第1章 高齢化の状況(第2節 2(1))
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
2 高齢者の経済状況
(1)高齢者世帯で生活が苦しいとする割合は低い
高齢者の生活意識をみると、高齢者世帯(65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯)では、現在の暮らしについて「普通」とする世帯の割合が40.1%、「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計)とする世帯の割合は54.7%であるが、全世帯と比べれば「苦しい」とする世帯の割合は低い(図1-2-12)。
図1-2-12 高齢者世帯における生活意識
60歳以上の高齢者が現在の経済的な暮らし向きについてどのように考えているのかについて、平成18(2006)年度、13(2001)年度及び7(1995)年度の調査と比較すると、「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」及び「家計にゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」の割合はそれぞれ低下している(図1-2-13)。
図1-2-13 経済的な暮らし向き
また、経済的な暮らし向きが1年前と比べてどのように変わったかをみると、「かわらない」が58.9%と最も多いが、「悪くなった(「どちらかといえば悪くなった」と「悪くなった」の合計)」が35.7%と3分の1が悪くなったと感じている(表1-2-14)。
表1-2-14 経済的な暮らし向きの変化
60歳以上の高齢者が生活費の不足にどう対応するかについてみると、「生活費を節約する」が65.5%と最も高く、次いで、「貯蓄」が55.3%となり、「子供からの援助(同居を含む)」(26.3%)を大きく上回っており、経済的に自立した高齢者が多くなっている(図1-2-15)。
図1-2-15 高齢期の生活費不足分の対応方法(3つまでの複数回答)