第1章 高齢化の状況(第3節 1(1))

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第3節 前例のない高齢社会に向けた対策・取組の方向性

1 前例のない高齢社会に向けた課題

(1)人口の40%が高齢者である前例のない高齢社会が現出する

65歳が高齢者という現在の考え方を踏襲するとすれば、2005年に高齢化率が20%を超え、世界で最も高齢化が進んだ国となった我が国は、今後、人口減少という局面の中で高齢者の増加が続くことで高齢化の一層の進行が見込まれ、50年後の2055年には40%に達すると推計されている。これは世界中のどの国も経験したことのない水準であり、全人口の5人に2人が高齢者という前例のない高齢社会が現出することとなる。

また、後期高齢者が全人口に占める割合で見ても、2035年には20%を超え、2055年には26.5%に達し、全人口の4人に1人は後期高齢者という社会になることが予想されている。

さらに従来、都市化により若年者が流出した地方の問題とされてきた高齢化は、今後、流入した人たちが高齢期に達することで都市部においても顕在化し、我が国全体の問題として捉えることが必要になる。

このような前例のない高齢社会の到来の影響を、社会を支える人と支えられる人の比率で見ても、15歳以上65歳未満の生産年齢人口を支える人とし、65歳以上の高齢者人口を支えられる人とすると、現在高齢者1人を生産年齢人口3.3人で支えているものが、2055年には高齢者1人を生産年齢人口1.3人が支えるという社会となることが予想されている。こうした比率の変化は、支えられる人たちの不安感と支える人たちの負担感につながっている。

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