第2章 令和7年度高齢社会対策の実施の状況(第2節 3)

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第2節 分野別の施策の実施の状況(3)

3 学習・社会参加

(1) 加齢に関する理解の促進

○ 児童生徒が高齢社会の課題や高齢者に対する理解を深めるため、学習指導要領に基づき、小・中・高等学校において、ボランティア等社会奉仕に関わる活動や高齢者との交流等を含む体験活動の充実を図った。

(2) 高齢期の生活に資する学びの推進

① デジタル等のテクノロジーに関する学びの推進

○ 高齢者等が、デジタル技術の利活用により豊かな生活を送ることができるようにするため、関係府省庁や地方公共団体・関連団体、ボランティア団体等と連携し、デジタル機器・サービスの利用方法、各地で実装されているデジタルサービス及びマイナンバーカード・マイナポータルの利用方法をサポートするなど、「デジタル推進委員」による国民運動としての取組を行っており、令和8年1月末時点で5万9,000人超を同委員に任命した。

○ 民間企業や地方公共団体等と連携し、スマートフォンを利用したオンライン行政手続等に対する助言・相談等を行うデジタル活用支援の講習会を全国の携帯電話ショップ等において実施している。令和7年度は、全国6,000か所以上で実施した。

② 社会保障教育及び金融経済教育の推進

○ 中学校学習指導要領の社会科や技術・家庭科、高等学校学習指導要領の公民科や家庭科において、少子高齢社会における社会保障の充実・安定化や介護に関する内容等が明記されていることを踏まえ、その趣旨の徹底を図るとともに、指導教材等について効果的な周知を図る等、若い世代が高齢社会を理解する力を養うために、教育現場において社会保障教育が正しく教えられる環境づくりに取り組んだ。

○ より公平・公正な社会保障制度の基盤となるマイナンバー制度については情報連携により、各種年金関係手続のほか、介護保険を始め高齢者福祉に関する手続において従来必要とされていた住民票の写しや課税証明書、年金証書等の書類が不要となっている。令和6年8月からは戸籍関係情報の情報連携の本格運用も開始され、本格運用の対象事務手続数は、平成29年11月の約900件から令和7年10月には約3,500件と順次拡大している。こうしたマイナンバー制度の取組状況について、地方公共団体等とも連携し、国民への周知・広報を行った。

○ 国全体として金融経済教育を推進するため、金融経済教育推進機構(以下「J-FLEC」という。)が令和6年8月より本格稼働しており、J-FLECにおける社会保障制度を含む幅広い分野の金融経済教育の取組を支援するなど、社会保障分野も含めた金融経済教育の充実に取り組んだ。

③ 消費者教育の推進

○ 「消費者教育の推進に関する基本的な方針」(令和5年3月閣議決定)に基づき、消費者教育コーディネーターの配置・育成の支援や、地域、家庭等の様々な場を活用した消費者教育の推進を図っている。令和7年度は、体験型教材「鍛えよう、消費者力 気づく・断る・相談する」を活用した周知啓発や、「全国消費者見守りネットワーク連絡協議会」等において周知・広報を行った。

○ 高齢者向け消費者教育教材とその活用事例集について、「消費者教育ポータルサイト」に取組事例を掲載するなど、地方公共団体での啓発講座等での活用を促進した。

④ 身近な場やオンラインでの学習機会の充実

○ 国民一人一人が生涯を通して学ぶことのできる環境の整備、多様な学習機会の提供、学習した成果が適切に評価されるための仕組みづくり等、「生涯学習社会」の実現のための取組を進めた。

ア 社会教育の振興

○ 地域住民の身近な学習拠点である公民館を始めとする社会教育施設等において、幅広い年齢層を対象とした多様な学習機会の充実を促進した。

○ 高齢者等の社会的に孤立しがちな住民の社会参画促進を図るため、行政や各種団体等で社会教育に携わる者を対象に、学びを通じた社会参画の実践による社会的孤立の予防・解消を図る方策を共有した。

イ 学校機能・施設の地域への開放

○ 学校は地域コミュニティの核となることから、児童生徒が地域住民とともに創造的な活動を企画・立案、交流するための「共創空間」を生み出す必要があることや、他の公共施設との複合化等を通じて、児童生徒や地域住民にとって多様な学習環境を創出する必要があることなどを周知している。

○ 公立学校施設の整備のうち学校以外の公共施設との複合化・集約化を伴う改築及び長寿命化改修について、一定の条件の下、国庫補助率を引き上げている(1/3から1/2)。

ウ 文化活動の振興

○ 国民文化祭の開催等による幅広い年齢層を対象とした文化活動への参加機会の提供、国立の博物館等における高齢者に対する優遇措置やバリアフリー化等による芸術鑑賞機会の充実を通じて多様な文化活動の振興を図った。

○ 博物館・美術館等を中核として、社会的・地域的な課題への対応に先進的に取り組む事業を補助する中で、文化活動の推進を図る取組を支援した。

エ スポーツ活動の振興

○ いつまでも健康で活力に満ちた長寿社会を実現するため、スポーツによる地域活性化推進事業を活用し、スポーツを通じた地域の活性化を推進するとともに、スポーツ行事の実施等の各種機会を通じて多様なスポーツ活動の振興を図った。

オ 自然とのふれあい

○ 国立公園等の利用者を始め、国民の誰もが自然とふれあう活動が行えるよう、インターネット等を通じて自然ふれあい施設や自然体験活動等の情報を提供した。

(3) 地域における社会参加活動の促進

① 多世代による社会参加活動の促進

ア 地域社会における課題解決に向けた担い手確保等の仕組みの構築・活用促進

○ 地域を支える人材の高齢化や人手不足が進む中で、幅広い世代の参画の下、地方公共団体、NPO、地域住民等の多様な主体の連携により、地域社会の課題解決に取り組むプラットフォームのモデル構築を図るため、多世代参画による地域活力プラットフォーム構築調査事業を行った。

イ 高齢者の社会参加と生きがいづくり

○ 高齢者の生きがいと健康づくりに向けて、地域を基盤とする高齢者の自主的な活動組織である老人クラブの加入者が長期的に減少傾向にある中で、各地域の状況に応じた活動が積極的に行われるよう、都道府県及び市町村が行う地域の高齢者の社会参加活動を支援した。

○ 国民一人一人が積極的に参加し、その意義について広く理解を深めることを目的とした「全国健康福祉祭(ねんりんピック)」について、令和7年10月に「第37回全国健康福祉祭ぎふ大会」を開催した。

○ 地域の社会教育を推進するため、社会教育を行う者に対する専門的・技術的な指導助言を行う社会教育主事等の専門的職員の養成等を図った。

○ 退職教員や企業退職高齢者等を含む幅広い地域住民や企業・団体等の参画を得て、地域全体で子供たちの学びや成長を支えるとともに、「学校を核とした地域づくり」を目指して、地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して行う「地域学校協働活動」を推進した。

○ 企業退職高齢者等が、地域社会の中で役割を持って生き生きと生活できるよう、有償ボランティア活動により一定の収入を得ながら自らの生きがいや健康づくりにもつながる活動を行い、同時に介護予防や生活支援のサービスの基盤整備を促進する高齢者生きがい活動促進事業を実施した。

○ 高齢者等の旅行需要を喚起するため、旅行が困難な方の需要の掘り起こしのための調査や高齢者等に対応した旅行商品造成に資するマニュアルを作成した。さらに、宿泊施設等におけるバリアフリー化に必要な施設整備や設備導入等の支援を行った。

○ 高齢者の社会参加や世代間交流の促進、社会活動を推進するリーダーの育成・支援、関係者間のネットワーキングに資することを目的に、地域参加に関心を持つ者が情報交換や多様な課題についての議論を行う「高齢社会フォーラム」を毎年行っており、令和7年度は、10月に熊本県熊本市において開催した。

○ 年齢にとらわれず自由で生き生きとした生活を送る高齢者(エイジレス・ライフ実践者)や社会参加活動を積極的に行っている高齢者の団体等を毎年広く紹介しており、令和7年度は個人32名及び32団体を選考し、広く国民に紹介した。

ウ 高齢者の余暇時間等の充実

○ 高齢者等がテレビジョン放送を通じて情報アクセスの機会を確保できるよう、字幕放送、解説放送及び手話放送の充実を図るため、テレビジョン放送事業者の字幕放送等の令和9年度までの普及目標値を定めた「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」を策定し、令和5年10月に同指針を改定した。本指針に基づき、各放送事業者は字幕放送等の普及に取り組んでおり、本指針対象番組に対する字幕放送の令和6年度実績において、日本放送協会(NHK)総合テレビジョン(NHK放送センター)及び在京キー5局等では100%を達成した。

② 地域住民を支援する専門人材・団体の活動基盤の整備

○ 市民やNPO等の活動環境を整備するため、認定NPO法人等の寄附税制の活用促進に取り組むとともに、NPO法の円滑な運用に取り組んだ。

○ NPO法人運営に係る手続の簡素化・効率化の観点から、NPO法に基づく各種事務をオンライン化したシステムの利用を促進した。

○ 開発途上国からの要請に見合った技術・知識・経験を有し、かつ開発途上国の社会や経済の発展への貢献を希望する国民が、JICA海外協力隊員(対象:20歳から69歳まで)として途上国の現場で活躍する、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じた事業(JICAボランティア事業)を推進した。

○ NPOや企業等の多様な主体と連携・協働して、社会教育施設における活動のみならず、環境や福祉、まちづくり等の社会の多様な分野における学習活動の支援を通じて、人づくりや地域づくりに携わると期待される「社会教育士」について、令和6年度末までに1万人超に称号が付与された。また、社会教育士等の社会教育人材の継続的な学びの機会の確保等を図るとともに、社会教育人材ネットワークを構築するため、令和6年度から新たに社会教育士フォローアップ研修を実施した(令和7年度は都道府県教育委員会や大学、法人格を有する団体に委託し、全国9箇所で実施)。

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