第1章 高齢化の状況(第3節 1-1)
第3節 国際比較調査に見る日本の高齢者の生活と意識の特徴(1)
内閣府では、日本の高齢者と諸外国の高齢者の生活と意識を調査するため、昭和55年度から5年ごとに「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を実施しており、令和2年度で9回目となる。
令和2年度「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」では、日本、アメリカ、ドイツ及びスウェーデンの60歳以上の人を対象に、前回実施した平成27年度調査と同様の調査項目である、家庭生活、健康や医療・福祉サービス、経済的な暮らし、仕事、住宅や生活環境、友人・知人との交流、社会活動、情報収集、生きがいや生活満足度等に加え、新型コロナウイルス感染症が世界的にまん延する中、新型コロナウイルス感染症の拡大による生活への影響について調査を行ったが、この白書では、その結果の一部を紹介する。
内閣府「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(令和2年度)
・調査対象国:日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデン
・調査対象者:各国の60歳以上の男女(施設入所者は除く)
・調査時期:令和2年12月~令和3年1月
・有効回答数:日本1,367人、アメリカ1,006人、ドイツ1,043人、スウェーデン1,528人
※1 本調査については、本格的な高齢期を迎える前からの年代による意識の違い等についても把握するため、60歳以上の男女を調査対象としている。
※2 本調査については、面接調査にて調査を実施してきたが、令和2年度調査は、新型コロナウイルス感染症感染防止のため、調査方法を郵送調査、電話調査又は面接調査に変更して実施したことから、過去の結果との比較について留意する必要がある。
[調査対象者の主な基本属性]
性別 | (%) | ||||||
全体 | 男 | 女 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 1,367 | 47.6 | 52.4 | ||||
アメリカ | 1,006 | 42.2 | 57.8 | ||||
ドイツ | 1,043 | 45.0 | 55.0 | ||||
スウェーデン | 1,528 | 49.9 | 50.1 | ||||
年齢 | (%) | ||||||
全体 | 60~64歳 | 65~69歳 | 70~74歳 | 75~79歳 | 80~84歳 | 85歳以上 | |
日本 | 1,367 | 14.3 | 22.1 | 27.2 | 16.9 | 10.5 | 9.1 |
アメリカ | 1,006 | 18.8 | 22.8 | 20.8 | 17.3 | 10.9 | 9.4 |
ドイツ | 1,043 | 25.7 | 20.0 | 19.6 | 18.6 | 11.1 | 5.0 |
スウェーデン | 1,528 | 19.8 | 21.5 | 23.2 | 16.6 | 10.3 | 8.5 |
1 老後生活の満足度について
(1)各国の60歳以上の人の8割超が現在の生活に満足している
各国の60歳以上の人に、総合的にみて、現在の生活に満足しているか尋ねたところ、現在の生活に満足していると回答した割合(「満足している」と「まあ満足している」の計)は、アメリカ94.6%(95.2%(平成27年度調査。以下本節で同じ。))、スウェーデン92.2%(97.1%)、ドイツ91.6%(91.9%)、日本81.6%(88.3%)となっている。
平成27年度調査と比較すると、各国ともに割合は減少しているものの、各国の60歳以上の人の8割超が現在の生活に満足していると回答している(図1-3-1)。