第1章 高齢化の状況(第3節3(1))

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第3節 高齢者の社会的孤立と地域社会 ~「孤立」から「つながり」、そして「支え合い」へ~

3 高齢者の社会的孤立が生み出す問題

次に、高齢者の生きがい、孤立死、高齢者による犯罪、高齢者が巻き込まれる消費トラブルと社会的孤立との関係について考察する。

(1)社会的孤立と生きがい

人との交流は生活に楽しみや喜びをもたらす。調査によれば、高齢者全体では8割の人が生きがいを感じているが、友人がいない人では4割、近隣との付き合いをしていない人では6割にとどまっている(図1-3-7)。

また、高齢者における「別居している子との接触頻度」について諸外国と比べると、我が国の高齢者は別居している子との接触頻度が低い者が多く(図1-2-1-7を参照)、「子どもや孫と家族団らんの時」や「友人と食事や雑談する時」、「若い世代と交流している時」等、家族や友人等との交流で生きがいを感じる高齢者は諸外国と比べて少ない(図1-3-8)。

社会的孤立は、孤立死、犯罪、消費トラブルなど顕在化する問題の素地となるだけではなく、生きがいや尊厳といった外部から見えない高齢者の内面にも深刻な影響をもたらしている。

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