第1章 高齢化の状況(第3節2(1))

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第3節 高齢者の社会的孤立と地域社会 ~「孤立」から「つながり」、そして「支え合い」へ~

2 高齢者の社会的孤立の背景

(1)世帯構成の変化 ~高齢者単身世帯の増加~

<1>高齢者単身世帯・高齢夫婦世帯の増加

単身世帯は、同居家族がいないので、友人や地域の人との付き合いがなければ孤立しやすい。また、高齢夫婦世帯は、夫婦がそろって健康でいる間はよいが、どちらかが亡くなったあと、子どもと同居しなければ単身世帯となる可能性が高い。
65歳以上の高齢者のいる世帯の世帯構成をみると、三世代世帯が減少し、単独世帯・夫婦のみ世帯が増えており、世帯構成の観点からみた社会的孤立のリスクは高まっているといえる(図1-2-1-1を参照)。

<2>婚姻率と離婚率の変化

婚姻率と離婚率も変化している。婚姻率は昭和22年の12.0(人口千対)をピークに長期的には低下しており、一方、離婚率は平成14年をピークに低下しているものの長期的には上昇傾向にある。未婚者・離婚者は、既婚者に比べて単身世帯になりやすいことから、社会的孤立のリスクが高い。現時点での高齢者に占める未婚者・離婚者の比率はそれほど高くないが、近年の婚姻率の低下、離婚率の上昇が、今後の高齢者の孤立を深刻化させる可能性がある(図1-3-5、1-3-6)。

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