第1章 高齢化の状況(第3節 1-2)

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第3節 国際比較調査に見る日本の高齢者の生活と意識の特徴(2)

2 経済的な暮らし及び就労意識について

(1)各国の60歳以上の人の老後生活における主な収入源は公的年金と就労収入

各国の60歳以上の人に、主な収入源を尋ねたところ、いずれの国も「公的な年金(国民年金、厚生年金など)」とする回答割合が最も高く、次いで「仕事による収入」の回答割合が高くなっており、2つを合わせた回答割合は日本88.2%(94.2%)、ドイツ86.1%(87.5%)、アメリカ70.8%(77.5%)、スウェーデン61.5%(89.3%)の順となっている。

平成27年度調査と比較すると、日本は、「公的年金(国民年金、厚生年金など)」、「仕事による収入」の割合が減少する一方、それ以外の回答が増加している。他の国をみると、アメリカ、スウェーデンは、「仕事による収入」が減少しているが、ドイツは増加している。また、「公的な年金(国民年金、厚生年金など)」はアメリカ、ドイツ、スウェーデンとも減少している(図1-3-2)。

(2)日本の高齢者は高い就労意欲を持ち続けている

各国の60歳以上の人に、今後、収入を伴う仕事をしたいか尋ねたところ、日本を除く国の過半数が「収入の伴う仕事をしたくない(辞めたい)」と回答している。

一方、「収入の伴う仕事をしたい(続けたい)」とする割合は、日本が40.2%(44.9%)と最も高く、次いでアメリカ29.9%(39.4%)、ドイツ28.1%(22.7%)、スウェーデン26.6%(36.6%)の順となっている。

平成27年度調査と比較すると、ドイツを除き割合は減少しているものの、他国と比較して日本の高齢者の就労意欲は高い傾向が見られる(図1-3-3)。

(3)収入の伴う仕事をしたい主な理由は、日本は「収入が欲しいから」、他国は「仕事が面白いから」

「収入を伴う仕事をしたい(続けたい)」と回答した各国の60歳以上の人に、収入を伴う仕事をしたい(続けたい)理由を尋ねたところ、日本は「収入が欲しいから」、その他の国は「仕事そのものが面白いから、自分の活力になるから」と回答した割合が最も高くなっている。次に高い回答割合となっているものをみると、日本は「働くのは体によいから、老化を防ぐから」、その他の国は「収入が欲しいから」となっており、各国の60歳以上の人の仕事に求めるものの違いが表れている。

平成27年度調査と比較すると、日本、ドイツ、スウェーデンは「収入がほしいから」と回答した割合が増加している(図1-3-4)。

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