第1章 高齢化の状況(第2節2)
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
2 高齢者の経済状況
○高齢者世帯は、世帯人員一人当たりの年間所得が全世帯平均と大きな差はなく、6割強の世帯は所得が公的年金・恩給のみ
- 高齢者世帯の平均年間所得は297.0万円で、全世帯平均(547.5万円)の半分強(表1-2-3)。
- 世帯人員一人当たりでは、高齢者世帯の平均世帯人員が少ないことから、192.9万円となり、全世帯平均(208.4万円)との間に大きな差はみられない。
- 高齢者世帯の約6割において、所得が公的年金・恩給のみとなっている(図1-2-4)。
区分 | 平均所得金額 | |||
---|---|---|---|---|
一世帯当たり | 世帯人員一人当たり(平均世帯人員) | |||
高齢者世帯 | 総所得 | 297.0万円 | 192.9万円(1.54人) | |
稼働所得 | 52.6万円 | (17.7%) | ||
公的年金・恩給 | 209.8万円 | (70.6%) | ||
財産所得 | 17.7万円 | (6.0%) | ||
年金以外の社会保障給付金 | 3.2万円 | (1.1%) | ||
仕送り・その他の所得 | 13.7万円 | (4.6%) | ||
全世帯 | 総所得 | 547.5万円 | 208.4万円(2.63人) | |
資料:厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成21年)(同調査における平成20年1年間の所得) | ||||
(注)高齢者世帯とは、65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯をいう。 |
○世帯主が65歳以上の世帯では、一人当たりの支出水準は全世帯平均を上回り、貯蓄は全世帯平均の1.4倍
- 世帯主が65歳以上の世帯の一人当たりの支出(年間)は131.0万円で、全世帯平均の122.3万円を上回る(図1-2-5)。
- 世帯主が65歳以上の世帯の平均貯蓄額2,305万円で、全世帯平均1,638万円の約1.4倍、4,000万円以上の貯蓄を有する世帯主が65歳以上の世帯は16.8%であり、全世帯(10.0%)の1.7倍に近い水準(図1-2-6)。
○生活保護受給者(被保護人員)は増加傾向
- 平成21(2009)年における65歳以上の生活保護受給者は69万人で、前年より増加(図1-2-7)。
- 平成21(2009)年では65歳以上人口に占める65歳以上の生活保護受給者の割合は2.37%であり、全人口に占める生活保護受給者の割合(1.31%)より高くなっている。