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第2章 第3節 2 (3)介護サービスの充実

第3節 分野別の施策の実施の状況

2 健康・介護・医療等分野に係る基本的施策

(3)介護サービスの充実

ア 必要な介護サービスの確保

地域住民が可能な限り、住み慣れた地域で介護サービスを継続的・一体的に受けることのできる体制(地域包括ケアシステム)の実現を目指すため、訪問介護と訪問看護が密接に連携した「定期巡回・随時対応サービス」や、小規模多機能型居宅介護と訪問看護の機能をあわせ持つ「複合型サービス事業所」等の在宅サービス拠点の充実や、サービス付き高齢者向け住宅等の高齢者の住まいの整備等を進めた。

さらに、介護人材を確保するため、介護労働者の雇用管理改善や人材の参入促進を図った。具体的に雇用管理改善については、介護労働者の労働環境の改善に役立つ介護福祉機器・雇用管理制度の導入に対する助成措置や雇用管理責任者に対する介護労働者の雇用管理全般についての講習などを実施した。人材の参入促進を図る観点からは、介護に関する専門的な技能を身につけられるようにするための離職者訓練の充実を図るとともに、全国の主要なハローワークに設置する「福祉人材コーナー」において、きめ細かな職業相談・職業紹介、求人者への助言・指導等を実施することに加え、「福祉人材コーナー」を設置していない主要なハローワークにおいても相談体制を整備し、福祉分野の職業相談・職業紹介、職業情報の提供及び「福祉人材コーナー」への利用勧奨等の支援を実施した。

また、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けていくことができるよう、①総合相談支援、②虐待の早期発見・防止などの権利擁護、③包括的・継続的ケアマネジメント支援、④介護予防ケアマネジメントといった機能を担う地域の中核機関として、平成18年4月以降、地域包括支援センターの設置を進めており、平成24年4月末時点で4,328カ所と、全ての市町村において設置されている。

平成20年7月には、介護についての理解と認識を深め、介護サービス利用者及びその家族、介護従事者等を支援するとともに、これらの人たちを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進するため、「11月11日」を「介護の日」とし、介護に関する啓発を重点的に実施している(図2-3-5)。

図2-3-5 介護の日ポスター

平成24年度は、都道府県・市区町村、介護事業者、関係機関・団体等の協力を得つつ、「介護の日」に合わせ、国民への啓発のための取組を重点的に実施した。

なお、医療・介護ベッドに係る死亡等の重大な事故が続いていることから、各福祉用具貸与事業者に対し、危険性及び対応策について介護者に説明するよう緊急依頼した。

イ 介護サービスの質の向上

介護保険制度の運営の要である介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質の向上を図るため、引き続き、実務研修及び現任者に対する研修を体系的に実施した。なお、研修水準の平準化を図るため、現任者に対する研修である専門(更新)研修の指導者用のガイドラインを策定し周知した。また、地域包括支援センターにおいて、介護支援専門員に対する助言・支援や関係機関との連絡調整等を行い、地域のケアマネジメント機能の向上を図った。

また、高齢者の尊厳の保持を図る観点から、介護従事者等による高齢者虐待の防止に向けた取組を推進した。

利用者のサービス選択に資するため、平成18年4月から施行した「介護サービス情報の公表」制度については、より広く利用されることが重要であることから、平成24年10月にインターネットを使った公表システムの見直しを行い、利便性の向上を図るとともに、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所での利活用を促進し、インターネットに馴染みのない利用者への情報提供等の取組を行った。あわせて、「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が可決成立し、平成24年4月より公表事務の効率化と公表される情報の正確性を担保する観点から、事業者が報告した情報について、都道府県知事が必要と認める場合に調査することができる仕組みへ変更を行った。

また、同法により介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等においては、医師又は看護職員との連携による安全確保が図られていること等、一定の条件の下で喀痰吸引等の医行為を実施できることとなった。

ウ 認知症高齢者支援施策の推進

平成24年度においては、6月に厚生労働省内の認知症施策検討プロジェクトチームで「今後の認知症施策の方向性について」を取りまとめ、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現を目指すこととし、9月にこれに沿った平成25年度からの5か年間の認知症施策の具体的な計画である「認知症施策推進5か年計画」を策定した。また、平成23年度に引き続き、医療機関や介護サービス及び地域の支援機関をつなぐコーディネーターとしての役割を担う認知症地域支援推進員の配置や認知症の人の福祉を増進する観点から市民後見活動の推進等を行った。

なお、平成17年度に開始した、認知症の正しい知識の普及を図り、認知症の人が尊厳をもって地域で暮らし続けることを支える「地域づくり」を推進していくための広報キャンペーンについては、「認知症サポーターキャラバン」等を始めとする取組が各地域において推進されるよう、引き続き必要な支援を行ったところ。

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