第2章 高齢社会対策の実施の状況
第2節 分野別の施策の実施の状況
主な取組
1 就業・年金
○年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた取組
「労働契約法」(平成19年法律第128号)第18条に基づき、同一の使用者との間で5年を超えて有期労働契約を反復更新した場合に、労働者の申込みにより無期労働契約に転換できるルールが導入されている。このルールに関し、定年後引き続いて雇用される高齢者について、高齢者の特性に応じた雇用管理が図られる場合に、その引き続き雇用される期間は、無期転換申込権が発生しないこととする特例を設けること等を規定した「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が、第187回国会にて成立した。
○持続可能で安定的な公的年金制度の確立
平成24年に成立した「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」(平成24年法律第99号)や「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」(平成24年法律第62号)に基づき、消費税率8%への引き上げによって確保した安定財源をもとに、基礎年金国庫負担割合2分の1を恒久化した。
○働き方やライフコースの選択に中立的な年金制度の構築
国民会議の報告書や社会保障制度改革プログラム法において短時間労働者への被用保険の適用拡大が検討課題として挙げられ、平成26年6月24日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」では、働き方に中立的な社会保障制度としていく方策として、被用者保険の適用拡大の検討を進めることとされた。これを踏まえ、この問題をさらに一歩前に進めるための方策について、社会保障審議会年金部会等で議論を行った。