第1章 高齢化の状況

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第3節 一人暮らし高齢者に関する意識

2 人とのつきあいに関する意識

(1)男性の多くは、ちょっとした用事では頼りたいとは思わない、あるいは頼める人がいない

日常のちょっとした用事を頼みたい相手をみると、子供がいる女性は「子」(46.1%)が最も多く、次いで、「そのことで頼りたいとは思わない」(20.5%)となっている。子供がいない女性は「そのことで頼りたいと思わない」(30.8%)が最も多く、次いで、親戚や友人以外の「その他の人」(17.4%)、「兄弟姉妹・親戚」(15.9%)、「近所の人」(12.8%)と多様である。

一方、男性は子供の有無に関わらず「そのことで頼りたいと思わない」が最も多く(子供あり50.3%、子供なし54.8%)、次いで「あてはまる人はいない」が続く(子供あり20.2%、子供なし32.2%)(図1-3-4)。

図1-3-4 ちょっとした用事を頼む人(複数回答)

(2)一緒にいるとほっとするのは子。そのほか男性は「あてはまる人はいない」、女性は「友人」が多い

一緒にいてほっとできる相手をみると、子供がいる人については、男女とも子(男性34.0%、女性58.8%)が最も多いが、次いで、男性は「あてはまる人はいない」(32.1%)、女性は「友人」(27.9%)となっている。一方、子供がいない人については、男性は「あてはまる人はいない」(51.4%)が半数以上となり、女性は「友人」(33.8%)、「兄弟姉妹・親戚」(31.8%)、「あてはまる人はいない」(27.2%)と多様である(図1-3-5)。

図1-3-5 一緒にいてほっとする人(複数回答)

(3)会話の頻度が高いほど楽しみが多い

一人暮らし高齢者の「現在の楽しみ」の上位5位をみると、「テレビ・ラジオ」(78.8%)、「仲間とのおしゃべり」(53.1%)、「新聞雑誌」(44.0%)、「食事」(42.2%)、「散歩、ウォーキング、ジョギング」(31.7%)、となっている。会話の頻度別にみると、「毎日会話している」人はほとんどの項目で総数を上回っており、楽しみの幅が広いといえる。また、毎日会話している人の上位5位をみると「散歩、ウォーキング、ジョギング」にかわり「旅行」(37.3%)が5番目に多い(図1-3-6)。

図1-3-6 現在の楽しみ(複数回答)

子供のいない一人暮らし高齢者にあっては、特に男性において、一緒にいてほっとできる人や日常のちょっとした用事を頼むことができる人がいないという者が多い状況であり、子供や兄弟姉妹・親戚のような垣根の低いつきあいができる、地域の環境づくりが必要であろう。

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