第1章 高齢化の状況(第3節2)

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第3節 地域における高齢者の「出番」と「活躍」~社会的孤立を超えて地域の支え手に~

2 国際比較調査で見る日本の高齢者の特徴

○ 国際比較で見ると、日本は「ほとんど毎日会話している」人の割合がアメリカに次いで高いが、友人、近所の人との関係は希薄

内閣府が、日本、韓国、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの5か国で60歳以上の人を対象に実施した意識調査(国際比較調査)の結果から、日本の高齢者の社会的孤立の状況を見てみる。

まず、日常における「会話の頻度」を見ると、日本は、「ほとんど毎日」会話している人の割合が88.3%とアメリカに次いで高くなっている(図1-3-2-1)。

その一方で、「近所の人たちとの挨拶以外の会話の頻度」を見ると、日本は「ほとんど毎日」の割合が5か国中最も低く、週に1回以下(「週に1回」と「ほとんどない」の合計)の人は47.9%で5か国中最も高かった(図1-3-2-2)。

また、「同居の家族以外で困ったときに頼れる人」がいない割合は、日本は20.3%と韓国とほぼ並ぶものの、5か国中最も高かった。また、「同居の家族以外で困ったときに頼れる人」として「別居の家族・親族」を挙げる人の割合は、日本は60.9%と韓国、スウェーデンより高いが、「友人」、「近所の人」を挙げる人の割合は17.2%、18.5%とそれぞれ5か国中最も低いという結果になった(図1-3-2-3)。

次に、「家族以外の人で相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人」の有無をきいたところ、「いない」と答えた人の割合は、日本は26.2%と韓国に次いで高い。また、そのような友人がいる場合でも、アメリカ、ドイツ、スウェーデンと比較して、「同性の友人」だけがいると答えた人の割合(53.2%)が高く、「同性と異性両方の友人がいる」割合(19.5%)は低くなっている(図1-3-2-4)。

同調査によれば、世帯構成は、日本は他の4か国より単身世帯の割合が低く、同居の家族がいる世帯の割合が高くなっており(図1-3-2-5)、また、困ったときに頼るのは、同居の家族以外では友人や近所の人より別居の家族・親族であることから、日本の高齢者は家族・親族という血縁関係を中心に人間関係を構築しており、近所の人や友人との関係がやや希薄である様子がうかがえる。

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