第1章 高齢化の状況(第2節 4 (1))
第2節 高齢者の状況
4 高齢者と社会・地域
(1)高齢者の社会参加活動
ア 近所の人たちとの交流・友人の有無
60歳以上の高齢者の近所の人たちとの交流についてみると、「親しく付き合っている」は52.0%、「あいさつをする程度」は40.9%となっている。男女別にみると、男性より女性の方が「親しく付き合っている」割合が高くなっている(図1-2-47)。
図1-2-47 近所の人たちとの交流
また、親しい友人の有無についてみると、「友人がいる」の割合は70.1%となっており、友人の性別は、「同性の友人だけがいる」が50.4%、「同性・異性両方の友人がいる」が18.5%、「異性の友人だけがいる」1.2%となっている。また、友人がいない者の割合は男性26.9%に対し女性32.5%と、女性の方が高くなっている(図1-2-48)。
図1-2-48 親しい友人の有無
イ グループ活動への参加
60歳以上の高齢者のグループ活動への参加状況についてみると、54.8%が何らかのグループ活動に参加している。具体的な活動では、「健康・スポーツ」25.3%、「趣味」24.8%、「地域行事」19.6%、「生活環境改善」9.1%の順となっている。
男女別にみると、男性は「健康・スポーツ」の割合が最も高く、女性は「趣味」の割合が最も高くなっている(図1-2-49)。
図1-2-49 高齢者のグループ活動への参加状況(複数回答)
高齢者がグループ活動に参加したきっかけは、「友人、仲間のすすめ」(男性37.0%、女性48.5%)、「個人の意思で」(男性33.9%、女性32.1%)、「自治会、町内会の呼びかけ」(男性28.5%、女性17.9%)の割合が高くなっている(図1-2-50)。
図1-2-50 グループ活動に参加したきっかけ(複数回答)
一方で、グループ活動に参加しなかった者も半数近くおり、その理由として、「健康・体力に自信がないから」(男性32.9%、女性41.7%)、「家庭の事情(病人等)があるから」(男性19.5%、女性23.9%)の割合が高いが、「どのような活動が行われているか知らないから」、「気軽に参加できる活動が少ないから」、「同好の友人・仲間がいないから」もそれぞれ1割程度となっている(図1-2-51)。
図1-2-51 グループ活動に参加しなかった理由(複数回答)
なお、高齢者が参加する団体や組織としては、「町内会・自治会」(39.1%)、「趣味のサークル・団体」(22.0%)、「老人クラブ」(20.9%)などが多く、これに対し「ボランティア団体」(6.0%)、「シルバー人材センターなどの生産・就業組織」(1.9%)、「市民活動団体(NPO)」(1.7%)は少数にとどまっている(複数回答)。
【高齢者のボランティア活動を通じた能力の発揮や社会参加活動の促進については、第1章第3節「人口減少社会における高齢者の能力発揮」及び第2章第3節3(2)「社会参加活動の促進」を参照。】
ウ 学習活動への参加
60歳以上の高齢者の学習活動への参加状況についてみると、何らかの学習活動に参加している者の割合は21.4%となっている。具体的な活動では、「カルチャーセンターなどの民間団体が行う学習活動」が10.6%、「公的機関が高齢者専用に設けている高齢者学級など」が5.5%などとなっている(図1-2-52)。
図1-2-52 高齢者の学習活動への参加状況(複数回答)
また、学習活動に参加しなかった高齢者について、その理由をみてみると、「関心がない」(男性28.9%、女性25.1%)、「健康上の理由、体力に自信がない」(男性19.4%、女性31.1%)、「時間的・精神的ゆとりがない」(男性23.8%、女性18.4%)、「他にやりたいことがある」(男性14.9%、女性8.4%)などが上位を占めているが、「やりたい活動がみつからない」(男性9.8%、女性10.7%)、「適当な場がみつからない」(男性6.7%、女性8.1%)など、学習活動に参加する動機やきっかけがないことを理由としている者も相当数見受けられる(図1-2-53)。
図1-2-53 学習活動に参加しなかった理由(複数回答)
【学習活動については、第2章第3節3(1)「生涯学習社会の形成」を参照。】