第1章 高齢化の状況(第2節6(1))
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
6 高齢者の生活環境
(1)高齢者の住環境
ア 高齢者の9割は現在の住居に満足しており、体が弱っても自宅に留まりたい人は7割弱
60歳以上の高齢者に現在の住宅の満足度について聞いてみると、「満足」又は「ある程度満足」している人は総数で89.3%、持家で91.2%、賃貸住宅で69.9%となっている(図1-2-6-1)。
さらに、同調査で現在住んでいる住宅について不満な点をみると、不満の理由は「住宅が古くなったりいたんだりしている」が16.8%、以下、「庭の手入れが大変」が10.5%、「住宅の構造や設備が使いにくい」が7.0%となっているが、「特に不満はない」が61.4%となっている。
60歳以上の高齢者が、身体が虚弱化したときに望む居住形態についてみてみると、「自宅に留まりたい」(「現在のまま、自宅に留まりたい」と「改築の上、自宅に留まりたい」の合計)とする人が約3分の2となっているが、韓国、アメリカ、ドイツ、スウェーデンと比較すると、スウェーデンに次いで低い数字となっている。また、自宅に留まりたい人の中でも「改築の上」で留まりたいとする人の割合は、日本は韓国に次いで低いが、5年前と比較するとやや上昇している(図1-2-6-2)。
イ 高齢者は家庭内事故が多く、最も多い事故時の行動は「歩いていた(階段の昇降を含む)」
全国20の危害情報収集協力病院から提供された事故情報では、65歳以上高齢者の方が20歳以上65歳未満の人より住宅内での事故発生の割合が高く、65歳以上高齢者の事故時の場所別・行動別にみると、場所では、「居室」25.8%(1,072件)、「階段」13.1%(543件)、「台所」11.9%(495件)が多く、行動では、「歩いていた(階段の昇降を含む)」が最も多く29.0%と3割近くを占める(図1-2-6-3)。