と特に多くなっている(図1-2-41)。
図1-2-41 要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因
イ 家族と介護
要介護者等のいる世帯について、その世帯構造をみると、「核家族世帯」が30.4%(うち約3分の2は「夫婦のみ世帯」)と最も多く、次いで「三世代世帯」が29.4%、「単独世帯」20.2%、「その他の世帯」(単独世帯、核家族世帯、三世代世帯以外の世帯のことであり、高齢者と子ども夫婦が同居している世帯などが該当する。)20.0%の順となっている。
単独世帯における要介護度の構成割合をみると、「要支援」(32.1%)、「要介護1」(42.4%)で、両者を足した割合は7割を超えている。一方、「要介護2」以上の割合は他の世帯形態に比べ低くなっているが、これらは要介護度が重くなると、家族との同居や施設への入所等を選択する者が増加することによるものと考えられる。
また、夫婦のみの世帯についてみると、「要介護4」が10.1%、「要介護5」も8.1%となっており、介護サービスを利用しなければ、配偶者一人に大きな負担がかかるケースも相当なレベルで存在している(図1-2-42)。
図1-2-42 要介護者等のいる世帯における要介護度別の構成割合
要介護者等からみた同居している主な介護者の続柄をみると、妻が16.5%、息子の妻が19.9%、娘が11.2%などとなっており、これらを合計すると49.5%と女性が主な介護者のほぼ半数を占めている。
一方で、男性が主な介護者となっている割合は16.6%と少なく、夫(8.2%)と息子(7.6%)はほぼ同じくらいの割合となっているが、娘の夫は0.4%と1%に満たない(図1-2-43)。
図1-2-43 要介護者等からみた主な介護者の続柄
また、要介護者等と同居している主な介護者の年齢についてみると、要介護者等が65歳以上の高齢者の場合、その主な介護者の半数以上が60歳以上の者となっており、いわゆる「老老介護」のケースも相当数存在していることがわかる(図1-2-44)。
図1-2-44 要介護者等と同居している主な介護者の年齢階級別構成割合
家族の中ではだれに介護を望むのかについてみると、男女とも「配偶者」の割合が最も高いが、女性は「娘」の割合も高くなっている(図1-2-45)。
図1-2-45 家族の中ではだれに介護を望むか
同居している主な介護者が1日のうち介護に要している時間をみると、「必要な時に手をかす程度」が44.7%、「ほとんど終日」21.6%となっている。要介護度別にみると、要支援者、要介護1及び要介護2では「必要な時に手をかす程度」が最も多くなっているが、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多くなっており、要介護5では約半数がほとんど終日介護している。なお、平成16(2004)年の調査を13(2001)年の調査と比較すると、「ほとんど終日」が5.8ポイント、「半日程度」が2.1ポイント減少する一方で、「必要な時に手をかす程度」が6.8ポイント増加している(図1-2-46)。
図1-2-46 同居している主な介護者の介護時間(要介護者等の要介護度別)
【介護保険制度や介護サービスについては、第2章第3節2(2)「介護保険制度の着実な実施」及び(3)「介護サービスの充実」を参照。】