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第1章 第3節 2 団塊の世代の就労

第3節 団塊の世代の意識

2 団塊の世代の就労

60歳以降、パート・アルバイトで働く人が多くなっている

就業形態について60歳時と現在を比較してみると、60歳時は「正社員・職員(一般社員)」が最も多く28.8%であり、次いで「パート・アルバイト」15.9%、「個人事業主」15.1%、「正社員・職員(管理職)」13.8%となっている。一方、現在の就業形態は、「パート・アルバイト」が最も多く27.6%であり、次いで「個人事業主」21.4%、「嘱託・契約社員」17.7%となっている。

60歳以降、定年等を境に正社員から、嘱託・契約社員、パート・アルバイトの非正規社員に移行していることがうかがえる(図1-3-6)。

図1-3-6 団塊の世代の就業形態の変化

仕事をする理由は「健康維持」、「生きがいがほしいため」が増加

仕事をしている理由について60歳時と現在を比較してみると、60歳時は、「生活費を得るため」が最も多く73.0%であり、次いで「将来に備えて蓄えを増やすため」43.0%、「ローン返済のため」23.0%、「生活費の不足を補うため」21.3%の順となっている。一方、現在仕事をしている理由は、「生活費を得るため」は55.4%であり、次いで「生活費の不足を補うため」32.6%、「健康維持のため」32.3%、「将来に備えて蓄えを増やすため」29.6%となっている。

いずれの時点でも「生活費を得るため」の割合は高いが、60歳の時に比べて現在は、経済的理由が減少し、経済的理由以外の理由、すなわち、「健康維持のため」や「生きがいがほしいため」22.5%といった理由が増加している(図1-3-7)。

図1-3-7 団塊の世代の就労目的の変化(複数回答)

働けるうちはいつまでも働きたい

何歳まで働きたいか就労希望年齢をみると、「働けるうちはいつまでも」が最も多く25.1%であり、次いで「70歳まで」が21.3%となっており、65歳以降も働くことを希望する割合は50%を超えている。しかし一方で、「働きたいとは思わない」が20.6%、「65歳まで」が16.1%、「今すぐにでも辞めたい」が1.8%と、65歳までで退職したいと希望する人が38.5%となっている。

現在仕事をしている人に限ってみてみると、「働けるうちはいつまでも」が33.5%、「70歳まで」が29.3%、「75歳まで」が5.3%となっており、65歳以降も働くことを希望する割合は69.1%と高くなっている(図1-3-8)。

このように、団塊の世代は就労意欲が高いことから、就労を希望する人が活躍できる環境の整備を図ることが必要である。

高齢期は、本人の健康、体力等に個人差があり、就業形態、就業時間など働き方のニーズは多様化することから、ニーズに対応した就業環境を整備することにより、就業の機会を確保することが重要である。また、企業における就労のほか、コミュニティ・ビジネスの起業等も雇用の受け皿になることから、起業に向けた支援を行うことも重要であろう。

図1-3-8 団塊の世代の就労希望年齢
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